1994年10月20日木曜日

[改造] Apple PowerBook520,68kドーターカードのクロックアップ.....25MHz>>33MHz

[改造] Apple PowerBook520,68kドーターカードのクロックアップ.....25MHz>>33MHz
68kドーターカードのクロックアップ
使用したマシンは,PowerBook520(12MB/320MBHD/OS7.5/16Gray/DiskCash128KB)です.
クロックアップの方法にはいろいろありますが,基板上にスペース的な余裕のあるデスクトップマシンでは,元のクリスタルオシレーター(クリスタル)を取り外した後,クリスタルソケットを装着してより高速なオシレーターと交換する方法がよく用いられます.
基本的にPowerBook5XXのクロックアップも同じ方法で行いますが,ド-タ-ボード上に空きスペース(特に高さ)がないためにクリスタルソケットは用いることができません.いわゆる直付け(!)あるいはそれに近い方法を用います(^^;).
クリスタルには主にサイズの小さいチップ型と大きな缶型があり,ドーターボード上に本来装着されているのはチップ型クリスタルの方です.クロックアップするにはまず交換するクリスタルを探さなくてはいけないのですが,慣れないとこれが結構大変(^^;).良くわからない場合は秋葉辺りをうろついて,お店の方に『アシ4本の20MHzのクリスタルオシレーターありますか?』って聞いてみて下さい(^^).ドーターボード上に直接ハンダ付けするためにはチップ型のクリスタルが必要ですが,入手の容易さを考慮して今回は缶型のクリスタルを使用した例を紹介します.交換するクリスタルの周波数は目的とするクロック数の1/2のものを用います.つまり33MHzのCPUを40MHz(実際には80MHzですが)で動作させる場合,用意するクリスタルは20MHzということになりますね.
無事クリスタルを入手したら次はいよいよ取り付けです.チップ型を入手できた場合は話は簡単,クリスタルの向きに注意してハンダごてで交換するだけで済みます(^^;).しかし,通常は缶型のクリスタルを使用することになると思います.その場合クリスタルを接続するド-タ-ボ-ド上の4端子よりも交換するクリスタルの方が大きいため,直接ハンダ付けすることができません(つまりクリスタルの下に端子が隠れちゃうんですね).で,どうするかというと,クリスタルのアシとドーターボードをラッピングワイヤーでつなぐことでクロックを注入してやります(安易ですね・・・はい.(^^;)).
作例に用いたクリスタルは正方形タイプでしが,長方形タイプなど大きなクリスタルを用いる場合でド-タ-ボードシールド内におさまらない場合などはクリスタルをシ-ルド外部に増設することになります.また,クリスタルを2個以上使ってクロックを切り替えることも可能です.一応最後にそれらの方法も紹介します(^^).
▼準備
T8ドライバー
クリスタルオシレーター(目標とするCPUクロックの1/2の周波数のもの.33MHzから40MHzへのクロックアップには20MHzのオシレーターが必要)
ハンダごて(20Wくらいのもの)
ラッピングワイヤー(耐熱性の極細ワイヤー)
ビニールテープ
両面テ-プ
▼手順
まずはドーターボードからクリスタルをはずします.
ハンダ吸い取り器がある場合はそれを使用し,ない場合はハンダごてで溶かしながら少しずつドーターボードとクリスタルの間に隙間をつくります.結構簡単にとれると思います.
クリスタルがハンダ付けされていた4箇所の端子に,ラッピングワイヤ-(長さ20mm位)をハンダ付けします.
ラッピングワイヤ-の反対側に向きに注意して交換するクリスタルをつなぎ,ドーターボード,メモリーをロジックボードに戻して起動を確認します(この瞬間が一番楽しいんですよね(^^)).起動音がなれば,オシレーターの交換は一応成功しています.熱暴走の有無と各ポートが正常に働くかどうかを確認し,異常が認められた場合(T_T)は少し低い周波数のクリスタルに交換して下さい.冷却用素子やグリースを用いると熱暴走を若干押さえられます.交換するクリスタルが決まりましたら,一度ワイヤーから外します.
起動音がしない場合はショート及び断線,クリスタルの向きを確認します.場合によっては,元のクリスタルを再度繋ぐなどして原因を調べて下さい.
交換するクリスタルの4本のアシを根元から1mm位残して切り取り,ラッピングワイヤーをハンダ付けします.オシレーターにはショートを避けるために,あらかじめビニールテープなどを貼っておくと良いでしょう.ここでアシとアシ以外の缶の部分などをハンダで繋げないように注意して下さい.
ドーターボードとメモリーを装着し,ラッピングワイヤーを折り畳むようにしてクリスタルを元のクリスタルがあった辺りのスペースに置きます.あとはPowerBookを最初と逆の手順で組み上げれば完成です!もう一度PowerKeyを押して確認して下さい.
これはドーターボードシールド外にクリスタルを配した例です.ドーターボードシールドとマグネシウムフレームの隙間から出したラッピングワイヤーにクリスタルが繋がっています.クリスタルの上面(コ-ド番号が印刷されている面)に両面テープを貼り,開いているスペ-スのフレーム側に貼り付けてあります.
▼切り替えスイッチの搭載
こちらはドーターボードに最初から付いていた16.6667MHzのクリスタルと,20.0000MHzのクリスタルを切り替えできるようにした回路(2個のクリスタルと小型スイッチを繋いだだけの簡単なものです(^^;))の使用例です.
モデム非内蔵の5XX用に,モデムを納める場所に合わせて作りました.他にクリスタルを収める場所として,15.で紹介した場所などが考えられますね.実際に取り付ける場所によって基板の使用の有無,そのサイズや形状を変えて下さい.メンテナンス性を考えて,基板・スイッチ部とドーターボードはコネクタを介して接続させています.
できるだけ匡体に手を加えたくなかったたので,スイッチは矢印で示す穴から出しています.この穴は本来,ポートカバーを閉じた時にカバーのツメとその保護部を通す穴なのですが,ツメの保護部はあんまり役にたってなさそうなので(^^;),切り取ってしまいました.で,実際にツメが通るのは右サイド(穴の外側)のわずかな部分なので,スイッチを穴の左サイド(穴の内側)に付けてあげると,クロック切り替えスイッチも使え,ポートカバーも閉じることができました.保護部を切り取ったツメですが,今のところ折れる心配はなさそうです.(まあ,折れてもポートカバーは300円位で売ってますが(^^;)).
▼68LC040/25MHzのカードを33MHz以上にクロックアップ
え~と,68LC040/25MHzのカードを33MHz以上にクロックアップして不具合が出る場合,写真に示す抵抗をはずしてやると正常に動くこともあります(^^;).この抵抗は33MHzのカードにはついてないもので,はずしても問題なく動くようなので私はとっちゃいました(^^;).細かいことは良くわかりません※(笑)
※この件について解る方メ-ル下さいm(_ _)m.(たぶん基板に装着されているCPUが33MHzか25MHzかを認識する際に必要なのでは?と,Nabechanが言ってました.チェッカーなんですね.たぶん)
 
究極のPowerBook5XXを創る会
http://www.powerbook.org/phenix/skltn.html






 
Apple PowerBook520クロックアップ
CPU/Clock
Total
CPU
Video
Disk
68LC040/25

76.5 

102 

59.3 

69.6 

68LC040/30

89.7 

123 

65.7 

71.7 

68LC040/33

96.7 

134 

68.3 

72.0 

68LC040/35

99.3 

139 

69.4 

72.6 

68LC040/40

113.0 

162 

74.2 

74.2 

68040/33

113.0 

134 

68.1 

72.1 



0 件のコメント:

コメントを投稿