1980年6月13日金曜日

[機器][PC] CASIO PB-1000~黎明期ポケットコンピュータ






[機器][PC] CASIO PB-1000~黎明期ポケットコンピュータ
CASIO PB-1000 FOREVER!
■これがPB-1000/Cだ!(Introduction)
昭和61年にカシオから発売された「PB-1000/PB-1000C」は、
折り畳み式のポケットコンピュータで
ファイル管理・スクリーンエディタ・JIS準拠BASIC・ディスク・正式にマシン語がサポートされる等、いわば「小さなパソコン」だった。
誕生から十数年経過した現在でも、PB-1000の魅力は褪せる事はない。
ここでは、そんなPB-1000の魅力に迫りたいと思う。
■PB-1000/Cの生い立ち
「『PB-1000・PB-1000C』って言うけれど、PB-1000って何?」とおっしゃる方の為に、PB-1000/Cについて説明したいと思います。
PB-1000/Cは昭和61年6月にカシオ計算機から発売された「ポケットコンピュータ」です。
ポケットコンピュータとは、関数電卓にプログラム機能(主にBASIC)が搭載されているもので、コンピュータの教育実習や電卓では困難な計算が必要な業務などで使われてきました。ポケコンが初めて登場した頃は表示も16桁1行など狭かったりメモリも少なく、
搭載されているBASICも「PRT」(=PRINT)や「VAC」(=CLEAR)など独自のものを採用していました。
ポケットコンピュータを発売しているのは主にカシオとシャープで、年月が経つにつれて徐々にバージョンアップしていきました。
カシオでは上記の様な構成の「PB-100」と言うポケコンが好評だった為に、以後に発売される機種はPB-100の互換性を重視して
あまり大きな変更はありませんでした。しかし「PB-700」でグラフィック画面やマイクロソフト系BASICの導入等の大きな変更を施し、さらに進化した「PB-1000/PB-1000C(以下PB-1000/C)」が生まれました。
PB-1000/CはJIS準拠のC61-BASICを搭載し、正式にマシン語をサポートしてアセンブラ搭載、192×32ドットのグラフィックは当時最大の
画面、タッチキー搭載で使いやすいスクリーンエディタ、メモリ最大40KB等・・・と、はっきり言って「小型のパソコン」と言っても過言ではない構成
でした。
現在では様々なモバイル系パソコンが登場していますが、PB-1000/C発売当時(1986年)はこういったコンピュータは少なかったと思います。
やっぱりモバイルの基本はポケットコンピュータだと思うのです。その中でもPB-1000/Cはパソコンを意識した様々な要素を取り入れており、
コンピュータの未来像を予感させるものでした。
いつでもどこでも電源オンですぐに使えるPB-1000/Cは、人に一番身近な真のパーソナルコンピュータを目指していたのかもしれません。
カシオは現在でもデスクトップパソコンは発売せずに「カシオペア」や「カシオペア・ファイバ」などの小型のコンピュータを発売し続けています。
いつでもどこでも使える身近なコンピュータにこだわって作り続けているのかもしれませんね。
■PB-1000/Cの主な機能
BASIC機能
(BASIC Language)
「PB」は「Pocket Basic」の略ですから、BASIC言語を基にしたシステム構成になっています。
PB-1000/Cで搭載されているBASICは「C61-BASIC」と言うものでJISに準拠したBASICになっていて、
よりパソコンのBASICに近いものとなりました。「MSX BASIC」と比べると、いささか非力に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
これはこれでなかなか使い易いBASICなんです。
PB-1000/CのBASICで独特な所と言えば、「GOSUB」命令のジャンプ先(サブルーチン)にファイルを指定出来ると言う所でしょうか。
つまり、よく使うサブルーチンをファイルにしておいて、複数のファイルから呼び出す事が出来ます。
計算機能
(CALclation mode) CALモード画面
 普通のパソコンでは考えられないのが、CALモードでしょう。簡単に言えば電卓機能です。
ただし普通の電卓と違い、カッコ等を含む複雑な計算式もちゃんと優先順位にしたがって計算してくれます。
元々、ポケットコンピュータは電卓の発展型な感じがあるので、こういった機能が搭載されているのは当然の事と言えますね。
CALモードと言っても大したものじゃなく、BASICで言うダイレクトモードでPRINT文が付いて実行されていると言った感じです。
メニュー機能
(File Management)
 PB-1000/Cでは、本体に複数のファイルを登録出来るようになっています。
本体に記録されたファイルをBASICコマンドで管理するのは大変至難の業です。
そこでPB-1000/Cでは、強力なメニュー機能を搭載しています。
このメニューで、ファイルの新規作成・削除・名前変更・各デバイス(補助記憶装置)へのセーブ・ロード、通信(送信・受信)等が行えます。
PB-1000/Cのファイルシステムで面白い所は、「操作は常にファイルに対して行なわれている」と言う事です。
例えば、BASICプログラムを作成している時にプログラムは決められたフリーエリアに収められるのではなく、ファイルに収められます。
ファイルをコピーする時は現在のファイルに対して外部記憶装置に「セーブ」する事で行います。RAMに対しても同様です。
上の画面は、ファイルのリネームとコピー(RAM内に)を行っている場面です。よって、PB-1000/CにはCOPY命令がありません。
私はCOPY命令によるファイルのコピーに慣れていたので、「既にセーブしてあるファイルを別な名前でまたセーブする」と言う行為は非常に
面白く感じました。
数式記憶機能
(Formula Memory)
簡単に連続計算させたい時に、その都度プログラムを組むのは非常に面倒です。
PB-1000/Cに限らず、大部分のカシオのポケットコンピュータには数式を登録するだけで入力・計算してくれる「数式記憶機能」が
搭載されています。上の画面の様に変数を含んだ数式を[IN]キーで登録して[CALC]キーを押します。
PB-1000/Cは数式の計算に必要な変数の入力を要求してきます。値を入力するだけで計算結果を得られる便利な機能です。
スクリーンエディタ
(Screen Editor) スクリーンエディタ画面
従来のパソコンのBASICでは、ユーザーに十分な開発環境が与えられていませんでした。
プログラムリストを表示させるLIST命令も画面が流れるだけで画面を戻す事が出来なかったり、
シーケンシャルファイル(テキストファイル)の内容を見る方法がなかったり今イチ使いづらいものでした。
PB-1000/Cでは、スクリーンエディタが搭載されています。
画面を上下にスクロールさせてプログラムリストを自由に見る事が出来たり、文字列の検索などが出来ます。
もちろん、シーケンシャルファイルも直接編集出来ます。エディタではBASICプログラムを編集している時と
シーケンシャルファイルを編集している時と殆ど操作に違いがありません。操作性が一貫しているのも使い易い証拠なのです。
上の画面は、行の修正・追加を行っている所です。
アセンブラ機能(HD61700 Assembler):PB-1000 only
 PB-1000になって、一番の進歩はなんと言ってもマシン語の正式サポートされて、アセンブラが内蔵されている事です!
このアセンブラは最低限の機能しかありませんが、他機種ではアセンブラのソフトを読み込んでからソースリストを読み込むと言う
二度手間を考えると、やはり「内蔵」は大きな強みと言えるでしょう。
マシン語プログラムを作成し、PB-1000の能力を最大限に発揮させましょう!
CASL機能(Virtual Computer 'COMET' Assembler):PB-1000C only
 PB-1000Cには、アセンブラが内蔵されていない代わりに情報処理技術者試験で使われている仮想コンピュータの
アセンブラ言語「CASL」が搭載されています。これを使って、練習問題をそのまま打ち込んでみて動作を確認出来るのです。
これは強い味方になります!(私もコレのおかげでかなり助かりました)
ただ、CASLは近年に大幅な仕様の変更が施されており、PB-1000CのCASLだけでは全てを対応出来なくなったのは残念です。
しかし、CASLの入門用としては使えるでしょう。 
仮想スクリーン機能(Virtual Screen)
PB-1000/Cは従来のポケットコンピュータよりも画面が広くなっています・・・とは言え、やはりパソコンに比べたら
画面が狭いと言う事を認めざるを得ません。そこで画面の狭さをカバーするために「仮想スクリーン」が搭載されています。
これは実際には4画面しかありませんが、画面がスクロールする事によって8画面分の編集が可能になっているのです。
かなり画面が広く感じる事が出来るでしょう。
PB-1000/Cがどんなコンピュータか、お分かり頂けたでしょうか?PB-1000/Cにはもっと沢山の機能が搭載されています。
これを読んで、1人でも「PB-1000/Cが欲しい」と思う方がいらっしゃれば幸いです。

PB-1000 Forever!
http://homepage3.nifty.com/lsigame/










嗚呼、PJ!!(Pockecom Journal)
■ポケコンジャーナル  
皆さんはポケコン専門誌が発刊されていた事をご存じですか?
ポケコン記事と言うと、「マイコンBASICマガジン(電波新聞社)」なんかにちょこっとプログラムが
載っている程度で専門誌なんか無いと思われている方も多いと思います。
「ポケコンジャーナル(以下、PJ)」・・今は休刊してしまいましたが長い間(7~8年)ポケコン専門誌
として(株)工学社から発刊(月刊)されていたのです!
(左写真がPJ誌の数々、一番上の女性がポケコンを持っているのが創刊号<'88 No.1>です。)
ポケコンと言うとゲーム以外にも用途は様々で、むしろゲームよりコンピュータの教育(コンピュータ入門や
機械制御実習)やビジネスでの利用の方が本来の利用方法と言えます。
当然、PJでもこれらの事やパソコンとの通信の仕方やプログラム入門などを重点的に取り扱っています。
ポケコンの徹底解析(改造 etc.)的な記事も多くありました。もちろん新製品の情報なんかもありましたが、
パソコンに比べてポケコンは新製品が出るスピードが緩やかで基本設計が変わらないので愛機にも
愛着が沸き、しゃぶり尽くす様な事が出来たんですね。なんかパソコン雑誌見てると新製品レポート
ばかりで自分の機種がどんどん時代遅れになっていくので悲しくなってきます(汗)。
PJ誌はマジメな雑誌です。イラストが多い月なんかは「イラストが多すぎる」とか意見もチラホラ出ていた
程です。ちゃんと学校の図書室にも置いてもらえる、為になる本なんです、PJ誌は。
それでは私がPJ誌で気になった記事を紹介しましょう。
■PJにおけるチェックポイント!(私なりにセレクトしました)
1.「バグ情報」
「バグ情報」・・要するに「間違えてました。ごめんなさい」のコーナーなんですが、PJ誌は間違いの多い雑誌でした。
総ページ数がそんなに多く無いのに毎月必ずと言って良い程、このコーナーが存在するのです(苦笑)。
記事中の誤りだったらまた良いのですが、プログラムや配線図の誤りはちょっとキツいです(^^;)。
バグ情報でびっくりしたのは、プログラム自体がまるごと別なヤツが掲載されてしまったケースがあったと言う事でしょうか(苦笑)。
はっきり言って、印刷前に実際に打ち込んで確認して欲しかったと思います(^^;;;)。
プログラムを他の機種(パソコン)等に転送して印刷していたみたいな所が原因かもしれません。
私は以前、PJに掲載されていたPB-1000用の「ブロック崩し」のゲームをPB-1000Cに打ち込んで実行したら、思いっきり暴走しました。
入力確認の為に何回かダンプリストのチェックサムをチェックした所、重大な事に気が付きました。
「アドレスが飛んでる・・」。私はひたすら数値を順々に打ち込んでいたのですが、よく見るとアドレスが飛んでいる箇所があるのです。
実はこれ、アドレスが飛んでいるのではなくて、リストが抜けていたのです!(涙)。
PJ編集部に確認したら、「そうですね、抜けてますね」の一言で片づけられてしまったのにはさすがに呆れてしまいました。
それから数ヶ月後のPJ誌においてバグ情報として抜けた分のリストが掲載されましたが、打ち込みませんでした。
(結果的には、PB-1000用のマシン語プログラムはそのままではPB-1000Cでは使えない・・。私はこの事を知らなかったので
完全なリストがあったとしても動かす事は出来なかったと言うオチがあるんですけど。 ^^;;;)
あと、PJ誌か増刊の「ポケコンプログラム集」に載っていたPC-1262用の「プロテクター2」と言うゲームを入力して実行したら
何故か「IMADOKI INVADER2」と言うインベーダーゲームが動きました。なんか説明読むと「テクザー」っぽいと思ったのですがハテ?
これはこれで面白いので今でも入れてます(笑)。
2「PJプラザ」
どんな雑誌でも必ずページ欄外に読者の投稿コーナーがあります。
「PJプラザ」はそんなコーナーなんですが、他の雑誌とは違う所があります。
それは(1)1人で複数のページにまたがる事があるのと、(2)PJ編集部からの返事が少ない・・
と言う事です。
(2)に関してはPJ編集部はあまり関与せずに読者に交流の場を提供すると言った考えが
あったのかもしれません。しかし、ここにも「バグ」の影が(苦笑)。
何と同じ記事があちこちに掲載されている場合があるのです(笑)。
実はこのPJプラザ、創刊当初はペンネーム制ではなかったんです。
工学社の堅実さが伺えますね。
話の内容はと言うと、色々な話(ゲームミュージック、鉄道、小説など)があって、
まさにインターネットの掲示板の前身っぽさがありました。
ゲーム雑誌なんかだとゲーム系の事ばかりなんですが、
こっちの方が話題が豊富で良かったです。ちょっと「濃い」感じもしますが(笑)。 誌面はこんな感じです。
3.「PJクラブ」
これもどんな雑誌でもある読者のページです。いやぁ~やっぱり「濃い」です(笑)。←注)悪い事では無いです。
「ホケコン戦隊ピージェイン」とか「PJ仮面」等の読者が考えた連載小説(?)やイラスト道場、独自の考えやテクニックなどを力説していたり
ここから生まれた企画(※)も多くありました。なかでも凄いのが「100枚イラスト掲載」!
よく同一誌で100枚ものイラストが掲載出来たなぁ~と感心しましたが、
達成者が何人も居るのが驚きです。PJ編集者もその頑張りを評価したのでしょう。
イラストについては結構皆さんこだわりがあるようで、「スクリーントーン使用しない=手抜き説」まで発生して議論を繰り広げてました。
確か、「イラストにテーマを設定してみては」と提唱したのも読者だったと思います。
他誌の読者コーナーに比べたら、数倍充実した内容になっているのです。
※読者が考えた企画
・「ゲームデザイン館」=読者が簡単なゲームのアイデアを提案してプログラムを募集し掲載する。
・「イラスト爆弾回し」=爆弾の入ったイラストを書き、次にイラストを書く人を指名する。
・「この絵はだあれ?」=イラストを書いた人を当てる。
など、多数(手持ちのPJが少なくてあまり確認出来ませんでした)・・。
4.「ブリキック・トーク」
創刊当初から連載されていた「満珠菓子子」さんの連載エッセイです。自分の身近に起きた出来事に対しての見つめ直したり的な
(自分の考えを織り交ぜたり)内容で非常に読みやすかったのが印象深いです。PJ誌全体がマニアックになっている(コンピュータ誌だから
しょうがない)のに対して、唯一万人にも読める記事になっていました。実際、毎月読むのを楽しみにしている方も多かったんじゃないかと
思います。実は私もそうでした。
まだまだPJ誌には沢山の魅力があります。ぜひ手にして確認して下さい。
(古本屋でも入手は難しいかもしれませんが)
●PJ誌の多彩に変化に注目!
PJ誌は10年近く発刊されていた雑誌です。誌面でも色々変化がありましたが、外見上についても同様でした。
そこで外見上の変化を追っていきたいと思います。
表紙から見るPJの歴史 1.この頃の表紙は女性がポケコンを持った写真でとても印象的でした。
たぶん、彼女らはポケコンなんて何だか知らなかったでしょう(笑)
2.創刊してしばらくすると、今度はゴチャゴチャした賑やかなイラスト
になりました。ゴチャゴチャしたイラストってよく見ると色々な所で気を使っていて
見ていて楽しいですね。
3.次もイラストですが、動物を使った独特なイラストになっています。
イラストのテーマも記事に沿っているようです。紙質・ページ数の変化のせいか、
雑誌の綴じ方も変わりました(糊付けされているようです)。
4.イラストは変わらないのですが、誌名が「ポケコンジャーナル」から
「PJ(ピージェイ)-電子手帳とポケコン」に変わりました。
愛称が正式名称になった!何だかナムコの「ファミリースタジアム(ファミスタ)」みたいですね(笑)。
当時、ビジネスマンに流行していた電子手帳関係の記事にも力を入れていたので
こうなったのでしょう。これで新規読者となった電子手帳ユーザーもいたはず。
5.誌名が「ポケコンジャーナル」に戻り、イラストがやたら綺麗なCGに変わりました。
記事で使っている紙もツルツルの上質紙(?)となりゴージャスに。
雑誌の綴じ方も初期の様なホチキス止めに戻りました(更に後期になると糊付けに変わりました)。

PB-1000 Forever!
http://homepage3.nifty.com/lsigame/










1980年6月4日水曜日

[機器][ポケコン] シャープ PC-E500









[機器][ポケコン] シャープ PC-E500
2019/7/08(月) 帰ってきたPC-E500
2019/7/8(月) 午前 0:32 無題 練習用
シャープのポケコン,PC-E500をヤフオクで手に入れました。
E500を手にしたのはかなり久しぶりです。
以前はこれでよくプログラミングをしたものです。
これで当時のツートップ、PC-E200とPC-E500が手元に帰ってきたことになります。
ひと安心です。
昭和の昔から令和の今まで、ポケコンはほとんど進化することなく過ぎてしまいましたね。
結局もとの愛機に戻る結果になることは期待していなかったのですが、
時代がポケコンを必要としていないのだから仕方ありません。■

巻雲,ココア,PDA。
https://blogs.yahoo.co.jp/cirrus_cocoa/
https://blogs.yahoo.co.jp/cirrus_cocoa/MYBLOG/yblog.html?m=lc&p=5



1980年6月3日火曜日

[機器][ポケコン] シャープPC-E500シリーズ改造の手引き


[機器][ポケコン] シャープPC-E500シリーズ改造の手引き
■PC-E500シリーズ 改造の手引き
Japanese (sjis) Only [最終更新日: 1998年02月28日(Saturday)12時04分48秒]
本改造記事は、PC-E500シリーズのメモリ増設に関する過去の記事について、要領よくまとめたものです。
初心者にもわかりやすいように、丁寧な解説がされております。
『PC-E500シリーズ 改造の手引き 第2版』zou.lzhをダウンロードする。
なお、本文中に出てくるドライブ名D:はバンク切り替えを行うことによって512Kバイトの容量を得ています。
したがって、増設したメモリをポケコンに認識させるためには、別途、デバイスドライバ(DeltaVer3.4 または 3.5)が必要です。
お持ちでない方は、ここからdelta350.lzhをダウンロードしておいてください。
(deltaの説明書を読む)
注意…お決まりですが...。
   本改造記事により、ポケコン本体が破壊されたとしても一切の責任を負わないも
   のとします。全て各人の責任においてやって下さいるようお願いいたします。

以下、転載記事です。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

=====================================================================
 タイトル:PC-E500シリーズ 改造の手引き 第2版
 カテゴリ:テキストデータ
  FILE 名:ZOU2.LZH
 編集者名:Lycanthrophy nomi (略して らい.)
 圧縮方法:- lh1 -
 転載可否:可
=====================================================================
【備考】

初心者向け、改造の手引きです。
改造の一例として、S1:256、S2:256、D:512KB の回路図が載っています。
第1版との違いは、若干の誤字の訂正と IC の説明についての補足などです。

=====================================================================
【ZOU2.LZH】でダウンロードして下さい.

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

以下がZOU2.LZHの内容です。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

*************************************
*************************************
***                                                              ***
***                                                              ***
***                E500シリーズ 改造の手引き                 ***
***                                                              ***
***                                                              ***
***                       ~  第2版  ~                         ***
***                                                              ***
***                                                              ***
*************************************
*************************************

==========================================================================
■ 目次 □
--------------------------------------------------------------------------

   □ 第1章 □ - 基礎知識
     (1)はじめに
     (2)裏蓋を開ける
     (3)CPUの基礎知識
     (4)RAMの基礎知識

   □ 第2章 □ - 部品&工具を揃える
     (1)工具類
     (2)消耗品
     (3)パーツの入手

   □ 第3章 □ - 改造の際のアドバイス
     (1)改造を始める前に
     (2)ハンダの取り扱いの注意
     (3)RAMの取り外し方
     (4)RAMの足の加工
     (5)RAMのハンダ付け
     (6)RAMの2階建て
     (7)CMOS ICの配置
     (8)改造に失敗したら?

   □ 第4章 □ - IC規格
     (1)74HC00、74HC02
     (2)74HC138
     (3)74HC139
     (4)74HC157
     (5)74HC158 (or 74HC258)

   □ 第5章 □ - 回路図の例

   □ 第6章 □ - あとがき
     (1)連絡先など
     (2)さらに上を目指す方へ
     (3)PJのコピーサービス

==========================================================================
■ 第0章 □   まえがき
--------------------------------------------------------------------------
一頃ポケット通信の ;BBSE500 を賑わせた、「E500の改造」と言うテーマについて、私が簡単にまとめてみました。一通り読めば誰にでもE500の改造が出来るように、と言うコンセプトで、初心者にも解りやすいように心掛けて編纂しました。
しかし、私自身初心者ですので、説明に解りづらい点があるかもしれません。
また、間違っている点があるかもしれませんが、その点はご容赦下さい。
改造中級者&上級者の方にとってはつまらない内容ですが、まあ勘弁して下さい。(^_^;)
それと、改造をするとメーカー保証が受けられなくなります。あと、改造は自分の責任に於いてやって下さいね。改造をして失敗しても、手助けぐらいは出来ますが、私は一切責任を持てません。

==========================================================================
■ 第1章 □   基礎知識
--------------------------------------------------------------------------
(1)はじめに
E500シリーズの改造と言ってまず思い浮かぶのは、RAM増設やクロック高速化です。
この章では、改造の際に必ず必要になるであろう基礎知識を紹介します。
(2)裏蓋を開ける
裏蓋を開ける場合は、まず単4電池、メモリ保護電池、ラムカードをすべて取り外します。
そして、ネジが全部で8本ありますので、これを外します。
いよいよ裏蓋を外しますが、この時力を入れ過ぎてツメを折らないように気を付けます。
ここで、E500やE550の人は、裏蓋と本体の間にリード線が2本見えるはずです。
このリード線の先にあるのが、圧電ブザーですが、このリード線は極めて外れやすいので注意して扱って下さい。
運悪く外れてしまった場合はハンダ付けして付け直しておきましょう。
さて、裏蓋を開けると、基板の上にICが幾つか見えると思います。
ここで、中央付近に「SC-62015」と書かれたICがありますが、これがポケコンの中核とも言うべきCPUです。
また、右上のほうに「HD6120??」と書かれたICが3つ並んでいますが、この3つのICは液晶画面を担当しています。
また、右下にある「LH53??」はROM、「HM62256LEP-12SLP」はRAMです。RAM増設をする場合は、このRAMを交換する事になります。
後、真ん中辺りに青いものが見えると思いますが、これがセラロックです。
マシンを高速化したい場合は、このセラロックを高速なものに交換します。
(3)CPUの基礎知識
CPUには、ピンが100本付いています。各ピンの名称は次の通りです。図では、切り欠きが右上にありますので注意して下さい。

                                                  T  RE             
                        K K K K K K K K M         E G S V V         
        D D D D D D D D I I I I I I I I R W O C C S N E C D X X X X 
        7 6 5 4 3 2 1 0 7 6 5 4 3 2 1 0 Q R N O I T D T C D 4 3 2 1 
      +-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|--\
      |                                                               |
    A0-  (Data In/Out)  (Keyboard Input)                    (Clock)   -E0
    A1-                                                               -E1
    A2-                                                               -E2
    A3-                                                               -E3
    A4-                                                               -E4
    A5-                                                               -E5
    A6-                                                 (E-Port)      -E6
    A7-                                                               -E7
    A8-   (Address)                                                   -E8
    A9-                                                               -E9
   A10-                                                               -E10
   A11-                                                               -E11
   A12-                                                               -E12
   A13-                                                               -E13
   A14-                                                               -E14
   A15-                                                               -E15
   A16-                                                               -TXD
   A17-                                                               -RXD
   A18-                                                               -_Ko0
 VIOSp-    (Keyboard Out)   (Chip Select)         (Keyboard Output)   -_Ko1
      |                                                               |
      +-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|-|---+
        V C K K K K K K I   C C C C C C C C       R K K K K K K K K 
        A R o o o o o o R   E E E E E E E E       R o o o o o o o o 
            1 1 1 1 1 1 Q   7 6 5 4 3 2 1 0         9 8 7 6 5 4 3 2 
            5 4 3 2 1 0                                             

次に、各ピンについて簡単に解説をしますので興味のある方は読んでみて下さい。よく解らない人は、さらっと読み流して下さい。
「D0」~「D7」は、データ受送信の際に使用されます。SC62015 は8ビットC
PUですので、8本の信号線が出ている訳です。「WR」は、「D0」~「D7」までのデータが、書き込み用のデータであるか、読み出し時のデータであるのかを指定しています。
「WR」が High (+5V電圧)の時読み出し、Low (0V電圧)の時は書き込みを行います。
「A0」~「A18」 「CE0」~「CE7」は、データ受送信の際のアドレスを指定する際に使用されます。
「CE0」は内蔵RAM、「CE1」は外付けRAM、「CE2」はROM、「CE5」 は液晶LSI、「CE6」 はグラフカードをそれぞれ選択し、
「A..」で選択されたエリア内の相対的なアドレスを指定しています。
「CE?」のアドレスは、実際には次の通りに割り当てられていると考えられています。

 〈CE0〉 80000h~BFFFFh  負論理  内蔵RAM(S1:)
 〈CE1〉 40000h~7FFFFh  正論理  増設RAMカード(S2:)
 〈CE2〉 C0000h~FFFFFh  負論理  内蔵ROM(S3:)
 〈CE3〉 20000h~3FFFFh  負論理  (DELTAなど)
 〈CE4〉 ???
 〈CE5〉 ???
 〈CE6〉 10000h~1FFFFh  負論理  グラフカード
 〈CE7〉 BC000h~BFFFFh  正論理  システム予約

この中で、負論理というのは、そのエリアが選択された時に Low(0V電圧)がかかるというものです。正論理の場合は、High (+5V電圧) となります。
〈CE3〉のところにDELTAなど、 と書いてありますが、DELTAについては後述します。
「VCC」は共通+5V電源、「GND」は0V端子です。この2つは、次の各ピンと直結しているので、外部電源を使いたい場合はここに繋げばよいでしょう。
 [VCC]11ピンコネクタ、第2番ピン、ここに+極を繋ぐ
 [GND]11ピンコネクタ、第3番ピン、ここに-極を繋ぐ
(4)RAMの基礎知識
RAMは、データの記憶&読み出しに使用されます。RAMにはいろいろな種類がありますが、ここでは次の3つのRAMを紹介します。この3つはE500改造の際にはぜひ知っておくべきだと思われます。

                               +----u----+           +----u----+ 
                               | 1    32 |VCC     A18| 1    32 |VCC
         +----u----+        A16| 2    31 |A15     A16| 2    31 |A15
      A14| 1    28 |VCC     A14| 3    20 |CS2     A14| 3    20 |A17
      A12| 2    27 |/WE     A12| 4    29 |/WE     A12| 4    29 |/WE
       A7| 3    26 |A13      A7| 5    28 |A13      A7| 5    28 |A13
       A6| 4    25 |A8       A6| 6    27 |A8       A6| 6    27 |A8
       A5| 5    24 |A9       A5| 7    26 |A9       A5| 7    26 |A9
       A4| 6    23 |A11      A4| 8    25 |A11      A4| 8    25 |A11
       A3| 7    22 |/OE      A3| 9    24 |/OE      A3| 9    24 |/OE
       A2| 8    21 |A10      A2| 10   23 |A10      A2| 10   23 |A10
       A1| 9    20 |/CS      A1| 11   22 |/CS      A1| 11   22 |/CS
       A0| 10   19 |D7       A0| 12   21 |D7       A0| 12   21 |D7
       D0| 11   18 |D6       D0| 13   20 |D6       D0| 13   20 |D6
       D1| 12   17 |D5       D1| 14   19 |D5       D1| 14   19 |D5
       D2| 13   16 |D4       D2| 15   18 |D4       D2| 15   18 |D4
      Gnd| 14   15 |D3      Gnd| 16   17 |D3      Gnd| 16   17 |D3
         +---------+           +---------+           +---------+ 
         (HM62256)32KB       (HM628128)128KB     (HM628512)512KB

ここで紹介する3つのRAMは、それぞれ 32KB、128KB、512KB の容量を持っています。
このうち、32KB の HM62256 というRAMは、元からE500に乗っているRAMです。
容量を増やしたい場合は、この 32KB のRAMをもっと容量の大きいものに交換してやればよい訳です。
実際の改造の方法は後回しにして、まず各ピンの解説をしたいと思います。これを理解できれば、改造の幅が一気に広がる事でしょう。
[D0~D7]は、CPUについての項でも解説したとおり、データ受送信の際に使われる端子です。
RAMの[D0~D7]は、CPUの[D0~D7]にそれぞれ直結しています。
活用研究(工学社の出している解析本)を持っている方は最後のページの回路図をご覧になってほしいのですが、すべてのICの[D0~D7]はCPUの[D0~D7]に直結していますね。
この先[D...]と出てきたら、ああ、これはデータの受送信の内容に関わっているんだな、と思って下さい。
(D0~D7 は、I/O0~I/O7 と表現される場合もありますが、どちらでも同じです。)
[A0~A18]もCPUの項で触れましたが、 これはアドレスの指定の際に使わ
れます。つまり、これによってデータ([D0~D7]で受送信されるデータです)
をどこに格納するか、またはどこのデータを読み出すのかを指定しているのです。
[VCC][GND]についても既に触れてありますね。これは共通電位です。
[/CS]を Low つまり0V電圧にすると、RAMが選択された事になり、動作します。
[CS2]は 128KB RAMだけに付いている端子ですが、これは[CS]の逆で、High つまり+5V電圧の時にRAMが選択された事になり、動作します。
[/WE]を Low にするとデータの書き込み、[/OE]を Low にするとデータの出力を行います。
(データの出力とは、RAMがデータを出力すると言う事ですから、人間から見ればデータの読み出しと言う事です。)
[/CS][CS2][/WE][/OE]については、その選択のされ方が複雑なので、表にしておきます。 表中で、----  と表されている場合は、 その値がRAMの動作に関係しない事を意味します。

    (CS2 が無いRAMの場合)
   +--------------------+--------------------+
   | /CS    /WE    /OE  |  動作              |
   +--------------------+--------------------+
   | High   ----   ---- |  何もしない        |
   | Low    High   High |  何もしない        |
   | Low    High   Low  |  データ出力        |
   | Low    Low    ---- |  データ書き込み    |
   +--------------------+--------------------+

    (CS2 があるRAMの場合)
   +---------------------------+--------------------+
   | /CS    CS2    /WE    /OE  |  動作              |
   +---------------------------+--------------------+
   | High   ----   ----   ---- |  何もしない        |
   | ----   Low    ----   ---- |  何もしない        |
   | Low    High   High   High |  何もしない        |
   | Low    High   High   Low  |  データ出力        |
   | Low    High   Low    ---- |  データ書き込み    |
   +---------------------------+--------------------+



==========================================================================
■ 第2章 □   部品&工具を揃える
--------------------------------------------------------------------------
次に、改造の際に必要となる、部品やパーツ、機材について紹介します。『道具は良い物を使う、手間をおしまない、これが結果的に速く確実な仕事に繋がります。』
(1)工具類
ハンダごては、15wの物を使用します。この時注意するのは、セラミックヒーターのハンダごてであるかどうかです。
ハンダごてにはニクロムヒーターとセラミックヒーターの2種類あって、ニクロムヒーターの方が安く手に入るのですが、ニクロムヒーターの場合、高温で絶縁抵抗が低くくなるため、AC100Vからの漏れ電流でRAMやポケコン本体を電機的に破壊してしまう事があるのです。
と言う訳で、少々高価でもセラミックヒーターのハンダごてを買いましょう。
あと、こて先は極力細いものを選びます。裏蓋を開けた人は解ると思いますが、ポケコンのICは非常にピッチが細いので、こて先が太いハンダごては使い物になりません。
小さいラジオペンチやニッパーも用意しておきましょう。ニッパーは、とくに精密工作用のニッパーは、使用する際に強く握り締めないように気を付けましょう。
私は握力が人より強いのかどうか知りませんが、 買ったばかりのニッパー(1200円もした!!)が、使い始めて5分もしないうちに根本からポキリと折れてしまいました。
買ったばかりですよ、しかもちゃんとしたメーカー品のニッパーだったんですよ。
信じられん!!。みなさんこんな風にならないように道具は大切に扱いましょう。
ピンセットは、あると非常に便利です。先が細くとがって、それでいてネジれに強いしっかりしたステンレスのピンセットを選びます。
精密ドライバーは、ポケコンの裏蓋を開けるのに使います。ネジ山を潰してしまわないように、ネジにあった大きさのものを使うようにします。
何種類か用意しておくとよいと思います。セットになっているものを買えば問題無いでしょう。
他に、テスターやワイヤストリッパは、良いものを1つ奮発しておくべきです。
テスターは、通電をブザーで知らせてくれるもの、そして抵抗も測定出来るものがベターです。
(2)消耗品
ハンダは、必ず、すず(Sn)60%でフラックス入りの、高密度集積基板用のものを選ぶようにしましょう。
φ0.5mm 以下のものがあればベストですが、無ければφ0.6mm 程度の物でも実用にはなります。
気が違ってもφ2.0mm なんてものは使わない事。
私はφ0.3mm のものを使っています。
これぐらいの細さになると値段もかなり奮発する事になりますが、細かい部位のハンダ付けには非常に重宝します。
後、ハンダ吸取り線も必須です。15Wのハンダごてでも吸取れるように、一番細いものを選ぶようにします。
リード線は、ジャンパに使います。
なるべく細く、被覆が熱で溶けにくく、ハンダのノリがよいものを選びます。
ハンダ用リード線や、ラッピングワイヤーのφ0.26mm 程度の物を選びましょう。
以上が、工具類&消耗品で必要と思われるものです。以下に簡単にまとめておきますので、改造を始める前にチェックしておきましょう。

  ◇ハンダごて セラミックヒーターで15Wのもの
  ◇ラジオペンチ 小さいもの
  ◇ニッパー 精密工作用の小さいもの
  ◇ピンセット 先が細くとがったもの
  ◇精密ドライバー 何本かセットになっているものを買うとよい
  ◇テスター
  ◇ワイヤストリッパ
  ◇ハンダ φ0.5mm 以下、Sn60%、フラックス入り
  ◇ハンダ吸取り線 なるべく細いもの
  ◇ハンダ用リード線 ラッピングワイヤーでもよい


(3)パーツの入手
RAMや抵抗、コンデンサなどのパーツはお近くの電機店で入手して下さい。
ただ、RAMは取り扱っていない電機店が多いので、近くの電機店で手に入らな
い場合は通信販売で入手する事になります。神和電機(株)でRAMの通信販売
を行っていますので、こちらを利用するといいと思います。

 神和電機(株) 小売店 TEL 03(3253)9010
                 通販部 TEL 03(3253)5701
                 住友銀行秋葉原支店(普)518934

通販部に電話して、4メガ(または1メガ)のフラットパッケージのSRAM下さいと言えば送ってくれます。4メガは 512KB、1メガは 128KB です。
他に、E500の人はフレキシブル基板というものを入手しておくと後々の改造が楽になります。
お店で、SHARPのフレキシブル基板(流通コード:507 684 5023パーツNo.DUNTK1442ECZZ、価格:4800円) 下さいと言えば取り寄せて貰えます。
E550やE650の人は、フレキシブル基板が最初から内蔵されていますのでこれを使います。

==========================================================================
■ 第3章 □   改造の際のアドバイス
--------------------------------------------------------------------------
さて、以上でパーツは揃いましたね。では、実際の改造の方法を次に書いておきます。これを一通り読めば、回路図を見ただけで改造に取り掛かれるようになれますよ。
(1)改造を始める前に
改造を始める前に、次の事を頭に叩き込んでおいて下さい。
まず、チェック用の回路図を実際に自分で書いてみて、解らないところがないか確認します。
この時点で解らないところがあった場合は、第1章・基礎知識、第3章・改造の際のアドバイスをよく読んで下さい。
それでも解らない場合は、ポケット通信の ;BBSE500 へ書いて頂ければ、お答えする事が出来るかと思います。
決して、解らない箇所を残したままで、改造に取り掛かったりしないで下さい。
解らない箇所を残したままだと、万が一失敗した時に、どこをどう直せばいいのか見当がつきませんからね。
そして、改造を始める前に、ドアノブなどに触って、体に溜まった静電気を逃がしておきましょう。
これを忘れると、体に溜まった静電気で、高価なCPUやRAMを壊してしまう可能性があります。
改造はあわててやると間違え易いので、作業の節目でコーヒーブレークを必ず入れましょう。
そして、電源を入れる前にテスターで導通や、ショートの確認を必ずチェックしましょう。いきなり電源を on しては駄目です。
とにかく慎重に焦らず時間をかけてやれば必ず成功します。
E500シリーズはとっても丈夫なので、改造をして動作が変でもあきらめず原因を調べて直す様にして下さい。
ハンダ不良で通電していなかったり、ハンダが意図していない所に飛んでショートしていたりと言う事はよくある事なので、ここらへんを念入りにチェックして下さい。
(2)ハンダの取り扱いの注意
まず最初に書いておきますが、ハンダは多い程信頼性が無いと思って下さい。
例えば、製品のハンダ(CPU等)を見れば解ると思います。
細かいところへのハンダ付けのコツは、コテとハンダを接触させないことです。
足の右からコテを、足とパターンを加熱するようにして当てたら、足の左側にハンダを接触させれば最小のハンダでキレイにハンダが付きます。
それでも馴れないうちはハンダ付けは難しく、どうしても隣のピンとハンダ・ブリッヂしてしまいがちです。
ブリッジしてしまった場合は、ハンダ吸取り線で吸い取って、ハンダを付けなおしましょう。
また、2度熔かしたハンダはハンダ吸収線で除去して3度目は使わないようにすると安心です。
それは、2度溶かしたハンダは、フラックスが飛んでしまい、不良ハンダになってしまうからです。
古いPJ('92.7 など)で、元からあるRAMのハンダを再利用する方法が紹介されていますが、この方法ではハンダが不良ハンダになってしまいます。
後々の誤動作の原因になるので、これはやめた方がいいでしょう。
あと、ハンダこてを長い間(10秒以上)基板に付けておくのは危険です。あ
まり長い時間こてをあてていると、基板のパターンがはがれてしまう事がありま
すが、こうなると修復は困難です。もし不運にもパターンをはがしてしまった場
合は、剥がしてしまったところに来ている信号を、活研の回路図などで調べて、
それに対応する信号をROMなりCPUなりから引いて来る事になります。
(3)RAMの取り外し方
RAMを増設する場合で、S1: を増設する場合は元からある 32KB のRAMが邪魔になりますので、これを取り外してしまいます。
この 32KB のRAMは、こ
の先、一生使う事はないと思われますので、少々荒っぽいですが次の方法を紹介します。
まず、このRAMには 28 本の足がついていますが、これを1本1本、ニッパでプツプツと切ってしまいます。
すべての足を切り終わったら、RAM本体が外れるはずですので、これは捨ててしまいましょう。(記念に取っておきたければそれでもいいですが。)
そうすると基板には、28 本の足の残骸が残っていると思います。 次は、この
足を一本ずつハンダで暖めて取り除きます。
最後に、基板上に残ったハンダは、ハンダ吸い取り線で綺麗に吸い取ってしまいましょう。
これでRAM外しは終わりです。ここまで終わったら必ずコーヒー一杯の休憩を取りましょう。
(4)RAMの足の加工
始めに言っておきます、RAMの足は極めておれやすいので、加工の際は十分に気を付けて行って下さい。
足が折れてしまった場合は、そのRAMは諦めましょう。モールドを削って無理にハンダする方法もありますが、あまりお奨めできる方法ではありません。
E500の改造に利用される、1MRAMや4MRAMは、幅が広いため、こ
れをどうにかしないと基板に乗せる事は出来ません。そこで、まずマイナスドラ
イバで足を左右から押して、うまく基板に乗るサイズまで、足を縮めてしまいま
しょう。この時、縮めた足は横からみると、Z字型になっている筈です。
おっと言い忘れていました、足を縮めるのは3番ピンから30番ピンまでです。
それでは1、2、31、32番ピンはどうするのかと言いますと、ペンチで並行に真横に延ばしてしまいます。足をペンチで上下から押さえるようにすれば簡単に出来ると思います。
が、足は折れやすいのでくれぐれも注意して行って下さい。失敗したからと言って何度もやっていると、おれます。
○○番ピンってどこだろう!?と思っている人は、第1章・基礎知識をよく読みましょう。
(5)RAMのハンダ付け
(4)で加工したRAMの、Z字型に加工した足が基板の元のパターンに重なるようにしてハンダ付けします。ハンダ付けの際の注意点は(2)に書いてありますので、よく読んでおきましょう。
残った4本のピンはどうするかというと、回路図をよく見て、回路図の通りにジャンパ線で繋いで下さい。「なんじゃそりゃ、回路図なんて無いぞ!」と思った方、回路図は第5章に載せてありますのでそちらを参照して下さい。
(※注)回路によっては、22番(/CS)、29番ピン(/WE)もジャンパ線で繋 がなければいけない場合があります。この場合は、基板にハンダ付けしないで、回路図の方に従って下さい。
(6)RAMの2階建て
さて、E500でフレキシブル基板(第2章参照)を持っている人や、E550、E650の人は、基板の上にもとからRAMが2つあるので、これを両方外せば(両方外して下さい)、新しいRAMの置き場所は2つ確保出来ますね?しかし、E500でフレキシブル基板を持っていない人はどうでしょう。RAMの置き場所が1つしかありません。
そこで、このような場合にRAMをどうしても2つ置
きたい、と言う人はRAMを2階建てにするという手段が残されています。
2階建てにする場合は、増設したいRAMが2つある場合ですね。
さて、ここで問題が1つあります。RAMを2階建てにすると、高過ぎて裏蓋が閉らないのです。困ってしまいました。
そこで、RAMをげしげしと削ってしまいます。ヤスリでもカッターでも何を使ってもいいので、RAMを削っちゃって下さい。
だいたい、RAMの表と裏、両方 0.1~0.2mm ぐらい削ればokです。
この時、どの足が1番ピンか解らなくなると困るので、削る前にあらかじめ消えない印を付けるのを忘れない事。
さて、1階部分のRAMは(4)を見て、この通りに足を加工して下さい。
そして、(5)の通りにハンダ付けして下さい。
問題は、2階部分のRAMです。
このRAMは、1階部分のRAMとの共通部分のピンをすべて真下に、RAMと直角になるようにペンチで足を曲げてしまいます。
そして残りのピンは真横になるようにペンチで足を曲げます。折れやすいので注意して下さいね。
(※注)何番の足を真下に、そして何番の足を真横に延ばすかは、回路図によって異なる場合があります。この場合は必ず回路図の方に従うようにして下さい。
最後に、2階部分のハンダ付けです。2階部分の真下に向けたピンを、1階部分の該当するピンに付けて、ハンダ付けします。名付けて『亀の子』。真横に向けたピンは、回路図の通りに配線します。

+-----------------------------------------------------------------------+
| 第1章で、A0~A14、D0~D7等は、すべて共用していると書きました |
|ね?                                                                   |
| そうです。よく見て下さい。その通りになっているはずです。             |
+-----------------------------------------------------------------------+


(7)CMOS ICの配置
さて、回路図によってはRAMの他に、HC00 や HC158 等の様な CMOS ICを
要求するものもあります。その場合は、回路図で指定しているICを別途揃えて、
配線する事になります。
ここで、これらのICを基板のどこに配置するかですが、これはクロック回路(基板中央付近に、青いものが見えると思いますが、このあたりです)の近くで
なければどこでもokです。例えば、3つあるLCDCの、間などがいいでしょう。
ここだ!と思ったところに、両面テープ等で張り付けてしまいます。
(8)改造に失敗したら?
電源onしても動かない?そんな時は、落ち着いて、 on キーを押しながらリセットして下さい。
それでも動かない時は、ただちに電池を抜いて裏蓋を開け、配線やハンダのチェックをして下さい。チェックすべき項目は次の通りです。

 - 回路図を見ながら、ジャンパ線の配線間違いが無いかチェック。

 - ピンとピンの間がショートしていないかチェック。見た目ではショートし
      ていなくても、テスターを当てるとショートしているのが解る場合があり
      ますので、これを完璧にチェックして下さい。

 - RAMの各ピンがCPUと直結しているかチェック。回路図と、CPUの
      ピン表、RAMのピン表(第1章「基礎知識」を参照)を参考にして、テ
      スターでよく調べます。

 - RAMを2段重ねにしている場合は、上のRAMと下のRAMの共通部分
      のピンがちゃんと繋がっているかチェック。これも、各ピンが見た目には
      ハンダで繋がっていてもテスターを当てると繋がっていない、と言う場合
      が結構ありますのでチェックします。

 - 倍速化改造をしている場合は、クロックラインのジャンパ線が切れていな
      いか、クロック切り替えスイッチが劣化していないかも調べます。

 - 改造中に誤って、基板上のパターンを切ってしまう事が有ります。その箇
      所を見つけたら、ジャンパ線で繋いでおきます。

 - また、改造中にハンダが飛んで、思わぬ所でショートしている場合もあり
      ます。この場合、不良箇所を探して修復するのはかなり困難ですので、改
      造中に気をつけるしかなさそうです。

それぞれ念入りに調べてみます。運良く不良箇所が見付かれば、しめたものですが、見付からない場合は何度もチェックしてみます。それでも駄目な場合は、RAMやCPUが死んでいる可能性があります。そうなってしまった場合は残念ですが、改造は失敗です。RAMが壊れている場合は交換すればokですが、それ以外の部品が壊れているとなると、修復は絶望的です。


==========================================================================
■ 第4章 □   IC規格
--------------------------------------------------------------------------

さて、ここまで読み進めてこられた方なら、回路図を見ただけで改造に取り掛かれますね。
え?、さっぱり解らない?、ご、ごめんなさい。
さっぱり解らない人は、図入りの詳しい解説がある、PJ(ポケコンジャーナル)と言う雑誌のバッ
クナンバーを取り寄せて下さい。
こちらのほうがよっぽど解りやすく書いてある
かもしれません。取り寄せ方は、この説明書の最後の方にかいてありますので、そちらを読んで下さい。
話がそれてしまいました。この章では、幾つかのCMOS-ICの規格を紹介したいと思います。
これだけの知識があれば、もう、自分で回路図を書く事だって出来ますよ。技巧的な事は、実際に回路図を幾つか見て身に付けて下さい。

(1)74HC00、74HC02

       真理表                              ピン配置
     +--------------+------------------+        +---u---+        +---u---+
     | 入力         | 出力(Y)          |       A| 1  14 |VCC    Y| 1  14 |VCC
     | A      B     | 74HC00   74HC02  |       B| 2  13 |A      A| 2  13 |Y
     +---------------------------------+       Y| 3  12 |B      B| 3  12 |A
     | High   High  | Low      Low     |       A| 4  11 |Y      Y| 4  11 |B
     | High   Low   | High     Low     |       B| 5  10 |A      A| 5  10 |Y
     | Low    High  | High     Low     |       Y| 6   9 |B      B| 6   9 |A
     | Low    Low   | High     High    |     GND| 7   8 |Y    GND| 7   8 |B
     +--------------+------------------+        +-------+        +-------+
                                                 74HC00           74HC02
        74HC00 では、Y=NAND(A,B)
        74HC02 では、Y=NOR(A,B)

※ピン配置を見ると解りますが、 4つの A、B、Y を別用途で使えます。使わないものは、A、B の各ピンを必ず GND に繋いでおき、Y の出力ピンを解放(どこにも繋がない状態)しておきます。


(2)74HC138

       真理表                                                   ピン配置
  +---------------------+---------------------------------+     +---u---+
  | 入力                | 出力                            |    A| 1  16 |VCC
  | G1  /G2 C   B   A   | Y0  Y1  Y2  Y3  Y4  Y5  Y6  Y7  |    B| 2  15 |Y0
  +---------------------+---------------------------------+    C| 3  14 |Y1
  | --  Hi  --  --  --  | Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  | /G2A| 4  13 |Y2
  | Lo  --  --  --  --  | Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  | /G2B| 5  12 |Y3
  | Hi  Lo  Lo  Lo  Lo  | Lo  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  |   G1| 6  11 |Y4
  | Hi  Lo  Lo  Lo  Hi  | Hi  Lo  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  |   Y7| 7  10 |Y5
  | Hi  Lo  Lo  Hi  Lo  | Hi  Hi  Lo  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  |  GND| 8   9 |Y6
  | Hi  Lo  Lo  Hi  Hi  | Hi  Hi  Hi  Lo  Hi  Hi  Hi  Hi  |     +-------+
  | Hi  Lo  Hi  Lo  Lo  | Hi  Hi  Hi  Hi  Lo  Hi  Hi  Hi  |             
  | Hi  Lo  Hi  Lo  Hi  | Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Lo  Hi  Hi  | 但し、       
  | Hi  Lo  Hi  Hi  Lo  | Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Lo  Hi  |  /G2=/G2A+/G2B
  | Hi  Lo  Hi  Hi  Hi  | Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Hi  Lo  |             
  +---------------------+---------------------------------+             


(3)74HC139

       真理表                                                   ピン配置
     +-----------------------+----------------------------+     +---u---+
     | 入力                  | 出力                       |    G| 1  16 |VCC
     | G      B      A       | Y0     Y1     Y2     Y3    |    B| 2  15 |G
     +-----------------------+----------------------------+    A| 3  14 |B
     | High   ----   ----    | High   High   High   High  |   Y0| 4  13 |A
     | Low    Low    Low     | Low    High   High   High  |   Y1| 5  12 |Y0
     | Low    Low    High    | High   Low    High   High  |   Y2| 6  11 |Y1
     | Low    High   Low     | High   High   Low    High  |   Y3| 7  10 |Y2
     | Low    High   High    | High   High   High   Low   |  GND| 8   9 |Y3
     +-----------------------+----------------------------+     +-------+

※ピン配置を見ると解りますが、右と左を別用途で使えます。片方使わない場合 は、使わない方の G、B、A の各入力ピンを必ず GND に繋いでおき、Y0~Y3の出力ピンを解放しておきます。


(4)74HC157

       真理表                                           ピン配置
     +------------------------------+----------+        +---u---+
     | 入力                         | 出力     |  Select| 1  16 |VCC
     | Storob Select A      B       | Y        |       A| 2  15 |Storobe
     +------------------------------+----------+       B| 3  14 |A
     | High   ----   ----   ----    | Low      |       Y| 4  13 |B
     | Low    Low    High   ----    | High     |       A| 5  12 |Y
     | Low    Low    Low    ----    | Low      |       B| 6  11 |A
     | Low    High   ----   High    | High     |       Y| 7  10 |B
     | Low    High   ----   Low     | Low      |     GND| 8   9 |Y
     +------------------------------+----------+        +-------+

※ピン配置を見ると解りますが、 4つの A、B、Y を別用途で使えます。使わないものは、A、B の各ピンを必ず GND に繋いでおき、Y の出力ピンを解放しておきます。

(5)74HC158 (or 74HC258)

       真理表                                           ピン配置
  +---------------------------+-----------------+       +---u---+
  | 入力                      | 出力 (/Y)       | Select| 1  16 |VCC
  |15番pin Select A      B    | 74HC158 74HC258 |      A| 2  15 |OutputControl
  +---------------------------+-----------------+      B| 3  14 |A
  | High   ----   ----   ---- | High    H-Z     |     /Y| 4  13 |B
  | Low    Low    High   ---- | Low     Low     |      A| 5  12 |/Y
  | Low    Low    Low    ---- | High    High    |      B| 6  11 |A
  | Low    High   ----   High | Low     Low     |     /Y| 7  10 |B
  | Low    High   ----   Low  | High    High    |    GND| 8   9 |/Y
  +---------------------------+-----------------+       +-------+
                           (H-Z は High-impedance)

※ピン配置を見ると解りますが、 4つの A、B、Y を別用途で使えます。使わないものは、A、B の各ピンを必ず GND に繋いでおき、Y の出力ピンを解放しておきます。




==========================================================================
■ 第5章 □   回路図の例
--------------------------------------------------------------------------

さて、ここでは、4MRAMを2つ利用してE500/E550の内蔵ラムを1MBにする方法を紹介します。1MBの内訳は、S1:256、S2:256、D:512 KB
です。 D: は、DELTA と言って増設EMS のようなものです。この場合は512KB のラムファイルが D: に出来ると考えて下さい。
(別途、DELTA Ver3.5 または Ver3.4 をポケット通信などから入手して下さい)
え~っ、1MBも!?
そんなにいらないよ、と言う方は、PJのコピーサービスで S1:256 の増設記事を取り寄せるなり(後述)、何なりして下さい。選択肢は沢山ありますよ!!
さて、2つの4MRAMを使うと言いました。E500の方はこの2つのRA
Mを2階建てにして下さい。E550の方は横に2つ並べるだけでokです。E
650の方は、残念ですがこの改造は出来ません。ROM領域が他の2機種より
も大きいため、DELTAの領域と競合してしまう事が原因です。
また、この改造をした場合は 256KB の S2: を内蔵する事になるので、ラムカードは必要なくなります。
と言う訳で、改造後はラムカードをスロットから外して下さい。
なぜ内蔵にするかと言えば、スロットがラムカードで塞がっているとハードディスクが繋げられないからです。
下が回路図となります。これは、;P;1;1;3 から、Daris さんと ganze さんの記事を参考にさせて頂きました。(Daris さん考案の回路は丸写しです)感謝!
ganze さんのオリジナルの回路図は、S2:256 と D:256 を選択できる等、非常に完成度の高いものですので、一度実物を見ておくと勉強になると思います。
実物はここにあります。↓

+--------------------------------------------------------------------------+
| ;P;1;1;3                                                                 |
| >00074  95-09-21 21:17:41 3261    4MRAMでDELTA!/Daris        |
| >00082  96-02-26 18:34:26 2814    4msram s1:256 d:256 or 内蔵s2:256 (^^; |
+--------------------------------------------------------------------------+

 RAM1階部分(S1:256 S2:256 部分)       RAM2階部分(DELTA 512KB 部分)

 A15----->ram A15        ^               +-------+                 ^
 A16----->ram A16        |               |        |                |       
 A17----->ram A17        |               |        |                |VCC     
       +->ram A18        |               |        |             +-------------
       |  +-----U-----+  |               |        |             |         4
 /CE0--*->|Select  Vcc|--+               | C  A15|------------>|A15      M
       *->|1A  Control|---+              | P  A16|------------>|A16      S
       +->|1B       4A|---*              | U  CE3|------------>|CS       R
     +----|/1Y      4B|---*              |    Ko15|------------>|A17      A
     +--->|2A      /4Y|   |              | S   E5|-----*------>|A18      M
 CE1----->|2B       3A|---*              | C     |     |       |           
 ram/CS<-- 3b="" nbsp="" p="">        +-|Gnd     /3Y|   |              | 2     |  1MΩ     |    →A0-A16,
        | +-----------+   |              | 0     |     |       |      D0-D7,
        |     HC158       |              | 1     |     |  +----|OE    Gnd,OE,
        |                 |              | 5     |     |  | +--|GND   Vcc,WE
        |                 |              |        |     |  | |  +-------------
        |                 |              +--------+     |  | |
        v                 v                             v  v v

   「^」Vccへ、「v」Gndへ            「*」は接続、「+」は交差 or 折れ曲がり
   倍速機では、1MΩを470kΩに交換

どうです?解りますでしょうか。E500の方は、1階部分を配線し、その後2階部分の制作にかかります。DELTAが必要無い、と言う方は1階部分だけ作れば、それだけで S1:256 S2:256 の出来上がりです。E550の方は、 1階部分と2階部分を横に並べて置いて下さいね。
やっぱり回路図だけじゃまだ不安だ、と言う人、居ますか?では、ヒントを書いておきますので、参考にして下さい。
まず1階部分のヒントです。A0~A14、D0~D7、Gnd、OE、WE は、基板のパターン上のものがそのまま使えますから、何も考えずにハンダ付けします。さて、残っ
たピン(A15~A18、CS、VSS)は足を横に並行に伸ばして、 ジャンパ線で配線する事になります。1本1本丁寧にやって下さいね。ピンの位置が解らない?そんな人は、第1章の基礎知識で確認しておきましょう。
では2階部分のヒントです。回路図に書いてありますが(私が書きました。大ヒントです)、A0~A16、D0~D7、Gnd、OE、Vcc、WE の各ピンは1階部分と共用出来ますので、ピンの足は垂直に下に伸ばしてハンダ付けします。
おっと、実際に亀の子にするのはE500の人だけでしたね。E550の人はA0~A16、D0~D7、Gnd、OE、WE の各ピンは、 開いている方のRAM置き場にそのままハンダ付けしますが、残りのピンは頑張ってジャンパ線で配線して下さい。

==========================================================================
■ 第6章 □   あとがき
--------------------------------------------------------------------------

(1)連絡先など
E500の改造をしたい、と決意してから1か月間、3年間分のPJに目を通し、;BBSE500、;TECHE500 の全書き込みを読み漁ったりと、いろいろと勉強しました。本書はその集大成です。
本書を読んで、解りにくい点があるかもしれませんが、その時は ;BBSE500 に書いて頂くか、私までメールで質問して下さい。解る範囲でお答えできるかと思います。
質問のほか、提案&バグ情報&情報提供&感想など何でも待っています。ぜひぜひメール下さい。私への連絡は、以下のBBSまでお願い致します。

 ポケット通信V3 03-3299-8661 ID:4041
 Limit 0423-21-9969 ID:Lim0010
 ZOB Station BBS 0466-80-1045 ID:zob12705
 Wanibbs Host Interconnection Protocol ID:Lim0010@Limit

 ハンドル名 : Lycanthrophy nomi(略して らい.)


(2)さらに上を目指す方へ
本書だけではもの足りない、もっと深く突っ込んだ知識が知りたい、と言う方は、ポケット通信の ;P;1;1;3 にある次の記事を読まれる事をお奨めします。この記事はかなりレベルが高いものですが、本書をすべて読み終えた読者の方でしたら、理解するのに十分な知識はすでに身についている筈です。

>";P;1;1;3"
>00011  94-12-28 21:37:11 2845      増設 208KBライト・プロテクトS3:の設計/Great
>00031  95-02-24 19:03:10 2845      E650のライト・プロテクトRAM(S3:)増設講座(第1回)/Great
>00032  95-02-24 19:03:20 2845      E650のライト・プロテクトRAM(S3:)増設講座(第2回)/Great
>00033  95-02-24 19:03:34 2845      E650のライト・プロテクトRAM(S3:)増設講座(第3回)/Great


(3)PJのコピーサービス
図やイラストでの説明が欲しい、と言う方はPJのコピーサービスを受けるといいと思います。工学社営業部(03-3375-5784)に、「ポケコンジャーナルの、○○年○月号の、○○ページから○○ページまでのコピーサービスを頼みたい」と言えば、送金方法等を指定してくれます(1ページ50円)。
  92 年 7月号  3~12 ページ  『E550/1490UII の S1:256KB 改造』
  92 年 7月号 13~21 ページ  『E500/1480U/1490U の S1:256KB 改造』
  92 年12月号 16~28 ページ  『時計を内蔵する改造』
  93 年 8月号 16~17 ページ  『U6000 の S1:256KB 改造』
  93 年 8月号 20~23 ページ  『4.8MHz 倍速化改造』
〈参考文献〉
『PJ'91.5 128KB RAM基板の制作』工学社/みずほ
『PJ'91.5 PC-E500の高速化』工学社/みずほ
『PJ'91.12 信号引き出しとCEのメモリ制御について』工学社/天野仁司+TOM
『PJ'92.7 E550/1490UIIの内蔵RAM256KB改造への道のり』工学社/澤田保隆
『PJ'92.7 フルメモリ257,976バイトの巻』工学社/大阪北新地
『PJ'92.7 PC-E500シリーズの内蔵RAM増設』工学社/みずほ
『PJ'92.7 パーツを通信販売で入手するためのノウハウ』工学社/みずほ
『PJ'92.12 リアルタイムクロックを内蔵する』工学社/近成人
『PJ'93.2 128KBRAMカードを作ろう』工学社/みずほ
『PJ'93.2 プロテクト256KBRAMカードを作ろう』工学社/みずほ
『PJ'93.8 PC-U6000大容量256KBへの改造』工学社/みずほ
『PJ'93.8 ポケコンの倍速化』工学社/みずほ
『PC-E500*PC-1490UII 活用研究』工学社
他に、ポケット通信V3の ;BBSE500 から、次の方のご意見を取入れさせて頂きました。感謝!
#2814 ganzeさん
#2845 Greatさん
#3041 しゃかんきょりたもつさん
#3261 Masaさん
#3383 ~Miki!~さん
また、#3733 Nmasu さんからバグ情報を頂きました。感謝、感謝!

+-------------------------------------------------+
| E500 シリーズ改造の手引き  初版 1996/3/16       |
|                            第2版 1996/3/20     |
| (C)#4041 Lycanthrophy nomi                      |
+-------------------------------------------------+

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

以上がZOU2.LZHの内容です。
インデックス
    ポケコンのお部屋
        ポケコンの改造・周辺機器の製作
            PC-E500シリーズ 改造の手引き←現在地点
『delta350.lzh』は神尾尚(きゃぱ)さんが著作権を保有しています。
本『PC-E500/550を1Mバイト化』内の記事はポケット通信上のSOFTE500(;4112)にて公開された物で、らいさんが著作権を保有しています。
転載にあたりまして、神尾尚(きゃぱ)さん、らいさんより許可を頂いております。
Copyright (C) 1996-2004 Takayuki Mizuno [tmizuno@kt.rim.or.jp] 公開鍵

Mizuno Homepage
http://www.kt.rim.or.jp/~tmizuno/pocket/e500/zou.html