1981年1月29日木曜日

[OS] Windows MS-DOS

















■パソコンの登場
しかしダウンサイジングの主役はいまや超小型機種のミニコンではない。もっとコンパクトな,パソコンやワークステーションと呼ばれる卓上機や卓上に乗るほど小さなコンピュータである。成り立ちからいえば全く新しいコンピュータと言った方が適切かも知れない。パソコン,ワークステーションの歩みは大手主導の歩みから寄り道したところで始まったものだからだ。
半導体開発はIC時代を迎えて,ますます集積化が進み,LSIから超LSIへ,さらに超々LSIチップ(半導体の小片)へと歩みを進めていった。
その過程でひとつの製品が生まれた。ひとつのチップの上に,コンピュータの基本的な能力である演算処理機能を詰め込んだ「マイクロ・プロセッサ」と呼ばれるものである。このマイクロ・プロセッサを中心に作られたのが,個人用のコンピュータ「パーソナル・コンピュータ」つまりパソコンである。
マイクロ・プロセッサが一回にデータ処理できる能力によって,パソコンは4ビット,8ビット,16ビット,32ビットのものが実用化されている。現在の主流は16ビットで32ビットはパソコンの上位機種で使用されている。
「高性続コンピュータを開発するためには,演算素子に優れた半導体を必要としたが,逆に高性能な半導体から生まれたコンピュータが「パソコン」なのである。ありていに言えば半導体のお化けがパソコンである。
そのパソコンの頭脳マイクロ・プロセッサを1971(昭和46)年に開発したのが米国の大手半導体メーカー・インテルである。
■Apple   
しかし実際にパソコンを開発し,そのブームの火付け役となったのは半導体メーカーでもIBMなど大手のコンピュータ・メーカーでもなかった。米国の半導体産業のメッカ・シリコンバレーには半導体メーカーやコンピュータ・メーカーだけでなくコンピュータの力の虜になった個人が引き寄せられていた。「ハッカー」と呼ばれたコンピュータ・
マニアたちは,シリコンバレーに集まっては各人の手作りコンピュータの品評会のようなものを開催したりして交流を続けていた。彼らの関心はメーカーのお仕着せのコンピュータではなく,自分たちに必要なコンピュータ,個人が無料で利用できるソフト開発など誰もが使いうるようなコンピュータを誕生させることであった。
そのようなコンピュータ・マニアの中にスティーブン・ウォズニアックとスティーブン・ジョブスという二人の若者がいた。彼らこそが世界最初のパソコンを開発し社会に送り出した張本人である。
ウォズニアックが最初に開発した「アップルI」は回路基盤だけのコンピュータだったが,仲間の間ではさいわい高い評価を得た。そこで二人はアップ
ルの商用化に乗り出すことにしたのである。
1977年,ジョブスが愛車を,ウォズニアックが計算機を処分して得た千数百ドルを元手にニ人は「アップル社」を設立した。パソコンが個人的趣味からベンチャービジネスに変化した瞬間である。会社の研究所兼事務所はジョブスの父親のガレージを改造したものだった。
そしてそのガレージからパソコンの大ベストセラー機「アップルII」がその年の6月に誕生した。軽量プラスチック製の本体に,洒落たデザイン。それまでの手作りコンピュータとは全く違った新しい機械だった。パソコンが「商品」として社会に登場したのである。
アップルIIは,誰もがコンピュータを使えるようにしたという点において画期的な製品であった。発売以来アップルIIはパソコンの愛好者を開拓しまたたく間にパソコン市場を席巻した。 アップル社はガレージ企業から10億ドル企業に急成長しパソコン界のIBMとまで言われるようになった。
パソコンが普及するにつれ,それまでコンピュータが持っていたイメージはがらりと変わった。何か得体の知れない貴重で高価な機械,あるいは大企業の奥の部屋にデンと据えられている計算機で,使用する者はわざわざその部屋まで出向かなければならないというのがそれまでの一般的なイメージだった。しかしパソコンは個人の机の上に乗り使い方も夕イプライターに似たキーボードを叩くだけで使える。機器というよりも日常的な道具であっ
た。それゆえ親しみ易いイメージを持たれるようになった。
1981年4月,「黄金の80年代」の始まりとともにIBMはパソコン市場への参入を発表した。それまでパソコン事業には進出しないと公言していたことを考えるなら,大型汎用機を中心にビジネスを展開してきたIBMにとって,当初はパソコンはコンピュータの玩具にしか思えなかったのであろう。
■IBM-PC
スタートが遅れたものの,IBMが市場に送り出したのが新型パソコン「IBM・PC」だった。3年後,IBMはパソコン市場で業界トップのアップル社のシェアを抜いた。コンピュータ業界の巨人の底力を新興メーカーに見せつけた瞬間であった。
IBMのパソコン分野参入は,とかくマニアの世界の遊び道具と受け取られがちであったパソコンをビジネス分野の製品として社会に認知させる役割を果たした。「あのIBM」が事業として取り組んだという事実が,パソコンに社会的な意味づけを行う効果をもたらしたのである。それにともないパソコン市場には新規参入が相次いだ。
■MS-DOS規格登場
IBMの成功にはいくつかの伏線があった。なかでもパソコン分野に新規参入するさい,従来とは全く違う手法を用いたことである。IBMはパソコン事業を担当するセクションとしてIBMの経営組織に束縛されない一種の独立部隊を編成した。そのうえで全
ての権限を与えたのだった。IBMは本社→地域統括会社→各国IBM(現地法人)という経営組織をタテ軸にして世界120ヵ国以上の営業拠点を統括するとともにビジネスを展開していた。またIBM本社に直轄される形で世界市場を製品別に担当する開発・製造組織がヨコ軸として大型機種,中型機種,小型機種,周辺機器といった分野を担当する開発・製造のセ
クションが全世界のそれぞれの市場に対して責任を持つわけである。IBMでは「マトリックス」とよばれる組織編成である。
マトリックス編成は縦横の相互チェックを行い安定した品質の製品を市場に送り出すことが出来るが,反面決定まで時間がかかるという致命的側面も持っていた。素早い対応が求められるような新製品開発などの場合にはもっとも不向きな体制であった。
その点マトリックス経営から離れた 独立部隊にパソコン市場参入の全権を与えたのはIBMの見識であった。それまでと違って不安定な個人需要の動向を常に注目しながら,身軽な方向転換を要求されるパソコン市場ではIBMの独立部隊はもっとも相応
しい組織といえた。
その軽快な経営組織が選んだ戦術は,これもまた従来のIBMからは考えられないきわめて異例なものであった。IBMは「自前主義」を原則としている。米国の他のコンピュータ・メーカーと違って,システム/360以来,半導体部門を内部に抱え半導体を自前
で開発してきたように,全て自社製品でコンピュータを生産しているのである。だが,パソコンでは基本ソフトの開発を自前で行わなかった。独立部隊であるがゆえ既存の開発組織を利用しにくいという面もあっただろうが,それにしても選んだ基本ソフト「MS-DOS」は、ビル・ゲイツという20代の青年が社長を務める新興ソフトメーカー「マイクロソフト社」の開発したものだった。その頃はパソコン用の基本ソフトとしては,デジタルリサーチ社の「CP/M」が君臨していた時代である。実績,安定性からいえばデジタルリサーチ社の基本ソフトを採用するのがベターな選択であろう。しかし独立部隊はマイクロソフト社を選んだ。そのうえパソコンの頭脳であるマイクロ・プロセッサも自前のものでなくインテル社が開発したものを使用したのだった。
しかし独立部隊の開放主義はそれにとどまらなかった。IBM本社の閉鎖主義とは反対にIBM-PCの仕様までも公開したのである。IBM互換機を認めた,いや積極的に推進したのである。皮肉なことに汎用機部門で互換幾叩きを始めたIBMが,パソコン部門ではなんと最初にオープンシステムを実現したメーカーになっていたのである。
独立部隊が示したこのオープン性によって,パソコン市場は一挙に活性化した。巨人IBMのパソコン市場参入を契機にパソコン・メーカー各社もMS-DOSを採用し一斉にIBM互換機を開発しだしたのである。まさに勝ち馬に乗れというわけだ。たちま
ちIBM-PCとその互換後はパソコンの完全な基準となっていた。.....
ー覇者の誤算,講談社文庫,立石泰則

yhjjuj pc



1981年1月28日水曜日

[ゲーム][LEDゲーム] バンダイ,クレイジー・クライミング(CRAZY CLIMBING)(1981)~日本物産「クレイジー・クライマー」移植版



クレイジー・クライミング(CRAZY CLIMBING)
ゲーム性 ★★★ 四方の窓を塞がれてのなぶり殺される事も・・・・
操作性 ★★★ 業務用に忠実だが複雑な操作の為、緊急時に戸惑う
キャラクタ ★★★★ 原作に忠実な画面構成
サウンド ★★★★ ゲームのイメージに合ったメロディ
ハード ★★★★★ このゲーム以外に流用出来ない豪華な2本スティックがイカス!
総合 ☆☆☆☆ 一度は触ってみたい電子ゲーム





クレイジー・クライミング(CRAZY CLIMBING)
バンダイ/1981年頃
(C)1981 日本物産/BANDAI ELECTRONICS
■ゲーム解説:リズムに乗ってどんどん登ろう!
クレイジークライミングの画面  この「クレイジークライミング」は前に紹介した「ヒステリック・ママ」とは違い、
日本物産の許諾を得て業務用の「クレイジー・クライマー」を移植したものです。
ゲーム内容は業務用と同様にクライマーを49階まで登らせれば1パターンクリアとなります。
蛍光管表示は3列しかありませんが、スクロール制を採用して5列となっており、
固定画面主流の電子ゲームで上左右スクロールするのはかなりめずらしいと思います。
業務用で登場した「キングコング」や「落ちる看板」は登場しませんが、
シラケ鳥がフンを落としていったり、おじさんが植木鉢を落としてクライマーのジャマをします。
これらの敵の攻撃に当たっても、両手を揃えていれば(ふんばりのポーズ)、300点減点されるだけで
ミスとはなりません。逆に両手を揃えていなかったり、手を掛けている窓が閉まって挟まれると
クライマーは転落してしまいミスとなります。
業務用のクレイジー・クライマーは2本レバーでの操作が斬新かつ新鮮でしたが、
このゲームでも同様な感覚を味わう事が出来ます。
ただし業務用とは違って蛍光管表示の制限から、2つの窓に手を掛ける事は出来ませんので
多少操作方法が変わっています。
基本的には左右の手を交互に上げ下げして登っていきます。
左の写真の場合は、次に左手を下に、右手を上にする事により1階上に登ります。
レバーを左右同時に操作しないと動作しないので、二人三脚の様な感覚で進むとスイスイ登れます。
ただし、自分の手を掛けている上の階の1つ上の窓(つまり2つ上の階)が閉まっている場合は、
まず両手を上にしてから、両手を下にして登ります。
この様に少し複雑ですが、実際に自分に置き換えたりして考えてみると納得の出来る操作方法となっています。
かなり頑張って業務用を忠実に移植している感じがするクレイジー・クライミングですが、
実際にプレイしてみると以下の点に気づきます。
ビルのドアは一度閉まったらなかなか開きません。自分の周りのドアが全て閉まってしまったりする事がしばしばあります。
こうなるとプレイヤーは敵の攻撃を避ける事が出来ずにただひたすら耐えるしかなく、
じわじわと減点されていくので納得出来ません。
又、植木鉢とフンが同時に落ちてくる場合があり、この場合は他の列に移動するしか避ける方法がありません。
(ふんばりポーズで落下物を受け止めると左右の手がバラバラになり、もう1つの落下物に当たってミスとなる)
これらのケースはユーザーのゲームレベルとは関係なく、不条理であり、納得できませんので
改善して欲しかったものです。事実、これらのおかげで難易度がアップしています。
何はともあれ「クライジー・クライミング」は、一度は2本レバーに触ってみたい・・・そんな感じのゲームです。
■本体解説:業務用機が小型化?!
やはりなんと言っても、2本レバーに尽きるでしょう。
蛍光管表示(FL)なので乾電池・ACアダプターの2電源方式となっています。
バンダイ製ゲームにしては、サウンド機能がありません。
この当時のバンダイ製FLゲームはメタリックなボディが多く、高級感があります。
おそらく子供だけではなく、アダルト層も購入対象に考慮していたのではないでしょうか?
このゲームの標準小売価格は8,200円と玩具としては非常に高額ですが、
FLゲーム機としては標準的な価格です。
この時代はゲームに対して、今の様に一般娯楽の一部としての認識がなく
「ゲームに1万円近く注ぎ込む」事にどうしても納得できない親が多く、
なかなか買って貰えなかったのではないでしょうか?

JUN AMANO'S HOMEPAGE             
http://homepage3.nifty.com/lsigame/

         
     
         
       




1981年1月25日日曜日

[機器][ポケコン] SharpPC-E500,ポケットコンピュータ




[機器][ポケコン] SharpPC-E500,ポケットコンピュータ
E500BASIC技術向上委員会会長 御茶目菜子
PSS推進運動実施中!
ここは、ポケコン(特にE500シリーズのBASIC)について探求するところです。
BASICの基本的な使いかたは覚えたけどさらなる技術向上を目指している人には最適の場所です。ぜひ、プログラミングの楽しさを体験してみてください!
「ザウルスユーザーズWEB RING 2000」で来られた方へ
「おちゃめくらぶ」のトップページはこちらです。他のコーナーも見て行ってね。また来てくれるとうれしいな。
それから、現在ザウルス用語事典を作成中です。ザウルスを使っていて分からない言葉や用語が出てきたら「何でも質問箱」に書き込んでください。
■ポケコンとは
ポケコンとは「ポケットコンピュータ」の略で本来ポケットに入るくらい小型のコンピュータということで命名されました。
最初のポケコンは1980年にシャープから発売されたPC-1200/01で、当時としては、画期的な程小型で安価、しかも、標準でBASICが使えるなどすばらしいものでした。その後、どんどん進化していきましたが、パソコンの価格低下にともなってどんどん地位の低いものとなったかのように思われました。しかし、パワーユーザーの手によって、メモリを標準の32Kバイトから512Kバイトに増設したり、それによって漢字表示ができるようになったり、まだまだ、その勢いは衰えていません。
ポケコンのもっとも優れている点は電源ONですぐにプログラミングが可能な点です。
これは、現在のどのパソコンにおいても実現されていない、ポケコンの最大のアドバンテージになっています。
■私とポケコン
私がポケコンと出会ったのは1983年のことでした。当時、クラスの中で数人が学校にポケコンを持ってきてお互いに自慢(マイクロカセットとプリンタが一体化したCE-125は当時のポケコンユーザーのステータスでした)しあっていました。パソコンのことを「マイコン」と呼んでいた当時、コンピュータといえば、テレビ型の表示機があって、それに大きな本体とキーボードくっついているものというのが頭の中にありました。だから、ポケコンを見たとき思ったのが「これって、本当にコンピュータ?」ということでした。しかし、小さいながら、立派にゲームが動いていて、しかも、それを自分で作ることができるというのです。それは、まさに「コンピュータ」でした。その後、ポケコンが私を魅了するのにはそれほど時間はかかりませんでした。
翌年、何とか貯金をしてPC-1245を購入し、学校の授業中によくプログラミングをしたものです(笑)。当時、「プログラムポシェット」「Pio」「ベーマガ」などの雑誌は、最高の参考書であり、いつかは雑誌に掲載してやるぞと熱くなったものでした。しかし、当時は小遣いの関係でほとんど買えず、友達と見せ合いをしていました。今も、何冊か当時買った雑誌が残っていて非常に懐かしい思いに浸っています。そうしているうちに、ある程度のプログラムが、作れるようになりました。だから、よく、電器屋に置いてあるPC-88やMSXでゲームを作って遊んだものです。しかし、相次ぐ雑誌の休刊と学校が忙しくなったことによりポケコンから次第に離れていきました。
しかし、そこに現れたのが、ポケコン専門誌「ポケコンジャーナル」と超高性能ポケコン「PC-E500」です。E500は今までのポケコンの5~7倍の圧倒的な演算速度(PC-88と同レベル)とパソコンライクなBASICの搭載など再び私をポケコンに夢中にさせるには十分な存在でした。
それから数年後・・・。アメリカ人は頭の思考が当然英語ですが、私は頭の思考がBASICになってきました(笑)。「習うより慣れろ」というのはまさにこのことですね。困ったことに、気が付いたら頭の中にBASICのプログラムリストが浮かんで行くのです。う~む・・・。これだけBASICを使っている人って他にいるのかな(笑)
お陰様で「ポケコンジャーナル」や「ベーマガ」では何回かゲームなどを掲載していただきました。特に、印象に残っているのはポケコンジャーナル96年5月号で7ページほどプログラムテクニックについて書かせて戴いたことです。何しろ、最終号だったもので・・・(笑)。
最後に、私にとってプログラミングとは究極のゲームであり、それをいつでもどこでも実現してくれるポケコンは究極のゲーム機であるといえるのです。
《おまけ》
私と100M走
はっきり言って、私が作ったゲームで一番多いのは「100M走」のゲームです。なぜかというと、簡単にでき、しかも、自分で遊べる(アドベンチャーなどは作った本人は楽しめませんからね)というのが一番の理由でしょう。その数、数百いや数千あるかもしれません。商業紙に掲載されたものだけでも3つあります。グラフィックを使わなければ3分で出来ますからね。まさに3分クッキング・・・もとい、3分プログラミングです。まあ、3分で作ったものを投稿するわけには行きませんが(笑)。
PC-1245で作っていたころは処理速度の問題からかなりの無理がありましたが、PC-1350を使っていたころになると当時としてはトップクラスの画面の大きさで、グラフィックを多用したゲームが作れたのですが、画面の割りに処理速度が遅いのでコンパイラや部分的にマシン語を使ってゲームを作っていました。
ところが、PC-E500の登場によりオールBASICでも(当時としては)満足の行く処理速度を得ることが出来るようになったのです。そこで、買って間も無い頃に作ったゲームが「ハイパーウルトラ100M走」です。
このゲームは、100M走としては画期的(?)と言える主人公が成長するシステムを搭載しています。コンピュータ戦に勝つごとに少しずつ成長していくのです。この成長がすごくて、勝った時に成長するのは当たり前として、苦戦して負けたときや辛うじて勝ったときには一気に成長(逆に大勝したら成長はしない)します。さらにタイムがゾロ目になったら成長するとか・・・非常に多くの成長パターンが存在するのです。さらに主人公の名前によっても成長パターンが異なるのです。コンピュータ戦ではドーピングが使えるのは当然として(笑)、「フライング無効技」も存在します。この「フライング無効技」というのは、「アレハ、ナンダ!?」と言ってコンピュータがそちらに注目している間にスタート出来るというインチキ技です。でも、「ドーピング」や「フライング無効技」を使うと能力値が下がってしまうので、あまり多用はできません。最強のコンピュータに勝つと感動のエンディングが・・・何と約5分間もあります。エンディングで全リストの半分を占めているというすごさです(笑)。いや~~~、いま考えるとこのゲームは正真正銘クソゲー(バカゲー?)ですね(爆)。
それからも、さらにいろいろな100M走のゲームを作って行きました。E500BASICを駆使すればPC-1350のコンパイラよりも速いということが実証もされました。それで、結局いつから100M走のプログラムを作り始めたのでしょうか。まだ、BASICを覚えて間も無いころに画期的(?)な「キーを交互に押す判定方法」を考えついたために、それ以来キーを交互に押す100M走のゲームを作るようになったような気がします。まさに私のポケコンの歴史は、100M走の歴史といっても過言ではないのです(笑)。
■PC-E500の魅力
PC-E500シリーズは(プログラミングという観点から言えば)ポケコン史上最高傑作です。
処理速度が速いとか画面が広い(画面の広さNo.1はPC-G850ですが)などもその理由の1つですが、快適にプログラミングできるというのが大きいです。その1つがファンクションキーの存在(その代わり本体が大きくなってしまいましたが・・・)でしょう。これによりデータの受け渡しやキーマクロなどがファンクションキーにより行うことができるようになりました。
そして、やはり、E500BASICの存在です。これは、過去のポケコンBASIC(PC-13/14シリーズ)のBASICを拡張したもので、「ポケコンとは」の項でも書いたようにパソコンライクなプログラミングをすることもでき、ポケコン的なプログラミング(例えば、関数などはすべてカッコを省略できるなど)もできるというすぐれもの(ポケコン的な処理の方が多くの場合においてメモリ節約と処理の高速化につながる)なのです。だから、N88BASICなどをやってきた人も容易に使うことができるし、今までポケコンを使ってきた人ならばさらに細かいカズタマイズが可能なのです。つまり、人それぞれにあったプログラミングができ、使えば使うほどに味がでるのです。
性能の方もゲームで必要なグラフィック処理は標準のGPRINTは使いやすいけど遅いのが欠点ですが、PCGライクなフォント書き換えや、パソコンのBASICでもまねできないOPASなど必要にして十分な性能を持っています。サウンド面はBEEPのみと弱いですが、昔のポケコンのように単純なものではなく音程があるものなのでBASICで容易に音階演奏(といっても単音ですが)が可能になります。あと、RAMファイル機能があるので外部記憶装置なしでも簡単にプログラムがセーブできるし、BTEXT$を使えば、セーブの必要なしにいつでも使いたいソフトを立ちあげが可能(ゲームを作りながら途中セーブなしでグラフィックエディタを使用可能)です。
いつでもどこでもポケコン本体だけで簡単にプログラミングができるのです。恐らく、将来に渡ってもこれを越えるコンピュータは出てこない(もちろんプログラミングという点においてですが・・・)でしょう。唯一の欠点は先程も書いたように「ポケコン」なのにポケットに入らないという大きさです。こればかりは、使いやすさ(キーの押しやすさ)との兼ね合いがあるので何とももどかしい点ですね(笑)。

おちゃめくらぶ ポケコン研究部
http://ww5.tiki.ne.jp/~ochame/E500/POCKECOM.HTM
http://ww5.tiki.ne.jp/~ochame/E500/POCKE1.HTM






 
ポケコンベンチマーク
番号 メーカー 機 種 名 テスト1
(単純ループ)
テスト2
(表示テスト)
テスト3
(文字列操作)
sharp PC-1245 42.2 11.4 34.2
sharp PC-1246 8.3 2.7 9.7
sharp PC-1246DB 8.2 2.8 9.6
sharp PC-1248 8.1 2.7 9.6
sharp PC-1251 42.3 12.7 34.2
sharp PC-1261 7.4 9.2 20.0
sharp PC-1360 8.3 8.0 22.0
sharp PC-1401 14.1 8.4 26.6
sharp PC-1450 6.7 7.2 19.7
10 sharp PC-E500 2.1 1.4 4.6
11 sharp PC-1480U 2.3 1.7 5.0
12 sharp PC-1490U 2.1 1.5 4.7
13 sharp PC-1490UII 2.0 1.4 4.7
14 sharp PC-U6000 2.0 1.4 4.7
15 sharp PC-E650 2.0 1.4 4.6
16 sharp PC-1500 13.7 6.1 15.0
17 sharp PC-1501 13.7 6.1 15.1
18 sharp PC-G801 2.5 1.3 4.3
19 sharp PC-G802 2.5 1.2 4.2
20 sharp PC-G803 2.6 1.3 4.4
21 sharp PC-G815 2.4 1.2 4.2
22 sharp PC-G830 2.4 1.2 4.2
23 sharp PC-G850 1.2 0.6 1.8
24 sharp PC-G850S 1.2 0.6 1.7
25 sharp PC-G850V 1.4 0.6 1.9
casio FX-702P 16.9 10.1
casio PB-100 7.0 4.0 10.5
casio PB-110 9.9 4.7 14.8
casio PB-100F 9.5 4.5 14.2
casio PB-200 7.3 4.2 10.9
casio PB-400 9.1 4.2 13.7
casio PB-410 10.4 4.9 15.6
casio PB-500 15.4 8.4 37.5
casio FX-750P 15.4 8.4 37.6
10 casio FX-790P 9.9 5.5 19.2
11 casio PB-700 11.0 5.1 30.4
12 casio PB-770 9.8 4.8 29.3
13 casio VX-3 3.5 3.8 10.0
14 casio FX-870P(VX-4) 3.5 3.9 10.0
15 casio Z-1(FX-890P) 0.9 1.9 2.7
16 casio Z-1GR 0.9 1.9 2.6

1981年1月12日月曜日

[ゲーム][ゲーム電卓] カシオ計算機/ゲーム電卓シリーズ,デジタルインベーダー(1981)~数字インベーダーを撃墜せよ!








ゲーム電卓,デジタルインベーダー
ゲーム性 ★★★★★ 数字でよくここまで要素を盛り込んだ
操作性 ★★★★ 2つしかキーを使わない!
キャラクタ ★★ ゲーム電卓ではしょうがない
サウンド ★★★ ゲーム電卓ではしょうがない
ハード ★★★★★ 意味無し音楽機能がグ~!
総合 ☆☆☆☆ 本当に気軽に遊べる














デジタルインベーダー
カシオ計算機/ゲーム電卓シリーズ/1981年頃
(C)1981 CASIO COMPUTER
■ゲーム解説:感服!数字だけなのに無理のない内容!
 カシオ計算機が発売した電子ゲーム「ゲーム電卓」シリーズ。初めて見た時は衝撃的でした。
何せビジネス使用の電卓でゲームが出来てしまうのですから。
どんなゲームが遊べるのか想像が出来ませんでした(当時、電卓を所有している小学生なんていませんでした)。
当時、社会現象にまでなったゲームに「スペースインベーダー(タイトー)」(以下、業務用)があります。
(ゲーム電卓発売時にはブームが沈静化してしまってたのか知りませんが・・)
おなじみのインベーダーゲーム、名前を聞いただけで誰でも分かるゲームです。
この「デジタルインベーダー」も名前から分かる通り、業務用を意識した内容となっています。
ただ画面が数字表示だけなので、業務用の雰囲気どころかインベーダーそのもの自体、再現は無理だろうと
思われるでしょう。無理もありません。なんてったって数字だけですから。
しかし、このゲームには電卓でインベーダーゲームを作ってしまおうと言う頑張りが見え隠れしていたのです。
▼ゲームキーを押すと最高得点を表示
最高得点表示
▼次にゲーム条件表示
ゲーム条件表示
そして、ゲームスタート!!
▼数字インベーダーが侵略してきた!
ゲーム画面!インベーダー侵略開始!
▼ここまで来られたらピンチ(?!)
おお、どんどん向かってくるぞ!
※砲台(自機)の右側にある、
3本表示は残機を表しています。  まず、ゲームキーを押すと最高得点が表示されてゲームスタートです。
最高得点の次に「ゲーム条件」が表示されてインベーダーの戦略が始まります。
画面左端が自機である砲台(と言っても数字ですが)でインベーダーは右側からじわじわと侵略してきます。
[AIM]キーを使って砲台の数字を変化させます(数字は0・・9→n→0と変化していきます)。
数字インベーダーと同じ数字にして[FIRE]キーで撃破!!
砲台と同じ数字のインベーダーが消えます。もちろんどの位置にいる数字インベーダーでも狙って消せます。
実はこの辺にこのゲームの戦略性が見え隠れしているのです。
数字インベーダーを撃破すると、撃破した位置によって得点が加算されます。
砲台の手前から10点・20点・30点・・となっており、出現と同時に撃破すると60点が加算されます。
素早く撃破しろって事ですね。
たまに出てくるUFO(”n”)が出てきたら、高得点のチャンス!
砲台を”n”に変化させて[FIRE]キーを押して素早く撃破しましょう。UFOを撃破すると300点加算されます。
逆にインベーダーやUFOに侵略されるとミスとなり、砲台を1つ失います。
砲台を3機失うとゲームオーバーです。砲台の数はゲーム中の砲台の右側に表示されています。
(UFOの要素や「侵略」されるところなど、業務用を意識していますね。数字ながら本当に頑張ってます。)
☆インベーダー撃破・オペレーション・マニュアル☆
[AIM]キーで照準を
合わせろ! 照準が合ったら・・・ [FIRE]キーで
発射! 数字インベーダー撃破!
[AIM]キー [AIM]キーで数字を変えろっ! 撃破したい数字インベーダーと同じ数字に合わせて・・
[FIRE]キーを押せっ! 数字インベーダー撃破!
説明が前後してしまいましたが、ゲーム前に表示される「ゲーム条件」は左の数字がパターン内に登場する
数字インベーダーの数になっています。全てのインベーダーを撃破すると無事パターンクリアとなる訳ですが、
ゲーム条件の右の数字がクセ者です。これは1パターン内で発射出来るミサイル数なんです。
要注意なのが、パターンをクリアする前に全てのミサイルを発射してしまうと即ゲームオーバーになってしまう
と言う事です。ケチったな地球防衛軍!!(笑)。
数字インベーダーが寄ってきたり、パターンが進んで数字インベーダーの動きが
速くなったりすると緊張してしまって間違いを起こしがちです。
焦って発射ミスしないよう極力気を付けましょう(ちなみに命中音とハズレ音は違うので分かります^^)。
まだまだ特質すべき事があります。9パターンをクリアすると、今度は「パート2」は始まるのです!
パート2は右から2桁目から数字インベーダーが出現する様になり、
得点が倍(砲台手前から20・40・60・80・100点)になります。
パート2のパターン9をクリアすると、再びパート1のパターン1に戻る訳ですが、
ここまで業務用の要素を取りこんでいるのには驚きです(業務用にも続編の「パート2」があります)!
高得点のコツですが、業務用と同じくUFOを上手く出現させる事にあります。
業務用のUFOにも出現の法則(16発目、23発目等)がありましたが、このゲームのUFOにもあります。
そのパターン内の撃破した数字インベーダーの数を足して、10の倍数になると出てくるのです。
ただやみくもに数字インベーダーを撃破していては高得点は望めません。
出来るだけ10の倍数になるように効率良く数字インベーダーを撃破していきましょう。
高得点には算数が出来なくてはいけないんですね。
ただし、ゲーム後半はかなりスピードが上がりますので高得点にこだわりすぎてミスしない様にしましょう。(^^;;)
ちなみにこのゲームの説明書には様々な遊び方や得点によるランク表等が書かれており、
プレイヤーの遊び心に拍車を掛けるニクイ演出となっています。
得点加算表
得点加算表
UFOの出現の謎、解明!
(マニュアルに書いてあるって ^^;)
UFO出現!!
ゲームオーバー画面  はっきり言って、このゲームは名作の分類に入ると思います。
数字表示と2ボタンだけでここまで「スペースインベーダー」の雰囲気に近づけたデジタルインベーダーの制作者には
感服せざるを得ません。業務用とはまた別な面白さがあるこのゲームをぜひ入手して下さい。
■本体解説:メロディ機能付き電卓?!
本体は何の変哲も無い電卓です(^^;)。業務に使用しても全く違和感がありません。
本体左上にあるモード切り替えスイッチは左から、「OFF・音楽モード・電卓&ゲームモード」になっています。
何とこの機種はゲームが出来るだけで無く、電子オルガン(何か言い方が古い^^;)としても使用できるのです!
しかも音楽モードの時にゲームキーを押すと、「聖者が街にやってくる」のメロディが流れるではありませんか!!
電池の消費が激しいので私はあまり使用しませんが、ここまで遊び心の入った電卓はめずらしいと思います。
今なら携帯電話の着信メロディの作成に使えそうです。この機種にはカード型のタイプもあります。
カシオのゲーム電卓シリーズは同じゲームでも数種類の機種が存在するのでコレクターの頭を悩ませます(^^;;)。
謎の宣伝の紙(?!)
■備考
ゲーム電卓を購入すると以下の様な宣伝用の紙(?)が入っていました。
よく覚えていませんが、カシオの箱入り電卓を購入するとこういうのが入っていた気がします。
特に「打ち落とせ数字軍団」や「ピ、ピッと新発売」のキャッチコピーが笑えます。
いったいいつの新発売なんでしょう?(笑)。
この紙の上の部分には「只今、戦争中」となっており、切り取って立て掛けて置く事で
仕事中でも(ボスに)許してもらえる・・・そんな訳ないですね(笑)。
■当時の思い出
 当時って訳では無いのですが、前の勤務先でカードサイズ型のデジタルインベーダーを発見しました。
昼休みに突然鳴ったピコピコ音に、過剰反応してしまったのは言うまでもありませんが・・・・。
結構高級感あったので、是非欲しいと交渉したのですがダメでした。チェッ!

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