[ゲーム] ゲーム専門家が選ぶ2024年ベストゲーム/2025年マストゲーム〜After6Junction
ゲーム専門家が選ぶ2024年ベストゲーム
2025.1.15
TBSラジオ『After6Junction』
ー…ということで,今夜のゲストをお呼びする前に,初心に帰りまして,ゲームをしない訳じゃないけどそんなに頻繁にやる訳でもないという方向けに,識者の方々が「これだけはおさえておいて欲しい」みたいなテーマ。今まで,ゲームのコーナーでは何の前提もなく話がちだったんですよ。
やっぱり0の人間や,あまりゲームをしない宇垣さんに改めてプレゼンし直すというかということで,初心に帰りまして,結構基礎のキ,例えば最近ゲームをご自身でやってない方向けに,皆さんスマホゲームやったりしてますけど,何でゲームやってんのか?って,ちょっと今ゲームの情勢を整理しとこうと思います。まずいわゆる据置ゲーム機というか,ゲームハードは,据置きでもできるし,持ち運べる任天堂Switchから,皆さんご存知ソニーのPlayStation5今来てますけど,これも出て5年経ってますもんね。そしてもう1つMicrosoftのXboxのシリーズ。今最新はXboxシリーズS/Xっていう,要するにディスクが入れられるモデルと入れられないモデルの2種がありまして,主にこの3つです。で僕自身,この3つとも所有している上に,最近Xboxのゲームパスっていうサブスクサービスがあるんですよ。で,それで「これやりましたあれやりました」ってのを結構Podcastの宇多丸ブースで話してんです。 話は反れましたが,PlayStation5,XBox,Switchが据置であります。でもう1つ,こっちがででデカいんですけど,PCゲームパソコンです。 要するに普通のコンピューターでやるゲームで,現在はSteamに代表されるパソコン上でゲームやれる配信プラットフォームがあるんですね。つまりソフトをいちいち物として買ってこなくても,そこでストリーミングだったりダウンロードしたりみたいな,そういう形でゲームできると。ということで昔と違って,ゲーム機なきゃ楽しめないという時代ではありません。全部手軽なんですね。本格的にゲーム遊んでる人は,もうゲーミングパソコン。スペックは据置機を実際に遥かに抜いちゃってますから。シビアに撃ち合いのゲームとかやってる人は,タイムラグとかも勝負になりますから,できるだけこうバシっとした機器を揃えて回線もベストにしてと。一方で,場合によっては据置機に軍配が上がる場合もあると。こんな説明でいいですか?ゲーム担当ディレクター?ということで,でも私も,お話伺うゲーム識者の皆さんに比べれば全然分かっていない。いつも皆さんに奬められたものをやってる感じでございますので,お話していきたいと思います
◆ Until Then
ーということで,まず1人目ご紹介しましょう。ゲーム音楽専門DJのユースケ・サードさん,リモートです。ユースケ・サードさん,こんばんは。
ー はい,よろしくお願いします。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。よろしくお願いします。
ーよろしくお願いお願いします。ということで,ユースケさんのご紹介お願いします。
ー秋葉原もぐらを拠点に活動するゲーム音楽専門DJ。ブログサービスnoteでゲーム評論を行っています。番組ではこれまで短時間で楽しめるインディゲームや飲酒しながらやると最高なゲームなどをご紹介いただいております。
ーはい,ということで,ユースケさんいつもおすめ作品最高なんですが,早速2024年のベストゲームと2025年マストゲームの注目作品をお願いします。 まずは2024年のベストゲームさん何でしょうか?
ーはい,私がベストゲーミングに選んだのは『Until Then/アンティルゼン』というゲームです。これは2024年6月26日に発売されまして,11月に日本語化されたゲームです。今,パソコンとPlayStation 5で遊べるんですけど,PS5版はまだ日本語化されてないみたいなので,ちょっとパソコンだけの状態になってます。でこのゲームは,フィリピンを舞台にしたアドベンチャーゲームでして,テキストとか物語を楽しむゲームになってます。でビジュアルなんですが,これがちょっとアニメみたいな細かさがあって,キャラクターの表情とか顔の動きとかカメラワークまで,すごい生き生きしててすごい魅力的なんです。
ーアニメっぽい。
ーそうなんです。で,さらにそこも魅力的なんですけど,今回ベストゲームに選んだ理由は,この物語がすっごい良かったんですね。主人公は高校生の男の子のマークっていう子なんですけど,ちょっとけだるい感じの高校生でして,友達と宿題やったり,可愛い女の子にメッセージ送ろうとしてドキドキするみたいな,よくある学園日常のみたいな話になってます。である日,この学校に転校生の女の子が来るっていう話になって,その女の子の名前を見た瞬間もう知らない人だし,会ったこともないけど,なぜかその名前に見覚えがあったんですね。いわゆるこうデジャブを感じたんですが,気のせいかなと思ってそのまま物語は進んでいきます。でそこからの物語も本当に,なんか学園ラブコメみたいな感じで,まさにその転校生の女の子と廊下でぶつかって「もう!どこ見て走ってんのよ」みたいな。「そっちが邪魔だったんだろう」みたいな動き合いをしつつ,でもちょっと相手が気になっていくみたいなベタな物語なんですけど,ただ,一方でなぜかその物語の中であの身近な人クラスメイトとかが徐々に失踪し始めたり,あとは主人公はちょっとピアノを引けるんですけど,主人公しか知らないはずの曲を,なぜかその転校生の女の子が知ってたり,あとは主人公のデジャブみたいなのがどんどん酷くなって幻覚とか幻聴が聞こえてきたりするんですね。とはいえ,物語は進んで最後にちょっと大きい事件があってエンディングを迎えてゲームは終わるんですけど,正直ちょっとパッとしない終わり方だったんですね。で,ただエンディングのサインはちょっとコンティニューていう選択肢があって,それでコンティニューを選ぶと,ゲームはもうエンディング迎えて終わりなので,当然また同じようにまた最初からゲームが始まるんですけど,やってみると最初にゲームをやった時とちょっと話が違ってくるんですね。
ーああ,2周目いわゆるタイムループという。
ーそうですね。でその主人公もうっすらその以前の記憶,いわゆる1周目の記憶を持ってる。ま,これがまさに本当デジャブみたいな感じで記憶が少し残ってると。実はこのゲーム,1周目というか,その1周目自体そのものが伏線となっていて,1周目と伏線をプレイして1回エンディングを迎えてからが本当の物語の始まりで,そこから1周目で提示された,いろんな謎…そのクラスメイトの失踪とか曲を知ってるとか。そういうのが徐々に解明されていくと共に,SF的な展開が混ざってきて,いわゆるこうボーイミーツ的ものであってジュブナイルものであって,しかもSFの展開がある。これがもう徐々に徐々にこう物語を進めてくとジェットコースターみたいな物語の展開があって,これが2024年ベストに選んだんですね。
ー気になる。ビジュアルもめっちゃ可愛いしね。ミニゲーム色々入ってたりとか,ちっちゃい青春ラブコメと思いきや,デカい話だったみたいな。そんなん面白いに決まってるじゃないですか。
ーそうなんですよね。やっぱりオープニングからエンディングまで行ったら,普通そこで終わりなのに,さらにそのプレイヤーがゲームをもう1回やる時はもう1回ゲームを最初からやるっていう仕組みが『涼宮ハルヒのエンドレスエイト』みたいな感じで,あのアニメってそ30分で終わるはずなのに,そのアニメっていう放送自体をメタ的に使ってループを演出してたみたいな感じがちょっとこの仕組みはすごく面白くて,今回ベストに選んだ作品でした。
ー結構好みかもしれない。 好きそう。
ーしかも操作がすごい難しいという感じでもなさそうだなと思いながら見ていて…
ーまァ全然簡単です。
ーユースケさんがご紹介いただいたベストゲーム2024年ベストゲーム『Until Then』,現在はSteamでパソコンでできる翻訳版が出てますんで,PS5できますが,ちょっとまだ翻訳版が追いついてないみたいです。
ーやってみたい。探そう。
◆ Girls made Pudding/ガールズメイドプディング
ー さあ,ユースケさん,2025年注目マスト作品は何でしょうか?
ーはい,私がマストゲームに選んだのは『Girls made Pudding/ ガールズメイドプディング』というゲームです。 これ2025年発売予定で,神椿スタジオというところから発売されるゲームで,ガールズトーク・ツーリング・アドベンチャーゲームとなってます。バイクに乗って女の子2人が進むことで物語が進行していく構造で,これもテキストを読む感じのゲームで,まだちょっとあんまり情報が公開されてないんですが,めちゃくちゃ期待してる作品なんですね。これ理由があって,先ほどお話した通り,このゲームは神椿スタジオていうレーベルから発売されるんですが,このレーベルは音楽アーティストとか映像作家とかイラストレーターとかいろんなクリエイターが所属してるクリエイティブレーベルで,このレーベルが大事にしてるのって,音楽体験とそこから派生していく物語を生み出すっていうことなんですね。で,このレーベルの中のプロジェクトとして「インディゲームx音楽」っていうプロジェクトが発足して,そこから発売されるのがこの『Girls made Pudding』っていうゲームなんですよ。で,実は昨年このプロジェクトの第1弾で『Moonless Moon/ムーンレスムーン』ていうゲームが発売されて,これSwitchなどで3時間くらいで終わるゲームなんですけど,正直ベストゲームとかなり迷ったゲームです。このゲームは,学生の女の子がいろんな世界に迷い込みつつ,自分の居場所を探すっていう物語なんですけど,別名「プレイできるミュージックビデオ」と呼ばれていて。 3時間弱で終わる短いほど短いゲームなんですけど,とにかく楽曲がすごすぎて本当に。単にタイアップみたいな感じじゃなくて,このゲーム物語の静かで内省的な雰囲気とか夜っぽい雰囲気にぴったりで,なおかつ楽曲単体でも十二分にクオリティが高くて感動したんですね。なので,このインディゲームx音楽っていうプロジェクトが第1弾の去年やった『Moonless Moon/ムーンレスムーン』が最高だったので,今回この第2弾の『ガールズメイドプリン』もその音楽面も物語もどっちもすごく楽しめてることで,マストゲームとして選びました。
ーまずはちょっと『Moonless Moon/ムーンレスムーン』やってみて。これもベストゲーム級だっていうことなんで。はい,はいはいということ,ユースケさん,今日は短い時間でございましたが,ありがとうございます。またスタジオでもお待ちしてます。
ーはい,ありがとうございます。
◆S.T.A.L.K.E.R 2〜Heart of Chornobyl
ーさあバンバン行きましょう。はい,続いてはゲームジャーナリストのジニさんです。こんばんはジニさん。
ーはい,こんばんは。どうもこんばんはです。
ーリモートでご出演でございます。 今年もよろしくお願いします。ではジさんのご紹介,宇垣さんからお願いします。
ーはい,ジニさんはブログサービスnoteでゲームゼミを主催するゲームジャーナリスト,作家,ゲーム業界の労働問題など社会的な問題に切り込みつつ,世代や文化国を超えて現代のゲーム文化を発信しています。また,インディペンデントのゲーム制作者に役立つ知識や情報を発信するメディア/インディ・インテリジェンス・ネットワークの共同編集長も務めていらっしゃいます。
ーはい,ということでいつもお世話になってるジニさんでございます。よろしくお願いします。
ーよろしくお願いします。
ーはい,ということで,ジ二さん早速ですが,2024年ベスト作品なんでしょうか?
ー僕の2024年ベストゲームは『S.T.A.L.K.E.R 2〜Heart of Chornobyl/ ストーカー2〜ハートオブチェルノービル』ですね。『S.T.A.L.K.E.R 2』,僕の周りの人,みんな大絶賛でございます。これはもう本当に僕の中で,僕は150本ぐらい去年ゲームプレイしたんですけど,ダントツの1本です。こちらはXboxシリーズとPCでプレイ可能で,先ほど宇多丸さんがちょろっと話したXBoxのサブスクリプションであるXboxゲームパスでもできます。ゲームの内容としては,このゲームってウクライナで作られたゲームで,一人称視点のシューティングゲームで,いわゆるオープンワールドという広大な世界を自由に冒険しながらアーティファクトという未知の鉱石を探すというゲームになっています。 このゲームまず何が素晴らしいかと言いますと,先ほど話したように,このゲームは,ウクライナのGSC Game Worldというスタジオが作っているゲームなんですけれども,ただウクライナが作ったというよりは,その徹底してウクライナじゃなければ作れなかっただろうなと思わせるゲームになっていることですね。そもそもゲームって,昔から日本とかアメリカが中心で,ウクライナのような東欧ではあまり作ることはなかったんですけれども,この『S.T.A.L.K.E.R 』シリーズって2007年からあるんですけれども,これだけは例外的に非常に売れていて,シリーズとして1500万本売れるという実績があるんですよね。で,じゃ具体的にそのウクライナにしか作れないゲームって何なのか?っていうと,このゲームウクライナの中でも,先ほどオープンワールド…つまり,その広大な世界を自由に冒険するゲームだという風に言ったんですが,その舞台がウクライナの,しかもチェルノブイリを舞台にしているんですね。
ーチェルノブイリって,当然原子力発電の巨大な事故があって,要するに立ち入りは普通はできないですもんね。
ーまさにその通り,ゲーム内でも本来立ち入り禁止であるところを主人公が不法に侵入しているっていう設定になっているんですけれど,実際おっしゃる通り,このゲームはそのチェルノブイリを舞台にしてるので,本当実際に存在するものをモデルにしていて。例えば結構有名なんですけど,チェルノブイリ原発の近くにあるボロボロの観覧車であったりとか,赤い森と呼ばれる放射能の影響で枯れ木だらけになってしまった森とか,本当にチェルノブイリ原発周辺にあるものがあって,そして当然ながらチェルノブイリ発電所もそのゲームの中心に存在していることなんですね。 なので,開発者たちは当然ウクライナの方々なんですけれども,実際にチェルノブイリにツアーで行って,もう何度もロケハンするという,徹底的にとにかくチェルノブイリを再現するいうところであるということなんですね。で,しかもこのゲーム,最終目的地がまさにチェルノブイリ原子力発電所という風になっていて,これはゲームの中で徐々に明かされていく課題というか目標になってくるんですけれども,本当にその徹底してチェルノブイリを扱うウクライナだから,これを扱うんだっていう意思が通定しているというところですね。僕はやっぱここはすごいなと思うのは,その当然なんですけど,ウクライナの方にとってもチェルノブイリというのは非常に歴史的,政治的に難しいテーマで。福島第1原発とか広島の原爆ドームを舞台にしたゲームを作って売ってやろうとか言ったら,どれだけ批判にさらされるかなんて想像もつかないと思うんですよ。で当然彼らも最初は非常に迷ったと。そもそもこれ,全然ウクライナが関係ないSFゲームを作る予定だったらしいんですけれども。 ただその途中で「我々はウクライナ人として,日本とかアメリカが作ってるゲーム産業に乗り込む,だったらば,やっぱ僕らにしか作れないゲーム作ろうよ!」ってことで,あえてチェルノブイリを舞台にしたという風に聞いていると。もう1つこのゲームで感動したのが,チェルノブイリが非常にセンシティブだって話あったんですけれども,非常に美しい世界を作られていると。例えば廃墟の舞台が,割れたコンクリートから力強く生えてくる雑草だとか,そこでなければ見られない美しい光景というのを徹底して再現していると。で,これは開発者も意図的に美しく描こうと美化しようとしたポイントらしくて,確かにチェルノブイリは悲惨かもしれない。しかし,そこに広がっているウクライナの大自然というのは実際に美しいのだから,それは徹底して再現しようという風に考えたという風に話していたと。なので以前,宇垣さんも戦争とアニメについて記事を書かれていたの拝読したんですけれど,ゲームもまた歴史や政治について考える非常に素晴らしいメディアなので,今すごいゲーム配信が人気ある時代でもあるので,ぜひちょっとそういうポイントからも注目していただけたら嬉しいなと思います。
ーただ,ちょっと俺には歯ごえありすぎて,序盤でもう心が折れつつあるんですけども,これやっぱ乗り越えるとやっぱいいですか?
ーいや,あの本当に繰り返しなんですけど,まず光景が非常に美しいので,それを見ているだけでも。
ー序盤の暗闇であの全然やられちゃうんですけど。
ーそうそう…ね。
ーそこで死んでて,なんかタンクの上にスナイパーライフルあるからそれ取ったらいいよって言われましたけど。
ーああそうですね。ただ全部そういうのと,あのヒントなしで行かなきゃなんで。
ーそうだよね。はい,頑張ります。
ー動画とかも観ることもできるんで。全然それだけでも観てすごい美しいなと思って。
◆Grand Theft Auto 6
ーそしてジ二さん2025年注目のマストゲームなんでしょうか?
ーはいもうこれはド直球だと思うんですけど,『Grand Theft Auto 6/GTA6/グランドセフトオート6』です。
ーホゥ〜! 出んの?
ー出してくれると信じてます。
ーGTA6。アメリカを舞台した,これもオープンワールドゲームの1つでですね。世界で最も売れてるゲームシリーズで,前作GTA5は約2億本ともう本当桁違いに売れたゲームです。まァ手早く言わせてもらいますけれど,GTAというと,基本的には,とにかくド派手で,とにかく売れて,予算かかってて,で犯罪して自由に好き勝手やって警察とドンパチしてみたいな,そういう一応ゲームとして知られていて,実際そういう楽しみ方もできるんですけど,宇多丸さんも度々指摘されてるように,実はGTAっていうのは結構ノワールとかニューシネマみたいな犯罪映画から影響を受けていて,同時にアメリカ社会の風刺という側面も非常に強い作品です。前作GTA5だと,ロサンゼルスを模したロサントスという舞台にしてるんですけど,そこで例えばシリコンバレーの企業のテック系企業の陰謀だとか,格差が広がって,ホームレスのNPCが転がって寝転がっている様子だとか,あと明らかにヒラリーVSトランプを予見したような知事選だったりとか,非常にその風刺としても,2013年のゲームと思えないぐらい鋭い作品なのでGTA6もそういうところ非常に期待できるなという風に思ってます。
ーだから今のアメリカをじゃあ,GTAがどう描くのかは正直ちょっともう震えて待つ世界ですね。もうマジで。
ー今このちょっとティザーを見た限り,絶対トランプ支持者っていう方もいらっしゃって。
ーちょっと本当に出るのかどうかも含めてちもちろん注目ですね。 はいジニさん,短い時間でございましたが,ありがとうございます。
ーはい,ありがとうございます。
◆Astrobot/アストロボット
ーさあ,続いていきましょう。続いてはゲームエンターテイメントIGN JAPANのクラベ・エスラさんです。こんばんは。IGN JAPANのクラベさんです。
ーこんばんは。よろしくお願いします。
ーでは,クラベさんご紹介,宇垣さんからお願いします。
ーはい,オランダ生まれ,日本のゲーム育ちのゲームメディア編集者。『シェン・ムー』というゲームに憧れ,空手の道に入り世界を放浪した後,現在は日本で働いていらっしゃると。で,番組ではゼルダの伝説シリーズについて語る連続企画や,『クラさんぽ』と呼ばれる独自のゲームプレイについて紹介いただくなど,大変お世話になっております。
ーはい,クラベさん,ちなみに宇垣さんはゼルダはやりますもんね。
ーやります。
ー本当ですか?嬉しいですね。是非やってください。『シェン・ムー』もやって下さい。プレステ4でできますよ。
ーあ,そうかそうか。ありがとうございます。
ーということで,クラベさん,早速ですが,2024年ベストゲームは何でしょうか?
ー2024年のベストゲームは『Astrobot/アストロボット』です。
ーPS5限定というか,もうPS5が勝負かけた一作という。
ーそうですね。
ーそしてゲームオブイヤーも取ったんですもんね。これね。
ー取ってますね。「Game Award」っていう,ゲームのアカデミー賞に相当すると言ってもいいようなイベントでも一応受賞した作品になります。
ーこれは全くすごいですよね。
ーこれね,本当すごかったですね。本当に簡単にそのゲームを普段あんまりしない人に説明すると,マリオみたいなゲームですね。いわゆる3 Dプラットフォーマーと言われるんですけど,アクションゲームでジャンプしたり,敵を踏んで倒したりとか。アストロは殴るんですけれども,そういうゲームって,90年代に3 Dゲームが出るようになって,すごい流行ってたんですけど,その後,数が減ったりして,もうマリオしかないんじゃないかみたいな時代になってて,マリオだけはずっとそういうタイプのゲームとしてすごく人気だったんですけれど。Playstationというブランドは90年代に出てずっと続いてるんですけれども,マリオに匹敵するマスコットキャラクターだとか,3 Dプラットフォーマっていうのはずっとま生み出せないままいたんですね。そもそもPSって,少し大人向けのエンターテイメントを意識してるっていうこともあって,狙いはなかったのかもしれないですけど,このアストロボットのすごいところは何なのかっていうと,ついにこのPlaystationにマリオに匹敵する存在が誕生したのだと。まず素直にこれがあのこのアストロポットっていうタイトルのすごみだと思いますね。
ーメチャメチャ可愛くてキャッチーなキャラクターですもんね。
ーそうなんですよね。で,それでいてこうロボットていうちょっとこうモダンな感じがPSのブランドとも相性良くて,プレステのデザインが近かったりしてね。すごくPSぽいタイトルでもあると思います。でこれ自体は2018年にPlaystation VR向けに『Astrobot Rescue Mission/アストロボット・レスキューミッション』ていうタイトルが発売されて,その時点から僕はずっとこう「ついにマリオを超えた3 Dプラットフォームが出たんだ」って言ってたんですけど,まァいかんせんVRっていうニッチなプラットフォームで,どうしても一般的じゃないハードで発売してたということもあって,そこまでブレイクできずにいたんですね。 そこでPlayStation5のリリースと合わせて無料ソフトとして『Astros PlayRoom/アストロズ・プレイルーム』ていうゲームが出て,これが今度はデュアルセンスっていうPS5のコントローラーの特徴を生かしたタイトルとして出てます。
ーすごく短いゲームでしたけれども,これも話題になった。あの感触がね。もうあの全ての歩いてるとこの感触の違いとかがもう文字通り手に取るようにとか体感できちゃうんですよね。あれ,すごかったですね。
ーそうなんですよね。なので,このアストロボットは何がすごいのかというと,やっぱその新しいハードウェア,新しい技術を巧妙に生かして新しい刺激を提供することができるのだと。そこでちょっと今回心配してたのが,いよいよそのフルスケールのゲームが『Astrobot/アストロボット』として出るんだけれども,今回はそういう分かりやすく頼れる新技術がないのだと。そのハードウェアの中間地点にあるわけですから,新しくVRを使うわけでもないし,新しいコントローラーがあるわけでもないんで。でも逆にそういうものがなくても,このゲームっていうのは第一線で輝けるタイトルなのだということが,このタイトルで証明されたんじゃないかなと思います。
ー確かに。要は持ってる技術の中で,ものすごく丁寧に完成度高めるだけでもう十分ものすごいもになっちゃうっていうか。
ーええ。どういう風にその強みを出してるのかというと,プロトタイプ作りからこのスタジオが始まるんですけれども,いろんなものを試して,例えば「このデュアルセンスっていう触覚を感じられるコントローラーで,スポンジになったらどういう風に感じるか」っていうのを試すわけですね。で,それが面白いじゃんてなったらアストロボットがスポンジになるっていう。パワーアップが出たり,逆にそのネズミのように小さくなったり,時間を止めるギミックが入ったり,液体を吸ってプラットフォームを作るとか,いろんなクリエイティブな道具が出てきて,これが僕はちょっとドラえもんぽいなと思って。ドラえもんというのは,エピソードごとに新しい道具が現れて,その道具を中心にエピソードが完成するじゃないですか。アストロボットもそういう感じで,いろんな科学実験を楽しんでるような感じさせてくれるっていう。…
◆HD2D版ドラゴンクエスト1&2
ーそしてちょっと時間迫ってまいりましたが,2025年注目のマストブレークは何なんでしょうか?
ー『HD2D版ドラゴンクエスト1 & 2』です。
ーこれ3のリメイクが出たばっかりですよね。
ーはい,はい,そうなんです。そこからさらに1&2に遡るんですね。そこで面白いのが,ドラクエ3って,言ってみれば,その日本のRPGのベースが築き上げられたような大作なんですね。で,それが去年リメイクされて,HD2Dっていう,2Dと3Dのビジュアルを融合した新しいビジュアルが誕生したわけなんですけれども,30年以上前のゲームが今でも面白いんだっていう驚きがあったんです。でもちょっと待てよ…2まで戻るとどうなるんだろうっていう,ちょっとこう怖いもの見たさ半分ってあった。だってドラクエ1って,いわゆるRPGのパーティーがなくて1人で戦うんですよ。それって今やっても面白いの?って感じがするんだけれども,逆にアートていうのが不遍的なのかどうかっていうのを,リメイクとして,それは非常に興味深いものが待ってるんじゃないかなっていうことで,ちょっと怖いもの見たさ半分で楽しみにしてます。…
◆Balatro/バラトロ
ー続いていきましょう。最後はこの方です。ボードゲームプロデューサー渡辺さんです。
ーよろしくお願いします。
ー渡辺さんのご紹介お願いします。
ーはい,ボードゲームメーカー「ドロッセルマイヤーズ」を立ち上げ,番組では「国産RPGの歴史を紐解く」の人気企画で書籍にもなりました。国産RPGクロニクルシリーズを始め,様々な企画に出演番組,オリジナルボードゲーム『空論道』の生みの親としても大変お世話になっております。
ーさあ,渡辺さんの2024年個人的ベストゲームは何でしょうか?
ーはいえ,僕の2024年ベストゲームは『Balatro/バラトロ』です。
ーバラトロ?
ーこれはパソコンとスイッチなどなどでプレイ可能ということなんですけど,これはカナダのインディゲームが元々なんですけども,去年2024年の2月に発売して約1ヶ月で100万本突破したっていう大ヒットゲームです。この番組でも去年の4月4日にユースケ・サードさんがインディゲーム特集で一応紹介はしてるんですけど,宇多丸さんいらっしゃらず,宇垣さんもちろん初めてだと思うので,どんなゲームなのかをご説明したいと思うんですけども。1人用のポーカーゲームなんですよ。でステージクリア性になってて,ステージごとに目標点数があって,それを達成すると次のステージに行けるって感じ。でそれを書くと結構渋い地味なゲームなんだなって想像すると思うんですけど,実際,このゲーム,むちゃくちゃド派手な脳汁ドバドバ系のゲームで。ステージをクリアした時にその成績に応じてお金がもらえるんですよ。で,ポーカーってトランプ使うじゃないですか? で,そのトランプのデッキを,トレーディングカードゲームのデッキのように見立てて,でお店でお金でパックを買って,パックを開けると色々こう強力なトランプが出てきて,で,そのトランプを自分のデッキに混ぜていくことで,めちゃくちゃパワーアップさせていくっていうゲーム。
ー最強デッキを作ってくっていうか。
ーインチキ・ポーカーデッキを作ってくみたいな感じで。
ーチート?
ー本当にチートです。トランプって,ジョーカーを除くと4つのマークx13枚で52枚のカードがあるんですけど,そこに例えばこのハートAをいっぱい入れたとする。そうすると普通にそのポーカーの役作ると,まずハートAが出やすくなるから,ハートAのフラッシュができやすくなるんですけど,それだけじゃなくって,ハートAがいっぱいあるわけだから,Aのペアとか3カードとか4カードとかできやすくなりますよね。で,それどころか5枚以上のエースがあるわけだから,ライブカードっていう普通の方だったらありえない役ができたりとか,あとその役自体のレベルを上げて強化していくこともできる。で,ちょっと「俺は今回はストレートで行こうかな」と思ったら,もうストレートのレベルを上げまくると,ストレートの点数がどんどん上がってるんですよ。それの面白いのが例えば豚ってあるじゃないですか。あの,何の役にもなってない豚。で,その豚のレベルを上げまくっていくと,ロイヤルストレートフラッシュ以上の破壊力を持つ豚ができたりとか,そういうこともできる。 あと,このゲームにおけるジョーカーていうのは特殊効果を持っているカードなんですけども,このジョーカーが150種類以上あって。で単純に点数が何倍になりますみたいなやつもあるんですけど,特殊なもので言うと,例えば,トランプって,ハートとダイヤは赤で,スペードとクラブは黒じゃないですか?で,この「赤は赤,黒は黒で同じマークと見なします」みたいなジョーカーがあって。でそれを持ってるともう半分は同じマークなわけだから,フラッシュとかめっちゃできやすいんですよ。で自分のデッキからいらないカードを除外するみたいなこともできるんで,例えばえっとそのジョーカーを持ってるだけの状態でハートのダイヤだけのデッキを作ると,もう全部何をめくっても絶対にフラッシュができるみたいな鬼のようなこうデッキが出来上がって。で,それに効果組み合わせることで,もう点数がもう何倍x何倍x何倍みたいな感じになってって。元々スタートした時は頑張っても数百点みたいな点数が,本当に何千点〜何万点で,最終的に何億点とかに本当にめちゃくちゃインフレしてくる。めちゃめちゃ頭使うゲームなんですけど,やってる中でもうどんどんすごいノイズがやばい。で,こういうこうプレーしながら自分のデッキをどんどん強化していくみたいなゲームって2008年に発売した『ドミニオン』っていうアナログゲームがパイオニアなんですけど,このアナログゲームの要素を取り入れたゲームって,僕もそういうのいっぱい作ってるんですけど,ポーカーと組み合わせるっていうのは本当に思いつかなくて。ある意味灯台元暗しというか。ポーカーてもう10年ぐらい世界的にブームになってて,むちゃくちゃプレイ人数多いんですけど,これポーカーデッキビルドって言うんですけど,デッキビルドの組み合わせるっていうアイデアを何故俺思いつかなかったんだ?みたいな。悔しいみたいな。もう俺はめっちゃ悔しいですけど,悔しいとこです。 …
◆青天井:無限役
ーリビルドと古典的ゲームを組み合わせたマッシュアップのゲームが多分いっぱい出てくるだろうなって思ってたんですけど,そんな中で,2025年僕の注目しているゲームは『青天井:無限役』っていうゲームがありました。名前がバカバカすぎで,「青天井」も「無限役」も同じじゃないかって話なんだけど,大体同じこと言ってんですけど,これもうタイトルから分かる通り,麻雀+デッキビルドなんですよ。もうもう出るべくして出たって言ってたヤツ。麻雀牌を色々操作しながら,特殊効果をコンボして,むちゃくちゃ高い点数の役を作ってくって麻雀ゲームだと思うんですけども。こういうものが,多分今後めっちゃいっぱい出てくると思うんで,とりあえずまこの青天井に関してはSTEAMでも1月20日にアーリーアクセスが開始するんで,もうすぐもう遊べちゃうんですけれど。バラトラもPS4/5,Switch,Xbox,iOS,Androidって,もうスマホでも全部遊べるんで。1500円ぐらいで買えて,30分ぐらいで全然楽しめる。
ーでもさ…デッキの,例えばパックとかで課金とかさ,そういうことやられたら,ちょっと怖いよ。中毒性がある分,ちょっとやばいよ。課金やばいよ。
ーこれでもバラトロ,1500円でもう全部遊べちゃいますから,オールインワンなんですね。触ってみてくださいという感じ。今後だからこの系統のやつで,あんまりそういう金銭的な沼にハマらず,ち社会生活をちゃんとしてくださいっていうバランスは要りますね。
ーでも面白そう。面白そうだし,いいかも。
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