[ゲーム][NEC] ハドソンPCエンジンゲーム「ネクタリス」~ハドソンゲーム製作秘話
ネクタリス(PCエンジン)
1989年2月9日発売 価格5,800円
■PCエンジン版として登場
元祖PCエンジン版ネクタリスです。
全てのネクタリスの歴史は、このPCエンジン版から始まりました。
「ネクタリス」以前の戦略シミュレーションゲームとしては当時「大戦略」がありましたが、システム的にマニア向けの設定 であり、また当時家庭用ゲーム機での販売はなく、誰でも気軽に楽しめるものではありませんでした。
「ネクタリス」はここに着目し、「簡単で誰にでも遊べる」という事を基本コンセプトに作られました。ユニットの特徴づけを明確にし、種類を最低限の23種類、工場や輸送ユニットは存在するものの「生産」を 廃止し、コマンド入力も極力単純化したものとしました。
そして今までのSLGにはなかった「包囲効果」や「支援効果」の要素を入れ、ゲーム性そのものの味付けを大幅にパワーアップさせたものとなりました。
これらのコンセプトが当たり「ネクタリス」は発売後、PCエンジンソフトとして、またSLGソフトとしても記録的な20万本を超す大ヒットとなりました。
■知らなくても良いお話 Vol.1
マスター・アップ予定日まで、あと1ヶ月となっていたある日の事でした。
・・・・・
もう既に現場スタッフは会社に泊り込みの状態であった。
昼夜は反転し、朝方まで仕事をしてから仮眠を取り、昼頃から作業を再開するのが一日の流れになっていた。
その日は思いの外順調に作業が進み、間もなく23時になる頃だった。
O氏がUに声を掛け、奥の会議室で打合わせを始めた。
「今日はかなりプログラムも安定して大きなバグもありませんので、プログラマーのK君を一度帰宅させたいのですが。」
とO氏が口火を切った。K君はかれこれ一週間程家に帰っていないし、ゆっくり風呂にも入らせたいとのO氏の意向である。
「出来れば電車が動いている内に帰したいのですが。」
とO氏はUの顔から視線を外さず言葉を続けた。
「そうだね。丁度切れも良いし、そうしようか。」
Uは軽くそう答えてからK君以外のスタッフの今夜の作業の指示を出した。
打合わせを終えて、O氏は早速K君にチェック用生CD焼きの準備と明日の出社時間を告げていた。時間は既に23時30分を過ぎた頃だった。
Uがポツリと言葉を発した。
「Oさん、これはマズイな~」
この場に及んでバグを発見してしまったのである。
直った筈のバグであったが、Uがプログラムを苛めていたらイキナリ!の登場となったのである。
「う~ん。これは直ぐ直そうよ。K君。」
一気に暗い表情になったO氏と君に、Uは相変わらず軽く言ってのけた。そして
「今さっき帰っていいよ、と言いながらバグを見つけるとは困ったもんだ。」
と言って口を噤んだ。プログラムの修正とチェックが繰り返され、作業が終わったのは明けて1時30分頃だった。
当然電車は走っていない。しかし、優しいO氏はK君を自分の車に乗せて、1時間半かけて家まで送り届けたのでした。
■知らなくても良いお話 Vol.2
マスター・アップ予定日まで、あと1ヶ月となっていたある日の事でした。
睡眠時間が3時間前後の日が連日続くと、1日は結構長いものです。
食事も千差万別で各人各様の回数で食事をしています。
しかし、1日の活動時間が増えても食事の回数は普通は3回前後でしょう。1日4回も食べれば上等だと思います。
処がです。話は聞いて見ないと分かりません。
Uは仮眠を取って13時の出社前に朝食(普通の人は昼食時)を食べたにも関わらず、15時30分頃お腹が空いて来てしまったのです。
そう思っていた矢先に外出先から帰ったO氏が誰に言うでもなく、
「お腹が空いたので、蕎麦を食べて来ました」
と言いながら部屋に入って来ました。
そこでUは
「なーんだ、一人で食べちゃったのか。一緒に食べようと思っていたのに」
とポツリと言った。別に深い意味は無かったのである。それを受けてO氏は
「いいですよ、次は一緒に食べに行きましょう」
と、間髪を入れずに言葉を返した。Uは
「僕も今、お腹が空いたので何か食べて来るよ」
と言いながら外に出る用意をし始めていた。O氏はUの言葉に答える様に
「じゃあ、3時間毎に一緒に食事しましょう」
と言い出したのである。Uは面白い事を言うもんだと思いながら
「何回でもいいのかな?」
と言いながらO氏の顔を見た。O氏は真顔で
「いいですよ、付き合えと言うのなら何回でも」
と答えた。
「じゃあ、次は18時30分だね、僕も蕎麦を食べて来ますよ」
と言いながら部屋を出て行った。Uは近所の蕎麦屋で肉ソバと稲荷寿司を2個食べて、直に戻って来た。
時間が経つのは早いものである。もう約束の18時30分になっていた。
「Oさん、御飯を食べに行こうか」
とUはO氏に声を掛けた。
O氏はいつもの頑張りますといった顔で、Uと共に外へ出て行った。
「Oさん、何食べようか」
とUが言うと、
「何でもいいですよ」
と直ぐに返事が返って来た。
話しながら歩いている内に視界の右手前方に天丼屋が見えて来たので、
「天丼にしよう」
とUが言いO氏もそれに従って二人でその天丼屋に入った。
スタッフの晩御飯もオーダーし、Uは天丼を食べ、O氏は天婦羅定食を食べて会社に戻った。
当然二人とも満腹状態である。
時間が経つのは早いものである。もう約束の21時30分になろうとしていた。
社内を見回すとO氏は外出していて、食事には行けないのである。
22時30分になっても戻らず、23時30分にO氏は戻って来た。
「Oさん逃げちゃ駄目だよ」
とUが言うと、
「仕事で外出していただけですよ」
とO氏は言い、
「それでは行きましょうか」
と言葉を続けた。
「帰りにスタッフの夜食を買いますから、誰か連れて行きます」
と言いながらO君を連れて再び外へ出て行った。
今度は3人である。今度は食べ物を限定しないように、近場のファミリー・レストランへと向かった。
Uはハンバーグ、O氏は麺類、O君はお腹が空いていないのでソフト・ドリンクを注文した。
Uは難なく片づけ、O氏は何とか麺をやっつけ、O君はこの3時間毎に食事をする二人に呆れながら
ソフト・ドリンクを飲み終えて店を出た。
その後コンビニでスタッフの夜食やオヤツを買って会社に戻った。
時間が経つのは早いものである。もう3時をとっくに過ぎてしまったが、仕事の切れが悪いのである。
やっと一段落出来たのは、5時に近い頃だった。
「Oさん、皆で御飯食べに行こうか?」
とUが言うと、O氏は
「えぇ。」
と力無く返事を返して眠そうな目でUの顔を見た。
CD焼きの段取りをして、4人で今度は先程とは反対側にある遠くのファミリー・レストランへ向かった。
こんな時間でも営業しているのは、ここしか無いからである。Uはここでオムライスを食べたが、
O氏はスープのみを口にしてるだけだった。
UもO氏も意地っ張りと言うか負けず嫌いと言うか、変な人達である。
しかし、この話はこれで終った訳では無かったのである。
新たに焼いたCDのチェックも終え、時間はもう11時になろうとしてた時だった。
「Oさん、朝御飯食べに行こうか」
とUが言い出した。
「何を食べるんですか?」
とO氏は怪訝な顔で言った。
「朝といったらマックかな」
と空かさずUが答えた。O氏は、信じられないといった面持ちで
「朝からハンバーガーですか?」
と聞き返した。
「そうだよ」
とUは無頓着に答えた。
「はい、分かりました」
と言いながらO氏はもう一人のOさんに声を掛けて、
3人は勇んで遅い朝食を食べに出掛けて行きました。
これでやっと長かった一日も終り、その後は安らかな短い仮眠が待っていました。
HUDSON
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