[OS] Windows10 Mobile
知っておきたい 「Windows 10 Mobile」 の 基本。
投稿者:“ た ぬ き(1)”
投稿日:2016年 4月11日(月)13時09分48秒 p104.net059084013.tnc.ne.jp
◆Windows 10 Mobileが動くハードウエア
・Phones and Tablets
Windows 10 Mobileは発表時には「Phones and Tablets」と呼ばれており、8インチ未満のタブレットもサポートされることになっている。
プロセッサはクアルコム製かx86「最低ハード要求」で規定されている、Windows 10 Mobileが対応しているという具体的なプロセッサは下の表の通りとなる。
これらは、すべてクアルコムの「Snapdragon」と呼ばれるシリーズのSoCだ。いずれも最近の製品で、通信用モデムを含むプロセッサ(型番がMSMで始まる)と、通信モデムを含まないプロセッサ(型番がAPQで始まる)がある。
なお、表にある「Cortex-A57」や「同A53」は、64ビットアーキテクチャーである「ARMv8」アーキテクチャーのプロセッサコアだが、2016年1月時点では、Windows 10 Mobileは、32ビットモードでのみ動作しており、64ビット化はされていない。
ここにあるのは、MSM8916を除いて全てが32ビットの「ARMv7」アーキテクチャーのプロセッサとなる。
同じプロセッサーでも複数のSoCがあるのは、LTEやCDMA2000、W-CDMAなどの通信モデムの、違いによるものだ。一部に、動作周波数のみ違うプロセッサもある。これらも全てクアルコムのSoCだ。
Windows 10 Mobileではハードウエアメーカーが独自コンポーネントなどを組み込んで出荷することも可能だが、初期状態で占有可能な最大メモリーサイズが既定されている。
これにより、添付アプリがメモリーを占有して、初期状態でメモリーが足りなくなる事態が起こらなくなる。このサイズもメインメモリー容量に比例しており、結局画面サイズが大きいほど大きな値になる。
結果的にWindows 10 Mobileでは、大画面ほど解像度が高く、メインメモリーが多く搭載されているといえる。大抵は、同時にSoCも高性能なモデルになり、その中にあるプロセッサコアも性能が高くなる。ハードの形状とスペックの間に一定の関係が生まれる。
ストレージは、最低容量が8Gバイトのフラッシュメモリーによる外部記憶が必要になっている。
ユーザーが利用可能な記憶容量としては最低1Gバイトを確保することが要求されている。
SDカードスロットはオプションだが現状ほとんどのWindows 10 Mobile端末が搭載しているようだ。
デバイスとしてはリムーバブルメディアという扱いだが、Windows 10 Mobileでは、データやアプリのインストール先として内蔵ストレージと区別なく利用できるようだ。
ただし、SDカードスロットがホットスワップ(稼働中のメモリーカード交換)に対応しない場合、SDカードスロットは、電源を切らないと交換できないような場所に配置する必要があるとされている。
例えば、交換可能なバッテリーでメモリ-カードスロットをふさぐなどだ。
バッテリーを外さない限り(つまり電源を切らない限り)、カードが交換できないようになっている必要がある。
一般に、SIMカードも電源を切らないと交換できないようにするのがルールであるため、同様の位置に配置されることが多い。
「Phone」は通信モデムが必須。
Phoneと呼ばれるカテゴリーになるためには、2G、3G(W-CDMAまたはCDMA2000)もしくは、
HSPA(米国では4G扱いだが日本では3Gとされている)の通信モデム(通話機能を含む)に、
対応している必要がある。LTEは、地域による普及度合いの違いが大きいため、
現在は必須項目ではなくオプションになっている。
一方HSPAは、W-CDMA技術の延長であり、必ず3GのW-CDMA機能を含むためHSPAと3Gは不可分だ。
しかし、世界的にはHSPAは4G技術扱いである。
・「Phone」は同時に無線LANにも対応していなければならない。
「Phone」は同時に無線LANにも対応していなければならない。
「Phone」でないカテゴリーのデバイス(例えばTablet)ならば、2G~4Gのモバイルネットワークか無線LANのどれか1つのネットワーク接続機能を持っている必要があると定められている。
このほか、最低ハードウエア要求では、GPSなどの位置測定時間を短縮したり精度を向上させるA-GNSS方式(ネットワークでアシストされた全地球航法衛星システム)に、対応している必要がある。BluetoothやNFCへの対応はオプションだが、Windows 10 MobileではFMラジオがオプションながら対応無線システムに含まれている。
これはWindows Phoneでも同様だった。このため、マイクロソフトは、FMラジオアプリを提供している。
Θ ボタンは3種類定義されている。
物理ボタンに関してもいくつかの要求がある。Windows 10 Mobileで定義されている物理ボタンは、全部で7個ある。このうち、カメラボタンは、Windows Phone時代からのもの。また、電源、音量、スタートボタンはPC版Windows 10を、動作させるタブレットなどでも必要なボタンになっている。
前述のようにスタート、戻る、検索の3個のボタンは、物理ボタンではなくソフトによる表示も可能だ。また、FWVGA(480×854ドット)の場合には、ソフト表示が必須になる。
最低限必要なハードボタンは、電源、音量(上下)の3個。これは、現在のAndroidと同じ条件だ。
マイクロソフトでは、Windows Phone 8.1のときに、ハードの必要条件を緩和し、同じクアルコムのSoCを使うAndroidスマートフォンとハード条件を合わせた。
これは、ハードメーカーが既に設計したスマートフォンに簡単にWindows Phoneを、移植できるようにするため。現在のWindows 10 Mobileでもその条件は維持されている。
Θ Continuumが動作する条件とは。
Windows 10 Mobileの特徴の一つは、「Continuum」と呼ばれる機能だ。Continuumを使うと、
スマートフォンをデスクトップマシンのように利用できる。いわば「逆タブレットモード」のようなもので、Windows 10 Mobileマシンのうち、ハード条件を表のように定めている。
条件を付けているのは、比較的CPU負荷の高い機能に、、、。
なるため一定以上のプロセッサとして、ユーザー体験を悪化させないようにとの配慮なのと、中級から上級向けの機能として低価格スマートフォンとの違いを打ち出したいためだとみられる。
Continuumは、有線(USB)または無線でドッキングステーションなどとの接続し、そこから、ディスプレイと接続することを想定している。Miracast(無線LANを使うリモートディスプレイ機能)が定義されていることから、同技術による接続も考慮されていると考えられる。
Continuumでは、リモートディスプレイ側に表示可能なアプリケーションは、UWPアプリのみで、従来のWindows Phone用アプリや、Windows Phone 8.1までの、ストアアプリ(UWAやWindows RTアプリなどと呼ばれる)は対応していない。
このため、当初は、マイクロソフトのOffice Mobile系アプリや、標準添付のアプリなどの利用が中心になるだろう。
ざっと見た感じ、Windows 10 Mobileが要求するスペックは、Androidでもカバーされており、性能的にも同等のハードを使うAndroidスマートフォンと同程度になると考えられる。
こうした小規模なハードでは、NTカーネルとLinuxカーネルで大きな性能差が出ることはなく、Windows 10 Mobileマシン向けにアプリを開発するような場合、Androidと同程度と想定しておいて間違いはなさそうだ。
◆マイクロソフトが描くWindows 10 Mobileの戦略。
1、マイクロソフトは、2014年に就任した、、、。
サトヤ・ナデラCEO(最高経営責任者)により「モバイル1st」「クラウド1st」といった、方針を発表している。これは、モバイルやクラウドでの製品展開を重視するという方向性だ。
マイクロソフトのモバイルデバイスへの参入時期は古く、そもそもスマートフォンと言いだしたのは、マイクロソフトだった。WindowsでPC市場を席巻したマイクロソフトによるモバイルデバイスの、参入は携帯電話業界を驚かし、例えば携帯電話メーカーが合同して英シンビアンを設立するなど、大きな騒ぎとなったが、今から振り返ると失敗の連続だったといってもいい。
その結果、スマートフォン市場には、2010年にWindows Phone 7で再参入することになり、ゼロからのスタートとなった。このWindows Phoneで再スタートを切ったものの、カーネルは、ほぼ同時期に開発が行われたWindows Mobileと同じくWindows CEカーネルだった。
その後Windows Phoneは、Windowsと同じNTカーネルの採用(Windows Phone 8)、Windowsストアアプリへの対応(Windows Phone 8.1)と、Windowsとの距離をだんだんと詰めていき、Windows 10 Mobileでようやく1つのプラットフォームに統合されたところだ。
その様子は、MS-DOSベースのWindows 1.0からの、カーネルとWindows NTのカーネルがWindows XPでようやく統合されたのによく似ている。
つまり、プラットフォームとして実績を積むのはこれからであり、ようやく体制が落ち着いたという段階だ。しかし、世間では、2007年のiPhone参入や、翌年のAndroidの登場など、既に他のプラットフォームが競い合う状態であり、シェアで3位とはいえ、上位との差は大きい。
Windows 10 Mobileは、Windows 10のエディションの1つとして統合され、共通のUWPアプリを利用できるようになった。スマートフォンで重視されるのは、
サードパーティアプリの本数であり、Windows 10向けに開発を行えば、Windows 10 Mobileにも対応可能というのは一つのメリットだ。
しかし、UWP自体は、PC側でもWindows 10からスタートしたアプリ形式であり、デスクトップでも普及はこれからだ。
※ 2、マイクロソフトの戦略は、外から見る限り大きく2つの方向性がある。です
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