[機器][ゲーム] アクアプラスP/ECE~開発キット付属のゲーム機
P/ECEでゲームを作る
P/ECEとはなんぞや、という事ですが、アクアプラス(ToHeartとかWhiteAlbumとかの会社?)から出ている開発キット付属のゲーム機(実用ソフトも可)です。
詳細はこちらをご覧いただくとして、感想を書いてみたいと思います。
まずはハードについて。肝心の液晶は128*88ドットFSTN液晶モノクロ4階調です。ドット数は最近の携帯電話並み、階調は初代ゲームボーイと同じ。 ですが、液晶の応答速度が悪い(初代ゲームボーイ並みかそれ以下)のと、コントラスト比が悪い(初代ゲームボーイ並みかそれ以下)ので、最悪としか言えません。 ゲームボーイが出てから10年たつというのに、同等の液晶使うなんて・・・。いくらコスト削減とはいえ、肝心の部分まで妥協しちゃったら駄目です。
キーについてはこんなもんでしょうねぇ。サウンドは、本体の下にスピーカーが付いているため、音量を最大にしてもちょっと聞こえにくいです。 バッテリーは、USBか単3電池1本ですが、電池は入れておくと常に消費し続けるのであっという間になくなります。1日か2日しか持たないような・・・。 せっかく内蔵時計を持っているのに、普段は前述のように電池を入れて置けないので意味なしです。基本はUSBの電源を使う事になるでしょう。 極限までコストを削ると、こうなるという見本のようなハードです。ゲームボーイやワンダースワンがいかに考えられて作られているか感じさせられます。
面白いゲームはハードで決まるものではないので、ハードについては以上にして、ソフト開発環境について。 基本はC言語ですが、Windowsプログラムのようなイベントドリブンっぽい書き方をする必要があります (開発言語がJAVAだったら、携帯電話で作れば良いという事にもなりかねないだろうな)。 main()でしか作った事のない人は最初少し戸惑うかもしれませんが、慣れれば大丈夫です。
コンパイル、リンクなどはコマンドベースなので、VisualStudioに慣れてしまった私にはちょっと使いにくい・・・。 どうせならそれっぽい物を作って欲しかったのですが、まぁフリーでそういうソフトを作っておられる方がいますので、有難く使わせてもらいましょう。
さて、ゲームで重要となるのが、グラフィックです。
ゲームって、おおまかにプログラマとグラフィッカーと音楽担当が必要だと思うわけなのですが、たいていこれを1人でやるわけです。 で、私が一番苦手とするグラフィック作成のサポートツールが無いに等しい。 BMPから専用データを作るソフトはあるんですが、4階調データでグラフィックを作るものがないので、どうしたものか・・・。
音楽製作については、PMD互換MMLということなので、それほど戸惑うことはなさそうです。 実際音を鳴らすプログラムをまだ書いていないので、どうなるか分かりませんが。
あ、そうそう、P/ECE関連ファイルは「C:\usr\piece」というディレクトリに入れる必要があります。まぁCドライブじゃなくても良いんだけど。 要はスペースとか含まれるディレクトリ名だと駄目なんです。最初「Program Files\piece」に入れてたんですが、正常に動作しないので仕方なくデフォルトに従いました。
とりあえず、電卓は作ったんですが、その後の「Road Racer」の開発で躓いてます。 先ほどのグラフィック関連がよく分からないのと、スプライトの使い方がいまいち分からないのです。 思いついた事をゲームにしやすい、という意味では、あまり良くないのかも。そういう点では、ゲームキューブやXBOXがどういう開発環境なのか気になります。 XBOXはDirectXをさらに使いやすくしたものなんだろうけど。確かにDirectXは使いやすいかもしれませんが、あれは3Dの知識というか数学の知識が必要だからなぁ。 まぁ、「C Magazine」3月号(2/18)でP/ECEの特集が組まれるようなので期待しましょう。
1万円を切る値段ながら、ハード、開発環境がセットになっているというのは、ゲーム開発の1歩を踏み出すのには手頃だと思います。 制約がある方が良いゲームが出来るかもしれません(言ってみればゲームボーイのSaGaっぽいRPGも作ろうと思えば作れますから)。 ですが、完成度という面で見れば、ちょっと中途半端な気がします。あと、ユーザーのパイが広がらないと開発しようという気になりにくいですし。 自己満足ツールとして使うなら問題ないですけどね。Windows上で動くエミュレータなんかあれば最高なんですけどねぇ(1msタイマとか作れなさそうだけど)。
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