[SNS] 若者のFBインスタ離れ始まる...「メタバースも別に興味ない」
NY Future Lab ミレニアル・Z世代研究所
ついに始まった若者のインスタ離れ…親世代が使うSNSを「ダサい」と切り捨てるワケ「機能が増えすぎてよく分からない」
PRESIDENT Online
2022/02/09 18:00
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家
NY Future Lab ミレニアル・Z世代研究所
■「アカウントは持っているがほとんど使っていない」
米メタ(旧フェイスブック)は2日、2021年第4四半期決算を発表した。これが投資家たちの予想を裏切る減益で、株価は一時27%下落した。この事実から推測できるように、パンデミックが始まって2年、アメリカのZ世代のソーシャルメディア勢力図は大きく変わりつつある。
フェイスブックからメタへの社名変更を発表するマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)[同社の動画より]
メタのユーザーが初めて減少したことが株価下落の原因の一つだが、最も目立つのは若者の明らかなフェイスブック離れだ。社会やメンタルへのネガティブな側面が明らかになったことが理由の一つで、日本でもユーザーが多いインスタグラムも将来が危ぶまれている。代わりに急成長しているのがTikTokで、10代の間ではインスタを超える人気ぶりだ。アメリカのZ世代の間で何が起きているのかを探ってみた。
「フェイスブックのアカウントも持っていない」と言うのは、筆者が主宰する「ニューヨークフューチャーラボ」の最年少で18歳のミクアだ。20歳のシャンシャンも頷く。20代のメアリーとヒカルは、アカウントは持っているがほとんど使っていないという。
パイパー・サンドラーの調べでは、2021年秋時点で、Z世代のうち10代が使っているSNSのトップはスナップチャットで35%、2位はTikTok(30%)、3位インスタグラム(22%)、4位ディスコード(5%)、5位のフェイスブックは2%という結果が出ている。また別の調査では、2019年以降に10代のフェイスブックユーザーは13%減少し、今後2年で45%減るという予測もあるほどだ。2003年、ハーバードの大学生だったマーク・ザッカーバーグ氏によって誕生し、ソーシャルメディア時代を牽引してきたフェイスブックは、なぜ10代に見向きもされないプラットフォームになってしまったのか。
理由は1つではないが、コロナ禍によるステイホームやアメリカ社会の分断と切っても切れない関係にあるのは間違いない。それを象徴する出来事が、2021年秋に起こったフェイスブックでの内部告発だ。
■若者の「フェイスブック離れ」が止まらない
2021年10月、フェイスブックと傘下のインスタグラムが、6時間にわたりシステム障害を起こして大騒ぎになった。奇しくもその数日前には、ウォール・ストリート・ジャーナルから衝撃的なスクープ記事が出ていた。フェイスブックで製品マネージャーを務めていたフランシス・ホーゲン氏が、「フェイスブックのアルゴリズムが政治や社会の分断を助長、1年前の米議会議事堂襲撃事件の原因の一つにもなった」と内部告発。その後米議会下院が公聴会にホーゲン氏を呼ぶなど、社会問題に発展した。
フェイスブックの内情はこれまでも繰り返し論争になってきたが、それよりも若者が憤ったのは、こうした問題をフェイスブック内部ははっきり把握していたにもかかわらず、広告売り上げを優先して対策をとらなかったという事実である。怒りや煽動的なコンテンツは他のどんな投稿よりも早くたくさん共有され、広告収入を考えると最もおいしいコンテンツだからだ。フェイスブックのイメージはいまや地に落ちているが、実は若者の間ではかなり前から「フェイスブック離れ」が始まっていた。
■親や祖父母が使っている時点で古い
フェイスブックのユーザーは世界中に29億人いると言われ、その人気は絶対的だ。しかしそれ自体が、フェイスブックをダサいイメージに変えてしまっている。
フェイスブックはそもそも、ハーバード大の学生だけで使われていた閉鎖的なメディアだった。当時大学生だったミレニアル世代は40代に差し掛かり、その上のX世代、60~70代までフェイスブックの利用者は多岐にわたっている。しかしそれが裏目に出ているのだ。ファッションにしろ音楽にしろ、10代の若者にとって一番大事な価値観の一つはクールさであり、親や祖父母が使っているプラットフォームはとてもクールとは言えない。フェイスブックの巨大化自体がイメージダウンになるという避けられない結果になったとも言える。また、デザインがごちゃごちゃしておしゃれではない、広告が多すぎるなどの意見も多いが、古いソーシャルメディアの部類に入ったフェイスブックは、10代の若者の選択肢には入っていないというのが実際のところだろう。
■10代の間では「インスタ離れ」も
それどころか、10代の間では「インスタ離れ」ともいえる現象が起きている。インスタグラムは2012年、フェイスブックが巨大化する段階で買収した。これが見事に当たり、インスタは若者に圧倒的な支持を得て、「インスタ映え」「インフルエンサー」などの言葉も生まれた。しかし、そのインスタグラムも10代の間では人気が下降している。前出のパイパー・サンドラーの調べでは、2015年には33%でトップシェアに君臨していたインスタグラムは、現在スナップチャット、TikTokに抜かれて3位だ。ソーシャルメディアにとって10代に支持されなくなるという以上の危機はない。ユーザーをつなぎとめるためにさまざまな変革を試みてきたが、それが裏目に出ているようだ。
ラボのメンバーは10代後半から20代前半のZ世代で、最も使っているのはインスタグラムとTikTokだ。しかしミクアはこう言う。
「インスタグラムは機能がどんどん複雑になってなんだかよく分からない」
インスタグラムはもともと、フィルターを使った加工写真を友達との間で共有する、写真シェアリング・プラットフォームだった。そのシンプルな機能とスタイリッシュなデザインが若者の支持を得た理由である。インスタグラムは自分の美学やアイデンティティを表現する特別な場所だった。ところが、それが2016年頃から変わり始めた。インフルエンサーが注目されるとそのパワーを利用したショッピング機能が加わる。さらに投稿の順番が時系列からアルゴリズムを利用したものに代わり、上がってくるのは人気コンテンツや広告で、見たい友達のポストはなかなか見つからない。さらに2020年にはTikTokに対抗しビデオ投稿のリールを導入。Z世代のユーザーは、こうした多機能化をフェイスブックと同様クールであろうと躍起になっているように映り、逆にダサいものとして見ている。
しかし、インスタ離れの理由はそれだけではない。
■いいねの数や他人の投稿に落ち込んでしまう
長いステイホームで多くの若者がソーシャルメディアに依存する生活を送る一方、アプリを削除するZ世代も出ている。20歳の中国系アメリカ人シャンシャンは言う。
「一時はすごくハマっていたのですが、アジア系に対するヘイトクライムの投稿があまりに多くて恐ろしくなり、アプリをすべて削除しました。それ以来ソーシャルメディアは使っていません」
これは極端な例かもしれないが、同じ頃、音楽シーンのスーパースター、メガン・ジー・スタリオンやセリーナ・ゴメスがインスタを一時休止宣言するなどの動きも出ている。ソーシャルメディアに依存する若者のメンタルへの影響はこれまでも問題視されてきた。いいねの数が増えないと落ち込む、楽しそうな他人の投稿を見て落ち込む……。自分のベストを投稿するインスタグラムでは、誰もが実際の自分よりもよく見せているのが分かっていても、どうしても自分を他人と比べてしまう。それでもやめることができないのは、アルゴリズムの進化によって志向に合った投稿を見つけやすくなり、さらに依存性が高まったからとされている。
■やめたいけど、やめられない理由
「使えば使うほど、自分の体型が悲しくなり自分が嫌になってしまうという悪循環が起きていると思う」とコメントするのはメアリーだ。前出のフェイスブックの内部告発では、インスタグラムが10代のメンタルに悪影響をおよぼすなど、多くのユーザーが疑っていた事実を認識していたのに、運営側が広告収入を優先して対策しなかったことも同時に暴露された。多くの若者はこれを裏切りだと感じた。インスタグラムはその後、いいねの数が表示されない設定を導入したが、これが果たして効果があるのかという批判も多い。このような不祥事があっても、結局多くのZ世代はインスタグラムを使い続けている。その理由を尋ねるとこんな答えが返ってきた。
「プラットフォーム自体嫌いじゃないし、他に選択肢がないから」
日本ではソーシャルネイティブともよばれるこの世代には、もうソーシャルメディアなしでの生活はありえないのだ。
■インスタ超えのTikTok、スナップチャット
フェイスブック、インスタグラムと対照的なのが、世界でユーザー10億人を超えた中国生まれの「TikTok」だ。アメリカのティーンの間でインスタを超えた理由は、エンタメ性が高く独自のアルゴリズムによる滞在時間の長さが、パンデミックの巣篭もり需要にハマったためだ。Likeやフォロワー数を気にしたり完璧な自分を演出したりするインスタに比べ、素のままでいられる楽しい場所をTikTok上に見つけ飛びついたことも考えられる。また、数年前まではダンスやペット映像など子供っぽいイメージだったのが、料理やファッション、人種差別反対など社会正義を発信する動画も加わり、大学生や社会人も参入するようになっている。あっという間にユーチューバーならぬ、有名ティックトッカーが続々生まれているのも注目される理由だ。
ちなみに10代に絞ると、ソーシャルメディアのトップはスナップチャットでこちらはTikTokよりも人気が高い。特に10代前半にアピールしており、ビデオチャットだけという機能がシンプルで分かりやすく、限られた友達だけで楽しめるという気楽さで子供たちのソーシャルメディア入門にはうってつけのプラットフォームだ。しかし、大学生を中心としたラボのメンバーは「中学の時には使っていたけれどもう使っていない」と口を揃えており、子供っぽいイメージがあるために、大人になるともう使わなくなるようだ。
■「ザッカーバーグは欲に走った悪魔だ」
冒頭でソーシャルメディアの勢力図が変わっていると書いたが、中でもフェイスブック、インスタグラムに対して、アメリカの若者は日本人が想像する以上に厳しく見ている。ラボのメンバーは口々に言う。
「インスタもフェイスブックも広告だらけになった。ショッピング機能までついて金儲もうけに走っているとしか思えない」、ケンジュに至っては「マーク・ザッカーバーグは欲に走った悪魔だ」とまで言うほど。
Z世代は社会正義に非常に敏感な世代だ。インスタグラム自体も、2022年のトレンドの一つに「社会正義」を挙げている。それによればユーザーの52%が、人種平等や環境保全など何らかの社会正義に関わるアカウントをフォローしている。グレタ・トゥンベリさんで知られる気候ストライキもブラックライブスマターも、中心になっているのはZ世代だ。彼らは、社会問題解決の足枷あしかせとなっているのは、大企業の利益優先主義や行き過ぎた資本主義だという考え方を持っている。だからフェイスブックやインスタのやり方が、自分たちの個人情報を吸い上げて売ることで搾取している、若者のメンタルや社会を破壊するような投稿であっても売り上げのためなら目をつむり、あまりにも拝金主義的で倫理的でないと憤りを持つ者は多い。それをさらに倍増させているのが、フェイスブックの新たな動きだ。
■最先端の「メタバース」にも冷ややか
フェイスブックが「Meta(メタ)」と名前を変え、本格的なメタバース(仮想現実)時代の先陣を切ろうとしていることに注目している方も多いだろう。パンデミックの影響もありメタバースはすでに現実になりつつある。人気ブランドが次々にメタバース上での商標登録を進めているというニュースもある。しかし、メタバースに期待するZ世代は3分の1しかいないという数字もある。仮想空間で生活する未来を描いた映画「Ready Player One」のようなディストピアのイメージが強いからだ。フェイスブックがメタバースに参入したのも、ソーシャルメディアでの人気下降をカバーするためだと感じており、ユーザーを長時間滞在させることで金をむしり取る金儲けのツールというネガティブな見方が強い。先日の株価下落は、そのメタバースへの移行がうまくいっていないことを象徴している。
2022年のアメリカは中間選挙を迎える。ソーシャルメディア上の情報戦は2016年、20年の大統領選以上に激しくなるだろう。フェイクニュースやディープフェイクにどう対処していくのか、2022年のソーシャルメディア業界はあらゆる意味で過渡期になりそうだ。
PRESIDENT Online
22.2
databug
3年後位には「TicTokオワコン」呼ばわりはじめるんだろうな。。世代間の問題は乗り越えようがないが,楽しむ能力の低い人々の不幸は,媒体の進化では報われない。本人の楽しもうとする努力によってしか報われないんだろう。。
tfuuuuu pc
米メタ社の株価急落、時価総額26兆円失う アメリカ企業の一日の記録更新
ABEMA TIMES
2022年02月04日 15:07
FacebookやInstagramを運営するメタ・プラットフォームズ社の株価が急落し、アメリカで企業が1日に失う時価総額の記録を更新した。
【映像】米メタ社、時価総額26兆円失う
2日午後に決算を発表したメタ社の株価は3日、26.4%下落し、株式の時価総額は約2300億ドル=26兆円以上減って、アメリカ企業の1日の下落では最も大きくなった。
決算では、Facebookの去年12月末の1日当たりの利用者が19億2900万人となり、創業以来初めて減少したことが公表された。また、アップルがスマホアプリの利用データを把握する機能を制限したことで、メタ社の広告収入が落ち込んだという分析もある。
メタ社が力を入れる「メタバース」事業では、先行投資が大きく1兆円を超える営業赤字が報告された。(ANNニュース)
Blogos
https://blogos.com/article/577720/
フェイスブックの苦悩
ヒロ2020年06月30日 10:42
フェイスブックのマーク ザッカーバーグ氏ほど精神的に楽にならない経営者も少ないかもしれません。2018年にたびたび起きた個人情報流出問題ではアメリカ議会で証人喚問を受け、厳しい糾弾を受けました。その時、ザッカーバーグ氏に浴びせられたその言葉とは「フェイスブックは(対策を)何もしない!」でありました。
2019年にはフェイスブックが主導しようとしていた仮想通貨「リブラ」について米議会が再びかみつき、議会の金融サービス委員会で証言を求められます。ネクタイ姿のザッカーバーグ氏が再びテレビに映し出されたのは記憶に新しいところです。
アメリカの数多くの企業、そしてGAFAと言われる巨大IT企業でこれほど社会を揺るがす話題をしばしば提供する会社も珍しいかもしれません。そして2020年に再び襲ったフェイスブック問題は議会というよりスポンサーである企業がより強く反応し始めています。
それは再度起きた「フェイスブックは何もしない!」に原点があります。同社はトランプ大統領の投稿などを通じて社会を分断するようなことを放置したとされます。ザッカーバーグ氏とチャン夫人が設立する慈善団体所属の科学者などからは警官による黒人殺害事件を受けたデモに関し、トランプ大統領の投稿が「誤情報と扇動的な発言の両方を拡散することを許し、暴力の扇動を禁止する同社のポリシーに自ら違反した」と書簡を送ったとされます。つまり自分のおひざ元からも強い声が上がっていたわけです。
ところがザッカーバーグ氏は動きませんでした。これに反応したのが広告主の企業で現時点で広告中止を発表したのはユニリーバ、スターバックス、ホンダ、コカ・コーラ、ペプシコ、リーバイスなどで拡大の一途を辿っています。同社は広告収入がほとんどであるため、このような著名企業が広告を中断すると発表すれば逆にそこに広告を載せ続けることが社会的に許されなくなるという雰囲気を増長します。
今、企業が広告を出すにあたり従業員の声が最も大きくなりつつあるのがアメリカの実情です。「俺が勤める会社がこんなところに広告を出すなら俺は会社への忠誠心はもう持たない!」と声を上げ、正義感溢れるこのような声は従業員に瞬く間に広がり、会社のマーケティング部門に「なぜ広告を止めないのだ」と迫るわけです。
企業も社会的存在意義と社会的責任(CSR)をうたっている以上それがどれだけ効果的である広告媒体であっても「残念ながら」とあっさり手を引くばかりか、「広告中止!」という発表そのものに喝采すら起こる事態になっています。
ザッカーバーグ氏の気持ちとは何でしょうか?フェイスブックを通じた発言は個人の表現の自由であり、介入への厳密で詳細な定義が存在しない中、苦悶しているというのが正直なところではないでしょうか?アメリカを中心とする西側社会は言論の自由があり、中国の思想教育、洗脳と対極的であります。つまり、自由であることを標榜するが故に検閲的なことはできないというのが本音でしょう。
仮に「有名人は影響力があるから特に監視体制を行う」としたら企業の存在価値と存在意義そのものがなくなります。耳障りの良い事だけを述べて世の中が平穏に終わればこれほど楽なことはありません。ところが、残念ながら我々は様々な思想、教義、常識観、人種、宗教的バックグラウンド、職業、年齢、性別、社会的地位、受けてきた教育などを介して数多くのカテゴリーに分類されてしまいます。
当然ながら発言に対して万人が喝采することなど100%ないのです。そして99.9%の人が賛意を示したその答えが絶対に正解であるとも断言できません。世の中に正解はたくさんあるわけで、事象の背景に基づき、一定の論理性があるならばそれはそれで一応、正解なのです。問題はそれに強く同意する人がいるかどうかでありますが、フォロワーはあくまでも二次的なものです。
トランプ大統領は本質的には社会を分断するつもりはなかったと思われるし、その発言は大統領としては放置できない状況にあったために行ったのかもしれません。その機会を奪うのはフェイスブックとしては正しくないのではないか、こうザッカーバーグ氏が考えたとしたらどうでしょうか?
私はフェイスブックが社会分断を増長したなどとは思わないし、それを言い出す企業側に自己保身と自分の利益を考えた狭い心があるようにも感じます。つまり、今回はフェイスブックは被害者で社会の風当たりを強く受けてしまった、そんなふうに感じるのであります。
では今日はこのぐらいで。
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