棄てられないモノ
2015/3/15(日) 午後 9:30
パソコン・家電総論 パソコン
Compaq Professional Workstation 8000
※商品名 Professional Workstation は長いので、PWSと略します。
ということで
愛用機からビンテージモノまで、他は全て廃棄してしまいました。
目的を果たしてなんぼのPC、利用価値が無ければ限りなくゴミに近い存在。
しかも棄てるのにお金がかかるというかなり厄介な・・・
でもなぜ15年を経て使い道も無いパソコンを棄てらないのか?
そこには言い尽くせない理由があるのです。
そもそもこれはパソコンなのでしょうか?
■ワークステーションの市場を1996年に開拓したCompaq
メーカのCompaqは、これを 「 ワークステーション 」 と言ってます。
ワークステーションとは何か?(HP社の説明)
この場で話題にするのは Intel系のCPUを搭載してMicrosoftのOSを使用する
いわゆる NTワークステーション のことです。
当時はまだ本物(RISC/UNIXなワークステーション)が主流であったので、モドキなワークステーションは、そういう呼び名で差別されていました。
そもそもの始まりは、価格の下落が激しく利益を生み出さないパソコンを、なんとか高値で売るためにパソコンメーカが講じた施策と言われています。 (実体はパソコンにプロフェッショナルなグラフィックカードを搭載しただけ?)
( ・д・) このパソコンどえらく高いねえ。
( ´ー`) ワークステーションですから。
(*゚∀゚ ) パ~ソコンだよね?
( ´Д`) ワークステーションですって。
(" ゚д゚ ) パッ、 パソコンでしょっ?
(#`Д´) ワークステーションだゴォリャ!
(・∀・) ? Na n cha Te ワークステーション
※NTワークステーション ・・・当時、メーカのエンジニアもそう呼んでいたのですが、2015年現在、それをググッてもヒットしません。 既に死語になっていました (-- 現在のそれは、インテルアーキのという意味で、 iAワークステーション とか呼ぶみたいですね。
Compaq は、この市場を1996年に開拓し、翌年の1997年には NTワークステーションとして、以下3製品をラインナップしていました。
(商品名 Professional Workstartionは長すぎるので、以降 PWSと略す)
・デスクトップ型 PWS 5000(P6-200MHz搭載)2Dモデル/3Dモデル
・フロアスタンド型 PWS 6000(PⅡ-266MHz or 300MHz搭載)2Dモデル/3Dモデル
・フロアスタンド型 PWS 8000(P6-200MHz搭載)2Dモデル
イメージ 1
※右のCRTはたぶん21インチです。
このような巨艦で、パソコンとして見てしまうと、当時でもかなり高価な製品です。(発売時の定価は2DモデルでPWS 6000が約百万円~、PWS 8000が2百万円~) それでも本物のワークステーションと比べてれば十分に安価だったようですし、高額な業務アプリの使用料に比べたら、導入する側(基本的に法人)にとっては、この程度のハードの価格など、どうでもいい金額であったのかもしれません。
私は2年落ちPWS6000のアウトレット品(箱入り未使用)を10万円で購入しました。
当時革新といわれた「低発熱、FSB 100MHzのPentiumⅡ」が出た後だったので、それに対応していない旧式のPCは劇速で陳腐化して、たたき売られたわけです。 超お買い得と思いきや、客観的に見たら、10万円も出してアホな買い物です。
その後、部品取り用に念願のPWS8000(中古)を入手し、ニコイチ機となりました (PWS 6000と PWS 8000は、あるパーツを除き筐体や主基板など全てが共通)
その後もちょこちょこいじって、パーツの交換や追加をしています。
・グラフィック
イメージ 2
Intergraph Intense 3D Pro 3400 (RealiZm II)
写真下はジオメトリ・アクセラレータ 3400 GA)
同時代のIBM製NTワークステーション用オプション品(だったと思います。)
3D CADやCG業務に不可欠な3D描画処理をハードウェアで実現しています。
でもそんなエンジニアやクリエイタではない人には何の意味も無ありません。
・ストレージ
アレイコントローラ
Compaq SmartArray 2DH(with 16MB cache)
ホットプラグ対応のHDDケージ&デスクパック(中身はConnerのフルハイト)
Compaq純正部品で、同社のサーバ機 Proliant 2500用オプション品を流用。
HDD×3本でRAID5を構成していますが、フルハイトなのでこの3本で満タン。
同容量の予備HDDを持っていないのでHDDが逝ってもリビルドできません。
これまた何の意味もありません(キャッシュ効果で速い場合があるかも?)
オーディオ
イメージ 6
DIAMOND MM MX300 & YAMAHA DB50XG
当時は稀だったPCIバスでWinNTドライバが提供されていたサウンドカード
写真下はWaveTableで、YAMAHA XG音源を搭載したドータカードです。
これにMIDIケーブルで外部音源のSC-55(Roland GS音源)も接続していました。
この両者があれば、その時代ネットにアップされていたほとんどのMIDIスコアは
作者が想定する音色で聴くことができたわけです(Soundd Blaster のE-Mu音源じゃダメなのだ)。
でも、本体がファンやHDDの騒音で超ウルサかったので、これまた意味無し。
他にもLS-120対応ディスケットドライブ(Boot不可だけど読書きが速い)、PD対応のCD-ROM(リライタブルの本命だったが全く流行らなかった)などどうでもいいところはCompaq純正品にこだわり、アップグレードしています。
これらパーツは全て、何でこんなの売ってるの?的な秋葉のジャンク屋さんや格安の保守部品流れを扱っていた中古屋さんを回って見つけたものです。
しかし需要が高まってくると、客の足元見てかなりふざけた値付けをする店や、態度が無礼な(古物商がヒヤカシお断りって何だ?)店が出てきたんです。 それと客の方にもヤフオク転売目的でレアパーツを買い漁るやつがいたりして。
そんな理由か?適正価格の(いわゆるジャンクな)掘出モノが出てこなくなり、ちょうど個人的にも勤務地が東京(秋葉至近)ではなくなったのも機会になって、これ系の目的では秋葉へは行かなくなりました(2002年ぐらいを最後に)。
なお、オーバクロックとかベンチマークとかいうのやって喜んでた自作PCオタの方々と秋葉通いの時期は重なりますが、私はそういうキモイ人ではありません。
と、この完成形になるまで、2年ぐらい要しました。
で、その使い道は・・・
まあ、あんまり創造的なことはやってませんね。
もともとノート派だし。
(´Д`; それって 自作PCオタじゃないのか?
15年以上経た古いPCをなぜ棄てられないのか?
■NTワークステーション
NTワークステーション、
CPUを供給する側のインテル自体も市場拡大を狙って、それ用のチップセットを開発して、マザーボードまで供給していたのです。そのリファレンスマザーボードをそのまま使った製品も多く存在しました。
(初期のNTワークステーション ⇒ IBMの InteliStation、富士通の FMV PROなどがそれ)
これが当時のそのインテル製マザーボードです(富士通ナンチャラアに入ってたもの)。 なんだかそれでは、部品寄せ集めのBTOパソコンとかわらないでわけで。 実際、インテルがそれのリテール品を出していて、秋葉で売ってたし。
やっとボーナス出たよ。
よ~し、ハイエンドなマザア買っちゃって
ワークスケーション組んじゃおうかな。
でもCompaqは違います。高性能・高信頼のサーバ製品を開発・製造して、エンタープライズITの市場でまともな商売をしていた 「コンピュータメーカ」 です。 NTワークステーションにおいても妥協をせず、同社サーバ製品の流れをくむ 独自アーキテクチャ を採用した超ド級な製品に仕立てたわけです。
ではようやく PWS 8000 の細部をご紹介
とても凝ったつくりで、プロセッサケージ、拡張ケージ、HDDケージに別れたモジュール構造になっており、各々すっぽ抜いて簡単に交換できるんです。
このシャーシは、同社小型サーバ機のProliant 2500と共通です。
つまり、サーバ機とワークステーションの違いって・・・(^^;
インタフェースボード
この貧相なノンインテリな基盤のみがシャーシ側に固定されています。 上スロットに拡張ケージ、下スロットにプロセッサケージがささります。 ここにFPDやIDE、SCSI(Wide)、audioの各内部ポートがあります。
拡張ケージ
このケージの中には拡張ボードが入っています。
オプションスロットとしてPCIスロットを6本装備(内4本はISAバスと共用)。 シリアル、パラレル、PS2、アナログ音声の各インタフェースはオンボードです。
6本ある拡張スロットの1本はビデオカード用にとられてしまいますが、残り5本のPCIがまるまる使えますので、かなり拡張性が高いです。でも、なぜか全部埋まってる (^^;
写真上(後ろから見て左側)から ディスクアレイコントローラ、リモート監視、グラフィックアクセラレータ、ジオメトリアクセラレータ、SCSI(PD接続用)、オーディオで、全てPCIバスのカードです。
注目のプロセッサケージ
このケージの中には、メインボードが入っております。 そこに拡張メモリカード1枚とCPUドータカードが2枚ささります。
Ethernet(UTP、AUI)とSCSI(Wide)のインタフェースは、メインボード上にあります・・・これはもうサーバと同じ。
拡張メモリカード
メモリ(ECC EDO DIMM)が8枚ささります。 メインボード側の4枚と合わせて合計12枚
最大256MB×12= 3GB 搭載 できます。
1997年当時、これはありえない凄さ!
そしてメインボードに2枚ささるCPUドータカードが
唯一 PWS 6000 と PWS 8000 の相違点となります。
PWS 6000のCPUドータカード
PentiumⅡ が 1個載ります。
PWS 8000のCPUドータカード
イメージ 7
Pentium Pro が 2個載ります。
( ゚A゚ ) エッ?
Pentium Pro が 2個載ります。
( ゚д゚ ) ハァ?
Pentium Pro が 2個載ります。
(・∀・) ・・・ん?
2個載ります。
っていうことはですね。
ジャ~ン!
Pentium Pro が
4コ載るんですよ!
ここまでくるのに説明が長すぎました。
我慢して読んで下さった方、お疲れ様です m(_ _)m
そうです。
Socketが4つあり、CPUが4個載っている。
これがこいつを棄てられない理由であります。
こんなグレートでナイスなPC他に見たことない!
※注) 4つ載ってるというのは、もちろん各社のサーバ機では以前から存在した。
その後のXEON CPUの時代には4つ載せのNTワークステーションというのは
Silicon Graphics 540 という製品が存在したらしい。
正直、実機を手に入れるまでは、この製品の存在を疑っていました。
カタログには載ってるけど実は1台も売れてない
そんな幻の製品は世の中にいくらでもあります。
そして
・1997年当時、CPU4個搭載を生かせるWindowsアプリはあったのか? (アプリにくっついてくる専用のOSっていうのが多かたかも?)
・P6-200MHzのPWS 8000は、PⅡ-333MHzのPWS6000より速いはずがない。
・それでPWS 8000は PW S6000の2倍の価格。まともな消費者(法人)は買わない。
ですからPWS 8000の販売台数は極少数だったのではないかと予想します。
ビンテージなCommodoreやApple、ThinkPadの収集家というのはけっこいるらしい。
でもさすがに COMPAQコレクター というド変態 は、きいたことがありません。
だからもしかすると、このPWS8000は、日本に現存するたったの1台 かもしれない。
そう考えると、この際、歴史的、文化的な価値などどうでもいいのです。
貴重な絶滅危惧種は保護しなくてはなりません。
( ゚д゚) そうだ! 義務だ、使命だぞ。
これで私が自作PCオタではないことをご理解いただけたでしょう。
で、前々回の記事では、起動しないと報告いたしましたが、今回写真撮影のため分解、再組立したらめでたく起動 (かなりメモリが逝ってましたので・・・ダメなの抜いたら OK)
BIOS起動画面
4つ目のCPUでブートします。
Compaq システムコンフィグレーション画面
※EISAコンフィグをベースにしたCompaq独自のPnP機能
これがあるので、Compaq機のセットアップは楽ちん。 BIOS画面でセットアップのチープなPCしか使ったことない人には解らないと思いますけどね。
Windows タスクマネージャ
「システムのプロパティ」に表示されている ”x86 Family 6 Model 1 Stepping 9”というのは
Pentium Pro 200MHz CPUのことらしいです。
どうよ。
ちゃんと 4つのCPUが生きてるぜ!
でもね
あんちゃん
いまどきケータイだって
8CPUだよ
なんじゃそれ
勁戰日報( シグナスX 改造日記 )
https://blogs.yahoo.co.jp/lindapoodle/34364628.html