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2024年8月14日水曜日

[ネタ] ステイホームの夏, 究極の寿司「シンギュラリティ」〜伊集院光『深夜の馬鹿力』/2020.8

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[ネタ] ステイホームの夏, 究極の寿司「シンギュラリティ」〜伊集院光『深夜の馬鹿力』/2020.8
20.8.10(火)
今週気付いた事コーナー
まあ,なんか日々,心配したことが起きてるのは,俺はそもそもアクティブな人じゃないんです。そもそも旅とか無理にしてますから。なので,これ二段階ぐらいあって。そもそもその学生時代から家に閉じこもって,誰とも喋らないっていうことは得意中の得意なんです。「家にずっと居て誰とも喋らないでいて,死んだような目をして生きる」っていうことは,全然僕のノーマルのエディションのことなんです。で,それはさすがに親も心配するしとか,職業的にも…みたいなことで,嘘の元気を振り絞るために外に出たりとか,ましてや旅に行ったりみたいことをずっとやってて。その旅で変なことに巻き込まれるから,それでちょっとテンション上げて,要するに異常なテンションになって帰ってくるわけです。それで夜中の1時から,もう済んだことを異常なテンションで喋ってるわけですよ。ずーっと。52の大人があんなテンションなのが異常なんです。そういう人間に「外出を自粛しよう」とか「旅を控えよう」って言ってたら元通りなんです。元通りだからノーストレスだけど,ノーストレスですけど,死んだような目をして日々暮らしています。あのなるべく家から出ないのも,そんな別に。カミさんは社交的な人だから,人と喋らないとか相当きつくてストレス溜まってますけど,僕自体は当時CDの裏面を1日見てられたんで(爆) 「いろんな色が出てるな…」って。今,それがブルーレイに変わって,青の中でもいろんな色があるな…と思って別に見れますんで。怖いのは,ステイホームがこれ以上続くと,もうそのどうかしてる方のエディションに戻らないとか「今更戻してくださいと言われてもそれ無理ですわ」みたいになりかねないなと思って。ぐだぐだぐだぐだぐだぐだぐだぐだネットを観たりテレビを観たりして暮らしてますけど。
■羽根付き餃子問題
突然先週末辺りからさうまい餃子が食べたくて。かといって,なんかこう浜松行ったりとか宇都宮行ったりとかがダメな時じゃないですか?ネットとかで都内で美味しい餃子探して「ここかな」ってそっと行ったりしてんだけど。羽根付き餃子ね…羽根つきの,表面はパリパリなんだけど,皮はモチモチで肉汁がジュワって出る…みたいなのじゃないのが食べたくて(笑) いやなんか,世の中の美味しい餃子がこれ一辺倒になりすぎちゃって。まず俺は羽根要らない。その昔は鯛焼きだろうが餃子だろうが,羽根は失敗だからね。羽根って,失敗の餃子と失敗な鯛焼にできるヤツっていう感覚なんで,…ゴメンこれちょっと言い方悪いわ。羽根つき表面パリパリ皮,モチモチ肉汁ジュワは好き。これはこれでいいんだけど,1個流行ると,片方が流行ると,その逆サイド駆逐されてくじゃん。特に東京って。タピオカの,黒くて丸くてデカいやつ流行ったせいで,白いつぶつぶのタピオカどこにもないのよ。でどこもないまま多分白くてつぶつぶのやつをタピオカ大ブームの時出してると「うっわ,ここ,黒くて大粒のタピオカ買えねえから白なんだよ…ダセェ」なんつって「お前んとこ事務所総出で潰すかんな」みたいなそういう感じになっちゃったと思うんですよ(笑) そういう感じになって,白いツブツブやってたところ,もうもはや今になっちゃうと軽く「タピオカまだやってんだ」みたいな空気になっちゃってるから,タピオカごとなくなっていくじゃん。別に俺は黒くて丸いタピオカも好きだけど,白粒の方が駆逐されちゃうんだよね。うどんも,はなまるうどんが東京に入ってきてから,もうはなまるうどんが好きすぎてヒットしすぎて,はなまるうどん系のいわゆるその讃岐うどん,コシが強くて,なかなか噛み切れないみたいな讃岐うどん系のお店がすごいできたじゃん。そうすっと,普通のうどんあるじゃん。病気の時に主に食うヤツ。主に病気の時に食ううどん…病うどんが全然ない。あのフニャっとしてるの。要するにうどん=コシがあるうどんってされちゃってから,コシがないうどんを食べさせる店の親父は「なんかダメなんだな…この人」みたいな。「何お前コシもないうどん出しやがって…オマエんとこもついでに事務所総出で潰すかんな」ってなるから(笑) 
そこだよね。どういうのって表現がしづらいんだけど,餃子でいうと,皮が厚いのも違うんだけど,殊更薄くなくていいんだ。殊更薄くなくて良くて,多分あの皮にモチモチ感とかいらないんだよね。割と皮は,パサつくまで行かないけれども,そんなに水分量なくて,表面のところ焼け方がガサッとしてる感じっていうのが言い方としては。あそこに油は含まれてるんだろうけど,テカるほどの油はない。ガサッとしてる感じでいい,割と白い皮に狐色になってる感じでいいんですよ。肉は野菜餃子とは違うけど,肉は申し訳程度にしか入ってなくていいんです。申し訳程度にしか入ってなくて,多分主はキャベツ,ニラ,にんにく位のもんが入っててくれれば良くて。で,このタイプのジャンボ餃子はそこそこ生き残ってんだけど,割と普通の餃子の大きさのヤツが全然見つからなくて。週末木曜日ぐらいから,3軒ぐらい,そのぽいやつをネットで見ては「これちょっとぽいかな」って言って,わざわざ行って予約して行ったり。とかしてディスタンスはあるからみたいな。予約して行って,でいざ餃子来たらもうがっかりだよね(笑) 違うんだよ。羽根あるし。ネット画像に羽根なかったじゃん…ていう。俺にとってみればあの羽根はあってもなくても良くて,プラモデルのバリみたいもんです。昔のプラモのバリみたいなもんですから。で,表面はもうパリパリだしさ。しかもそのモッチリとした皮も,特別な皮を使ってるせいで,そのモチモチ度が半端ないし,皮にもちょっと何か練り込んでるんだと思う。ちょっとこう皮の中にもうすでに軽くにんにくっぽい味してたりとか,あと肉汁どうしたってくらい入ってて,旨えでやんの。そういうことじゃない。もうずっと俺の中で,何かね。旨いから残すこともない。その店はその店でその表面パリパリ,皮モチモチ,肉汁ジュワが食べたい日のためには行って良かった店なんだけど,なんかずーっと。そのカミさんと行った店の車の中で「…旨エんだよな」っていう(笑) 
その,これもちょっと違うのは不味いのを探してるわけでもないんだよね。その不味いんじゃなくて,そっち方面に旨い餃子って,もうもはや探し方が全くわからなくなってて,なんて訊けばいいのかもわかんないじゃん。「皮がカサカサ」とは書かないよね。「うちは断じて羽根を出しません」みたいなのが書いてあったとしたら,そういうヨソをディスってくるようなお店も嫌だし。それも違うと思うんだけど,食べログとかも珍しく見るんだ。見るんだけど,紹介のコメントの中に必ずこれが入ってんだよね。食べた人の感想やお店の紹介に「皮モチモチ,肉汁ジュワ,表面パリパリ」が入ってんだよね。俺の頭の中にあるあの餃子が,何ていう言葉で引けば出てくるのか? 「昔ながらの昭和餃子」みたいの書かれると,それはムカつくんだよね。そういうんじゃないから(笑) それは古民家風カフェと同じね。リアルに古民家住んでる人は「できれば新築住みてェのに,ボロくなってたよ,だけど清潔に住んでいこう」のケースが結構多いからね。それをお前,何最初から古民家風作ってんだよ?みたいなね。何最初からボロくしてんだよ?みたいな。黒澤明か?みたいなその感じね。なんか「昭和を狙って作りました」っていうことでもない。その作り方しか知らない人がずっと作ってるヤツが田舎とかにポツンと残ってたりすんだけど,それもチェーン店が攻めてくるからそれも駆逐されちゃうんだけど。なんか…そんなだよ。
なんかさ,この話とはちょっと違うんだよ。うちの爺ちゃんが,戦後すぐぐらいの物がない時に,すいとん食うのが贅沢で,すごい好きで。昭和40年代後半ぐらい,昭和のある程度飽食の時代になってから「すいとん食いたい」っつって。でうちのおふくろとかが具だくさんのを作ると「そういうんじゃねェ! 不味いの作れ」つって(笑) そういうことじゃない。彼彼が食べたかったのは「懐かしい」であって「旨い」「旨くない」じゃないっていう話だと思う。それをお前何旨いを作ろうとしてんだよっていう話だと思うの。俺の言ってるのはそうじゃないんだ。旨いのが食べたい。旨いのが食べたいんだけど,旨いの方向性が,なんか1個に踏み固められた時の,そっちはダメにされちゃうのが嫌で。昔ながらの大してどうでもいい餃子もいっぱいあるから,それなら別に食べたくないし,食べたい時は今のその皮モチモチ肉汁ジュワの方が食べたいかな。肉汁多いと旨いってこと? あんまそうじゃなかったんだよな。なんか,具材の肉は結構ちょっとだけど,結構,その近所のスーパーのお惣菜コーナーの美味しい餃子とかって,意外に使わない脂身とかが結構入ってるから,それが旨かったけど,別に殊更肉が多かったわけじゃなくて。なんかね。そんな。  
■ 究極の寿司「シンギュラリティ」
餃子の話のついでで。今,冷凍餃子が超旨くなってんじゃん。あれがヤバいと思うんだよ。どっかの時期から,冷凍餃子右肩上がりにぐんぐん旨くなってたんだけど,ある時期油も水もいらない餃子始めたじゃん。油も水もいらないってすごくない? アベレージですげえできるからね。実際,本当に今の餃子って便利で,美味しくて。何もしないでただ並べて焼くだけで出来上がるじゃん。全部完璧な状態で。完璧な,表面パリパリ,皮モチモチ,肉汁ジュワになっちゃじゃん。下手すりゃ羽根もあるよね。昔はそのその日の気分によって,油ちょっとでチャレンジしてみたりとか,水をちょっとにしようとか,水使わないとかやってきて,で,その日の体調のベストのヤツになったりとか,ウンコ当然になったりとか。せっかく説明書通りやりゃあ旨いものを,全部炭みたいなものを作っちゃう。にんにく風味の炭を作ってたじゃん。それがなくなったのはいいんだけど,なんかそこが多分,今日俺は油少なめなんだよなーとか,そんなにモチモチじゃなくて結構焦げてていいんだよなみたいな調整は効きづらくはなってきたかなみたいなのは,ちょっとあるのかなあ。
それのついでにもう1個思い出した。「究極の寿司」って,電通プロデュースなんじゃないかな。ネットで見たんだけど,お店の仮の名前は多分「究極の寿司シンギュラリティ」っていう名前で。だから[寿司,シンギュラリティ,プリンター,DNA]とかで検索すると出てくんのかな。[未来]とか[未亡人]…あと[-"未亡人"]だと未亡人が消えるから(笑) 未亡人が,亡くなった旦那恋しさに消えるから。喪服エロスね。足袋をなかなか脱がないで欲しいっていう(笑) できれば足袋をずっと履いたままの立ちバックをお願いしたいっていう(笑) 後半でヒットしたヤツは全て切ってくれて構わないんですけど。その未来の寿司屋,一応ホームページには「2020年に店舗オープンするつもりだ」って書いてあるんだけど,CGバンバンで「未来都市東京にふさわしい寿司屋」っていうことを謳ってて。この寿司屋は,まずそこの予約をするとキットが送られてきます。キットが送られてきて,DNAの検査や尿検査,腸内の検査をすると。まずシンギュラリティの親方がコンピューターなんだけど,AIが,その人間に不足している栄養素やその彼の体のタイプに合っている食材みたいものをキチンと割り出して,
こういうものってなるじゃん。その後が凄いんだって。寿司プリンター/食品プリンターっていうものがあって,彼専用のメニューが出来上がったところで,それがその体にぴったりの構造と美しい感じで,イカを瞬間冷凍して粉々にしてもう1回固め直したものを,姫路城の形にしていく。マジで言ってんだって。本当なんだって…いや本当にずっと嘘ばかりついてきたけれども,訳わかんないんだって。そのエビを絶対零度で粉末にしたヤツに水分をブレンドしつつ「これが究極の寿司…あなたの歯とか口の中の肌触りみたいものにとってベストです」っていう形に,食品プリンタでプリントアウトしてく。それが次々出てくる。
俺の価値観では,多分バカなんだろうなって。俺の価値観では来る客も作ったヤツも馬鹿だと思うよ。だって寿司職人が,飾り切りみたいのをいろんな理屈でやるわけよ。見た目も綺麗で,歯触りも良くて,その食材も…みたいことを目の前でやってっから「Oh Sushi..」って海外から来る人たちもなるけどさ,それを3Dプリンターがやっちゃうとなると話が違くない? なんかそれ,ウサインボルトと同じスピードで走る軽トラを見せてもらう感じっていう(笑) 「ほらね」っつって言われてもさ。それぐらいの感じ。ウサインボルトと軽トラがどっちが速いかわかんないけども,なんかそれを見せてもらう感じじゃん。なんか大谷より速い球投げるピッチングマシンの感じ。球ポーンって見て「な?」って言われても「な?じゃねェよ,それは別物だよ」って思うじゃん。その感じ。俺の話芸が未熟なせいで,基本笑いの真ん中のとこで「ウンコ」って言えばいいと思ってるっていうとこで止まってるから。話芸が未熟なせいでむしろこれ全然伝えられてないんだって。意味わかんねえのが,その食品プリンターと,なんかその自動的に削ったりするヤツを使って,多分新感覚の歯ごたえのタコを作ろうとしてると思うんだけども,ジャングルジムみたいな形に中抜きにするんだ。中抜きにして,真四角の中空のスポンジのタコみたいのが出来上がるんだ。で,それをこのシンギュラリティではそれを食べさせると。そのCGをバリバリ使ったプロモーションビデオもあるんだけど,一応それ観てると,四角いドット絵の寿司みたいな,マインクラフトの寿司みたいなヤツが出てきて,全部プリンターから出てきた最後の最後に,親方が刷毛で醤油を塗ってんだけど,それは親方やんの?って(笑) 俺の中で。多分他は全部AIがやると思うんだよね。気の利かない弟子に電気ショックを与えたりとか,そういうのは多分みんなAIとコンピューターとその寿司プリンターが食品プリンターがやるんだろうけれども。なんかすげェ気持ち悪い感じのとんちんかんなブルジョワジーが絶対ハマる感じの。俺は蔵寿司に行くけど。

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