1980年9月23日火曜日

[機器][時計] Seiko HTime


[機器][PC] NEC PC-8801



NEC PC-8801MA



PC-8801(初代)のお部屋
PC-8801(初代)
西村 健 さんの PC8801 への思い入れ(投稿ありがとうございましたm(__)m)
NECが PC-8001 の上位機種として発表した8ビット機です。富士通が FM-8 を出してきたので,それに対抗して出してきたものだと思います。もちろん,FM-8 がなくても,開発はしていたと思いますが。
PC-8001 は,良くできたマシンでしたが,いかんせんフリーエリアがせまく,メモリを増設しても,最大 32KByte だったのと,グラフィック画面が弱く,漢字が表示できないことが,ビジネス運用では足を引っ張っていました。とにかく FM-8 はワープロにもなる,というのは大きな「売り」になっていましたから。
それで出てきたのが PC-8801 です。予想通り,グラフィック機能は非常に充実していました。それまでにはなかった,パレット機能やタイルペイント命令,ワールド座標による座標指定などの新しい機能が追加されていました。
しかし,何と言っても大きいのは,モノクロながら 640x400 の高解像度がサポートされていたことでしょう。
これによって,非常に見栄えのあるワープロソフトが開発できるようになったのです。
FM-8,7 では,縦の解像度が 200 ドットしかなかったので,縦長の漢字表示になってしまい,どうしても不細工なレイアウトになっていたのが,PC-8801では,漢字一文字がほぼ正方形となり,すっきりとした画面になったのです。
ただ,(初代)PC-8801 の画面処理のスピードの遅さは,それはもう,筆舌に尽くしがたいものがありました。なにせ,グラフィック画面の消去だけでも,5~10秒(体感)待たされるのです。
画面の上からじわじわ消えて行くのが見えるぐらいのスピードで,耐え難いものがありました。
その他にも,LINE 命令で線を引くのが目で追えるとか,他機種に比べて遅いのは一目瞭然でした。
実は,PC-8801 で,グラフィック処理の遅いのには,ハードによる要因と,ソフトによる要因の2つがあったのでした。
もともと PC-8801 で使われている Z80 という CPU は,高解像グラフィックには向いていないみたいでした。68 系の CPU では, サイクルスチールといって,CPU が VRAM にアクセスしないタイミングを見計らって,VRAM に使われている DRAM のリフレッシュができたのですが,Z80 では,クロックサイクルのタイミングが一定ではないので,その技法が使えなかったからです。
それで,VRAM のリフレッシュ期間中は,CPU には Wait が掛けられ,止められていました。
もっとも,正確には Z80 でサイクルスチールは使えない,というよりは,使いづらいと言うべきで,リフレッシュ回路と CPU のアクセスが衝突した時だけ,CPU を止めてやることで,Z80 でも,サイクルスチールの実現は可能でした。PC-8801 でこの手法が使われていなかったのは,手抜きだったのか,技術の蓄積が,まだ充分でなかったせいなのか良く判りません。
他にも,CRTC と CPU の競合が起こると画面がちらつくという問題があり,帰線期間中(走査線が画面の下から上に戻る間)しか CPU が動作しないようになっていたりしました。そのため,画面アクセス中は,CPU はほとんど止まっているに近い状態だったのです。
これらの制限は,I/O ポートにアクセスすることで解除ができました。ただ,そうすると,画面出力が全くなくなったり,画面にノイズが出まくったりしました。
ソフト的な要因は,はっきり言って,NECの詰めの甘さだと言えるでしょう。
最初に書いたグラフィック画面消去の遅さも,実は簡単に回避できるものでした。
I/O ポートアクセスで,CRTC を OFF にし,帰線期間待ちもやめてしまえば,一瞬でクリアは終了するのです。LINE 命令も,処理を最適化すれば,もっと早いものができました。プログラムの工夫が足りなかったように思います。
この画面アクセスの例でも判る通り,8ビットパソコンの時代には,アセンブラの知識があるのと無いのとでは,マシンの使いこなしに雲泥の差がありました。そのため,この時代のユーザーは,特にマシン語の判るユーザーは,自分のマシンの CPU に対して,今よりもずっと思い入れが激しかったように思います。
ところで,PC-8801 は PC-8001 の後継機(上位機種)として発表されたのですが,アーキテクチャは全く別物でした。ところが,NEW ON 命令を使うと,PC-8001 に完全互換になるのでした。私もこれにはびっくりしました。
一つの筐体の中に,2種類のパソコンが入っているようなものです。私はこれで NECの,互換性に対する並々ならない熱意の深さを感じました。
とにかく,PC-8801 は,その互換性の高さと,豊富な機能で,ユーザーは非常に多かったように思います。性能はいまいちでしたが,当時は「性能みたいなものは,努力と工夫でなんとでもなる」と考えるユーザーがほとんどだったので,今みたいにあまり問題にはされませんでした(←本当か?(笑))。
「努力と工夫で性能の限界を何とかする」ということで,私の印象に残っている例には,「アルフォス」というシューティングゲームがあります。たしか,作者は(森田オセロで有名な)森田さんだったと思います。
PC-8801 は,発売当初から,そのグラフィック処理の遅さから,ゼビウス型のスクロールシューティングゲームは作成不可能だと言われて来ました。それを,何とかしてしまったのがこのゲームなのです。
この当時のパソコンには,スプライトは装備されてませんでしたから,画面にキャラクタを出して動かすには,アドレスを計算して,全部データを転送する必要がありました。
しかも,重ね合わせ機能もなかったので,マスクパターンを作って,画面上のパターンと AND,OR の論理演算を行う必要があったのです。さらに,PC-8801 には,ハードウェアスクロール機能もなかったので,地面を動かすためには,画面データをブロック転送する必要がありました。
全てがグラフィック能力に制限のある PC-8801 にとって,二重三重の足枷になっていました。それをパレットと,グラフィックパターンを工夫して使うことで,重ね合わせをごまかし,色数は少ないながら,なんとかゼビウスライクなゲームを完成させてしまったのです。
私はそれを見て,やれば何とか成るもんだなあ,と感心しました。
もっとも,努力と根性の性能改善には限界がありますから,NEC はさすがに「このままではイカン!」と思ったのでしょう。
その後,グラフィック周りを大幅に向上させた PC-8801SR を投入してくるのでした。
SR では複数の VRAM に同時書き込みができるようになっており,画面表示速度が劇的に向上していました。
   
虎菊
http://www3.wind.ne.jp/toragiku/kopa/88.htm
http://www3.wind.ne.jp/toragiku/kopa/pc100.htm
      
PC88ゲームライブラリ
http://www9.big.or.jp/~y-romi/library/frame1.htm





PC-8801(初代)
名称 PC-8801
発売日 1981年12月?日
定価 228000円
CPU μPD780C-1(Z-80Aコンパチ) 4MHz
ROM 72KB(MAIN)
RAM 64KB(標準)
最大で576KB
グラフィックVRAM 48KB
拡張スロット数 4
拡張スロット電源容量 + 5V :0.5A
+12V :0.1A
-12V :0.05A
内蔵インタフェース CMII/F、プリンタI/F、汎用I/OI/F、RS-232CI/F、モノクロCRTI/F、デジタルCRTI/F
漢字 オプション:第一水準、第二水準
サウンド機能 オプション
カレンダ時計 年サポートなし
使用条件 電圧:AC100V±10%
周波数:50/60
温度:10~35
湿度:20~80%(結露なきこと)
消費電力 標準 40W
最大 70W
外形寸法 本体:496(W)x342(D)x107(H)mm
キーボード:464(W)x212(D)x73(H)mm
重量 本体:7.1kg
キーボード:2kg












黎明期のパソコン
NEC PC-8001 国産初のパソコン
NEC PC-8801 みんなのあこがれパソコン
NEC PC-6001 プチコンとかそんな風に呼ばれていたような。最後の方はしゃべるPCだった
NEC PC-9801 国民機などと呼ばれました。日の丸パソコン
富士通 FM-8 富士通も気合入ってました
富士通 FM-7 タモリが宣伝してました。私も持ってます。
富士通 FM-11 いろいろ複雑なバリエーションを持っていたような
バブコム80 多分FM8だとおもう
日立 ベーシックマスター 学校に導入されていました。
シャープ MZシリーズ クリーン&オールインワンめまぐるしいモデルチェンジをしました。
シャープ Xシリーズ クラスメイトに熱狂的なのがいました。
シャープ ポケコンシリーズ ドンキーコングを見たときは感動した。
松下 JR-100/JR-200 整数型ベーシック搭載。計算が速いんだよね
東芝 PASOPIA シリーズ ちょっと出るのが遅かったような・・・
三菱 MULTI8/16 あんまり印象にないっす
アップル Apple ][ 感動のピンボールゲーム
コモト゜ール  VIC1001 途中値下げしました
コモト゜ール  コモト゜ール64 ほしかったんだけど
シンクレア 名称不明 ものすごく安かった
トミー ぴゅうた 直訳日本語ベーシック搭載
カシオ 名称忘れ 電卓計算式パソコン・最後はホームセンターで見かけた。
EPSON HC100 画期的ハンドヘルドコンピュータ








■NEC PC-8801マザーボード
  1月2月3月4月5月6月 7月8月9月10月11月12月
93年 (01) (02) (03)
94年 (04) (05) (06) (07) (08) (09)
95年 (10) (11) (12) (13) (14)
96年 (15) (16) (17) (18) (19) (20) (21) (22) (23)
97年 (24) (25) (26) (27) (28) (29)
98年 (30) (31) (32)

■NEC PC-8801マザーボード
時期タイプ機種マザーrev備考
(01)PeAf/U9?
(02)PeAf/M9?
(03)PeBf/U8?
(04)PeAn/U2/M2?
(05)PeAn/U8?
(06)PeAn/U8?
PeXn/U8/C9?
PeXa/U1/U8/C9/C10G8RMB0.16,0.17
PeXt/C10G8RQY0.16
(07)PeAn/C9?
(08)PeCf/S3?
(09)PeXf/U1/U8/C9G8SSD0.03
(10)PeXa7/9/10/CG8TTY 0.14P有 *1.5
(11)PeCx2/S?
(12)PeXt13/CG8USL0.06,0.07
PeXa7/D?
(13)PeXa7e/SG8UYC0.03,0.04?
PeXa12/CG8VAZ0.18,0.19P無! *3.0
(14)PeXa10/12/13/KG8VAZ0.19,0.02
PeXb10/J/P/FG8VER?0.11,0.06
PeXt13/K?0.07
PeV7/10/C/SG8VNA
PeCb3/T?
PeCx3/S?
PrSt15/L?
(15)PeXa16/RG8VWV0.02,0.03,0.04
PeXt16/RG8VSU?0.02P無 *3.0
PeXv13/RG8VWV0.03
PeV10/SG8VLJ?0.09,0.10
PeXa12/D?
(16)PeV10/12/13/SG8WLU?
PeCb10/T?
PeCx13/S?
PeCr13/T?
(17)PrSt20/L?
(18)PeV12/SG8WPY?0.10,(0.11)
(19)PeCu10?
PeCt16?
PrRa20/NG8WTP
(20)PeV13/16/20/MG8WVD?

■NEC PC-8801マザーボード
時期タイプ機種マザーrev備考
(21)PeXa13/16/WG8WSG D1O0.12VRM
PeXc13/16/S/MG8VWV0.04?USB
PeXv13/20/WG8WTH D5H0.05
G8WTX
(22)PeV13/20/SG8XJN
PeV16/20/MG8XYH0.01
PeCu13/16?
PeCt20G8XTA0.08
(23)PrRa18/20/N?
2rRv20/N?
2rRs20/B?
(24)PeXc13/16/S/MG8VWV0.06
PeXa20/W?
PeCu13T?
PeXb10/F?
MXV166/200/S/MG8XZR A6A
MXC200/C/V?
(25)MXV200/M?
(26)PeXc16/S/M?
PeV16/SG8XYH0.04
MXV166/200/SZ/S/MZ/MG8YDP
P2RaII23/W/N?
22RvII26/N?
22RsII26/N?
(27)PeV16/SG8XYH0.04
MXV233/M?
MXC166/233/S/V/D?
MXXc200/S/M?
MXF166/200?
(28)PeCu13T/16/H?
MXV200/S?
P2Ra266/W/N?
(29)PeXa20/D/W?
MXV200/S?
MXV233/M?
P2Ra266/D/W?
(30)MXXa200/D/W?
(31)MXXa200/M?
P2Ra266/M?
(32)CeRa300/333/M/W/D?



Pe: Pentium
MX: Pentium/MMX
Pr: PentiumPro
2r: PentiumPro(2CPU)
P2: PentiumII
22: PentiumII(2CPU)
Ce: Celeron
P  :パリティ要求
無! :全部が無しではない
*n.n:最大倍率












レトロパソコン・アイテム
レトロパソコンやパソコンゲームに関連するアイテムをご紹介。
そんなに無いけどね。
PC-88VAの缶バッチ
当時の88関連はほとんど斉藤由貴を前面に押し出していた。
これもパソコン販促の効果よりも斉藤由貴グッズとしての価値の方が高いのかも。
たぶんNECの展示会などで手に入れたものだと思われる。
ファルコムゲームの缶バッチ
中央がザナドゥのロゴが入った缶バッチで、周囲がロマンシアだな。
どこで手に入れたのかは不明。
     
大帝王時代
http://enjoy.pial.jp/~tei2/
   
         
       
         
       
         

         
       
         

1980年9月18日木曜日

1980年7月24日木曜日

[機器][PC] Sharp PC-1210~初のBASIC搭載ポケコン


PC-1210
型名 PC-1210
表示 5×7ドットマトリクス 24桁表示
CPU -
システムROM -
メモリ容量
プログラムメモリー,
PC-1210:最高 400ステップ,PC-1211:最高1424ステップ
スタック データ用:8段,ファンクション用:16段
プログラム言語 BASIC
基本計算機能 基本計算:加減乗除算
計算桁数 10桁(仮数部)+2桁(指数部)
計算方式量 数式通り(優先順位判別機能付き)
使用温度 0℃~40℃
電源 DC5.4V:水銀電池(MR44)4個
消費電力 DC5.4V 0.011W
外形寸法 幅175mm×奥行70mm×厚さ15mm

1980年7月15日火曜日

[機器][PC] Sharp PC-1210~初のBASIC搭載ポケコン


PC-1210
型名 PC-1210
表示 5×7ドットマトリクス 24桁表示
CPU -
システムROM -
メモリ容量
プログラムメモリー,
PC-1210:最高 400ステップ,PC-1211:最高1424ステップ
スタック データ用:8段,ファンクション用:16段
プログラム言語 BASIC
基本計算機能 基本計算:加減乗除算
計算桁数 10桁(仮数部)+2桁(指数部)
計算方式量 数式通り(優先順位判別機能付き)
使用温度 0℃~40℃
電源 DC5.4V:水銀電池(MR44)4個
消費電力 DC5.4V 0.011W
外形寸法 幅175mm×奥行70mm×厚さ15mm

[機器][PC] SHARP,PC-E500~電卓にあらず,ポケコン(ポケットコンピュータ) なり



[機器][PC] SHARP,PC-E500~ポケコン(ポケットコンピュータ) 
私のポケコン
Japanese (sjis) Only
[最終更新日: 1998年03月14日(Saturday)16時00分46秒]
■シャ-プ PC-E500
・シャ-プ PC-E500
・標準スペック
RAM32Kバイト
クロック周波数2.3MHz
・改造後
RAM1Mバイト(1024Kバイト)
クロック周波数2.3/4.8MHz
なんと、実に標準の32倍ものメモリを搭載しているんです。
S1:256K、S2:256K、D:512Kという構成です。
私の場合、1Mビット(128Kバイト)SRAM2個、4Mビット(512Kバイト)SRAM1個を本体内部に実装し、みずほさん作のRAMカ-ド(256Kバイト)をポケコン裏側の外部スロットに装着しています。
(1996年08月24日現在)
神和電機ってどこにあるの?
秋葉原マップの神和電機の情報を見に行く。
1Mビット(128Kバイト)のSRAMに比べて4Mビット(512Kバイト)のSRAMがかなり割り高という気がしますが、全ピンジャンパ-の労力、信頼性を考えると、これだけ出しても決して高くないと思う今日この頃です。
昔のポケコンジャ-ナルの記事では、なんと4Mビット(512Kバイト)のSRAMが6万円なんて書いてあるし~。ひょえ~~~、っと
これだけメモリがあると、ポケコンで漢字表示ができたりするんですよ。
今では、ポケコンで通信ができるまでになっています。したがって、ポケコンとポケットモデムを携帯していれば、出先からでもISDN電話でアクセスするなんてことも可なんです。
ポケコンの改造記事はこちらです。
■ポケコン関係の周辺機器
ポケコンの周辺機器は純正品がなかなかお高いです。
したがって、全部自作しました。
といっても、私が設計したわけではなく、雑誌やポケット通信の記事を見
てそのまま作ったというだけです。
あまりハンダこてを握ったことのない私でもうまくいったので(かなり時
間はかかりましたが)、慎重に作業しさすれば周辺機器は、以外とあっけ
なくできてしまいます。
自作すると、驚くほど安く上がりますので、みなさんも試しにやってみま
しょう。
周辺機器の製作記事はこちらです。
ただし、改造及び自作した周辺機器の取り扱いは、全て自分の責任におい
てやって下さいね。改造等により、ポケコンが壊れてしまったとしてもそ
れは自分自身の責任なんです。
といっても、めったなことでは壊れないでしょうけど。(^^;

ポケコンのお部屋
http://www.kt.rim.or.jp/~tmizuno/pocket/e500.html

1980年6月13日金曜日

[機器][PC] CASIO PB-1000~黎明期ポケットコンピュータ






[機器][PC] CASIO PB-1000~黎明期ポケットコンピュータ
CASIO PB-1000 FOREVER!
■これがPB-1000/Cだ!(Introduction)
昭和61年にカシオから発売された「PB-1000/PB-1000C」は、
折り畳み式のポケットコンピュータで
ファイル管理・スクリーンエディタ・JIS準拠BASIC・ディスク・正式にマシン語がサポートされる等、いわば「小さなパソコン」だった。
誕生から十数年経過した現在でも、PB-1000の魅力は褪せる事はない。
ここでは、そんなPB-1000の魅力に迫りたいと思う。
■PB-1000/Cの生い立ち
「『PB-1000・PB-1000C』って言うけれど、PB-1000って何?」とおっしゃる方の為に、PB-1000/Cについて説明したいと思います。
PB-1000/Cは昭和61年6月にカシオ計算機から発売された「ポケットコンピュータ」です。
ポケットコンピュータとは、関数電卓にプログラム機能(主にBASIC)が搭載されているもので、コンピュータの教育実習や電卓では困難な計算が必要な業務などで使われてきました。ポケコンが初めて登場した頃は表示も16桁1行など狭かったりメモリも少なく、
搭載されているBASICも「PRT」(=PRINT)や「VAC」(=CLEAR)など独自のものを採用していました。
ポケットコンピュータを発売しているのは主にカシオとシャープで、年月が経つにつれて徐々にバージョンアップしていきました。
カシオでは上記の様な構成の「PB-100」と言うポケコンが好評だった為に、以後に発売される機種はPB-100の互換性を重視して
あまり大きな変更はありませんでした。しかし「PB-700」でグラフィック画面やマイクロソフト系BASICの導入等の大きな変更を施し、さらに進化した「PB-1000/PB-1000C(以下PB-1000/C)」が生まれました。
PB-1000/CはJIS準拠のC61-BASICを搭載し、正式にマシン語をサポートしてアセンブラ搭載、192×32ドットのグラフィックは当時最大の
画面、タッチキー搭載で使いやすいスクリーンエディタ、メモリ最大40KB等・・・と、はっきり言って「小型のパソコン」と言っても過言ではない構成
でした。
現在では様々なモバイル系パソコンが登場していますが、PB-1000/C発売当時(1986年)はこういったコンピュータは少なかったと思います。
やっぱりモバイルの基本はポケットコンピュータだと思うのです。その中でもPB-1000/Cはパソコンを意識した様々な要素を取り入れており、
コンピュータの未来像を予感させるものでした。
いつでもどこでも電源オンですぐに使えるPB-1000/Cは、人に一番身近な真のパーソナルコンピュータを目指していたのかもしれません。
カシオは現在でもデスクトップパソコンは発売せずに「カシオペア」や「カシオペア・ファイバ」などの小型のコンピュータを発売し続けています。
いつでもどこでも使える身近なコンピュータにこだわって作り続けているのかもしれませんね。
■PB-1000/Cの主な機能
BASIC機能
(BASIC Language)
「PB」は「Pocket Basic」の略ですから、BASIC言語を基にしたシステム構成になっています。
PB-1000/Cで搭載されているBASICは「C61-BASIC」と言うものでJISに準拠したBASICになっていて、
よりパソコンのBASICに近いものとなりました。「MSX BASIC」と比べると、いささか非力に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
これはこれでなかなか使い易いBASICなんです。
PB-1000/CのBASICで独特な所と言えば、「GOSUB」命令のジャンプ先(サブルーチン)にファイルを指定出来ると言う所でしょうか。
つまり、よく使うサブルーチンをファイルにしておいて、複数のファイルから呼び出す事が出来ます。
計算機能
(CALclation mode) CALモード画面
 普通のパソコンでは考えられないのが、CALモードでしょう。簡単に言えば電卓機能です。
ただし普通の電卓と違い、カッコ等を含む複雑な計算式もちゃんと優先順位にしたがって計算してくれます。
元々、ポケットコンピュータは電卓の発展型な感じがあるので、こういった機能が搭載されているのは当然の事と言えますね。
CALモードと言っても大したものじゃなく、BASICで言うダイレクトモードでPRINT文が付いて実行されていると言った感じです。
メニュー機能
(File Management)
 PB-1000/Cでは、本体に複数のファイルを登録出来るようになっています。
本体に記録されたファイルをBASICコマンドで管理するのは大変至難の業です。
そこでPB-1000/Cでは、強力なメニュー機能を搭載しています。
このメニューで、ファイルの新規作成・削除・名前変更・各デバイス(補助記憶装置)へのセーブ・ロード、通信(送信・受信)等が行えます。
PB-1000/Cのファイルシステムで面白い所は、「操作は常にファイルに対して行なわれている」と言う事です。
例えば、BASICプログラムを作成している時にプログラムは決められたフリーエリアに収められるのではなく、ファイルに収められます。
ファイルをコピーする時は現在のファイルに対して外部記憶装置に「セーブ」する事で行います。RAMに対しても同様です。
上の画面は、ファイルのリネームとコピー(RAM内に)を行っている場面です。よって、PB-1000/CにはCOPY命令がありません。
私はCOPY命令によるファイルのコピーに慣れていたので、「既にセーブしてあるファイルを別な名前でまたセーブする」と言う行為は非常に
面白く感じました。
数式記憶機能
(Formula Memory)
簡単に連続計算させたい時に、その都度プログラムを組むのは非常に面倒です。
PB-1000/Cに限らず、大部分のカシオのポケットコンピュータには数式を登録するだけで入力・計算してくれる「数式記憶機能」が
搭載されています。上の画面の様に変数を含んだ数式を[IN]キーで登録して[CALC]キーを押します。
PB-1000/Cは数式の計算に必要な変数の入力を要求してきます。値を入力するだけで計算結果を得られる便利な機能です。
スクリーンエディタ
(Screen Editor) スクリーンエディタ画面
従来のパソコンのBASICでは、ユーザーに十分な開発環境が与えられていませんでした。
プログラムリストを表示させるLIST命令も画面が流れるだけで画面を戻す事が出来なかったり、
シーケンシャルファイル(テキストファイル)の内容を見る方法がなかったり今イチ使いづらいものでした。
PB-1000/Cでは、スクリーンエディタが搭載されています。
画面を上下にスクロールさせてプログラムリストを自由に見る事が出来たり、文字列の検索などが出来ます。
もちろん、シーケンシャルファイルも直接編集出来ます。エディタではBASICプログラムを編集している時と
シーケンシャルファイルを編集している時と殆ど操作に違いがありません。操作性が一貫しているのも使い易い証拠なのです。
上の画面は、行の修正・追加を行っている所です。
アセンブラ機能(HD61700 Assembler):PB-1000 only
 PB-1000になって、一番の進歩はなんと言ってもマシン語の正式サポートされて、アセンブラが内蔵されている事です!
このアセンブラは最低限の機能しかありませんが、他機種ではアセンブラのソフトを読み込んでからソースリストを読み込むと言う
二度手間を考えると、やはり「内蔵」は大きな強みと言えるでしょう。
マシン語プログラムを作成し、PB-1000の能力を最大限に発揮させましょう!
CASL機能(Virtual Computer 'COMET' Assembler):PB-1000C only
 PB-1000Cには、アセンブラが内蔵されていない代わりに情報処理技術者試験で使われている仮想コンピュータの
アセンブラ言語「CASL」が搭載されています。これを使って、練習問題をそのまま打ち込んでみて動作を確認出来るのです。
これは強い味方になります!(私もコレのおかげでかなり助かりました)
ただ、CASLは近年に大幅な仕様の変更が施されており、PB-1000CのCASLだけでは全てを対応出来なくなったのは残念です。
しかし、CASLの入門用としては使えるでしょう。 
仮想スクリーン機能(Virtual Screen)
PB-1000/Cは従来のポケットコンピュータよりも画面が広くなっています・・・とは言え、やはりパソコンに比べたら
画面が狭いと言う事を認めざるを得ません。そこで画面の狭さをカバーするために「仮想スクリーン」が搭載されています。
これは実際には4画面しかありませんが、画面がスクロールする事によって8画面分の編集が可能になっているのです。
かなり画面が広く感じる事が出来るでしょう。
PB-1000/Cがどんなコンピュータか、お分かり頂けたでしょうか?PB-1000/Cにはもっと沢山の機能が搭載されています。
これを読んで、1人でも「PB-1000/Cが欲しい」と思う方がいらっしゃれば幸いです。

PB-1000 Forever!
http://homepage3.nifty.com/lsigame/










嗚呼、PJ!!(Pockecom Journal)
■ポケコンジャーナル  
皆さんはポケコン専門誌が発刊されていた事をご存じですか?
ポケコン記事と言うと、「マイコンBASICマガジン(電波新聞社)」なんかにちょこっとプログラムが
載っている程度で専門誌なんか無いと思われている方も多いと思います。
「ポケコンジャーナル(以下、PJ)」・・今は休刊してしまいましたが長い間(7~8年)ポケコン専門誌
として(株)工学社から発刊(月刊)されていたのです!
(左写真がPJ誌の数々、一番上の女性がポケコンを持っているのが創刊号<'88 No.1>です。)
ポケコンと言うとゲーム以外にも用途は様々で、むしろゲームよりコンピュータの教育(コンピュータ入門や
機械制御実習)やビジネスでの利用の方が本来の利用方法と言えます。
当然、PJでもこれらの事やパソコンとの通信の仕方やプログラム入門などを重点的に取り扱っています。
ポケコンの徹底解析(改造 etc.)的な記事も多くありました。もちろん新製品の情報なんかもありましたが、
パソコンに比べてポケコンは新製品が出るスピードが緩やかで基本設計が変わらないので愛機にも
愛着が沸き、しゃぶり尽くす様な事が出来たんですね。なんかパソコン雑誌見てると新製品レポート
ばかりで自分の機種がどんどん時代遅れになっていくので悲しくなってきます(汗)。
PJ誌はマジメな雑誌です。イラストが多い月なんかは「イラストが多すぎる」とか意見もチラホラ出ていた
程です。ちゃんと学校の図書室にも置いてもらえる、為になる本なんです、PJ誌は。
それでは私がPJ誌で気になった記事を紹介しましょう。
■PJにおけるチェックポイント!(私なりにセレクトしました)
1.「バグ情報」
「バグ情報」・・要するに「間違えてました。ごめんなさい」のコーナーなんですが、PJ誌は間違いの多い雑誌でした。
総ページ数がそんなに多く無いのに毎月必ずと言って良い程、このコーナーが存在するのです(苦笑)。
記事中の誤りだったらまた良いのですが、プログラムや配線図の誤りはちょっとキツいです(^^;)。
バグ情報でびっくりしたのは、プログラム自体がまるごと別なヤツが掲載されてしまったケースがあったと言う事でしょうか(苦笑)。
はっきり言って、印刷前に実際に打ち込んで確認して欲しかったと思います(^^;;;)。
プログラムを他の機種(パソコン)等に転送して印刷していたみたいな所が原因かもしれません。
私は以前、PJに掲載されていたPB-1000用の「ブロック崩し」のゲームをPB-1000Cに打ち込んで実行したら、思いっきり暴走しました。
入力確認の為に何回かダンプリストのチェックサムをチェックした所、重大な事に気が付きました。
「アドレスが飛んでる・・」。私はひたすら数値を順々に打ち込んでいたのですが、よく見るとアドレスが飛んでいる箇所があるのです。
実はこれ、アドレスが飛んでいるのではなくて、リストが抜けていたのです!(涙)。
PJ編集部に確認したら、「そうですね、抜けてますね」の一言で片づけられてしまったのにはさすがに呆れてしまいました。
それから数ヶ月後のPJ誌においてバグ情報として抜けた分のリストが掲載されましたが、打ち込みませんでした。
(結果的には、PB-1000用のマシン語プログラムはそのままではPB-1000Cでは使えない・・。私はこの事を知らなかったので
完全なリストがあったとしても動かす事は出来なかったと言うオチがあるんですけど。 ^^;;;)
あと、PJ誌か増刊の「ポケコンプログラム集」に載っていたPC-1262用の「プロテクター2」と言うゲームを入力して実行したら
何故か「IMADOKI INVADER2」と言うインベーダーゲームが動きました。なんか説明読むと「テクザー」っぽいと思ったのですがハテ?
これはこれで面白いので今でも入れてます(笑)。
2「PJプラザ」
どんな雑誌でも必ずページ欄外に読者の投稿コーナーがあります。
「PJプラザ」はそんなコーナーなんですが、他の雑誌とは違う所があります。
それは(1)1人で複数のページにまたがる事があるのと、(2)PJ編集部からの返事が少ない・・
と言う事です。
(2)に関してはPJ編集部はあまり関与せずに読者に交流の場を提供すると言った考えが
あったのかもしれません。しかし、ここにも「バグ」の影が(苦笑)。
何と同じ記事があちこちに掲載されている場合があるのです(笑)。
実はこのPJプラザ、創刊当初はペンネーム制ではなかったんです。
工学社の堅実さが伺えますね。
話の内容はと言うと、色々な話(ゲームミュージック、鉄道、小説など)があって、
まさにインターネットの掲示板の前身っぽさがありました。
ゲーム雑誌なんかだとゲーム系の事ばかりなんですが、
こっちの方が話題が豊富で良かったです。ちょっと「濃い」感じもしますが(笑)。 誌面はこんな感じです。
3.「PJクラブ」
これもどんな雑誌でもある読者のページです。いやぁ~やっぱり「濃い」です(笑)。←注)悪い事では無いです。
「ホケコン戦隊ピージェイン」とか「PJ仮面」等の読者が考えた連載小説(?)やイラスト道場、独自の考えやテクニックなどを力説していたり
ここから生まれた企画(※)も多くありました。なかでも凄いのが「100枚イラスト掲載」!
よく同一誌で100枚ものイラストが掲載出来たなぁ~と感心しましたが、
達成者が何人も居るのが驚きです。PJ編集者もその頑張りを評価したのでしょう。
イラストについては結構皆さんこだわりがあるようで、「スクリーントーン使用しない=手抜き説」まで発生して議論を繰り広げてました。
確か、「イラストにテーマを設定してみては」と提唱したのも読者だったと思います。
他誌の読者コーナーに比べたら、数倍充実した内容になっているのです。
※読者が考えた企画
・「ゲームデザイン館」=読者が簡単なゲームのアイデアを提案してプログラムを募集し掲載する。
・「イラスト爆弾回し」=爆弾の入ったイラストを書き、次にイラストを書く人を指名する。
・「この絵はだあれ?」=イラストを書いた人を当てる。
など、多数(手持ちのPJが少なくてあまり確認出来ませんでした)・・。
4.「ブリキック・トーク」
創刊当初から連載されていた「満珠菓子子」さんの連載エッセイです。自分の身近に起きた出来事に対しての見つめ直したり的な
(自分の考えを織り交ぜたり)内容で非常に読みやすかったのが印象深いです。PJ誌全体がマニアックになっている(コンピュータ誌だから
しょうがない)のに対して、唯一万人にも読める記事になっていました。実際、毎月読むのを楽しみにしている方も多かったんじゃないかと
思います。実は私もそうでした。
まだまだPJ誌には沢山の魅力があります。ぜひ手にして確認して下さい。
(古本屋でも入手は難しいかもしれませんが)
●PJ誌の多彩に変化に注目!
PJ誌は10年近く発刊されていた雑誌です。誌面でも色々変化がありましたが、外見上についても同様でした。
そこで外見上の変化を追っていきたいと思います。
表紙から見るPJの歴史 1.この頃の表紙は女性がポケコンを持った写真でとても印象的でした。
たぶん、彼女らはポケコンなんて何だか知らなかったでしょう(笑)
2.創刊してしばらくすると、今度はゴチャゴチャした賑やかなイラスト
になりました。ゴチャゴチャしたイラストってよく見ると色々な所で気を使っていて
見ていて楽しいですね。
3.次もイラストですが、動物を使った独特なイラストになっています。
イラストのテーマも記事に沿っているようです。紙質・ページ数の変化のせいか、
雑誌の綴じ方も変わりました(糊付けされているようです)。
4.イラストは変わらないのですが、誌名が「ポケコンジャーナル」から
「PJ(ピージェイ)-電子手帳とポケコン」に変わりました。
愛称が正式名称になった!何だかナムコの「ファミリースタジアム(ファミスタ)」みたいですね(笑)。
当時、ビジネスマンに流行していた電子手帳関係の記事にも力を入れていたので
こうなったのでしょう。これで新規読者となった電子手帳ユーザーもいたはず。
5.誌名が「ポケコンジャーナル」に戻り、イラストがやたら綺麗なCGに変わりました。
記事で使っている紙もツルツルの上質紙(?)となりゴージャスに。
雑誌の綴じ方も初期の様なホチキス止めに戻りました(更に後期になると糊付けに変わりました)。

PB-1000 Forever!
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