2025年5月25日日曜日

[機器][pc] 水冷ペルチェPCの自作





[機器][pc] 水冷ペルチェPCの自作
お題1.特大水冷ペルチェ実験(05年初頭)
きむちさんに製作していただいた、特大水枕です。
市販水枕のSlitEdgeをモデルにして、大型化した構造になってます。
非常に美しく仕上げてあり、ガラスに張り付くくらい平面精度も良いです。
今回使用した62mm角266W特大ペルチェです。サロンパスみたいと言われてます(笑)
隣に並んでいるのが40mm角170Wですけど、二回りでかいですね~
モデルにしたSlitEdgeと並べてみました。でかい…
きむちさん特製3点セット。水枕、バッファ板(62mm角×10mm)、バックプレート
ペルチェとバッファ板はぴったりサイズです。
水冷ペルチェシステム全景です。台所の窓際に設置しており、軽自動車用ラジエータが窓の外に設置してあります(笑)
ポンプは右下に写っている緑色のイワキMD30-RZ-Nで、配管はすべて15mmホース(フツーの水まきホース)。
マザーに載せたところです。運転中は下のようにエアコン用パテで断熱してあります。
マザー EPoX EP-9NDA3+ (Rev1.0)
メモリ SanMax/Hynix BT-D43 1GB×2枚
HDD Maxtor Diamond Max PLUS9 80GB×2 Syba製S-ATAアダプタ接続 (NV-RAID)
CPUやバッファにはグリスを塗っていません。パテで囲って堤防にして、内部はイナートリキッド(フロリナートの類似品)で満たしてあります。グリスと違って粘度が低いので脱着も楽ですし、空気を完全遮断しているので結露の心配も少ないです。
この実験を思いついたのは、04年秋の事でした。たまたまアキバの秋月電子さんで62mm角特大ペルチェを見つけたので、これを使えば1枚で昔の並列ペルチェと同等以上の能力が出せるのではないか? と考えました。特大ペルチェに特大水枕を組み合わせれば、今時の100WオーバーなCPUでも冷やせるのではないか?という妄想(^_^;です。
極限オーバークロックを狙うなら、ドライアイスとか液体窒素を使った冷却手法が手っ取り早いと判っていましたが、これらの手法は短時間しか遊べないのであまり興味がありませんでした。自分としては、長距離ベンチマーク(π計算で有名な近藤氏のPifast)に挑戦したかったので、なんとか特大水冷ペルチェを実現できないか模索してみました。
まずは市販水枕を片っ端から調べてみましたが、62mm角サイズの水枕は一つもありませんでした。HDD用水枕ならありましたが、あまり冷却効率が良さそうではなかったし、大きすぎて装着困難だから却下。
次に考えたのは、市販水枕SlitEdgeのトッププレートのリテンションネジ穴部分を削って2個並べる方法でしたが、04年秋時点で既にSlitEdgeは販売終了で入手できませんでした。
特大水枕を何とか確保しないと構想(妄想)は実現不能なので、PC水冷ショップの掲示板でお見かけした「銅の魔術師きむちさん」に図々しく相談してみました(^_^;
なんと快く製作を引き受けて頂けて、04年12月に特大水枕を確保することができました。きむちさんに感謝致します。
製作前のメールによる相談では、下記のような点を留意して設計・製作していただく事となりました。
■ 工程
1)62mm角ペルチェに合わせたサイズ。
2)AMD K7のソケットAおよびAMD64兼用で装着できるようにする。
3)ペルチェは62mm角266Wで、266W/38.4cm2=6.9W/cm2と非常に熱流束(面積当たりW密度)が小さいのが特徴で、W密度的にはCPUの1/10以下。
ペルチェ発熱にCPU発熱分を加えても、水枕に対しては10W/cm2程度のW密度になるため、内部プレート形状はそれほど凝った細工は必要としない。市販水枕SlitEdgeを手本として内部はシンプルなスリット構造とし、20mm厚銅材をフライス加工して削り出す。また垂直方向の熱抵抗を下げるため、加工可能な範囲で底厚を薄くする。
4)製作を簡略化するため、トッププレートや配管パイプは半田接合とする。
5)水枕とセットで10mm厚バッファ板とバックプレートも製作する。
バッファ版は小さなCPUコア(1cm2以下)と接する部分なので、横方向に効率良く熱拡散できるように10mm厚としました。これは、だんなさんのバッファ厚比較データを参考にさせていただきました。
■ 運転したデータ
実際に運転したデータは下記の通りです。
軽自動車ラジエータを窓の外に設置し30cm扇風機で送風、大型ポンプで循環
外気温 5.2℃(夜間)
水温 10℃
バッファ板 -4.5℃
水枕周辺温度(室温) 12℃
ペルチェ電圧 9V
マザー EPoX EP-9NDA3+ (Rev1.0)
CPU AMD64 3500+ BIコア(勝銃) (定格200MHz×11時に1.40V、45.8Aで最大67.0W)
CPU設定
Vcore 1.84V(テスタ実測)  Vcoreの二乗比 (1.84÷1.40)2=1.73倍
クロック 250×10.5=2635MHz クロック比 2635÷2200=1.20倍
推定W数 67×1.73×1.20=139W (@2635MHz)
CPU温度 20℃(Pifast実行中の高負荷時、BIOSモニタ読)
266W級の特大ペルチェでも、今のところ高負荷時にはCPUは20℃までしか冷やせてません。無負荷時ならバッファ単体は-20℃以下まで簡単に下がりますが、OCしたCPUは冷やしきれませんでした(^_^;
使ったCPUの素性が悪いのが痛いですね。フツーの電圧(BIOS限界1.7V以下)ではSuperπ程度なら通りますが、負荷が重いPifastは目一杯Vcore上げないと通りません。コア電圧を上げると爆発的に発熱が上がるので、もっと低電圧で回せるアタリ石が欲しいです(^_^;
上記OC設定におけるPifast10億桁の耐久ベンチ結果 3.46時間
大雑把に言うと、推定139W負荷時に特大水冷ペルチェシステムではCPU温度=水温+10℃程度という結果が得られました。
非常にアバウトな計算ですが、対水温での熱抵抗は
10℃(水温との温度差)÷139W(W数)=0.072(W/℃)
となりました。
市販水枕の熱抵抗が0.12~0.15程度、ヒートパイプ式空冷が0.15(爆音状態)~0.2以上(静音時)と言われているので、いちおーペルチェの方が成績は良いようです。
とは言え、極限OCを狙うならドライアイス等を使った方が成績は良いでしょう(^_^;
                
PC水冷デザイン
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お題4.NGワード
「フロリナート」は某巨大掲示板の水冷スレッドではNGワード指定らしいですが…
業務用冷凍装置とか電子装置の冷却用、古くはクレイ社のスーパーコンピュータの冷却液なんかに使われたフッ素系不活性冷媒の事で、フロリナートは3M社の商品名、類似品にはガルデン(ソルベイソレクシス社)とかイナートリキッド(三菱マテリアル)なんてのがあります。ここでは統一して不活性冷媒と書きます。
特徴としては、非導電性(非常に絶縁性が高い)で、-100℃クラスの超低温から+200℃以上の高温域まで対応した各種沸点の製品が存在しています。
ただの水だと4~90℃あたりの範囲しか使えませんし、エチレングリコール等で不凍液化してもせいぜい-30℃程度までしか使えません。しかし不活性冷媒は、沸点グレードを選べば-100℃の超低温から+200℃以上の高温域まで利用可能と水よりも適用温度範囲が広く、なおかつ非導電性という特徴から電子装置とか産業用冷凍装置なんかで利用されています。
昔のPC雑誌とか海外サイトで、低沸点型フロリナートにMB丸ごと漬けたという「ネタ記事」が掲載されたことがあります。冷凍機用の低沸点品を使ったから見る見る間に蒸発したらしいけど、明らかにグレード選択を間違えてますな。実験として意味をなさないし、値段高いのに勿体ないなぁ…(^_^;
実際のところ、不活性冷媒でPC「液」冷をやったらどうなるか? どこにもマトモな実験報告は出ていませんでしたから、04年5月に自分で実験してみました。
結果は、水と置き換えてそのまま使える。冷却性能は水と大差なしという結論です。
本当に漏れても大丈夫か? という点に関しては、実際にお題1.特大水冷ペルチェ実験でMBへ直接ぶっかけてますが問題ありませんでした。
■ ハード構成
・エーハイム1048ポンプ+一体型リザーバ
・水枕Swiftech 12mmホース配管
・BlackIce 12cm薄型ラジエータ
写真の通りのシンプルな構成で、総液量は約450ml。
使用不活性冷媒
三菱マテリアル イナートリキッド EF-L174 流動点-50℃/沸点174℃
■ 実験データ
熱源 Athlon XP 200×12=2.4GHz Vcore=1.65V
ファン回転数 約800rpm
水冷時温度データ 室温25℃/CPU温度40℃ (Superπ3355万桁実行中)
この実験をやった当時は液温計とか流量計を持ってなかったので、流量と液温データはありません… orz
上記構成のまま冷媒を水から不活性冷媒に交換しました。
■ 冷媒交換後の状況
・冷却性能そのものは水冷時とほぼ同じで、CPU温度は変化無し。
・イナートリキッドEF-L174は粘度や比重が水よりも大きいため、ポンプ始動時の空回り(キャビテーション)が水冷時よりも激しい。
水冷だと最初に「ガッ」と音が出る程度で始動したが、イナートだと2秒間くらい「ガッガッガッガッ…」と空回りしながら始動します。
始動してしまえば水冷時と同じで静かですし、見た目で水と同じくらいの流量で流れていました。
・有機冷媒なので静電気の発生が激しい。
冷媒交換後、時々バチという音がしてシステムが固まる事がありました。どこか壊れたか?と思って調べたですが、部屋を暗くして観察するとポンプとケースの間で火花が飛んでました(^_^;
有機冷媒を樹脂製ホースやポンプの中を流してるので、静電気が盛大に発生したようです。ポンプとケースを導線で接続してボディアースを取ったら、静電気問題は解決できました。
不活性冷媒を使うメリットとしては、水冷の致命的弱点である電蝕、錆、漏液によるショートの問題が全面解決できます。これらの問題は「水」という冷媒の欠点であって、液体冷却という「方式」の欠点ではありません。
不活性冷媒の欠点は、3M社の製品で1.5Kgで3万円と値段が異様に高い事です。イナートリキッドは1Kgあたり1万円で、3Mフロリナートと比べれば安かったですが…
高い高いとは言え、水のように腐ったりしませんから回収して再利用できますので、他のパーツ類の値段と比べて極端にベラボーな値段とは言えないと考えてます。むろん、水みたいに使い捨てなんか絶対にできませんが…(^_^;
値段が高いのは小口容器に限った話で、バルクで大口購入すれば一桁安くなるようです。そのくらいの値段でなければ、石油缶とかドラム缶単位で使用する業務用冷凍装置の循環冷媒なんかに使われませんね。小口で売られてるのはサンプル品とか試験用という扱いで、特に割高になってるようです。(小口品が極端に割高という価格体系は、化学品業界では当たり前)
PCパーツ系商社あたりがフロリナート等を大口取り扱いして、1Lボトル入りでウン千円とかで小売りすることは可能だと思うのですが、どこかで出しませんかねぇ…
最近になって、海外で「Fluid XP+ Non-Conductive Coolant」という非導電性の冷却液が発売されたようです。中身の成分が何なのかは発表されてませんが、非導電性だからフッ素系不活性冷媒と同じ使い方ができるようです。1ガロン(3.7L)で$100らしいので、国内でフッ素系不活性冷媒を小口購入するよりも安そうです。どこかで国内販売してくれないかな…
                
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冷蔵庫(発表者:ぼうず)
■液体を蒸発させて温度を下げる
液体が蒸発するときには、周囲から熱を奪います。この熱のことを気化熱といいます。暑い夏の日に庭に水をまくとひんやりと涼しくなった経験があるでしょう。これは庭にまかれた水が蒸発する際に空気中の熱を吸収し、空気は熱が奪われたぶんだけ冷却されるため、周囲の温度が下がるのです。
冷蔵庫も液体を蒸発させることで庫内の空気から気化熱を奪い、温度を下げています。この液体のことを冷媒といいます。
液体を少ないエネルギーで効率よく蒸発させるためには低い温度でも簡単に蒸発する物質を使う必要があります。
そこでかつては冷媒にフッ素と炭素の化合物であるフロンという物質が使われていました。しかし、フロンガスが大気中放出されると生物にとって有害な紫外線をさえぎってくれるオゾン層が破壊されることがわかり、現在ではフロンに代わる物質が冷媒として使われています。
※以前使われていたフロンはCFC(特定フロン)が使われていました。オゾン層破壊の問題で日本では1988年に
オゾン層保護法が制定され1995年にCFCは全廃されました。CFC全廃後はHCFC・HFCといったオゾン層の破壊の少ない代替フロンを使用していますが、2020年までには全廃されることになっています。これからの冷媒としてノンフロン(例 HC:シクロベンタン)が注目されており一部実用化されています。
■高温・高圧の冷媒を急激に膨張させて気体にする
では、実際にどのように冷媒が使われているのかを見ていきましょう。
冷蔵庫は、
貯蔵庫と冷却器、
コンプレッサー(圧縮器)
コンデンサー(凝縮器)
冷媒を通すパイプ
というのが基本的な構成要素です。まず、
1.コンプレッサーを電気で動かして、冷媒ガスを圧縮させます。
2.高温・高圧になったガスがコンデンサーを通ると、外気に放熱されて温度が下がり液体に変わります。
3.液体になった冷媒は冷却器に送られ、急激に膨張して気体に変わります。
4。気体に変わる際に庫内の熱を吸収して温度を下げます。
■新しい冷却方式
電子式冷却方式
今までの冷蔵庫と違い冷媒を使用しません。2つの異なる金属を接触させて、これに直流電流を通すことによって生じる"ペルチェ効果"を利用して温度を下げます。騒音がない等の利点はありますが冷却効率はよくないので、小型の自動車用冷蔵庫などに利用されています。
* ペルチェ効果とは―
異種の導体(または半導体)の接点に電流を流すと、熱の発生または吸収が行われる現象。
■直接冷却方式と間接冷却方式の違い
冷蔵庫の冷却方式には、直接冷却方式(直冷式)と間接冷却方式(間冷式)があります。
直冷式は、冷却器が庫内に露出しているタイプです。消費電力が少なくて済み、冷却器の近くに置いたものは早く冷やすことができる長所がありますが、霜がつきやすい短所もあります。
間冷式は、冷却室内に冷却器を置いてファンによって冷気を庫内に送り込むタイプです。食品に霜が付かない長所がありますが、冷却するのに時間がかかり、消費電力が大きい短所があります。
                
電気
                






                
                
                
                
                
                
                
                


                
                
                
                
                

                

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