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2025年7月12日土曜日

[レビュー][アニメ]『カリオストロの城』解説〜岡田斗司夫ゼミ




 

[レビュー][アニメ]『カリオストロの城』解説〜岡田斗司夫ゼミ
岡田斗司夫: 『カリオストロの城』解説
YouTube『 岡田斗司夫チャンネル』
2025.7.1     
今週の金曜ロードショーで『ルパン三世〜カリオストロの城』が放送されるということで,今週の岡田ゼミは『カリオストロの城』祭りなんですよ。で,前回に引き続き今日の動画も『カリオストロの城』の解説動画を有料の部分まで含めて公開しちゃう限定解除やります。こんばんは岡田斗司夫です。この動画は2018年3月18日に配信した岡田ゼミ第222回の限定まで含めた限定解除動画です。それでは7月3日までの1週間だけになりますけれども楽しんでください。 
■ オープニングのボツシーン
…君も前からずっと4分このままだっていうの。これだけで教えてるんですよね。 だからその踏切で車が止まっててその向こう。電車が通り過ぎるっていうシーンを。 本当はこれがあの列車が通過するだけで,20分も30分見てなきゃいけないっていうのやつに普通。例えばロバーをちゃんと正面から書かなきゃいけないとか,あとリンゴを投げる女の人に投げキッスするルパンていう風です。作画的にちょっと手間かかるんですけど,だからもちろん描かない。それ以外にも何故この2カットがボツになったかというと,理由がありまして,それは何故かっていうと,ルパンと次元の孤独感がなくなっちゃうんですね。 今の残ってるオープニングっていうのは「ルパンと次元が,まっとうな人の世界からはぐれてしまった迷子のような存在,泥棒という生き方を選んだんだけども,それは別に本当は楽しいものじゃなくて,実は孤独でなんか寂しいものかもしれないよ」っていう作者のメッセージが伝わらないんですね。こんななんか道中でリンゴを投げてもらって投げキッスをしてしまうルパンとか,もしくは車がエンコしてロバで引っ張ってもらって,ロバに乗ってる子供と話してるルパンていうのを描いちゃうと孤独感が出ないんですね。 そうじゃなくてルパンにふさわしいのは,なんか真っ白な服を着て歩いてる女の子を,気付かれないようにそっと避けていくぐらいのルパンの方が,今回の世界観にはあってるんですね。 なので地元の人との触れ合いみたいなシーンは全部カットすると同時に,手間がかかるシーンはやめちゃって,あくまで手間がかからない作画で統一したっていうのが,宮崎駿の判断なんですけども。まァね,それがあったとしても,その他にもなんかすっごい深い草原があって,そこでフィアットがスタックしてしまって,次元とルパンがフィアット押してる絵とかがあるんですけど,これも単純に作画が大変だからボツになったんだと思いますけども,ギリギリまで作画を省略して,その分構図と色味で見せる。これもねやっぱりボツになった理由は色味がごちゃごちゃしてるんですよ。で,結局採用になったカットというのは1カット1カットの明るい/暗い,夜/昼。あとなんだろうな…はっきりした色味で見てる人を退屈させないという構図が全部できてるカットばっかりなんですね。画面の抜けがいいのか,もしくは圧縮されてるのか。ただ,このなんかやっぱり大塚さんが「宮崎さんのすごさっていうのは迷いや失敗をアニメーターに許さない」って言ってるんですよね。すごい言い方ですよ。「宮崎駿のコンテの何がすごいかって言ったら,迷いや失敗をアニメーターに許さない。そのスキを与えない。 コンテを見たらどのような演技が必要されてるのか,どこを省略すればいいのかも,どんなアニメーターでもわかる。この伝達力っていうのが宮崎駿のコンテのすごいところだ」って大塚さん言ってるんですけども,確かにそうなんですよ。さっき言った背景を2段に引くとか,あと,この部分だけを動かすという指示っていうのは宮崎駿特有のもんで,背景の2段引きに対して左のフィアットを動かしてやったら,別にそのリンゴを投げてもらって,ルパンのフィアットが去っていって,その去っていくフィアットに対して,女の子はりんごをわざわざ投げてくれて,ルパンがギリギリで受け取って投げキスを返すって演技って,もう間違いようがない。 多分このコンテ見たらどんなアニメーターもやりたいことが分かっちゃうと,この辺がすごさだと思います。 でも,まあまあまあボツにせざるを得ないのは分かるんですけど,この風景見たかった。動かしたくなります。 
■ 『カリオストロの城』マップ
じゃあ,このまま最後の章ですね。 ブラゼルダではなくてブラカリオストロの城ですねえ。このままオープニングが終わったらどうなるのか?オープニングが終わったら,カリオストロの城に到着します。カリオストロ公国の入口です。手前がカリオストロ公国の旗で,その奥にあるこの黒の十字の旗は,ひょっとしたら伯爵家の旗かもわかんない。まァ国の旗と,貴族の旗の2種類なんでしょうね。よく言われる通りリヒテンシュタインの国旗に似てるので,リヒテンシュタインがモデルなんでしょう。でこのカットの次がいきなり国境のシーンになって,はためく旗のところで色々車が流れて,この橋を渡ったところがカリオストロ公国になるわけですね。 いわゆるここが国境の関所です。 で,これがどこなのかなんですけど,宮崎駿のカリオストロ全体地図っていうのは何種類もあるんです。 今あんまり出てこないんですけども,最も初期に書かれたものがこれです。この頃はだいぶ違う。例えば湖が龍の尾という風に呼ばれたり,あと2つの城があるんですけど,下カリオストロの城の時計台の下に5段階の水車っていうのがあった上でローマ水道で上カリオストロの城に向かって水が流れてる。で,この5段階の水車ってのは何のためにあるのか?っていうと,今はもうこの水車なくなってるんですよ。 
最後に本編で使われている地図ですね。この地図は航空写真で,ルパンが作戦を指示する時の航空写真で,その上がよく設定資料として出てくる白の全体地図です。で,これを見るともうあの5段の水車はなくなってるんですね。 で,何故なくなったのかっていうと,設定が変わったから。実は『カリオストロの城』には,幻のDパートというのがあった。『カリオストロの城』はABCDの4つのパートでできてるんですね。 このDパートっていうのが,最終のクライマックスパートってので,宮崎駿がもう涙をのむ思いで,あのカットしたパート。 『カリオストロの城』って自分としては合格点いわゆる90点を出せるはずの作品だったのが,結果的に60点を出せないような作品になっちゃったのは何故かっていうと,このABCDのDパートっていうのがもう大幅にアクションシーンとかカットしなきゃいけなくなった。宮崎自身「妥協した部分がいっぱいある」って言ってるんですけども。 
『カリオストロの城』は
上カリオストロの城
下カリオストロの城
城下町
の3箇所で展開します。上下のカリオストロの城は河を挟んであって,上下の城を繋ぐ水路にある5段階の水車っていうのもこのクライマックスの一部なんですね。もちろん作画的に大変だということもあるんですけども,実は『カリオストロの城』はその水車がやろうとしていた事,結果的に残ったのはローマ水道の水を止めていて,それが抜けたらローマの遺跡そのものが見つかったっていう流れだけど,実はそうじゃない。 もっとすごいクライマックス,5段階の水車が必要な動力が必要な大クライマックスがあったんじゃないのか?っていうのが僕が来週語る予定の『カリオストロの城』の幻のクライマックスを復元するって話ですね。 ピラミッド復元みたいな話なんですけど。
✔下カリオストロの城
これ空想物件っていうシリーズの模型であるんですけど,カリオストロがオートジャイロで階上に着陸した後,広間を 服を脱ぎながら移動して,でここに小さいエレベーター付いてますね。このエレベーターで上がっていって歩いてくと。 そうすると渡り廊下が伸びていってクラリスの部屋に通づる構造になっています。で今コメントで「何故王様が城に住んでないのか?」という風に言ってたんですけども,元々さっきの初期設定の地図を見ると「上カリオストロ」「下カリオストロ」という風に呼んでるんですね。 で,この城は実は下カリオストロの城で,上カリオストロの城は太閤が住んでいたお屋敷の部分なんです。 お屋敷の部分が光のカリオストロ/カリオストロの社交場としてあって,この下カリオストロの城っていうのは,あくまで外敵を防衛する城門であり,同時に秘密の場所でもあった。で,下カリオストロの城のクラリス部屋なんですけども,奥にベッドがあってっていう構造になってますね。 ここに幽閉されたクラリスを救うのがストーリーの大筋になってます。で,最初に銭形警部がいたのが,下カリオストロの城の下に降りて,塀の内側の広場をうろうろしていたらレーザー光線があるという風に気がついた。 下に向かって撃つための大砲が並んでいたり,水路があったりします。 この広場っていうのが,実は伯爵とクラリスが結婚するための礼拝堂です。奥の方にちゃんと十字架があって礼拝堂になってますね。 この礼拝堂の下に秘密の印刷所があって,この印刷所のさらに下にはルパンたちが落とされた迷路があるっていう風な構造になってます。
何故模型で再現してるのかっていうと,これぐらい設定がちゃんとしているんですね。 なんか普通だったら,模型なんて作れないんですよ。 でも宮崎駿はこういう位置関係っていうのを把握して,多分この模型が作られる以前,この位置関係がはっきり本人の頭の中にあった。
✔水路
上下カリオストロの城を繋ぐ水路。
ローマ時代に作られたローマ水道,ローマ人が何10kmも遠くの水源から町へ水を運ぶためにやってくる橋…橋じゃないんですけど,この中に中空のパイプが通っていて水が流れる水道なんですね。 
✔上カリオストロの城
で,上カリオストロの城には太閤殿下が住んでいます。で,ルパンと次元が太閤殿下のところまで行って「もう焼け落ちてるな」と言って森の間を歩いていって,小さい階段をトントントンとステップで歩いていって,プールの畔まで来る。でここの階段でルパンがしらばっくれてると次元に「お前知ってたんだな」っていう風にコブラツイストをかけられて,でその後,夜にルパンと次元が忍び込むのがプールの給水口ですね。で,この給水口からプールに潜っていって,この中を通って,ルパンだけがプールから水路をずーっと行って,下カリオストロの城に入って,最後バケツに乗って下カリオストロの城の上まで汲み上げられていって,クラリスの間に入るていう風になっています。で,ラストで時計台が破壊された後,一気にプールの水位が下がって,プールの中にあったローマ遺跡…本当のお宝が見えて,でさっきルパンたちが忍び込んだプールの畔の下に,もっと大きい給水設備があって,これがローマ時代,本当に使われてたやつなんでしょうけど,こっから最後,クラリスがルパンに抱かれて一緒に上がってきたのがプールの中に沈んでいた遺跡の道ですね。 で,この後この遺跡の階段を登っていって,下カリオストロの城を見ると。だから途中で本編の中で次元と五衛門が基本的に潜んでいたのが,この太閤の家なんですね。 で,この太閤の家から覗くと,ちょうど下カリオストロの城は正面構図から見えるということにになっています。これが『カリオストロの城』の全体の位置構造です。
✔城下町
これだけでは,さっき言ったこの3つの場所が分かりにくいんで,さらに追加で模型を作ってみました。 この下カリオストロの城の後ろの裏側ですね。 この裏側がどうなってるのか?多分これ正確だと思うんですけど,カリオストロの城下町があって,ローマ法王様が来た道がある。 ローマ時代の石畳の道がずっと続いていて街になってると。 ただ,この門の奥の方が街で,この門が何のためにあるかというと,中世の城下町っていうのは大体夕方の5時とか6時に教会の鐘が鳴ると,この門は閉鎖されるんです。 閉鎖されて入れなくなる。でこの中で人が住んで商売してて,本当は夕方になると外は人が誰もいなくなるんですね。 では,何故門の外側に家があるのか? 当時からやっぱ遅刻するヤツっているんですよね。 夜遅くなってきたり,隣町に行って戻って門締まってたり,どっか別のところに行って遊んで帰ってきたら帰れないヤツのために大体門の外には簡易的なホテルができる。 宿泊施設とか賭博場とかができる。何故かというと門の中は城下町で市なわけです。 ここの中は市民税がかかるわけ。ところが門外は市民税を免除されてる。法的にも一応別区画で,売春婦とかこういうとこにいるんです。 売春宿があったり,賭博場があったり。 あと,街の中では禁止されてるようなものが門外にあった。だからパリにしてもヨーロッパ中の町ってのは基本的に壁があって,壁の外側にも家があってどんどん範囲が広がっていく。 基本的に中心部に行くほど規律が保たれていて,外側に行くほど,どんどんどんどん治外法権になって,実は門外の辺りが一番楽しかったですね。新宿とか渋谷とか,今,東京のいわゆる繁華街の全ては,こういう門外の町が発展していった部分です。 で,門の中は下カリオストロの城と跳ね橋で繋がっている。いつでも封鎖できるんですね。
で城下町の中に目を通してみると,最初にルパンと次元がスパゲティを食べてた店は多分門のすぐ内側。初期の案では,イメージボードがあるんですけども。次元はマスタードが好きだとか,そういうトリビアも書いてるんですけど,こっちの方の絵を見てください。こちらの方の絵で下カリオストロの城を見張っているルパンと次元がいる。バルコニーみたいなとこで見張ってるルパンのイメージっていうのがあるんですね。 だから最初の宮崎さんのアイデアではルパンをこの辺に宿泊させようとしてたんですけども,ちょっとややこしくなったんで,やめておそらくルパンが宿泊してたのは門内の外れの宿の2階か3階です。 何故かというと,こっから低い屋根が続いて,影の軍団に襲われた時に,ルパンと次元は屋根をいくつか乗り越えてから路上のフィアットに飛び乗るんですね。  で,ルパンたちは壁から飛び出して屋根をいくつか乗り越えた後,フィアットに乗り込んで,城下町の広い通りを抜けてから,めちゃくちゃ細い路地で影の軍団を壁に押し付けて,ガーっと引き上がって,城下町の大通りをぐるぐるぐる走ってカーチェイスやるんですけども。 本当にすごいのは調べてみると,地図を作ったり模型を作ったりすると,宮崎駿の頭の中ではこれ全部が3 Dでできてるって事。
■ 地理考証
『カリオストロの城』のモデルになった場所っていうのはリヒテンシュタイン公国だという風に言われてます。僕もそう思います。カリオストロの城というのは人口3500人とされていて,リヒテンシュタイン公国の人口は3万 人で10倍ぐらいあるんですけども,国連に加盟していて,最も古いヨーロッパの貴族の血を持っていて,切手印刷っていう精巧な印刷技術でなんとか生き残ってるとこもそっくりなんですよ。 
これルパンと次元のオープニングのカット。 細い橋で湖を走破したルートですね。地中海沿岸のモナコから北上して,スイスの外れに向かう。多分冒頭の方で走ってる海岸線はモナコ付近で,ちゃんと地中海の海岸線が右側に見えてます。そこから,海岸線から陸地に入っていって北イタリアに入る。ジェノバの手前あたりで北上して,大体今の車だったらGoogleマップ上で6時間で走れるんですけども,フィアットで山もろくに登れないから1週間くらいはかかるだろうと。国際警察に追われてるから脇道行ったんだろうし。オープニングで湖を橋でひたすら渡るシーン。皆さん憶えてますかね? ここだけは分かったんですよ。 これ,ちょうど地中海沿岸とリヒテンシュタインの中間点の…僕ここにマークしてるんですけども,ヴィッソーネってあたりなんですね。でヴィッソーネにはルガノ湖っていう湖があって,ルガノ湖にはものすごく細い橋があるんですよ。 今はもう太くなっちゃってるんですけど『カリオストロの城』の当時はここにめちゃ細い橋があった。車1台がなんとか通れる片側一車線の橋。これ橋というか堤防なんですね。 この上と下の水位差っていうのを作る堤防なんですけど,ここにすっごい細い橋がかかって,このスイスの外れのルガノ湖あたりが,オープニングのカットなので,皆さんも余裕があればモナコからリヒテンシュタインまでドライブしてルパンの道をたどってみてください。 
■ 時代考証
カリオストロ公国の場所は,リヒテンシュタインだろうという人もいればスイスだろうという人もいると。であの辺りの湖とか山の地形って,ものすごい複雑なので,どこにカリオストロの城があってもおかしくない。たださっきのミニチュアでも説明した通り,宮崎駿の頭の中では,極めて論理的に3 Dでカリオストロの全体の構造イメージができてる。 城の中もそうですし,城下町と部屋の中の配置もできている。 ただ,唯一おかしいのが時系列です。こっから最後の話に入ります。すいません。あと15分かな? 10分ぐらいで終わると思います。 後ろのCパートのラストですね。 部屋で何もかも諦めているルパンがいて,不二子が部屋の外側から新聞の記事をルパンにポイと投げる。ルパンはその新聞記事を見て,クラリスとカリオストロのルモンド紙の結婚記事を見てびっくりします。 この中で扱われてる珍しい唯一の日時がわかるヤツなんですね。ルモンド紙の設定は1968年9月12日って書いてある。 つまり,1968年9月12日。オープニングでコスモスが咲いてたので9月と分かるんですけど,なので皆様のブログで色々調べてください。 「ルパン三世カリオストロの城の時代は1968年9月12日だ」とどのブログも特定してるんですね。ところがこれ変なんです。 矛盾してるんです。 もう1回繰り返しますけど,宮崎駿はこういう論理的な目に見える矛盾っていうのがほぼないんですよ。一切ないと言ってもいいぐらいですけど,僕にも目の届かないものがありますから,ほぼないと思います。 ないんですよ。 で,何より変なのが,当たり前ですけども次元も銭形警部もカップうどん食べてるんですよね。 カリオストロ伯爵がご飯食べてる時に,それ見張ってる時の次元たちが食べてるのがカップうどんなんですね。 カップうどん/カップラーメンていうのは,カップヌードルの発売が1971年,カップうどんは,それよりさらに遅れて1975年なんですね。 マルちゃんのカップうどん「赤いきつね」というのが歴史上初めてのカップうどんになって,これが「赤いきつね」になっていくんですけども,1971年,1975年のものをこんなに不用意に出すはずがないんですね。 なのでよくルパンのトリビアとかを見ると,「これは宮崎駿の記憶違い。 ついついカップうどんが出しちゃったけども,実際『カリオストロの城』ってのは1968年なんだ」という風にどこにでも書いてあります。 でも僕これ変だと思うんですよ。 そんなことするよりは大体,カップ麺のシーンが不自然なんですよ。 っていうのはルパン三世シリーズの中で日時が書いてあるものなんて,これ以外には宮崎駿自身が手がけた『さらば愛しきルパンよ』の冒頭の1981年って出てなってくるんですけども,それぐらいしかないんですね。変なんです。 こんな後々で論理矛盾を起こすようなカットをわざわざ観客に見せる必要がないんですね。 何かを見せたかったんですね。何を見せたかったのか? これは宮崎駿監督から観客への謎かけメッセージなんです。「ほとんどの人には伝わんないんだろうけど,これ伝わって欲しいな,何故1968年って書いたのか,みんなに分かって欲しいな」と思って,だからわざわざ1968年っていう日付を入れた。だって映画の公開が1978年ですよ。 だから10年前の話にする必要は一切ないんです。何故そんなことをしたのかですね。
ここで最初のクエスチョンに戻るんですよ。何故ルパンはゴート札を捨てたのか?偽札を捨てたのか?国営カジノで通用してるんだから,そのまま持っていけばいい。50億って言ってます。もし日本円だとしても大して金額ですし,米ドルだとしたら6000億円だから,もう泥棒なんか引退できるような,一緒に遊べるような額なんですけど。 『ルパン三世』に関して宮崎さんはいろんなところで後に語ってます。宮崎駿の出発点,折り返し点とか,いろんなインタビューがとかあるんですけども,その中で『カリオストロの城』を引き受けた時の気持ちが書いてあります。 
ールパンの劇場版をやらないかと言われた時,何故今更?って僕は思ったんです。 率直に言って,つまり僕の思いとしては『ルパン』ていうのは60年代から70年代にかけて生きていたキャラクターで,今更出てくるには古すぎると思いました。自分なりのルパン像を作らなければならないはめになった時,「1960年代末〜1970年代初頭だけ一番生き生きしてた男が今生き恥をさらしをさらして,なんとか生きてる」という風に構えるしか手がなかったんですー
っていう風に言ってます。『ルパン三世』の成り立ちていうのを思い出せば,これもう1時間半ぐらい前に話したんですけども,元々モンキーパンチが1967年から69年に描いた漫画は宮崎駿は好きだって言ってるんですね。好きだったって言って,しかしアニメ化に関わった1971年の第1シリーズの時にもう宮崎駿は「もうこのルパンは古い,これじゃない,もうこんな泥棒貴族じゃなくて貧乏なイタリアの若者にしなければ」っていう風に71年の段階で言ってるんですね。
このクラリスの新聞記事が出ていた1968年とは何かというと実は『コクリコ坂から』なんです。『コクリコ坂から』の舞台となった, 神田カルチェラタン闘争ってのがありました。カルチャラタンって,フランスのカルチェラタン区っていう区があるんですけど,そこで自由のために戦った人たちがいた。 フランスでおきた学生闘争。権力との介入とベトナム戦争の反対。 そして日本でも,ベトナム戦争に反対するために,御茶ノ水から神田までの間に防衛戦線を張って闘った。それが1968年。で,この神田カルチェラタン闘争に学生は負けたんですね。 『太陽の王子ホルス』が公開失敗したのが1968年で,それと同時に日本で管理社会が始まって,ルパンたちの居場所がなくなったのが1968年って特定の時代だったんです。 だから宮崎駿は「1968年のあの時代の話」っていう風にメッセージを送りたいわけです。あの1968年っていうのは,管理社会がまだ成立する前,こっから先カルチェラタン闘争に破れて管理社会が始まってしまうんですけど,その直前っていうのは,貴族の末裔の泥棒っていう設定が信じられた時代なんですね。自由と権力が対等に戦ってたように見えた,歴史上の奇跡的な一瞬だったんです。 そんな時代にルパンは生きていた。でその設定を時代遅れに71年の段階で宮崎駿は感じたからこそ,貧乏なイタリア人という設定に切り替えた。『カリオストロの城』っていうのは,それよりさらに10年近く後の1978年。10年以上も長く生き過ぎたルパン。 もっと早くに決着して,ルパンがまだ生き恥をさらしてると時代を宮崎駿は描こうとしてるんですね。 宮崎駿のコメントですね。 
ー現実の世界に取り残されたルパンに一体何ができるだろう?せいぜい少女の心を盗むぐらいしか残されていない…
というですね,宮崎駿が『カリオストロの城』を公開した1年後に語った言葉ですね。ルパンには,実は『カリオストロの城』が公開された10年後の世界には,盗みたいものとか盗めるものがもうなくなっちゃってるんですね。 だからもう本気で欲しいものがない。言い方悪くすれば老いてしまった。 いい言い方すれば成長した。若い頃みたいに掃除機でなんか宝石を盗んだり,バカみたいに稼いで女はべらして酒を飲んだりとすることがバカらしくてできないんですね。 馬鹿らしくてできないから,フィアットに乗って次元と2人で貧乏旅行して,でもたまに自分の中のまだ生きてる青春みたいなものとか,そういうものを信じたいからこそ,国営カジノに忍び込んで大変危険な博打をやったわけですね。 それが偽物だと知った時のルパンの心のショックですね。 じゃあルパンは本物しか欲しくないような本物の人なのか? そうでもないんですね。ていうのは,何度もコンテの中で書いてる通り,全倒な人がいてこ,そのルパン自身が最も偽物なんですよ。 ルパン自身が全倒な社会の中の偽物だからこそ,本物が欲しいと思ってカジノに忍び込んだら,そのカジノにあるのも偽物の金だったという。 この切なさがルパン三世を動かしてるわけですね。だから偽物では我慢できない。偽物で我慢できない。 何故かって言うと,ルパン自身が偽物だから,そこで納得できないわけですね。 かつての自分,泥棒という行為に正当性とか正義とかそういう風なものが感じてた,やりがいを感じた自分っていうのに戻りたくてカリオストロの城に行くわけですね。 ルパンがカリオストロの城に行くのは,昔の自分に決着をつけるためとか,ゴート札/偽札の秘密を探るためとか色々言われてるんですけど,そうじゃなくて,もう一度青春を取り戻したいという,今でいうところの自分探しなんですよね。あの頃のように本気で泥棒ができる自分に戻りたいという風に思って相棒の次元を誘って,もう五衛門は「そんなもんに付き合えるか」って最初の段階で降りちゃってるんで,次元と2人で旅する事になっちゃうんですけども。 五衛門はそんなものに付き合ってくれないと。そうじゃなくて次元と2人であの頃10年前のように熱かった俺たちに戻らないか?っていうような気持ちで。もちろん言葉で言わないんですよ。だからカリオストロの城彼っていう,行ってもしょうがないところへ,ルパンはもう一回,自分自身が何かを本気で欲しいと思えた時代というのに戻りたくて理由も分からずに旅に立ってしまう。
だからなんか青春探しの旅であって,この『カリオストロの城』でルパンの中途半端な青春はやっと終わるんですけども。なので,ルパンが途中で病気になって思い出語る時に,熱かった時代,自分が本気になれた時代のこと語るんですけども,なんかやっぱすごいのが,そこで出会った女の子のことを思い出せなかったことなんですね。 ルパンが10年前(1960年代?)にカリオストロの城に忍び込んでやられてしまって,もうダメかな? と思った時に幼い頃のクラリスに水をもらって助けてもらった。 その幼いクラリスの手の指のところに指輪がちゃんと描いてあるんです。でこの時のルパンの回想シーンが綺麗なんですけども,セリフがすごい。
ー震える手で水を飲ませてくれた,その娘の指に指輪が光っていてさ,難しい話さ,あの指輪を見るまですっかり忘れちまって…
っていう風に語るんですよ。これ何がすごいかって,ルパンはその女の子のことを憶えてなかったんですね。 指輪しか憶えてなかった。「震える手で水を飲ませてくれた。 その子の指にあの指輪が光ってた指輪を見るまで忘れた」ってことは,自分が死にかけた時に助けてくれた女の子ではなくて,その女の子が身につけていた金目のものしか見えてなかったんです。 これが若い頃のルパン。若い頃のルパンっていうのは何かっていうと,助けてくれた女の子の指輪,金目のものしか見えてない。ルパンが戻りたかった青春時代って,自分が何か本気で欲しかった時代っていうのはそんなに安っぽい自分なんですね。 でも今自分は成長しちゃったから,なんかその優しくしてくれた思い出がやっと今見えるようになったんです。でも見えるようになった今,自分はそれを手に出す権利はないっていうのも分かってしまうていうのが,この『カリオストロの城』の中の根本にある宮崎駿が作りたいドラマ。そのクラリスのことは憶えてなくて,指輪のことだけしか憶えてなかった自分のことを情けない話だっていう風に言うためのもの,金目当てていう風に言うと安っぽいんですけど,それがルパンが欲しかった若さ。もう一回戻りたかった愚かな若さ。でもルパンはもうすでに成長してしまって,女の子に自分のことをおじ様って呼ばせてしまうぐらい,もう自分はこの世界の人間じゃない。で,一方で次元と2人で全倒な世界に生きていけないことも分かっているんですね。でもルパンはこの熱かった時代にもう一回生きようと決心するんですね。 もっと自分は愚かでなくて,もう一回やり直したいと思うからこその,この新聞記事ですね。だからこそ,この瞬間ルパンは1968年の世界に生きることを決意してるから,ルパンにだけ見える「1968年」って文字が見えた。だから,宮崎駿はもうここで,映画は論理破綻しても構わない。 ただ,ここでルパンが目指してるのは1978年の現代ではなくて,この瞬間ルパンは1968年のカルチェラタン闘争があった頃,ルパンがまだ本気で,まだ自分が盗むという行為に正義ややりがいを考えた時代に戻りたいと思ったからこそ,一瞬だけこの年代と日付を出して,その後はもう一切,それ触れずに走ると。だからこの矛盾したものってのはどうしようもないから,もう気がつく人だけ出してとかでもポンってこう出しちゃったんですね。なんせこの当時はビデオとかが発売されると思ってないんですから。 ビデオテープが後に発売されて『ルパン』を何回もリピートで観られると思ってないから,こういう風な観せ方をするんですね。だから,このルパンが見えていた風景を表現するために敢えて,1968年9月12日ってメッセージを宮崎駿は選んだんですけども,やっぱりその観てる人は本当は1968年の話なんじゃないのか?っていう風に思っちゃうんですよね。 でもそれをするんだったらカップうどんのシーンとか入れないです。 というよりも元々この日付の新聞を出す理由がどこにもない。日付なしの新聞記事でいいんですよ。日付書く必要が本当はないんですよ。でもそれを何故書いたのかっていうと,1968年の世界に生きていきたいっていう風に思ったからですね。 ルパンが最も輝いていた時代に,こっから時計を巻き戻したい。 でもその時計の針は戻らないですね。 カジノに閉じ込められたお札は偽物だったし,カリオストロの城に閉じ込められたお姫様は本物なんですよ。 本物はルパンには重すぎたんですよね。 悲しいことに。
『ルパン三世』のこの話でやっぱ何が切なくて悲しいのか?っていうと,若さを取り戻すため,青春を取り戻すためにをしてたっていうはずだったのが,この映画全体が若さを失う旅の話なんですね。 もう自分のことはおじ様と言われて,「カリオストロの城っていうのはもう今のルパンには,娘の心ぐらいしか盗むのがないのです」っていうのメッセージは,クラリスの側からみると甘くてホロ苦い恋と冒険の物語なんですけど,ルパンの側から見ると,『地獄の黙示録』なんですね。奥へ進むほど絶望が濃くなっていく。ローマの遺跡も,クラリスの「連れて行ってください」という言葉も,全てルパンには扱い兼ねるものだった。 これがラストシーンの方に集約されていくっていう,諦めの話になっていきます。『カリオストロの城』ってルパン自身の挫折と再生のストーリーだと思うんですけど,次回は『カリオストロの城』の後編をやります。
■ カリオストロ伯爵の目的
僕が『カリオストロの城』でやっぱ一番あの面白いなと思ってこだわってるのは,何故カリオストロ伯爵は結婚という道を望んだのか?っていうことなんですね。で,何故かっていうと,前回でも話した通り『カリオストロの城』におけるルパンの動機って,なんかあんまりはっきりしないんですね。あのゴート札の謎を暴くというのは不自然だし,クラリスの救出…クラリスを助けるというのならば,なんかラストで原版欲しいのもわかんないしですね。 であと,クラリスの動機もはっきりしないと。とにかく好きでもない男の妻になるのは嫌っていうんだったら,修道院時代に逃げればいいんであって,要するに城に連れてこられてから,車盗んで逃げるぐらいだったら,もっと警備も浅い修道院時代に逃げればいいんであるし,あとカリオストロ公国という国をよくしたいというんだったらば,伯爵と結婚して,伯爵の時代は無理だとしても,伯爵の子供の時代というか,自分と伯爵の間の子供ですね。絶対伯爵が先に死にますから,その時代で革命というか,やり直せばいいというのであって,実はルパンの動機も目的も,クラリスの動機も目的もはっきりしないんですよね。 で,この作品で,唯一目的がはっきりしてるのがカリオストロ伯爵なんですよ。 例えば有名なAパートですねえ。ルパンがカリオストロの城に侵入してから,カリオストロ伯爵がクラリスを締め上げるシーンです。 逃げたクラリスを締め上げて「人殺し」という風に言われた時に「俺の手が血まみれたとかいうわけでさ」「人殺し!あんた人間じゃないわ」「そうとも俺の手は血まみれだ,お前もそうだ。 我が伯爵家は代々お前たち太閤家の影として,謀略と暗殺を司り国を支えてきたのだ。それを知らんとは言わせんぞ」ていう風に語りかけるわけです。 「クラリス400年の長きに渡り光と影に別れ,2つのカリオスト家が今1つになろうとしてるんだよ」っていう風に感じで言うわけですよね。で,「この2つの指輪を1つにすれば,秘められた先祖の財宝がよみがえるのだ」という風にカリオストロ伯爵がクラリスに詰め寄るわけですね。 ここら辺でカリオストロ伯爵の動機がはっきり分かる。この台詞で分かる通り,伯爵の目的が一応カリオストロ家の統一,2つに分かれたカリオストロ家の統一と秘められた財宝であると。
でただ,なんかそれだけじゃない感じがすると。それがルパンが指摘してることなんですよね。 ルパンが最初に侵入した時に襲われた「影」と呼ばれる城の護衛。なんか手に爪出てるヤツ。 その女動も背中にメッセージをつけてたとハハっていう風に読んだのが「色と欲の伯爵の花嫁クラリスはいただきます 近日参上ルパン三世」っていう風に予告状を出すわけですね。で,これを聞いてる時の伯爵はふふンって感じですごい余裕で聞いてます。色と欲っていうのは何か? 色っていうのは性欲のことですね。で欲っていうのは権力への欲望っていうことです。つまり「色と欲」っていうのは,まあ女も欲しいし,金も欲しい,権力も欲しいっていう風に言うんですけども,伯爵の隠れた欲望というそのクラリス自身への恋慕,愛情,恋愛感情っていうのを予告状で指摘したと。でもしかし伯爵は余裕なんです。何故かって言うと伯爵にとって多分,この時点でクラリスは恋愛対象ではないと。だからこそ,結婚までクラリスを修道院に放り込んでたわけですよね。もし恋愛対象だったら結婚式まで修道院に放り込んどくはずがないわけですよ。そんなもん,適当になんかいいこと言ってりゃいいわけですからですね。適当におだてたりして,これほどの手腕がある人だったら,10歳ぐらいの娘を5年間ぐらい手名付けておけばなんとかなるものです。 10年間修道院に放り込んで全く動きをしなかったってことは,実は興味がなかった。 それまで興味がなかったという証しなんですね。でもそういうことを知ってても,ルパンは最後にクラリスを助けるシーンで,大司教に化けて結婚式に忍び込んだルパンは隙をついてクラリスを抱き寄せて,おまけに指輪まで奪います。 そん時のルパンは「おじ様ァ」って抱きつかれてムフフと大喜びに喜んで「焼かない焼かない♪ロリコン伯爵やけどすっぞ♪」って言ってコートを開けると,中に花火があって,これがクライマックスシーン繋がっていくんですけども,ここでも「焼かない焼かない♪ロリコン伯爵♪」っていう風に言って,カリオストロ伯爵のクラリスに対する恋愛感情をあおったんですね。でもそれも実はっきりしないわけです。 というわけで,この映画の中で唯一目的がはっきりしてる人物カリオストロ博爵の目的は,実は一応以上の3つに整理されると思います。 
カリオストロ家の統一/太閤家への復讐
秘められた財宝
クラリスへの恋慕
伯爵の目的と信じられてるもの。今回は一番最初これを疑うところから始まります。カリオストロ家の統一ですね。太閤家の下端にされたけど,というそういう伯爵家の復讐です。 次は秘められた財宝。伯爵も,秘められた在庫って実は正体なんかわかんないけど,すげえお宝があるに違いないと思ってるんですね。あと3つクラリスへの恋慕,恋愛感情ですね。 これは意識してないので,指摘されると切れるっていう風に一般的にはファンの間で信じられてると。これを1つずつ検証してみようと思います。 
✔カリオストロ家の統一/太閤家への復讐
まずカリオストロ家の統一ですね。復讐ってやつなんですけど,これ実は別に『カリオストロの城』だけでなくて,宮崎アニメの定番中の定番なんですね。っていうのは例えば『未来少年コナン』では,レプカという悪役が太陽エネルギーで世界を支配すると,そのためにラオ博士の娘ラナを捕まえなければならないということで,同じような構造になってると。で『天空のラピュタ』ではムスカがラピュタの力で世界を支配する。それもやっぱ俺んところはどちらかいうとマイナーなラピュタ家だった。 だから本家ラピュタ家のシタを捕まえて…っていうので,割とそっくりになってるわけですね。だからこれから考えると,いかにもいつもの宮崎アニメらしい悪役という風にも見えるんですね。でもラナはその太陽エネルギー復活に必要っていう理由があるし,シータは飛行石と遺産を持ってるっていう理由がある。それに対して何故クラリスじゃなきゃいけないのか?指輪だけあればいいじゃん?ていうですね,理由がすごく曖昧なわけです。 で,おまけにさっき話した何故カリオストロ家を統一したいのか?っていうのは,すでにカリオストロ家は,ゴート札,闇社会を支配してるわけなんですよ。これ以上何を望んでたのか? なぜ伯爵家と太閤家,光と闇を統一しなければならないのか?っていう理由がなんとなく,僕らにはよくわからないわけですね。 で,実はこの辺は,前回見せた初期設定のマップに答えが隠されたと僕は思ってます。 これが初期設定のマップですね。 ここに上カリオストロと下カリオストロって書いてある。 つまりカリオストロ家っていうのは,太閤家伯爵家って言うんではなく,上と下に分かれていた。いわゆるラピュタで言うと,ラピュタ人の中でも神官クラスの人は神の帰りを待っていたと,それに比べて下の方に住んでる人たちは,ラピュタによる地球の支配っていうのを狙ってたという風に,実は上層部と下層部で狙いが違うっていうのを宮崎さんは社会行動の差っていうのは好きでよく使うんですね。 で伯爵の説明「我が伯爵家は代々お前たち,太閤家の影として謀略と暗殺を司り国を支えてきた」という風に言ってます。これで分かる通り,実はカリオストロ伯爵の元々の仕事は,偽札作りではないんですよね。印刷にはあまりタッチせず,実は謀略と暗殺が,下カリオストロと言われる伯爵家の仕事。 
じゃあ偽札っていうのは上カリオストロ/太閤家の仕事でなかったのか?っていう風に僕は考えてるんですね。何故かって言うと,当時の通貨の説明からやります。 ルパンが銭形警部と一緒に地下牢から脱出して印刷機を見つけた後,「これは何だろう? ルパン説明してくれ」「これがゴート札の心臓部だ」と言った後に出てくる説明です。 
「中世以来,ヨーロッパの動乱の影に必ず動いていた偽札。ブルボン王朝を破滅させ,ナポレオンの資金源となり,1927年大恐慌や世界教皇の引き金にもなった歴史の裏部隊ブラックホールの主役ゴート札。それを暴こうとしたものは1人として生きて帰れなかった」。 
さて,この説明です。 お分かりでしょうか? 実はカリオストロって紙幣を作ってたのはこの100年ぐらいのことなんですね。実はヨーロッパでお金が使われたっていうのは,19世紀にイギリスでソブリン金貨っていうのが流通してた頃です。分かりますか? 『カリブ海の海賊』とかに出てくる金貨。なんかみんな金貨持ってますね。あれって大体スペイン金貨かイギリスのソブリン金貨だったんですね。で,このイギリスで19世紀にソブリン金貨っていうのが発行された時に,金貨をあまりにたくさん持つのが重いから,それと同じ金額というかの値打ちを銀行が保証するという銀行券を発行したんですね。これを兌換貨幣っていう風に言います。で,この兌換貨幣を19世紀にイギリスが発行した銀行権が今の僕らの持っているお札。千円札とか一万円札とかの大元のやつなんですね。なので初期のカリオストロ家っていうのは,実は金貨の偽造をやっていたんですね。 
で,次の絵です。 中世フランス革命の時のナポレオンの風刺画がですね。 これ当時の風刺画を宮崎さんが自分のタッチで描いてるんですけど,地球の形のダイナマイトを持ってるナポレオンという風に描いてます。で,地球に導火線がついてる。これどういう意味かっていうと,「ナポレオンは世界制服を目指していた。しかし,それにはタイムリミットがあった」と。導火線に火がついちゃってる。これどういう意味かっていうと,ナポレオンは一生懸命,世界政府も画策したけど,タイムリミットが近い。何故かって言うと彼の財布は破けた。 つまり破産しかけてるっていうのを描いてるわけですね。この1枚の当時の風刺画でナポレオンの財政ってのは実は極めて危いもので,これがカリオストロ公国の後押しだっていう風に宮崎さんは設定してるわけですね。 
「ブルボン王朝を破滅させ…」っていうのは,首飾り事件っていうのが昔ありました。何かっていうと,マリー・アントワネットが買ったわけじゃないんだけども,親友友達の婦人が買おうとしてた,ものすげえ高い4000億円ぐらいの値打ちがあるような首飾り,宝石の首飾りを買って,でそれの保証人みたいなのにマリーがなって。で後にそれは転成したんですけど,フランス中が大スキャンダルになって。 でマリー・アントワネットはレズビアン疑惑をかけられて裁判までやったんだけども,その絶対に悪い,マリーを引っかけようとしたヤツらが無罪放免されてしまって,パリの市民はマリー・アントワネットに対してすごい反感を持つようになったと。で,これがフランス革命の一つのきっかけになったという風に言われてるんですね。で,そんな中で実際にそのマリー・アントワネットにすごく高価な宝石を押し付けようとしたのが山師カリオストロ。これ実在の人物です。山師カリオストロっていうのが,そのカリオストロ伯爵と自分で言ってるだけなんですけど,こいつは錬金術師であってフリーメイソンのメンバーであった。これは歴史的真実だったんですけど,でこのじゃあコイツが本当に伯爵かどうか?というと,そうじゃなかったんですよね。イタリアのシチリア島の田舎者だったというのを調べた人が言ったんです。それ調べたのが誰かっていうと,ドイツで当時文豪であり政治家であって思想家であったゲーテてですけど(笑) このゲーテが「けしからん,カリオストロの正体俺が突き止めてやる」って個人でイタリア旅行して,それを『イタリア紀行』という本にまとめて出版して「ついに俺はカリオストロの正体に突き止めたぜ」っていう本を出版したんですけど,それぐらい大事件だった。 それが彼が錬金術師であってフリーメーソンだったっていうのが,その宮崎さんが今回このアニメの中でカリオストロ伯爵って名前を使う理由です。この錬金術師ってところに注目してください。
で,まあのその1つ前の絵のこいつはドイツ30年戦争。17世紀に起きたプロテスタントvsカトリックの最後で最大の宗教戦争という風に言われてるんですけども,その背景で銀行家と金貸しがお金の査定をしてる。つまり当時のイギリスのソブリン銀貨もそうだったんですけど,あらゆる金貨とかお金っていうのは,1ドルとか1ポンドという額面上の値打ちを示してないんですね。 1つ1つの硬貨ごとに重さを比重を測って,その中に金が何グラム入ってるのか?っていうのを見て値打ちを決めてた。だから上に刻印してある値打ちっていうのは一応なんか形式上のもんであって,それの交換やってるところ。 まあまあそういう時代だったんですよ。で,第二次世界大戦。墜落したイギリス空軍の倉庫から大量の偽マルク札が発見されて,それをドイツ兵が見ている。つまり第二次世界大戦で連合軍を勝利に導いたのも,やっぱカリオストロ公国なのかもしれない。 イギリスの国家ともう手を組んで偽札を作ってたというようなエピソードがここに入ってるわけですね。 
で,話を戻しますけども,これで分かる通り,印刷という形で偽金を作り出したのは,実はカリオストロ家は20世紀に入ってからなんです。16世紀から19世紀までの間のほとんどの時代,偽金貨を作っていたという風にしなければ話がおかしい。城に印刷工場がありましたね。 あれ城の印刷工場っていうのは元々カリオストロ伯爵家の得意技である謀略とか暗殺の舞台の上にその印刷工場を作ったと。つまりあくまで伯爵家の仕事として印刷始めたんですね。なので,どこで偽金貨を作ってたのかっていうのは今回の映画で書いてないんですよ。でもそれは多分いわゆる上カリオストロ家/太閤家であったというのが僕の妄想なんですけど妄想です。 でないと辻つまが合わないからですね。かつてのカリオストロ家は上下カリオストロ家で役割分担があったんですね。上カリオストロ家の役割っていうのは,偽金貨を作ることと政治を司る,つまり,婚姻関係でヨーロッパ中と結婚関係を結ぶということです。 で,伯爵家っていうのは陰謀と暗殺,これが2つの大きい流れなんですね。で実際の本物の山師・錬金術師であって,銅とか鉛などの卑しい金属から純金を作る魔法のイメージで自分たちが発行する金貨の価値っていうのをつけてたっていうのが宮崎さんがつけたおそらくカリオストロという名前と偽金作りっていうことだと思います。もしこれが最初から紙幣にしてもいいんだったら,別に19世紀からのカリオストロ家のことを書きゃいいだけであって,わざわざ1517年とか年号書いてるっていうことは,これもう金貨ですよって言ってるようなもんなんですね。 でも上カリオストロ家の金貨が通用しなくなってしまった。そこで偽金作りまで下カリオストロ伯爵家が受け持つことになってしまって,両家のパワーバランスが崩れたと。パワーバランス的には上カリオストロ家は偽金を作り,政治を司さどる。下カリオストロ家は暴略と暗殺。これで一応なんかアイドルとマネージャーみたいな役割分担はできてたんですけども,ところが上カリオストロ家の偽金が通用しなくなったおかげで,下カリオストロ家が贋金作るようになってきて,両者のパワーバランスがつかなくなると。で太閤家が偽金を作れず,我が伯爵家で偽紙幣を作るんだったら,何故伯爵家は下に甘じなければいけないのか?って。何故俺たちは太閤家の下に作らなければならないのか。彼はその伯爵の疑問というか怒りをぶちまける。本当にその通りなんですね。 で,そのせいで上カリオストロ家は不要だとして伯爵は暗殺を企らんで焼き打ちをして,なおかつカリオストロ公国の近代化に乗り出したと。これがおそらく太閤家焼き討ちの真実。実は目的はカリオストロ公国の近代化だったんですね。
では何故太閤家の偽金貨が通用しなくなったのか?これはさっきも話した通り,ソブリン金貨っていうのが19世紀に発行した時から,もう大量の金貨を持ち歩いて支払うということが事実上無意味になってしまった。おまけにその金を持ってる者だけしか通貨を発行できないんだったら国際的な経済が回らなくなってきてしまう。兌換紙幣,いつでも金とか銀に変えれるものから不換紙幣に移行して,太閤家の偽金貨作り自体が時代遅れになっちゃったんですね。 で,これが上カリオストロ家を殺しちゃったなくしちゃった理由だという風に思います。 
ではなくしちゃったんなら,もうなくしちゃったんでいいじゃないですか。 伯爵が結婚して太閤家殺しちゃったんだから,何故上下カリオストロ家をもう1回統一する必要があったのか? その理由がさっき戻りますね。 何故統一をする必要があったのか?実は秘められた財宝が上カリオストロ城にはあった。伯爵自体も正体わかんないけど,すごいお宝が上カリオストロ城にあって,このお宝をゲットするには統一しなければいけないという流れになっています。で,財宝とは何だったのか? 映画を見てお分かりの通り,伯爵自体も最後まで知らなかったんですね。 で,映画ではラストで,それはローマ遺跡だったという風に説明してます。で,ちょっと横長の画面になるんですけども上カリオストロ城の前の湖から出てきたローマ遺跡です。 これで見て,皆さんも分かると思うんですけど,何かっていうと普通のローマ遺跡とは違うんですよ。何故かっていうと,あらゆる柱のてっぺんとか見えてる部分,水面の上に浮かんでる部分が金色なんですね。黄金なんですよ。 実はこれ黄金都市なんです。最初に言っちゃうとルパンはそれに気がつかず,
「ローマ人がこの地を追われる時,水門で沈めた。あなたのご先祖様が密かに受け継いだローマ人がこの地を追われる時沈めた。アンタの旦那さんはそれを受け継いだ…まさに人類の宝ってやつさ,俺のポケットには大きすぎた」
っていう風にルパン言ってるんですよね。 で,僕らもそれをすっかり信じちゃったんですけど,これまでに実在したローマ遺跡とは明らかにした違うものが描いてあるんですよ。 このローマ遺跡の元になったものが出てくる秘密になったのが指輪ですね。クラリスがはめてる指輪の一部分をクローズアップで見ると文字が書いてあるわけですね。で,この文字をルパンがゴート文字だという風なことで読みます。
「光と影再び1つとなりて蘇らん 1517年」
年代までも特定されております。で,1517年って何があったのか? さっきのルパンの説明だったら,ご先祖様はローマ人が引き上げていった後,去っていった後にご先祖様が隠したという風に言ってるんですよ。でも変なんですよね。ていうのは1517年っていうのは実はルネッサンス世紀って言われる,ルネサンス活動が一番盛んであった時代で,つまり,時代的にはギリシャローマ時代の文化を見直そう,古代万歳と言われて再評価しようっていう時代だったんです。ご先祖様がこの時期,ローマ遺跡を隠す理由は全くないんですね。確かにこの150年前だったら隠さなきゃいけなかったかもしれないですね。蛮族に押されるかで。そいでこの50年後だったらスペイン王のカール5世っていうやつが,宗教大戦争やってローマの遺跡を壊しまくってローマン攻略っていうことをやったので,ローマの街を破壊し尽くしてローマ遺跡を壊す。 だっけどこれの50年後だったら,そんなことがあったかもしれないですけども,この1517年って,わざわざ宮崎さんが指定してる時代は,その時代はローマ遺跡っていうのは別にあればあったで,素晴らしいもんだという風に言われてた。 ルネッサンスだという風に言われてた時代なんですよね。 
で,もう一回戻りますね。 この水面の上の部分が全て金色になっています。屋根の上も柱も全て金色って,何故かって言うと,大理石の上に黄金を貼ってるからですね。この風景を僕ら見たことがあって,それは何かというと『天空の城ラピュタ』でラピュタの中に兵隊がわーっと入った時に,壁とか柱から金を剥がしてたシーンて思い出しますか?あれ,金剥がしたんですよ。つまり昔の神殿建築っていうのは金色の部分っていうのは金色の塗料を塗ってるんじゃなくて,薄い金を本当に張ってるんですね。だからラピュタの金っていうのは,あれはこうバリバリバリバリ剥がしてるって,石の上に金色の塗料塗ってたんじゃなくて,本当に金箔を張ってるんですよ。純金なんですね。で,このローマ遺跡も同じ風に書いてあって,これ,実際は本当に金が貼ってる状態なんですよ。で,このおそらくこの上カリオストロ家っていうのは,この黄金都市にあった金を自分たちの金貨に使っていたんだと思うんですね。これがかつての繁栄の正体です。しかし1517年あたりにおそらくこの金が枯活してしまったんですね。まあ,上の方に薄く張ってる金箔みたいなものは残ってるんですけども。っていうのは,『カリオストロの城』でルパンとクラリスは最後手をついで歩くところでは,このローマ遺跡って割と大理石色になってるんですよ。冒頭の方で見える上の方に見えるところだけは金色ですね。ルパンとクラリスが歩くところって結構後ろが白い普通の大理石になってるんですけど,もつまり剥がされた後なんですよ。 ということは1517年あたりでもう大体黄金都市の遺産を使い果たしてしまってで,残ってるのは屋根の上とか,柱の上などの取りにくい部分に一部だけだと。で,そこでご先祖様はこの遺跡を水没させて隠すことにしたと。なんでかというと黄金がもうなくなってるっていうのを託隠そうとしたんですね。 かつて金貨を発行していたから。で限られた王族とかカトリック法皇だけに多分この黄金都市見せたんだと思うんですけど,それの噂を根拠に「カリオストロ家には無制限に金貨を発行するだけの財力がある」または「無制限に黄金を作れるような錬金術がある」という風に思わせたと。で,それによって偽金貨の発行を始めたと。じゃ1517年までカリオストロ家っていうのは本当に黄金があったので,黄金金貨を発行していた。でもそれ以降枯渇してしまったので,偽金を作るようになっちゃった。 これがカリオストロ家が2つに分かれた理由であって,この年号の秘密だったんです。 この遺跡を見られてしまったら,もうその黄金が枯活したことがバレてしまうっていうのが,カリオスト家の最大の秘密なんです。 
以上まとめてみました。 分かりやすいように。 はい,これが岡田斗司夫史観による歴史ですね。中世からですね。 1516年ぐらいまではローマ遺跡の黄金でカリオストロ家は繁栄してました。しかし黄金が尽きてイメージダウンを防ぐため遺跡を沈めてしまいました。 で,その後19世紀までは錬金術を売りにして偽金貨を発行しています。で,19世紀から1970年あたりですね,偽金貨から偽紙幣へ事業シフト。 しかし,この事業シフトのおかげでパワーバランスが崩れてしまい,1970年あたりに上カリオストロ家は焼き討ち暗殺になってしまって,1978年,ルパン事変というのがこれ行われます。事変というのは政局が変わるほどの大事件というのを事変というんですけど,ルパン事変による上カリオストロ家の復活ですね。これがカリオストロ家っていうのだけを見た時の歴史年表ですね。 というわけで伯爵の目的,カリオストロ家の統一とは何のためだったのか? という,もうちょっと後で語りますけど,秘められた財宝ってのは何だったのか?っていうのは実は伯爵は分からないままです。で,遺跡を隠した理由っていうのは,黄金が枯活したことを隠すためだったんですけど,ところがそれから400年経っていざ出てきたら,実はそれがローマ遺跡っていう人類の宝になってしまったというのが,このアニメのすごい皮肉なところなんですよね。 
で,伯爵家は既に無用になった太閤家を滅ぼしたんですけども,しかし悲しい事に紙幣による偽札はうまくいってると言っても,最近なんか印刷がうまくやらないって言ってるんですけど,何より国際金融の波というのが訪れていて,もうアニメを作った当時ですら,紙幣よりも電子化されたデータが国際金融市場には流れるようになってしまったんですね。 で,カリオストロ家がもう偽札作ってるのも時代遅れになっていたと。かつて金貨を作っていた上カリオストロ家が時代遅れになったのと同じように,紙幣を作っている下カリオストロも徐々に徐々に時代遅れになっていたと。で,また印刷の精度が落ちて,ジョドーの部下の影たちももう中年のおっさんばかりという状態なんですね。なので実はカリオストロ公国に残ってる財産は2つしかないんです。1つはヨーロッパで一番古い貴族の血筋ですね。 つまり何故クラリスと結婚しなきゃいけなかったのかっていうと,伯爵家と太閤家が1つになると,クラリスと結婚することによって自分たちの子供をいっぱい作って,その子供をイギリスとかフランスとかスペインとかどこでもいいから,嫁がせて,でなんとかどっかの王位につかせるぐらいしか,もう打てる手は残ってないんですね。で,それと同時に伯爵がなんとかこれで起死回生かなと考えたのが秘められた祖先の財宝というやつです。この秘められた財宝っていうのと,あとクラリスと結婚することによって,ヨーロッパの一番古い血筋というのを売りにして,もう一回ヨーロッパ,貴族の間で婚姻外交というのを続けることができれば,カリオストロ公国という国をもう一回持ち直すことができるんではないか?今コメントあった通り,ハプスブルグ家の戦略と同じですね。財産のないハプスブルクだと思ってください。 貧乏になっちゃった。
では,最後のクラリスへの恋慕…恋愛感情ですね。これは正直僕わかんないんですよ。 何故かって言うとこの映画のカットの隅々まで観たんですけども,伯爵がクラリスを好きだという証拠は ないんですね。 一切描いてない,なんかそんな感じがするとこもあるんだと思うんですけども,別にカットが変わったら冷酷に殺そうとしたり見捨てようとしたりしてるんで,割と宮崎監督としては注意して恋愛感情みたいなものをわざとらしく入れないようにしてるんですね。もちろんストイックな人だから隠してるって可能性はあると思うんですけども,ここまで描かないようにするというのは宮崎さんとしたら珍しいと。じゃあ何故ルパンが伯爵を「色と欲の…」「ロリコン伯爵」とかって罵ったのかというと,これはもう僕から見れば明らかですね。カリオストロ伯爵っていうのはルパンのシャドウなんですね。 もう一人の自分であろうと。『天空の城ラピュタ』の特集で,おそらくパズーはシータと出会わなければムスカになっていたって話をしたと思うんですけども,同じくルパンとカリオストロ伯爵も一枚のコインの裏表なんですね。 前回の解説で,『カリオストロの城』のオープニングで,まっとうな人のまともな生活っていうのがあって,そういうところから除外された影の世界,裏の世界にルパンたちは生きていて,だから孤独なんだっていう話をしました。で伯爵っていうのは何かっていうと,ルパンが今いる影の世界,闇の世界…真っ当な世界から外れた世界から本当の光の世界を目指した男なんですね。実は偽札とか暗殺とか,そういう生き方に将来がないことを一番知ってるのは伯爵なんですよ。この方法ではカリオストロ公国に未来がないっていうの知ってるんですね。 なので国連にも加盟するし,インターポールにも友人作るし,自分の結婚式を世界中に生中継させようとするんですよ。で,一番古い貴族の血とか祖先の財宝っていうのもなんとかそれを作ろうとしてんのも真っ当な世界に行きたいと思ったからなんですね。 そういう古い血統とか祖先の財宝を侵したかったのは自分の手が血に染まってることを知ってるからです。
「…そうとも,俺の手は血に染まってる,しかし,お前もそうだろう」ってクラリスに言ったのは,だからあれはツンデレであって,本当に綺麗な言葉で言えば,だから二人で手と手を取り合って,本当の明るいまともな世界に行こうじゃないかっていうようなことを言おうとしてるわけですね。だから豪華な食事とか晩餐会も結婚式も全て闇のカリオストロ伯爵家に対する反発であって,自分が滅ぼした太閤家になりたい人間なんです。で,元々ルパン三世っていうのはカジノに忍び込んでルパンが盗んだ金が偽物だと知って,それを捨ててカリオストロの城に来た。ルパン自身も実は闇の世界に疲れを感じていて,本物の世界に憧れてカリオストロの城に来たんですね。 だからこそ,そこでクラリスで会ってしまうと。だからこそ,伯爵が金と名誉だけでなく,クラリスも欲しがってると思い込んじゃったんですね。ルパンとカリオストロは全く同じ人だから,2人とも闇の世界の住人で2人とも光を目指すと。 ただし,ルパンは光を目指している時に泥棒の流儀で目指し,金を取る。伯爵は自分がこれまでやっていた陰謀の流儀で光の世界を目指すと。実はそのお互いの手法を頑なに守る職人気質なんですね。両者ともに。でだからこそルパンはカリオストロ伯爵が自分と同じくクラリスを欲しがっていると思い込んじゃうんです。そんなこと一言も言ってないんですよ。クラリスが欲しがってるっていう風に言ってるのがルパンの一方的な思い込みで,僕はそういう関係のやつを知っててですね,これ,何かというとジンとバリストンの関係ですね。『HumterXHumter』に出てくるジンとバリストンというのは,両者とも実は同じ人間なんです。 「俺とお前は似た者同士,思いつくのは外の道ばかり」っていう風に言って,だからこそお互いが許せないっていう風になっちゃうわけですね(笑) ひょっとしたらルパンとカリオストロっていうのは出会いの順番が違ったら…だって次元だって五右衛門だっていい加減でクソみたいなヤツですから(笑)…

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2025年6月12日木曜日

[ネタ][ゲーム] eゲーマーの就職先,NetFlixドラマほか(2025.4.29)〜伊集院光『深夜の馬鹿力』


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[ネタ][ゲーム] eゲーマーの就職先,NetFlixドラマほか(2025.4.29)〜伊集院光『深夜の馬鹿力』
2025.4.29    
■永野芽郁報道
なんかさ,観なきゃいいのにさ,番組始まる前にたまたま目に入ったニュースあって。エゴ・サーチとかはあんましない派でさ,特に番組前はドキドキしちゃうからしないんだけど,まあ多分俺のそのGoogleなりパソコンなりのヤツ(Google Discover)は,「コイツハ伊集院光ノコト相当好キダゾ」って多分分析してて。なんかこう伊集院光の本とか,人にあげるのに買うじゃん。それからあと,どういう風にAmazonに載ってんのか? とかで調べたりとかするから,伊集院光関連のものを見せに来る。 んでそん中に,よしゃいいのに「伊集院も最近は落ち着いちゃったから,芸能ニュースの件なんかどうせ事務所から圧力がかかってるから,あいつダンマリなんだろうな,逆におぎやはぎあたりは空気読まないで喋るからすごいな」みたい記事が目に入っちゃったのよ。 目に入っちゃったんだけど,なんだろうな…俺日頃からそんなこと触れてねえし。今中途半端に迷ったまま触れるのがいいのかどうかわかんないんだけど,まず「事務所の圧力があるから,この芸能ニュースはみんな触れない」みたいにトーンになってるじぇど,一度もそういうものをかけられたことがない。いやわかんないよ?わかんない,「アイツは,むしろ事務所が「喋んな」って言うと,日頃から喋んないのに逆に喋るんだ」って,現に今そういうことじゃん。 現にしかもその,なんかネットのなんかちょいちょいしたコメントに対してこんなことなってるわけだから。で人のラジオなんか聴かないのに聴いちゃったよ。 ごめんな,空気階段『踊り場』の裏聴いてたよ。んで俺が思ったことは,俺だって彼女のことなんか『半分青い』以来だからね。NHKの朝ドラ『半分青い』もリアルタイムじゃなくて,なんか皆さん憶えてるかもしんないけど,突然俺がNHKの朝ドラ観たことないから観るブームってあって,
『おしん』観て『ちゅらさん』観て,もう誰1人「じぇじぇじぇ」って言ってない時に『あまちゃん』観て。で,その後『半分青い』観てって感じ。あとドラマをほとんど観ないから観逃してんだけど,ラジオ聞いて思ったのは,実情とかわかんないし,本人たちがどういう風に言ってるのかもわかんないけど,一応『オールナイトニッポン』すごい数あるけど,『オールナイトニッポン』(『永野芽郁のオールナイトニッポン』)のパーソナリティとしては,あそこで喋るはすごい。あそこで休まないで喋るっていうことはすごいっていうのと,なんかそのこの空気の中でどうするか?っていって,俺奇跡おこれ!と思ったのは,「エガちゃん乱入しろ」って(笑) あとはこう…何かわかんないけど。
なんかそういうこう…俺にとってはもっとデカいニュースはパンダ。和歌山白浜のアドベンチャーワールドのパンダがいなくなるっていうことで,俺全然経過がわかんなくて。逆に地元の和歌山のその白浜のアドベンチャーワールドは,本当にパンダがいっぱいいる動物園で。今4頭いて,俺の記憶が間違ってなければ,双子の可愛いのがいて,で全部で4頭で,俺コロナの時だって滅多にやらないのに,なんか寄付みたいのしたよ。パンダ頑張れ! って。コロナで客減ってるから,お金ないんだけど,パンダの施設を改良するみたいなヤツにちゃんとそのクラウドファンディングみたいのにお金寄付するぐらい,一応パンダ贔屓なのに突然。まずこのアドベンチャワールドでパンダがバンバン増えるのはコイツの繁殖力のおかげだっていう老パンダがいる。すごい子供を産ませてる老パンダがいるんだけど,老パンダもすごい歳になっちゃったから,中国に返した。それこそ今俺の目の前に座ってる後輩芸人の河野かずおちゃんとも前に一緒行ったことあるんだよな。 パンダ繁殖基地っていうパンダしかいない動物園。パンダ100頭以上いて。なんつったらいいのか…雑に育てられてたよな。 上野動物園だったら,高い木に登って「あの,降りて下さい! 僕の責任になっちゃうんで!」ってところが,そこだとガンガン飛び降りて転がってる汚ねェパンダ。 白黒というよりは結構汚れが目立つぐらいの扱いになってるパンダ。あそこがパンダの研究をめちゃくちゃやってるから,その老後を健康に暮らすにはそこがいいんだろうみたいな話は分かんだけど,それ以外のヤツ全部一気に中国引き揚げみたいな。なんかそれの方が俺には全然ショックで。うちのカミさんは,年パス使って,散歩で園内をずっと歩いてるような人で。カミさんに「なんか今ニュース観たけど…」って訊いたら,ギャーって喋ってたよ。でも地元も何にも知らなかったらしい。もう契約期間ではあったらしいんだけど,施設もそれ用にすごい作ってるから,それは延長になるだろうって,周りも思ってるし,もっといえば白浜=パンダだから,パンダで盛り上げてたのが,一気に0になる?っていう。 何故0なの? そっち文春スッパ抜いてくれれば。なんか理由があんならね。 そっちの方が今興味あるかな。だから何が言いたかったんだろう?圧力とか基本的にえっとわかんない。 って言うと触れるっていうことを観越してないのかわかんないけど,テレビに出ていようが,ラジオに出ていようが,それがどうっていうこともないね。あとなんかその不倫がどうなの? みたいな話に関しては,亡くなった人のこと言うのなんだけど,うちの師匠がやらかしてから,ちょっとスタンス変わったっていうか,しょうがないよなっていう。ここがやっちゃって,ここがああいう感じになっちゃったら,どう行ったらいいんだろう? みたいな。 
とりあえずは芽郁ちゃんは,ラジオの限界みたいとこまでは行ってたよ。事実がわかんないから,どういうのが正しいのかは分からないけど。そりゃ『オールナイトニッポン』のパーソナリティ軸で比べちゃうとさ,例えばたけしさんに不倫報道が出て,『オールナイトニッポン』の時だったら「おネェちゃんがさ…」って普通に言えるけどさ,永野芽郁言わないだろう,それは(笑) 「えー今日はですね,あの実はやってないんですけども,あのFAXでですね『こんな言い訳をする』っていうのをいただきたいと思います」って言わないだろ(笑) んで何故たけしさんに寄ってるんだよ?(笑) 何故俺首カクカクしながら「まァ大変なことになって…俺やってないんですけどね…文春この野郎!」っておかしいだろ(笑) でもなんか本当に思った。あの報道自体わかんない。みんなのいろんな価値観の重さの価値観でどうなってんのか知らないけど,俺自体は,ラジオていう軸以外に共通点探せないじゃん。 清純派っていうとこぐらいしか共通点探せないから(笑) …
■ポケモン・マンホール 
土曜日に大阪で仕事して,そのまま名古屋行って,名古屋で泊まって,また名古屋で仕事して帰ってきたんだけど。日曜日の昼過ぎぐらいに仕事終わっちゃったから,名古屋の隣の隣,新幹線こだまで2駅の豊橋に例のポケモンのマンホールのポケ蓋がある。んで寄って行こうと。で最初は,全部話もしょうがないんだけど,ニッポン放送で,このポケモン・マンホール撮るのが好きな女性アナウンサーがいて,その娘に嫌がらせのために始めたんだけど,面白くなってきて。今までもドラクエウォークのお土産集めとかは,今もやめたわけじゃないけど,地方のバッティングセンター巡りとか,何かそういう軸がないと帰ってきちゃうんだよね。 少し暇でも,それでウロウロするのいいなと。でちょっとポケ蓋画像を本格的集めようかなつって。 
豊橋向かう途中,何度も面倒臭ェ,わざわざ行かなくても…家帰ろうかなと思ったり。 
別に仕事は,今日のネタ選びも含めていっぱいあるから,帰ろうかなとは思うんだけど,新幹線にちょっと遅れて,やっぱやめよっかなと思うんだけど,色々振り絞って,こういうのに行くことでしか何も生まれないんだから能動的にやろう,能動的にこういうくだらないことやらなくていいことやろうと思って行って。 しかも新幹線の駅のもう南口そのものにあるらしい。それだったらもう寄って撮ってすぐ乗っちゃえばいいんだからって行ったら,まさかの。ポケモンの蓋の上を中心にフェスティバルやってる。 細かくは分かんないけど,多分地元の踊りを今風にしたヤツ。そのよさこいソーラン的なヤツの愛知バージョンのヤツのを,いろんなチームが次から次へやってきて,すごい踊りを踊ってるわけ。 続いて地元のちびっこ隊。 衣装も全部揃えて踊る用意をしてる人たちが,太鼓とかの古いリズムと新しいリズムを合わせ,次から次へと踊ってる訳。その大きい集団と小さい集団の間の入れ替わりが3分ぐらいあって,その入れ替わりの時間が3分くらいある。その入れ替わる通路のところが,ちょうどそのポケモン・マンホールがあるところ。そうするとさ,入れ替わんなきゃいけないから,ずっと通路を観ながら,iPhoneももうカメラモードにしたまま,やってやろうと。そしたら後ろにいた衣装着てる女の子たちの1人が「さっきからずっと見てますよね? 知り合いいるんですか?」って,こっちはマンホール撮りたいからさ。俺全然それ早く終わってくんねえかな? と思って見てんだけどさ,「ウン,いや,そういうことじゃないんだけど,すごいなー なんて思ってね」って(笑) 「私たちあの4組後なんですけど,あの観てもらえますか?」つって。「うん?それをもらえないな…それは全然観てもらえないんだけど」って思うんだけど,もう本当にその豊橋駅南口のあんなに手こずるんだ。すごかったね。なんかその控え室もない,控えのテントもないんだけど,チームのイベントのご家族の人が観てる。その斜め後ろぐらいのところにそのポケ蓋がいっぱいあるんだけど,そこは選手とか演者たちがスタンバイしてる所なわけ。 結局後ろが無防備になって,先輩のその踊りを一生懸命夢中になって観てる人の後ろでスタンバってて,なんならそこを上手にズームをして肩越しの向こう側にあるポケ蓋撮ろうかと思うんだけど,本当にこれ丸っきり盗撮してる人にしか見えないんだよ(笑) 夢中で観てる女の子たちの後ろ越しにズームでやってやってる人だから。で踊り全然観てねェしって事だから(笑) で入れ替わりの時,自分も入れて撮りたいんだけど,一応想像して。マンホール,自分を入れて撮るって相当難しい。 自撮りにも慣れてないし,なるべく低くしないと両方映らない。でいて片膝ついて思いっきり片手上げたら,こっち50肩だから大変なんだけど,普通な顔して,なんかわかんないけど苦痛なんだけど笑おうとしてる感じわかる?(笑) 苦痛なんだけどニッコリしようとしてる顔で撮ろうとしてるけど,なかなか撮れない。そこに奇跡起こる。次のチームのスタンバイのやり方がなんかいろんなオリジナル曲だから,ドンドコドンドコ…みたいのでこう全員同じ踊りじゃない。で,俺がちょうど片膝ついて撮ってる周りの踊りが,全員がいろんな方向を観て片膝ついてスタンバイして,次々に立ってく踊りなの(笑) そうするとさ,「あれ?アイツだけお揃いを着てない…あれ?テレビで観た事あるヤツいる」みたいになってるから地獄だよ(笑) 想像して。全員が片膝ついてんだよ。それでドンドコドンドコ,ハッ!っていうとこで,4人が立つ。全部で20人ぐらいいるわけ。俺も立つって思われてるじゃん,どうやったって。でよく見るとスマホで自分で撮ってるの分かるんだけど。んで異様なのがさ,子供がいっぱいの中に一人だけ50過ぎた,薄汚ェでかいおじさんがさ,みんななんか金キラの新選組みたいな格好してんのにさ,俺だけ私服でやってから「あれは何?中から子供が出てくんのかな? 大きいから,子供が4人ぐらい出てくるんじゃねえか?」って感じのヤツで(笑) そんなんでね,ポケ蓋撮りましたよ。
今ちょっと調べてくれたけど,これかな?『のんほいよさこい・ええじゃないか祭り』のイベントやってるんだけど,蓋の難しいのは,みんなが集まる広場みたいな所にある事多くてさ。沖縄の時もなんかこう野菜フェアみたいのの屋台の足がポケ蓋に乗っちゃってんだよ。 だからちょっとポケモン・マンホールのメジャー度がまだ半端っちゃあ半端なんだけど,その感じも含めて,まあまあちょっと面白いかな。 
■ eゲーマーの就職先
またちょっと未来の話ね。万博の展示とかで俺が期待するのはこういうことなんだなと思ったんだけど,ちょっとしたハイテクもののニュースの中で,建築機械…ブルドーザーとかショベルカーとか,そういうヤツ。ああいうヤツを操縦する人が,かなりこの先ベテランが引退していくと。重機の操縦とかをできる人が減ってくみたいなことって,前から言われてて。俺が観たドキュメンタリーは,まあまあ歳いってる手練れのオペレーターとか,操縦する人,パイロットかわかんないけど,そういう人が自宅とは言わないけど,ステーションから遠隔で重機を操作するってヤツ。基本自動で動くブルトーザーが何十台もいると。で,このブルドーザーはじゃあAIに任せて全部やれるか?っていうと,まっすぐずっと行ったり来たりを中央でする分にはオートで全然いいんだけど,角っこの仕上げとか,ちょっとデコボコがきついと,この仕上げは人の手が入らないと出来ませんと。で,そうすると「ちょっと角のやばいとこ来ました」って,そのオヤジが遠隔で切り替えて,この難しいとこは手動リモートで運転する。その間も自動運転とそのベテランの手練れのオペレーターの操作を上手く切り替えながら,10台のセミオートの重機で綺麗にするみたいな。 でもこれでも,すでに5〜6年前のドキュメンタリーだった。んで今新しいのは,さらにそういうものを扱える人を増やして,で,そしたらそのある会社がもう建築会社が人材足りませんと。オペレーターがどんどん引退するから。今さeスポーツの専門学校あんじゃん。あそこと協力して…そのeスポーツの人たちはいわゆるコントローラーでいろんなものを操縦するってことに関しては,多分全くやったことのないよりイケる。まだ多分シミュレーションの段階だけど,遠隔でやってみようっていうスカウティングみたいことを始めましたって。で,かなり相性が良くて。やっぱり0から教えるより全然飲み込みが早いんだって。 だから今後eスポーツの世界だって厳しいから,すごい頑張ってチャレンジしたけど,eスポーツで食えるようにはならなかったって人が出てくる。でそうすると,遠隔で今の技術だと,完全変革までは相当難しくて行けない。けど,近くまで行ってやるみたいになるらしいんだけど。 
でも今後その,バイトで遠隔でみたいな。そうすると俺の前に座ってる河野は相当ゲーマーで。 しかもおっさんだから。憶えてる? PS2『建設重機喧嘩バトル ぶちギレ金剛!!』っていうゲーム。ゲームやらない人と若い人が,FFぐらいのトーンで「『建設重機喧嘩バトル ぶちギレ金剛!!』あったじゃん」って言われても困ることぐらいは分かったんだけど(笑) あれ,プレステ2かなんかが出た時,割とローンチタイトルに近い形でプレステ2のフルスペックを使った,こういうゲーム出ますよっていう時に,メインでみんなが買ってたのは確かに『リッジレーサー』とか,レースゲームの最新鋭のヤツがどうだっていう話になるんだけど,なぜか急に違和感のある建設重機を操る『建設重機喧嘩バトル ぶちギレ金剛!!』が出て。その『ぶちギレ金剛!!』はその3 Dの建築機械を色々上手にあやつってミッションをクリアするんだけど,途中のストーリーのカットで本宮ひろ志の漫画が出て。 もう男臭いっていうか,なんかぶち切れんだよね。 金剛がぶち切れながら,パワーショベルとかを操縦するゲームで。あれ,先見の明があったね。だって 『ぶちギレ金剛!!』的なヤツにその本当のリアルが繋がるか繋がらないかだけの話じゃん。
でこっから先は勝手に想像。 ここまでは俺はすごい世の中だなって思って。だって「自分はeスポーツの専門学校に行ってeスポーツのプロになる」って言ったって,周りの親からしたら「何夢みたいなこと言ってんの?」って話になるわけよ。 けど就職先としてそういうことがあるなら,なんかそれは大きいことで。んで,そっから先はこれってさ当たり前のように軍とかこういうことだよ。 軍とかこういうことで。で前もここでその妄想を喋ったけど,例えば軍が自分が本当に爆撃をしてるかどうかっていうのを理解してる必要があるのかどうかよくわかん。 本物そっくりである必要があるのか。自分が理解した上に本物そっくりなものだと,例えば人を殺すってことに関してさ。「下のところに学校があるけども,一応これは爆破して,ここは焼け野原にしてくれ」に対して,おそらくだけど,みんな躊躇する。で,これが軍においていいことか?って,軍には躊躇するはいいことじゃないから。そうすると自分は「中年のおじさんに乗って白濁液を撒いて,でいて汁男優を白濁させたらクリア」っていうゲームだって思い込んでたら,知らないリアルと連結されてるかどうか,俺が知らなければ,次から次へと…おじさん頑張って補給しようと思ったら,家戻っておじさん,普通に家に戻ってパン食ってるけど,それは爆撃機が補給してりゃいいだけだし,別にそのくマさんが蜂蜜を投げるっていう,蜂蜜投げてお友達をいっぱい増やすっていうファンタジーのゲームでも,プレイしてる人はクマさんだと思ってるけども,どっかでものすごい勢いで焼け野原ができるってなりかねない。なんなら分かんないけど,それはCG風になっってるだけで,リアルなCG風だってみんな思ってたみたいな。 そんなことだって考えたら,ちょい怖ェなと思ったりだけど。ただその手前のとこまでの話に戻すと,なんか俺はその万博とかで観たいんだよ。そういうのがどれぐらいできんのかっていう。 その重機でオートでこれぐらいのことはもうできるようになってんだみたいなさ。 ドローンとかでも,そんなん見たいけどね。 
■ 新幹線で『新幹線大爆破』観る
土曜日大阪の番組呼んでもらって,大阪久しぶりに行ったんだけど。で,大阪行く間の新幹線の中で,例のタモリ…サングラス型のメガネ型のX-Real使って。タモリってずっと呼んでるから,タモリっていうもんだって,みんな思ってるかもしれませんけど,まるでタモリのサングラスかのごとく見えるんだけど,実は中に200インチとかの大きなテレビ画面が映ってるっていうヤツ。今までのものから比べると疲れないし,そのXReal-1をかけて東京>>名古屋だと1時間40分とかちょっと短いけど,東京>>大阪だと2時間超えるんで,ちょうどいい。東海道新幹線の車内で『新幹線大爆破』観るって乙なもんでしょ(笑) 
すげェなと思うのはさ,Netflixってログインしてダウンロードすると観たいヤツ観れるけど,iPhoneの中にダウンロードできるし,あらかじめダウンロードしときゃ,車内の通信環境とは関係ないんで。で,そのiPhoneからもうそのタモリ繋いで観ると何の問題もない。100g弱のサングラスを持っただけで,映画を1本まるまる観れる。オリジナルの『新幹線大爆破』は当時俺映画館で観たのよ。何歳の時だったか,えっと映画自体は70年代中盤だからリアルタイムではないの。さすがに8歳で観る訳ない。8歳で観るような映画じゃない,シビアな内容だし。だから,高校生ぐらいの時に,初めて池袋の文芸坐っていう名画座で観た。当時はレンタルビデオもないから,要するに観逃した映画をもう一回観る時は,その名画座っていうところで,たまたまリバイバル上映したりとか,特集上映をした時に観る。話の大筋は,新幹線に何者かが爆弾を仕掛けました。正確な数字を忘れたけど,時速100km/h以下に落ちると爆発する。昔のバージョンが身代金500万ドルとか要求してくるんですよ。 で,「とにかくわかった」っていう感じになって。 そうすると新幹線が止める事が出来なくなる。 どうしよう?っていう話で,まァ面白くて,なんかすごい好きで。で,しかもすごい社会派で。 
で多分だけど,その後なら『スピード』あんじゃん。「スピード落ちたら爆発する」っていう設定は,相当影響されてんなみたいな,モロにそう言ってたかそう言われてたんだか忘れちゃったけど,まそういう感じで。でそれのリメイク版ができますよって,ものすごい特撮で樋口監督がこれを現代版にリメイクしますっていうことで。で,こっから先ネタバレを全くしないように頑張りますんで問題ないと思うんですけど,基本的な路線は一緒ですよ。 その「路線」って言葉の難しいとこで,新幹線の路線は違います。東海道新幹線と東北新幹線の違いはありますけど,要は爆弾が仕掛けられました。100km/h以下に落ちると爆発します。んで政府が対策に困ったりとか,車掌さんが頑張ったりとかってそういう映画なんだけど,結果的には相当面白かった。だって個人的にこんなに好きな『新幹線大爆破』が,めちゃくちゃ好きな俺が観て「面白かった」って言ってんだし。両方比べるとちょっと性質は違うっていう。なんか思った事なんだけど,俺樋口監督には『ガメラ』とかでもお世話になってるんで,平成版『ガメラ』でお世話になってるんで,樋口監督トークショーやったりとかなんとかしてる人でまァいい人ですよ。 あと本当にセンスあるクレバーな人だけど,元々特撮技術だけの特技監督とかを多くやってた人で。だから,どうしても特撮が先に行っちゃう傾向1。えっと映画を観る人から俺から言わしてもらうと,SFとかの難しいところって,本当じゃなくても,その時々の世の中の人たちをちゃんと騙せれば,本当じゃなくてもいい。難しいのは,どんどんSFマニアって人もできて。オリジナルの『新幹線大爆破』の頃はそこまでじゃない。だけど,SFマニアって人種も出来たりとか,そういうものに対する知識がすごいある人が出て来る。それと世の中の知識も少しづつ上がってく。だってさ,明治大正時代,ハレー彗星が来る時に「ハレー彗星の引力で地球の空気は全部持ってかれて,みんな死んじゃうから,自転車のチューブを買って,彗星通りすぎるまでの間,空気を吸ってよう」って,本気だぜ?それで言うと,その世の中の科学考証みたいな知識がどんどん上がった上に,さらにエキスパート的なその知識を持ってる人もいるから,なんかその樋口さんとかSFやった時に,ちょうどよく俺を騙して欲しい。 なんかさらにはその人それぞれの「映画だからいいじゃん」っていう基準も相当違うわけ。 そこまで言うと映画楽しめなくなっちゃうから,これぐらいで大体まあいいよねっていう感じのラインっていうのが相当取るの難しくて。
同じようなパターンで,俺『日本沈没』すごい好きでさ。やっぱ子供の頃すごい好きで,でいて2006年ぐらいかに樋口監督が撮った新しい『日本沈没』も観てつまらなくはなかった。樋口監督の方は,昭和のミニチュアじゃなくて,CGをめちゃくちゃ使った大災害のシーンとかがすげェなってなって。 で,そっからまたさらに進んでるんだけど,観たんだけど,最終的にこう解決策…これはネタバレする。 これから観るっていう人いたらごめん,っていうか,もう2006年の作品なんで。最終的に,それ自体も多分,俺は子供の頃だし「うわ…日本って沈没するかもしんねえじゃん」と思ったし,大人になってからもそういうことなのかと思ったんだけど,日本の下に通ってるプレート対流が原因で,日本がどんどん海底に引き込まれてくっていう話。これ以上言ったらネタバレだけど,プレート対流で海底に引き込まれちゃうってなった時に,ズルッて戻るのが大地震だと。でこれは子供の頃の『日本沈没』の田所博士が言ってたことで,多分これは本当だと思う。 これは本当で,日本が沈没する時はこのプレートがズルッという戻しがないまま沈んで,落ちて,それに引っ張られるようにして日本も沈んじゃうんですよっていう話で。これがどれぐらいあり得ることなのか分からない。 最終的に新しい方の『日本沈没』は,すごい特撮を使いながら,その日本が乗っているプレート岩盤に切り取り線みたいに爆弾で穴を開けて,同時に爆発することで,地底に引きずり込まれていく方だけを行かせるっていう。「やったぞ! 大成功だ!」っていうところで,俺さすがに俺もそれはないっていうか(笑)  いやいや,それそれはちょっとて。 なんかその樋口監督のその折り紙付きの特撮の凄さと,たまに行き過ぎる,「本当に?」って部分。わかんないけど,俺はこうずっとキツネに騙されてて温泉だと思ったところが「(…スンスン)ウンコの匂いしねェか?」っていう。いいんだよ? どれだけ肥溜めをいい湯加減にして,あたかも温泉にいるかのようにしてくれればさ。「やっぱ湯布院は違うな」って,騙せてればいい訳だからさ。だけどよっぽど長い時間入ってて湯冷めもしてくるじゃん。湯冷めもしてくるし,慣れても来る。 のぼせても来るじゃんか。のぼせたとこで「(…スンスン)あれ?硫黄じゃなくて…」っていう(笑) 「ウンコじゃないか!」っていうのになっちゃいがちなの。ていて,俺の温度は,新しい『新幹線大爆破』は,もう息をもつかせぬ感じなんです。しかも今回はJRが全面協力で。前回の時はその頃国鉄だから「さすがに新幹線がテロリストに襲われるっていう映画に国鉄が協力できるか」っていうんで,協力してない。 今回はJR全面協力でやってるから,そのクオリティー凄くて,もうドキドキで息をもつかせないんだけど,たまにちょっと俺の範疇を超えて,たまにクンクンしちゃう時があるわけ(笑) クンクンしちゃうんだけど,その上から被せて来る感じの。「あ,硫黄か,硫黄の香りか」っていうところに戻った感じで。
俺は今回最後までなんとかこう,そこに行けて楽しめたのと。なんだろうね…変わらないはずなんだけど,多分俺,心のどこかで映画館で観る,ネットフリックスで観るって事に対して,なんか俺,ネットフリックスで観てるっていうことに対して「豪華であればいいか」的な。まして,ネットフリックスでも,すごい豪華だったら全然許せちゃう感じ。 でいて,これは「JRがこれに協力する」っていう大英断をした関係者に聞いてて欲しいんだけど,協力して正解。なぜならこの楽しみ方。 今の楽しみ方で新幹線大爆破で,何が起こっても頑張ってくれたと。要するにアクシデントに対して頑張ってくれた。 次の日名古屋から豊橋に行く途中の新幹線はたった5分だけど,少し全体の遅れが出てたんだけど,もしかしたら,俺は草彅君が頑張った結果,これで済んだんだし,この草彅君が頑張って,とにかくあの連中はみんなですごい頑張ってどんな異常事態でも新幹線を運行しようとしてるっていうこと。これはいろんなこと言う人いるかもしれないけども,JRは一企業だからやればいいことなんだけど,協力して正解と思うのと,同時に遡っていろんなところで工夫してえっとその昭和の方の『新幹線大爆破』は国鉄の協力なしに撮ってる。今回が忖度してるとは決して思わないんだけど,前回の迫力は,国鉄に全く忖度してないが故の迫力で。だって協力してくれてるわけでもねェしっていうか,俺のすごいこう斜め目線の観方なのかもしれないけれども,外観はすごい使うし,なんか中のセットはどっかの私鉄が協力してくれたみたいな事で。なんかその国鉄って国のものだから,みんなのものだから「一切取り扱わないでくれ」って権利も多分ないんだと思うよね。 「ウチは協力しないんだから,外観も撮るなよ」みたいことは多分できないんだと思う。 そのバランスで作品的には非情な感じがした。 
その前版もいいんだけど,もう相当その樋口監督も庵野監督と一緒に仕事したりすることで,かなり庵野監督から盗んだものとかも多い感じ。すごく良かった。 途中,これはちょっと庵野節っていうかだなと思ったのは,今言ってた昭和の『新幹線大爆破』に関しては,今のバージョンでは,実際にあったこととされている。 でも全くそれを観てない河野も別に全然楽しめてる。 むしろ前のも観たくなったっていうぐらいだっていう感じなんだけど。ただ,問題はね,その新幹線グリーン車乗せていただいて,でいて,そのタモリをかけて,そしたら微妙に外光が気になって,上にタオルハンカチをかけたまま興奮しながらハァハァってずっと。声は出さないようにしてる。 周りもいるからね。 ちいかわのタオルハンカチを被ってハァハァやっている,そのオッサン自体が相当やばい(笑)こいつ爆発すんじゃねえか?ってみんなに思われるぐらいの(笑) その感じは申し訳なかったね。 

tgghhhh pc    




2025年5月25日日曜日

[創作] ”オプションパーツ”生命維持装置設定資料~2ちゃんスレッド「機械化サイボーグ娘!」ログ






[創作] ”オプションパーツ”生命維持装置設定資料~2ちゃんスレッド「機械化サイボーグ娘!」ログ
生命維持装置
”オプションパーツ”生命維持装置設定資料
■ 生命維持装置の概要
生命維持装置は、一次生命維持装置と二次生命維持装置の二重化システムにより高信頼化が計られている。
両装置は単なる同型装置の二重装備ではなく、一次が恒久的生命維持を受け持ち、二次が制限時間付きながら無呼吸での生命維持を可能にしている。
機器配置は、胸部の中心線上、上半分に二次装置、下半分に一次装置である。
二次装置に付属する原液タンクと廃液タンクは、右と左の乳房容積の大部分を占めており、サイボーグボディが女性型しか生産されない一因となっている。
胸腹機器配置図
上半身縦断面図
■ 一次生命維持装置
気道から取り入れた外気を呼吸し、臍からディスペンサーを挿入して交換する固形食料”タブレット”から栄養素を供給する方式の生命維持装置。
血液循環系と中間液循環系の二段階の循環系を持つ。
血液循環系は脳→大静脈→人工肺→下り切り替えバルブ→ロータリー血流ポンプ兼物質交換装置内室→造血ユニット→上り切り替えバルブ→大動脈→脳の経路で循環する。
中間液循環系は消化ユニットを接続しない基本構成においては中間液注入ポンプ→ロータリー血流ポンプ兼物質交換装置外室→造血ユニット外室→中間液排出ポンプ→タブレットホルダー→中間液注入ポンプで循環する。
消化ユニットを接続するときは中間液排出ポンプ→消化ユニット→中間液注入ポンプの経路が併設される。
中間液は消化液と呼吸液を兼ねており、タブレットに含まれる善玉菌の作用によって生体の腸吸収に準じた条件で栄養分を吸収、ロータリー血流ポンプ兼物質交換装置および造血ユニットの内外室間を仕切る膜で物質交換後はタブレットホルダーに戻る。
タブレットホルダーに戻った中間液は善玉菌の作用によって老廃物が固形化しタブレットに吸着される。このとき善玉菌の呼吸用酸素も共に運ばれる。
このため、タブレットを24時間ごとに交換することで食事と排泄を完全に代替できる。
消化ユニットを接続使用しているときは当然食事と排泄が必要となる(詳細は消化ユニットの項目参照)。
造血ユニットは、素体の骨から採取した骨髄組織を使用した自己組織ユニットで、血球の補充を担う。
改造手術の約40日前に行われる改造準備手術で切断される四肢の骨から4基と改造手術後に不要となる骨盤から1基の計5基が製作され、内1基が搭載される。
他の4基は予備となり、メンテナンスセンターの培養施設で再生・保存され、定期整備の際に入れ替える。
造血ユニットの入れ替え・再生は、宇宙生活中の放射線被曝による劣化の対策であり、最長でも4年以内で行うことが規定されている。
一次生命維持装置は脳脊髄の消費分以外に造血ユニットとタブレットの善玉菌のため、また消化ユニット接続時はさらに消化ユニット内の生体組織の分を加えた酸素呼吸が必要で、体内備蓄でまかなうことが難しいため人工肺による外気呼吸を採用している。
人工肺が十分な呼吸を出来る最低空気圧は0.2気圧で、宇宙艦内や衛星工場内の空気圧はこれに合わせられている。
人工肺に空気を取り入れる気道には真空中に出たとき内圧を保つためのロックバルブがあり、気道と人工肺の接続部には防毒ユニットが設けられている。
気道のロックバルブより少し上には声帯の神経信号を音声化するスピーカーがあり、大気中では通常の会話が可能である。
このスピーカーの駆動信号は同時に無線LANへブロードキャストされ数メートル以内にいるサイボーグ同士は真空中でも会話が可能である。また、近くに無線LAN基地局があるときはこの信号を体内CPUで1体1の音声通話プロトコルに乗せ遠方のサイボーグやVOIP端末と通話することもできる。
真空中に出るときは気道に設けられたロックバルブを閉じて減圧を防ぎ、造血ユニットとタブレットをペルチェ素子で冷却して活動を休眠させた上で二次生命維持装置に役目を引き継ぐ手順が必要である。
但し、腰部に推進剤を電気分解する酸素発生器を搭載したときは、ここから人工肺に酸素を送ることで真空中の運用が可能となる。
このとき、呼気の吐き出しはロックバルブを少しゆるめて行うが、呼吸とのタイミング合わせを誤ると危険なため二次生命維持装置の故障や活動時間超過といった緊急時以外は使用しない。
水中では、水質や水中酸素濃度の条件が良ければ人工肺がある程度機能するが、辛うじて生命維持が可能なだけで本格的な活動が出来る性能はない。
一次生命維持装置
■ 二次生命維持装置
栄養液と呼吸液を兼ねた原液を供給し、透析によって血液中に酸素と栄養を供給、炭酸ガスと老廃物を吸収した廃液を排出する簡単な構造の生命維持装置。
外気呼吸が不要なため宇宙遊泳中に使用するほか、改造手術中の脳脊髄ケース組み上げ直後に接続して外部生命維持装置の切り離しを行う、定期整備の一次生命維持装置交換作業時などつなぎの生命維持にも使用する。
循環系は血液のみで、脳→大静脈→下り切り替えバルブ→ロータリー血流ポンプ兼物質交換装置内室→上り切り替えバルブ→大動脈→脳の経路で循環する。
原液は遺伝子組み替えブタの血清に、高圧酸素を封入し強磁界で解放するガス輸送マイクロカプセルを混ぜたもので、ロータリー血流ポンプ兼物質交換装置内室の外室入り口にある界磁でマイクロカプセルを解放することにより小容積で呼吸に十分な酸素を供給する。
酸素と栄養分を血液に与え炭酸ガスと老廃物を吸収すると原液は廃液となって出口から排出される。
本装置は真空中で運用可能、構造が簡単なため信頼性が高く定期整備周期が長い利点があるが、栄養補給能力が点滴相当かつ老廃物除去も不完全で血球補充もできないため恒久的生命維持は出来ない。
また、原液がタブレットよりかさばるため予備の携行が難しく、体内タンク容積で運用時間が制限される欠点もある。
ロータリー血流ポンプ兼物質交換装置はロータリーポンプ型人工心臓の外壁を物質交換膜とすることで、人工心臓、液体呼吸式人工肺、人工腸、人工腎臓の4機能を一体化・小型化した装置で、一次生命維持装置と部品が共通化されている。
ローターの軸受けを磁気浮揚式として潤滑不要かつ血栓が出来にくい構造とした。
駆動コイルと制御回路、バックアップバッテリーは上下に独立な二組があり、片側が故障しても機能を失わない仕組みである。
二次生命維持装置
■ 原液タンク、廃液タンク
二次生命維持装置に付随するタンクで、48時間用の標準型と60時間用の大型がある。大型を使用するには胸部外装をこれに合わせる必要がありいびつな巨乳体型となる覚悟が要る。
廃液を投棄せずタンクに貯める理由は、真空中での急減圧事故の予防、持ち帰って肥料としてリサイクルし宇宙艦の搭載物資を節約、および地上生活中に使用したときの環境汚染防止である。
■ 消化ユニット
素体から摘出した腸と肝臓を使用した自己組織ユニットで、改造手術後の不要となった胴体から3基製造される。
口から取り入れた飲食物は粉砕装置で完全にペースト化した後、腸組織で吸収され肝臓組織で処理されて中間液の循環に乗せられる。
吸収されなかった残滓は腰部にセットで搭載されるアルコール製造ユニットにおいて醸造原料とし抽出したエタノールが足の燃料電池に送られる。
醸造ユニットの残滓は陰部の廃液タンクに貯めて排泄する。
 本ユニットは放射線に弱い組織を使用しているため長期の宇宙活動中に装備することはリスクが大きい、酸素消費が増える、足の電源がプルトニウム電池になると副産物のエタノールは使い道がない、ジャイロスタビライザーと搭載位置が重なるといった理由により地上生活専用となっており、宇宙で任務に就く際はメンテナンスセンターの培養施設で再生・保存される。
地上生活時にジャイロスタビライザーを残したいなどの理由により本ユニットを搭載しないときは、腰部にアルコール分離ユニットを搭載し食道を直結する。
この場合、飲食は酒に限定され、燃料は確保されるが生命維持はタブレットに頼ることになる。
                
”オプションパーツ”・”ケンタウリ”設定資料集
http://pinksaturn.fc2web.com/gijutu-seimeiiji.htm
http://pinksaturn.fc2web.com/
                
                
                
                
                
                
                
                

■”オプションパーツ”について
”オプションパーツ”は、自称pinksaturnが2チャンネルの機械化サイボーグ娘!x人目【義体化】(xは8~14)スレッドに投稿したサイボーグもののSSです。
本編の連載は完了しましたが、後続スレでも関連一発ネタや外伝の掲載を検討中です。
女性型サイボーグだけで編成された某帝国主義国家の宙軍に所属するサイボーグ娘たちの活躍を、監視カメラ視点からのぞき見したような内容となっています。
”オプションパーツ”は、軍事サイボーグものですから必然的にSFです。
筆者は理系なのでSF作品中でもワープ航法とか高機能ナノマシンのような大胆な嘘を取り入れるのは苦手です。
どちらかというと、近未来における実現性に拘った話しか書けません。
このため、”オプションパーツ”は一部のマニア以外には本編の文章だけで理解しづらい作品となっています。
かといって、全てを平易な表現にすれば説明ばかり長くノリの悪い”スレ違い”な投稿になってしまいます。
この欠点を補うには図表類を入れるのが効果的ですが、2チャンネルはテキスト専用なので作品中に図表類を入れることが出来ません。
そこで図表や解説資料を置く補完メディアとしてこのサイトを設置しました。
(一部のページは単なる一発ネタ的落書きですがw)
■閲覧制限について
”オプションパーツ”のストーリーは、積極的な人体改造という道徳的に賛否が分かれるテーマを扱うことになります。
このため、既存国家とは全く異なる法制度や道徳観念を有することに依存してサイボーグ技術を実用化した新国家を登場させることでストーリーを成立させています。 そんな国家が太陽系内に出現したら、当然既存の大国との間に摩擦も生じます。 特に宗教勢力の発言力が強く、生殖医療などに厳しい規制を敷く大国は戦争も辞さない態度で干渉を試み、ついには戦争を引き起こします。 それ故に本作品の主な登場人物たちは過激な反宗教主義的発言をしばしば行うし、行動様式も相応のものになります。
というわけで、本編SSおよび当サイトの一部のページはどなたにでも閲覧をお勧めできるわけではありません。
例えば、下のSSサンプルを見ただけで道徳的違和感を覚える方は、迷路の先に進まないことをお勧めします。
(このページから2クリック以内で行けるページは、その懸念が少ないものに限定しています。)
---SSサンプル(第1章の危険表現修正版)---
インターネットサイトにおける警告として、”18歳未満の方はお帰り下さい”という表現が一般に使われます。
いわゆるポルノサイトならそれで済むのかもしれませんが、仮想世界を舞台とする特殊な表現への耐力は年齢だけで決まるものではありません。
思考力に柔軟性があり、誤って仮想世界のルールを現実世界に持ち込むおそれがない方かどうかが重要と考えております。
そこで、来訪者様にお手数をかけることになりますが、防壁迷路の質問をクリアしてメインページに辿り着いていただくという方法を採っております。
第一の質問です。
 空間(何次元でも構いません)上の2点を通る直線は何本存在するでしょうか?。
以下の4択でお答え下さい。
選択肢1. ゼロ。1本も引けないはずだ。
選択肢2. 1本だけ引けるはずだ。
選択肢3. 何本でも引けるはずだ。
選択肢4. そんなのは人為的な決め事だから正解なんか無い。
■冥王星コーナーについて
こちらは冥王星降格に哀悼の意を表するため、ニューホライズンズの探査終了まで継続を予定しています。閲覧制限はありえません。
冥王星-カロン間をすり抜けるニューホライズンズ 冥王星降格お悔やみバナー
■冥王星に接近する帝国資源収集艦(本編23章)
みくら、冥王星へ
to be dwarf
冥王星様。降格お悔やみ申し上げます。
矮だからって、いじけて縮まなくたって。
ニューホライズンズは見捨てません。
祝・スイングバイ成功 2007.2.28
陶工娘5人衆
セラミックギャルズについて
焦熱地獄でなくなっても金星地上は硫酸地獄です。排熱が難しいので製鉄は出来ません。石油が出ないから有機素材は植物系しか手に入りません。この土地で暮らすと言うことがどんなことか想像してみようと思います。
・スチーム・ギャル出現。
ケンタウリ・メインへ
■”ケンタウリ”について
”ケンタウリ”は、”オプションパーツ”から約100年後の世界で星間航行を目指すことになったサイボーグ娘たちのとんでもなく長い苦労を描くSFとなる予定です。 時代背景の都合で堅めの内容になったため2chへの投下は第5話までで終了し、連載方法を変更しました。詳細はこちら。閲覧制限はありません。
大本営発表・帝國南方面軍恒星間航行艦隊より報告。中間コンテナ切り離し時に行方不明者発生。
楽浪民主主義人民共和国が脅迫声明を発す。
■”スケートコーナーについて”
こちらは、元々”オプションパーツ”に挿入する一発ネタ落書きとして始めたのですが、だいぶ分量も多くなってきましたし現実界のフィギュアスケート人気にもあやかりたいので本編終了後も独立して随時新作アップ予定です。
閲覧制限はいたしません。旧トップ絵は最下段にあるリンクバナー集から飛べるキャラクター別まとめに整理してあります。
フィギュアスケート・ヘッドライン
マオ、20092010シーズンの最後を飾る
シーズン最後の大舞台・矮惑星選手権はマオが金ゲット
マオ:「泣いても笑っても今シーズンはここまでだからね。」
ヨナー:「まあ今回はオリンピックの金騒ぎ疲れニダ。実力ではないニダ。」
ミキ:「むむ、前半の調子なら負ける気はしなかったのだが、4着癖が付いてしまったがや。衣装に凝りすぎたかな。」
みらい:「SPで飛び出たまでは良かったのに、最後で突き抜けられなかったなぁ。」
■黒き翼を広げるミキ みらい
アフィリエイトギャラリー
”オプションパーツ”のネタと関連がある商品リンクを
収集していますが、ネタ収集は常に難航しています。
サイボーグ技術関連 cyborg technologies
■改造手術
全身表皮保護剤
大塚製薬の通販【オオツカ・プラスワン】
サンプル当選記
宇宙関連 space objects and technologies 社会システム関連 social systems
■【不労所得シリーズ】
リンクを張るだけで収入が得られます!
詳しい解説記事はこちら
ハルヒ サイボ-グ娘御用達 cyborg girl's items
超長期企画・六女幾ネ申
☆ 旧トップ絵リンク集 ☆ 絵をクリックするとキャラクター別にページに飛ぶよう整理しました
ミキ マオ まりな 次は誰だ?
ミキのページ
[初代]祝スケートアメリカ優勝
記念落書き”ミキ・オン・カロン”
バックは冥王星
”マオ!国営放送杯は私が出ていないから優勝しただけだがや。
トップ絵まで押しのけていい気になりなさんな。”
マオのページ
[最初は負け]うーん、3位か。
今度は負けないわよ。
旧・逆襲祈願落書き”マオ・オン・カロン”
(pinksaturn: 勝てなかったこのときの表情がなぜか気に入ってたりします。) 新キャラまりなのページ
[最初は割り込み]”新キャラ・まりな見参”
まりな:「どもー、まりなですぅ。
フィギュアスケートの他に夏は水着モデルもやってますぅ。」
マオ:「おいおい、ここはミキの矮惑星選手権優勝記念絵の場所だよ。
2位に甘んじた私が居られないのはしかたないわ。
でも何で突然あんたが出てくるわけ?。」
まりな:「だって夏場は試合無いから交代のチャンスも無いでしょ。
折角水着絵出来たしぃ。
あ、ちなみにこれビキニです。
恒星間飛行用ボディって金属外皮で臍が無いんでレオタードに見えちゃうかも。」
ミキ:「しょうがないわね。新キャラだし、確率1/2で譲ってあげるがや。」
マオ:「むむ。権利持ってるミキがそう言うのなら我慢してやるか。」
                
”オプションパーツ”・”ケンタウリ”設定資料集
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ニューホライズンズの航跡
スケジュール
2006年1月19日19時 打ち上げ。1段目=アトラスV551、2段目=セント-ル、3段目=スタ-48B
2006年1月20日4時  月軌道通過
2006年4月7日10時  火星軌道通過
2007年2月28日6時  木星スイングバイ 祝・成功
2008年5月28日     土星軌道通過
2010年          ケンタウルス族小惑星クラントルを遠方から観測
2015年7月14日12時  冥王星最接近(1万㌔、カロン公転軌道の内側)
その後   エッジワースカイパーベルト天体を求めて探査継続
ボイジャー2号のグランドツアーに比べると経由地の少ないシンプル探査計画ですね。
そして予算と重量を切りつめてひたすら高速化に特化した探査機だそうです。
木星スイングバイの航跡(このスケールだと速!)
ニューホライズンズの2011年1月の航跡
NASA(本物の National Aeronautics and Space Administration ”オプションパーツ”に登場する「北米宇宙局 North American Space Agency 」ではありません)の配信する位置情報を一定周期で取得しgifアニメ化しました。
よって、各コマの著作権は(実在の方の)NASA及び関係各機関にあり、非営利での利用に限り個別の許諾無く使用可能です(詳細)。
ここからお持ち帰りの場合も上記条件を遵守して下さい。
元データのサイト(当然ながら英語)を見たい方は、入り口ページの縮む冥王星に慰めのクリックをしてやって下さい。
しっかし、史上最速の人工物体も冥王星までの道のりに比べたら、なんたる遅さorz。太陽に引っ張られて日々減速してしまっているし。
真横よりやや上の太陽系外から見たら、36ヶ月分の動きをつなげてコマを1コマ/月まで間引いても僅かしか動いて見えないくらいです→。
ファイルサイズ制限のため頭の方のコマを抜いています。
この3年も、ニューホライズンズの飛行予定では、まだ序の口です。
2008年5月28日に土星軌道を越え、遅いながらもがんばっていますね↓。天王星軌道まであと少しです。 side view 0802-1101 1 frame for 1 month
旧版0610-0909
1101 過去の航跡まとめはここをクリック
過去航跡集
本物のNASA・Where Is New Horizons? ネタ不足に悩むNH
第9惑星復活? ニューホライズンズがトリトン捕捉
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矮惑星フィギュア選手権
公開練習にて
ミキ:「カロンに降りるの久しぶりだね。」
マオ:「えへへ、なにせ今回は帝國公認”矮惑星選手権”と銘打っての一大イベントだしやる気湧くわね。」
ミキ:「でも、実はアイスワールド主宰の商売イベントだったりするわけで。」
マオ:「細かいことは気にしないの。フィギュアスケートって金かかるんだから。」
ミキ:「でもカロンまでの足は任務に引っかけてタダで来たじゃん。」
マオ:「ちゃんと宙軍の仕事もしてるからなーんも問題ない罠。」
ミキ:「さて練習練習。久しぶりにスピン競争でもしない?。」
マオ:「望むところよ。ところであんたさあ、そんな肩の冷える格好で大丈夫なの?
ここはカロンなんだからね。事故ったら、また腕がもげるよ。」
ミキ:「耐極低温外装も改良を重ねてきたから少々のことでもげたりしないがね。あっ...」
マオ:「そら、言わんこっちゃない。」
ミキ:「腕もげてないじゃん。」
ショートプログラム
マオ:「ちっ、ミスったわ。まあいいか。まだ射程圏ね。」
ミキ:「ここまで肩は無事だったわ。これは行けそうだがや。」
マオ:「必ずフリーでひっくり返してやるわ。」
ミキ:「そうはさせるか。こっちはフリーも完璧で行けそうなんだから。」
そしてフリー
マオ:「やったわ。これは完璧。逆転優勝ね。嬉しくって涙が出そう..ってここで出るのは真空潤滑剤だけか。
はは、とにかく気持ち良いーっ」
mao 3kaiten-han jump
マオ:「ありゃりゃ、ちょ、ちょっとぉ、えっえっ、うそー!ミキも完璧?。
バニースーツみたいな背中の冷える衣装だから故障してくれると思ったのになぁ。帝國の技術も進歩したわ。」
ミキ:「最近あんたが幅きかせ杉だったから、ここらでぎゃふんと言わせておかないとね。」
マオ:「むむ。SPがなぁ...。感動の大逆転って筋書きだったのにぃ。ちょっと計算狂ったわ。」
One two finish 1 @ dwarf-planet-figureskate-championship
ミキ:「おお、私の優勝を祝して冥王星の陰から太陽が覗いてるがな。
さすがにここからじゃ私らの眼でも見えないけどクワオワーやセレスもお祝いに駆けつけてるに違いないわ。
私のお陰で矮惑星直列が見れて良かったねぇ。」
マオ:「あのねえ、大会タイトルなんて単なる萌えで付けられてるだけでしょうが。そこまで威張るな。」
ミキ:「はは。まあワンツーフィニッシュで良かったがね。正直あんたがフリーであんな得点出したから焦ったがや。」
おわり
旧作:2006年のマオ vs ミキ対決名場面集
                
”オプションパーツ”・”ケンタウリ”設定資料集
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サイトの歴史=遅ればせながら作成した不完全更新履歴
2011.01.02  ニューホライズンズの航跡定期更新
2010.12.27  ようやくフィギュアスケート20102011シーズンページ設置
2010.12.09  大幅遅れでニューホライズンズの航跡定期更新
2010.11.10  大幅遅れでニューホライズンズの航跡定期更新
2010.10.03  ニューホライズンズの航跡定期更新
2010.09.19  奴隷船伝説・宙賊ブラディローズ「第九部・海女の惑星」をオプログに掲載
2010.09.04  ニューホライズンズの航跡定期更新
2010.08.22  奴隷船伝説・宙賊ブラディローズ「第八部・異勢力との遭遇」をオプログに掲載
2010.08.06  奴隷船伝説・宙賊ブラディローズ「第七部・潮汐カタパルト」をオプログに掲載
2010.08.02  ニューホライズンズの航跡定期更新
2010.07.25  奴隷船伝説・宙賊ブラディローズ「第六部・宙賊アカデミー」をオプログに掲載
2010.07.02  ニューホライズンズの航跡定期更新、矮惑星探査機2号ドーン更新
2010.06.06  奴隷船伝説・宙賊ブラディローズ「第五部・文明調整」をオプログに掲載
2010.06.05  ニューホライズンズの航跡定期更新
2010.05.30  奴隷船伝説・宙賊ブラディローズ「第四部・レベル5との激戦」をオプログに掲載
2010.05.18  奴隷船伝説・宙賊ブラディローズ「第三部・セーラーブラディローズ航宙記機関助手編」をオプログに掲載
2010.05.07  奴隷船伝説・宙賊ブラディローズ「第二部・セーラーブラディローズ航宙記倉庫番編」をオプログに掲載
2010.05.01  ニューホライズンズの航跡定期更新
2010.04.30  奴隷船伝説・宙賊ブラディローズ「第一部・宙賊雑魚戦闘員への道」をオプログに掲載
2010.04.01  ニューホライズンズの航跡定期更新
2010.03.29  シーズン最終を飾るマオの矮惑星選手権制覇をフィギュアスケート0910に追加 (トップ絵反映は5/1)
2010.03.07  銀だったけど、リベンジ祈念ということで、トップ絵を「マオ・ショッカー」に更新
2010.03.04  ニューホライズンズの航跡定期更新
2010.02.27  落書き「採点項目にエロさがあれば私が優勝だった」をフィギュアスケート0910に追加
2010.02.24  落書き「みらいの新技、鼻からビーム砲」をフィギュアスケート0910に追加
2010.02.20  単発ネタ「2010冬季オリンピック記念・ロケットスレー」をオプログに追加
2010.02.13  単発ネタ「平和祈念8・防人」をオプログに追加
2010.02.03  ニューホライズンズの航跡定期更新
2010.01.31  マオ、四惑星選手権2010制覇によりトップ絵更新
2010.01.02  単発ネタ「平和祈念7・プラスチネーション」をオプログに追加
2010.01.01  ニューホライズンズの航跡定期更新
2009.12.31  だいぶ遅れてトップ絵、フィギュアスケート0910に全日本マオ優勝を反映
2009.12.01  ニューホライズンズの航跡定期更新
2009.11.14  オプログに「平和祈念シリ-ズ6・楽浪の素体ハンター」掲載
2009.11.08  ミキ、GP連続優勝によりトップ絵更新
2009.11.03  ニューホライズンズの航跡定期更新
2009.11.01  フィギュアスケート0910ページに、落書き「上位を窺うみらい」追加
2009.10.26  超長期計画・六女幾ネ申、ひっそりと開始
2009.10.25  ミキ、ス連杯優勝でトップ絵交代、関連ページ更新
2009.10.17  トップ絵をマオ、初戦ヨナー粉砕祈念にするも実らず
2009.10.16  オプログに「平和祈念シリ-ズ5・ボランティア」掲載
2009.10.10  optionparts-mainに「OP4人組の学校XXxX」公開
2009.10.08  フィギュアスケート2009-2010のページ設置、トップのリンク張り替え
2009.10.02  ニューホライズンズの航跡定期更新
2009.09.27  オプログに「平和祈念シリーズ4・鋼鉄のブルカ」掲載
2009.09.25  オプログに「平和祈念シリーズ3・ネ申の女学校」掲載
2009.09.22  optionparts-mainに単発ネタ「メディカル・トレーナー」公開
2009.09.03  optionparts-mainに単発ネタ「Y救出作戦」公開
2009.09.01  ニューホライズンズの航跡定期更新
2009.08.28  オプログに平和祈念短編2「防衛省女子防疫給水学校」半完成暫定公開
2009.08.16  オプログに平和祈念短編「楽浪の最終兵器」追加
2009.08.08  単発ネタ「日蝕」追加
2009.08.01  ニューホライズンズの航跡定期更新
2009.07.20  保管庫に暑中見舞い設置。「オプログ」で5月から工事中だった"ケンタウリ(9)”をようやく掲載完了。
2009.07.01  ニューホライズンズの航跡定期更新
2009.06.29  Googlepagesシステム変更のあおりで「サイボーグ娘専用パーツ検索」を本サイト内フォルダに移転する工事を開始。
2009.06.02  ニューホライズンズの航跡定期更新
2009.05.02  ニューホライズンズの航跡定期更新
2009.04.25  ”オプションパーツ”背景技術リンクに1件追加&付属資料「Real Amputees in youtube」設置。
2009.04.18  国別対抗トータルは負けでも女子シングルは圧倒だったのでトップ絵更新。「マオ・ミキ共同戦線で北米連殲滅」
2009.04.12  単発ネタ「シュー・フィッター」追加
2009.04.04  単発ネタ「続・暴走おむつ飛行士-おむつリサ月面へ-」追加
2009.04.01  ニューホライズンズの航跡定期更新
2009.03.30  世界選手権3位・ミキの善戦ケツティジャンプ絵追加もニダー台頭によりトップ絵交代は無し
2009.03.15  旧性不適合素体使用ガイドライン、素体養成所第一年次身体訓練実施要領を一部改訂
2009.03.04  OPTIONPARTS-MAIN配下に単発ネタ「満漢人民共和国木星資源収集艦の雛壇式操縦室」追加
2009.03.01  ニューホライズンズの航跡定期更新
2009.02.11  セラミックギャルズ配下に「スチーム・ギャル」追加。
2009.02.07  フィギュアスケート2008-2009に落書き「四惑星選手権2009は苦戦・マオ」追加。
2009.02.03  フィギュアスケート2008-2009に落書き「演技前の準備風景・マオ」追加。
2009.02.02  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2009.01.24  単発ネタ「ファースト・セクレタリ」をOPTIONPARTS-MAIN配下に追加。
2009.01.04  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2009.01.03  サルベージ漏れ分の応急ファイルを加えて付属検索サイトのリンク切れをかなり修正。
2008.12.31  ケンタウリの落書き入り臨時増刊「皇紀201年の年越し」を「オプログ」に掲載。
2008.12.28  08大東亜決戦マオ優勝によりトップ絵更新。フィギュア20082009、マオのまとめ、ミキのまとめも更新。
2008.12.27  ミキの臨戦態勢があまり見事な開脚ぶりだったのでフィギュア20082009に決戦・08大東亜選手権ーミキの臨戦態勢を先行追加。
2008.12.20  付属検索サイトの静的リンク版移行に伴い、索引ページ更新も一部サルベージ不足によるリンク切れが発覚。
2008.12.13  マオ、GPファイナル優勝でトップ絵更新。フィギュア20082009、マオのまとめも更新。
2008.12.01  ニューホライズンズの航跡定期更新
2008.11.30  マオ、GP今季初勝利でトップ絵交代。フィギュアスケート20082009ページはSP首位との2枚組、ついでに遅ればせながらミキ@満漢杯の落書き「舐めたい背中」も追加。
2008.11.03  ニューホライズンズの航跡定期更新
2008.10.27  トップ絵を「3位でもケツティ健在」に更新。フィギュアスケート20082009のページ新設。
2008.10.22  ケンタウリメイン配下に落書き「不知火主計長の休息」追加。
2008.10.13  OPTIONPARTS-MAIN配下に単発ネタ「水中素体牧場」追加。
2008.10.07  OPTIONPARTS-MAIN配下に単発ネタ「誘発妄想-そして10年後」追加。
2008.10.05  「オプログ」にケンタウリ8話を掲載。
2008.10.01  ニューホライズンズの航跡定期更新
2008.09.27  ニューホライズンズ関連の一般資料「増える矮惑星」追加
2008.09.23  オプションパーツメイン配下に落書き付き単発ネタ「コスモクリーナー娘」追加
2008.09.15  妄想度増強サイトにサイボーグ娘スレSS保管庫を引き取り移設
2008.09.02  ニューホライズンズの航跡定期更新
2008.08.23  「オプログ」にオリンピック記念別冊付録「軌道ドッジボール」掲載
2008.08.15  「オプログ」にオリンピック記念別冊付録「射撃マッチプレイ」掲載
2008.08.09  ケンタウリメイン配下に落書きページ「スレイブ共和国連邦の素体」追加。
2008.08.07  外部リンクのページを一般向け(ポータル配下)・閲覧要注意(OPTIONPARTS-MAIN配下)別に設置。
2008.08.02  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2008.07.30  ミキの真夏の夜の夢おっぴろげ大転倒事件によりトップ絵・figure2007-8・マオのまとめ更新
2008.07.21  「オプログ」にケンタウリ第7話掲載。ケンタウリメイン配下に「方面軍管轄空域図」追加。
2008.07.03  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2008.06.10  「オプログ」に「オプションパーツの技術概要3・首外しの困難性に関して」掲載。
2008.06.08  ケンタウリメイン配下に落書き・「はるか首外し」「はるかヅラ外し」追加。
2008.06.01  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2008.05.24  「オプログ」にケンタウリ第6話掲載。ケンタウリメイン配下に落書き「練習艦」シリーズ3点と「満漢達磨娘の処罰」追加。
2008.05.22  OPTIONPARTS-MAIN配下に単発ネタ・Guillotine追加。
2008.05.14  ケンタウリ連載方法の変更に伴い「オプログ」再編。ケンタウリメイン配下に「第6話以降の連載方法見直しについて」追加。
2008.05.01  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2008.04.20  OPTIONPARTS-MAIN配下に単発ネタ・ダッチオペレーター追加。
2008.04.19  OPTIONPARTS-MAIN配下に単発ネタ・旧性不適合素体使用ガイドライン追加。
2008.04.05  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2008.03.21  マオ世界選手権制覇によりトップ絵、マオのまとめ、スケート20072008更新。
2008.03.01  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2008.02.16  マオ四大陸制覇によりトップ絵、マオのまとめ、スケート20072008更新。
2008.02.10  逆アクセスランキングに内部ページからの閲覧開始を反映するよう改善。
2008.02.03  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2008.01.27  フィギュアスケート2007-2008に落書き・北米チャンプみらいを追加。みらいのまとめページ新設。
2008.01.13  フィギュアスケート2007-2008に落書き・網タイツミキ&右肩要修理を追加。
2008.01.11  OPTIONPARTS-MAIN配下に昔のスレ内一発ネタ「宮城県立宇宙防衛軍」を収録。
2008.01.01  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2007.12.30  スケート20072008にミキのセクシー猛追絵追加。
2007.12.29  マオ全大東亜選手権優勝によりトップ絵更新。マオのまとめ、スケート20072008も追加。
2007.12.15  スケート20072008にマオのスピン絵追加。GPF驚異の逆転はならずトップ絵交代無し。
2007.12.02  OPTIONPARTS-MAIN配下に単発ネタページ1件追加。
2007.12.02  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2007.12.01  スケート20072008にミキのジャンプ絵追加。フリー不振のためトップ絵交代は無し。
2007.11.17  マオ・スケートフランスで連続優勝のためトップ絵描き換え。スケート20072008、マオのまとめ更新。
2007.11.06  一部のカウンタ画像を変更。(矮)惑星カウンタのページ設置
2007.11.04  マオ、スケートカナダ優勝のためトップ絵交代。2007-2008およびミキのまとめ編集。
2007.11.02  防壁迷路の機能強化(閲覧資格者様にはサービス低下となりますが、偶然に来訪した方の精神衛生のためです。あしからず)
2007.11.01  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2007.10.29  フィギュアスケート2007-2008年の落書きページに落書き一枚追加(ミキ、スケートアメリカ首位ならず)
2007.10.07  フィギュアスケートシーズン開幕のため2007-2008年の落書きページ新設。翌日落書き一枚追加(みらい)
2007.10.04  OPTIONPARTS-MAIN配下に妄想ページ・新兵練成所新設
2007.10.01  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2007.09.29  矮惑星探査機2号・ドーンのページ新設。
2007.09.01  ニューホライズンズの航跡定期更新。
2007.08.12  ケンタウリ(5)投下に伴いケンタウリ・メイン配下で3ページ公開。
2007.08.01  ニューホライズンズの航跡月次更新。画像数過大で重くなったため過去航跡専用ページ増設。
2007.07.29  ケンタウリ(4)投下に伴いケンタウリ・メイン配下で2ページ公開。
2007.07.07  ケンタウリ(3)投下に伴いケンタウリ・メイン配下で2ページ公開。
2007.06.16  ケンタウリ(2)投下に伴いケンタウリ・メイン配下で4ページ公開。
2007.06.16  次回仮題変更のためオプションパーツ・メイン配下のタイトル(予定)リスト修正。
2007.06.07  スケートネタ(なのかな?)に単発ページ追加。
2007.05.27  ”オプションパーツ”系列臨時増刊に伴うページ追加。
2007.05.17  新編”ケンタウリ”投稿開始に伴う入り口ページリニューアルとページ追加。
2007.05.17  新構想セラミックギャルズのページ公開。
2007.05.07  素体適性シミュレータを改造手術施設編まで公開。
2007.05.07  ニューホライズンズの航跡月次更新。
2007.05.02  本編完結記念金星落書き3部作、帝國臣民法廷(投票)新設。
2007.04.23  久しぶりに登場人物一覧表を更新。肥大化対策で分割。
2007.04.20  工大乱射事件のページ新設。
2007.04.03  ニューホライズンズの航跡月次更新。
2007.04.01  理美のページを新設(公式アナウンスは04.14)。
2007.03.31  リンダのページのようつべリンク貼付方法を改善。
2007.03.24  フィギュアスケート世界選手権ワンツーフィニッシュ記念落書きページ新設。
2007.03.05  検索システム増強月間
2007.03.03  造船重機2に試作核パルス推進艦追加。
2007.03.01  ニューホライズンズの航跡月次更新。木星スイングバイ成功記念増強。
2007.02.02  ニューホライズンズの航跡月次更新。
2007.01.31  冬休み中に描いたトップ絵の画質が悪かったので修正。
2007.01.09  ニューホライズンズの航跡月次更新。
2006.12.31  ストーリー進行に伴う登場人物表・年表・タイトルリスト更新。
2006.12.28  マオ圧勝によりトップ絵更新。
2006.12.17  マオGPF転倒・敗北のため 、渋々トップ絵更新。
2006.12.03  マオ国営放送杯優勝によりトップ絵更新。
2006.12.02  ****バー新装開店落書き追加
2006.12.01  ニューホライズンズの航跡月次更新
2006.11.08  ミキ・スケートアメリカ優勝記念トップ絵+祝賀ページ設置
2006.11.03  満漢人民共和国が主役のページ初登場。
2006.10.23  冥王星探査応援バナー+追跡ページ設置。
2006.10.19  FC2マイサーチによる半自前検索サイト設置。
2006.10.18  殆ど見えない細部にこだわったせいでかえって汚い宇宙艦出航風景アニメ公開。
2006.10.13  検索エンジンサイトの助けによりアクセス急増。
2006.10.03  検索エンジンサイトへの登録を開始。
2006.09.25  初めて陸戦装備の資料公開。
2006.09.17  非帝国人(リンダ)が主役のページ初登場
2006.08.30  将来構想”ケンタウリ計画”構想ノートページ設置
2006.08.28  入り口ページに冥王星降格お悔やみバナー設置。
2006.08.18  入り口ページの寂しさを他力本願で改善しようとアフィリエイトギャラリー設置。
2006.07.29  トップページもないままに漫然とコンテンツを増殖させて見辛くなりすぎたためトップページ仮設。同時に2ch以外からの来訪者のため安全な入り口ページを設置。SS保管庫と相互リンク。
2006.06.24  SS上の帝國百年祭記念のため、初のアナログ落書きページを公開。以後しばらく落書き作りにハマる。
2006.04.28  宇宙艦、重機、工場衛星の設定資料も密かに公開。
2006.04.24  部品表への苦情処理を目的として掲示板設置。
2006.04.15  本編(6)章投稿時に初めて2chからリンクを貼る。
2006.04.04  本編で一発ネタに使うため密かに「皇紀95年板サイボーグパーツ一覧表」を閑散放置状態だったサイトにアップ。
2006.03.23  2chに最初のSS投稿
                
”オプションパーツ”・”ケンタウリ”設定資料集
http://pinksaturn.fc2web.com/gijutu-seimeiiji.htm
http://pinksaturn.fc2web.com/newholizons-kouseki.htm
http://pinksaturn.fc2web.com/
                
                
                
                
                
                
                
                
オプログ
ここはSF・オプションパーツ2「ケンタウリ」総集編(一般向け)サイトです。  
2008.05.11連載再開に向けてテンプレ修正、エントリをシーン単位に変更。 2009.07.20 連載第9回まで掲載。
連載休止の事情について
2011-03-27 Sun 14:03
長らく連載の新作が止まっていることについては、
恒星征服支援者の皆様に対し、大変心苦しく、お詫び申し上げます。
かけなくなった発端は、昨秋にかかった病気のため創作に必要な集中力を欠いたことですが、
最近は、その病気で休養中に暇なので手を出したネトゲにハマって、他の趣味に手が着かなくなった方が主因となりました。
そのハマったネトゲというのが、「ブラウザ銀河大戦」という星系制圧戦ゲームなわけで、趣味傾向は相変わらずです。
このゲームでは、手駒になる司令官の強化が鍵なのですが、強化手段として経験値稼ぎの他に、司令官の合成という、一人の司令官を素材として犠牲にして、ベース司令官を強化する、という処置が必要になっています。これがなんだか改造手術のようで、気に入っています。
惜しいのは、合成できるのが同種族間に限られることです。折角娘型の司令官も出てくるのだから、ヒューマンとアンドロイドを合成してサイボーグ娘が作れたらいいのに。
そんなわけで、こちらの5鯖「サジタリウス」を主戦場に、連合名・宙賊ギルド、プレーヤー名・宙賊ブラディ・ローズとして激戦中です。
url= http://b-ginga.entercrews.com/
参戦して宙賊ギルドに加盟し加勢してくれる方はもちろん、仇敵として出現し、挑戦されるのも大歓迎です。
いまなら、ギルド幹部ポストが座り放題となっています。でわまた。
2011年3月 pinksaturn
                
オプログ
                
                
                
                
                
                
                


 

2025年5月18日日曜日

[レビュー][歴史]『怪盗ジゴマと活動写真の時代』〜岡田斗司夫ゼミ




[レビュー][歴史]『怪盗ジゴマと活動写真の時代』〜岡田斗司夫ゼミ
永嶺重敏『怪盗ジゴマと活動写真の時代』〜岡田斗司夫ゼミ
2025.4.1
岡田斗司夫ゼミ/ 怪盗ジゴマと頗る非常な活弁士の時代
今日は大正時代の映画活動写真について話しします。テキストは先週も紹介しましたけども永嶺重敏著『怪盗ジゴマと活動写真の時代』ですね。この他の参考書類も色々ちょっとここに並べてあるんですけども,この辺はプレミアムの方で紹介します。
大正時代とは何かというとですね,1912年が大正元年なんですよね。で『鬼滅の刃』が大体ストーリー始まったのも大正元年あたりだし,あとタイタニックが沈没したのも大正元年(1912年)ですね。あと明治天皇が崩御し明治という大きい時代が終わったという色んなものが詰まってる時代なんですけどもですね,大正時代の分かりやすい資料っていうのはまァ資料というか『鬼滅の刃』が案外いい資料なんで,ちょっと今回使ってみようと思ったんですけども。
■ 大正時代
これ『鬼滅の刃』に出てくる浅草です。あまりに明るすぎて華やかで人が多いから第7話ですね。炭治郎が超ショックを受けるシーンなんですけど,浅草の円形で,いっぱい旗が立って,で夜も電気で赤々と輝いてるわけですね。 で炭治郎は何故この明るい浅草区にショックをうけたのかっていうと,電気があるからじゃないんですね。すでに炭治郎の村でも電気って当たり前なんですよ。もう1話で近所の村に炭を売りにくシーンで,近くの村に行ったら電線ですね,すごい高い電線が生えてて,ものすごくたくさんの電柱が生えてて,電線走ってるんですよね。で,エンディングでも電車がやっぱりこう見えてるわけですよね。で,このエンディング,これ何やってるところかというと街に向かって炭を売りに行ってるシーンですね。つまり,炭治郎の家と麓の村の間にはもう電線が走ってるんですよ。だからすでにもう村では電気が当たり前になって,もうあと何年か待てば炭治郎の住む家のあたりに電気が来てもおかしくないんですね。で「いやいやそんなこと言ってもまだまだ炭治郎が住んでる山奥の一軒家まで電気なかなか来ないんじゃないか?」っていう風に考える人いるかも分かりませんけど,これ後で話しますけども,大正時代っていうのはものすごい早さで電化が進んだ時代なんですね。ガス水道は遅いんですけども電気はすごい早いんですね。 で普及率もめちゃくちゃ高くなるんですよ。つまり炭治郎が見上げていた空ですね,あの作品の中でアニメでもゲームでも僕ら彼らが見上げていた空っていうのは,ついつい青空を考えちゃうんですけど,違うんですよ。彼らが見上げた空っていうのはよっぽどの山奥でない限り,大体電線が空を走ってる,電線が空を区切ってる,僕らが見ていた空に割と近いそういうお話なんですね。大正時代ってそういう話時代なんですよ。で具体的に言うと明治15年(1882年)ですね。今日話すお話の30年ぐらい前に,もうすでに東京銀座に日本初の電灯が灯もっています。で,この頃は30年前は電気珍しかったんですよ。わざわざ電気で灯った明かりを見るために人々が来たぐらいだったんですけど,しかしこの炭治郎がこのあのさっきの浅草に行ったのは,もうえそれから30年経ってるんですね。ですでに日本全国に発電所が建ち出してます。すごいですよね。で電灯は東京を中心に急速に普及して,さらにエレベーターとか電車などで電気は動力用としても利用されてます。で大正5年に全国の工場では50%超えてる電化率,つまり日本全国の工場が,もうすでに石炭とかそういうのではなくて,電気になって5割になってるのが大正という時代なんですね。で,まだ家庭では囲炉裏とか薪で炊いてるのがあったと思うんですけど,ただそれも明治時代の石油ランプとか廃れて,上水道とかガスとか電気がどんどんどんどん普及していきました。これも明治の末の話です。で,家庭用電化製品が出たのも大正時代で,扇風機出るは,電気ストーブ出るは,電気アイロン出るは,電気コンロがもうすでに普及し始めてます。大正の元年で。でブリキとかセルロイドの新素材のおもちゃも登場してるので,炭治郎が子供たちに買おうかなと思ってるおもちゃっていうのは,もうすでに僕らの持ってるようなものと,そんなに変わらなくなっているんですね。カレーライス,トンカツ,コロッケは大正の3大洋食と言われるぐらいで,人々のご飯も急激に変わっていたのがこの時代ですね。
■ 活動写真
まァこれが大正時代ですよ。面白いことで,そんな時代に人々が熱狂したのが活動写真ってやつですね。『鬼滅の刃』にも活動写真出てきます。炭治郎が歩く浅草の町ですね。ここにちょっと見えにくいんですけど,この部分に「活動」って書いてるんですけど,これ別のカットなんですけど,ここにあの映画の看板みたいのがあるんですけど,これ多分有名な浅草の電気館だと思います。
✔キネトスコープ
で,活動とか活動写真っていうのは英語の「Motion Picture」の直訳なんですね。ま今の言葉でいう本当に映画ですね。で「毎月1日は映画の日,この日はみんな1000円じゃ」って言ってるじゃないですか?あれ何故っていうと,1896年に神戸でキネトスコープ,映画の元祖みたいなのが公開されたのが,マァ本当は10月25日か26日ぐらいだったらしいんですけど,期間があったので,じゃあもう11月1日にしましょうということになって,実は日本では映画の日っていうのが11月1日になってる。なので,記念で毎月1日は映画の日で,それで映画が1000円で観れるわけなんですよ。 
で,キネトスコープどうなのか?っていうとえこんなんですね。 エジソンの発明です。中にフィルムはこう入っていて,でコイン入れておっさんがこう覗いてるんですよね。いつもが発明品です。でこれ1人しか覗けないので決して便利な発明ではなかったんですけど,当時はとにかく絵が動くというか,写真が動くだけで驚きだったんですね。でエジソンは,この特許とか取らなかったんですよ。
✔シネマトグラフ
当時,この時代のエジソンあんまりお金持ってなかったんで,これそんなヒットすると思ってなかったので,とりあえず1つ作って満足して,発表して記者に色々言われて「天才だ」とか「発明王だ」とか言われていい気になって言われてる時代だったんで,特許取らなかったんですよね。 なので世界中で模造品がいっぱい作られました。で,世界中で模造品を作った1人というか1組がフランスのルミエール兄弟っていうのがいたんですね。で,フランスのルミエール兄弟っていうのは,このキネトスコープを改良してシネマトグラフっていうのを作りました。 シネマトグラフって,これ何かっていうと,撮影することもできれば映写することもできる機械なんです。で,このシネマトグラフによって,スクリーンですね,壁とかにフィルムの映像を映写することができるんだ。 と。で,これのおかげで,もともとエジソンが作った機械は1人が除いてみるしかできなかったんですけども,50人ぐらいでも楽々観れるようになったんですね。 
✔バイタスコープ
でこれを知ったエジソンが「これはいかん,俺が映画の発明者じゃなくなってしまう」と思ったんで,他人の発明を買いとったんですよ。エジソンは,キネトスコープ作った覗きからくり作った段階で気がするんじゃったので,そこから先開発してなかったんですけども,アメリカでも同じようにフランスのリベール兄弟みたいに,壁に映写する方式っていうのを作った人がいたんです。その人の発明の特許を買い取ったんですね。もうこの頃の時代のエジソンて毎週,何曜日だったかな?新聞記事に間に合う日の昼間にアメリカ上,新聞記者読んでランチ発表会やってたんですよ。で,毎週毎週「今週の発明はこれです」っていう風に発表をやってたら,みんな「すごい」って言って,それを翌週の新聞に間に合うように記事にしてたっていう,なんかもうやり口がもうほとんど炎上系YouTuberみたいだったので(笑) エジソンていうのは,それで他人から買った発明品を自分が発明したように見せるというのずっとやってたんですけども,これも同じ方式ですね。 他人の発明を買ってバイタスコープって言います。「Edisons greatest marvel Vitascope」って,エジソンは宣伝屋だから分かりやすいですよね。さっきのルミエール兄弟のシネマトグラフよりもこの方が分かりやすい。観客がいっぱいいて絵が動いてます。エジソンの素晴らしくとんでもないバイタスコープっていうのがこう書いてあるという風になってるんですけども。
でもこの時期に欧米では,もうすでにこのスクリーンと写真のシネマトグラフが普及していて,エジソンが最初に発明した1人しか覗けないキネトスコープっていうのはもう時代遅れで売れなくなってたんですね。なので日本という東洋の国に二束三文で売られたそうです。で,それが神戸で公開されたのが1896年の11月1日前後ということなので,そのエジソンの時代遅れの発明が,時代遅れになっちゃったんで安く叩き売られたので,日本に入ってきたおかげで,毎月1日に映画を1000円で観れるとこういう風な流れになってます。
 で日本に来たキネトスコープなんですけども,当たり前ですけど,日本でもあっという間に廃れるんですよ。だって1人しか覗けないわけですからね。で,スクリーン上映式のバイタスコープっていうのは大流行しました。で当時日本にあった芝居小屋っていうのは,大体月に1回か2回ぐらい特別上映として,このシネマスコープかバイタスコープのどっちかを上映してたっていう風に言います。 
■ 駒田好洋
で,ここでポイントはですね,ちょっと待てと。キネトスコープは流行遅れだから日本輸入されたんだけども,日本全国で大体月に1回ぐらい芝居がやってるって言っても,そんなに映写機があったのか?っていう問題と,そもそもどんな作品を上映したのか?っていう問題があると思うんですね。で,まずは映写機問題です。高いんですよ。本当に高いんですけども,ドイツかとかアメリカから輸入してました。で買ったのは興行師ですね。映画を売り込む人が買うんですよね。で,彼らは映写機を買って,フィルム作品を買って,同時に説明士っていうのになったんですね。説明士って何か?っていうの,ちょっと言い方は難しいんですけども,これ見てください。 この右上に「自称東洋のエジソン,頗る非常に駒田好洋」って書いてありますね。この駒田公洋っていう人,実は19歳なんですね。19歳のチンドン屋さんの店員さんなんですよ。昔懐かしいチンドン屋さんというのがいますよね…っていうか,もう見たことない人も,大体どんな方知ってると思うんですけど,そういう会社の店員さんだったんですね。その人が「エジソンのバイタスコープ,ちょっとこれ,俺がやります」って言って,最初はそのチンドン屋さんの中に事業部みたいなものを作ってそれをやるっていう風に言って,最終的に自分がそれを買い取って,日本全国で興行するとこまで行ったんですけども,そのバイタスコープの映写機とフィルムを持って楽団15人を連れて日本中を廻る,そういうなことをやったんですよ。で,おそらくこの映写機の電気で回すようなクランクを手で回すわけなんですけど,このクランク操作と説明を駒田好洋は自分でやるわけですね。クランク操作自分でやってると同じシーン何回も見せれるんですよ。で,スピードアップもスピードダウンも思いのままだから,自分が説明しやすいところはゆっくりと回して「はい,ここが聞くところですよ」っていう風に言って,「ここら辺ちょっとよく俺もよくわかんないよ」って早回しで客を笑わせるとか,いろんな手札を使って見せたわけですよね。でそういう公式の記録に残ってる,電気の本当にない北海道の最果てまで公洋は来た。ですから,炭治郎の村って,さっきのあの電信柱の話思い出してください。電気あるんですよ。電気のない村にまで行った好洋が電気がある街に来てないわけがないんですよね。でおまけに駒田好洋以外にも興行師っていうのは山のようにいたんですね。 いっぱいいて,で,そいつらが日本中ぐるぐる回ってたんですよね。
で,上映作品は,まず1番の売りになったのがこの『かっぽれ』ってのと,あとこの右上の方にある『三井呉服店』っていうのがあるんですけど,これが割と呼び水になったと言いますね。あと『頗る非常なる栄会』って,この3つですね,当時の日本の風俗とか風景ですね。で,1番下にある『芸者の手踊り』っていうのがあるんですけど,これなんか日本初の商業映画っていいます。駒田好洋自身が金出してカメラ買って,多分本当に22歳ぐらいなんですけど,金出してカメラ買って自分で撮影して日本初の商業映画撮っちゃったんですけど。でところが,そういう風に客を呼ぶのはこのかっぽれ踊りとか日本橋のご服屋だったんですけども,実際に見せてみると人気が爆発してるのが海外の風景なんですね。当時日露戦争に勝った日本の大衆っていうのは,外国の情報,外国の映像に関して頗る非常な興味を持っていたという風に伝えられています。 
…という訳で無料パートはここまでです。とにかく俺思うんだけども,明治時代のユタボンだよ。実行力があるユタボンでさ,15歳ぐらいで家出してるすごい変なヤツで,言ってることの1/3ぐらいが嘘って,ここら辺も何かユタボン臭がして(笑) じゃあ後半行こう。 今日のメインテキスト『頗(すこぶ)る非常! 怪人活弁士駒田好洋の巡業奇聞』『怪盗ジゴマと活動写真の時代』ですけども,ここに「怪人活弁士」ってあります。活弁っていうのは活動映画の弁士の事。無声映画の時代,映画に声も音もついてなかった時代に,映画のセリフとか音を喋る人の事を「活弁士」って言ったんですけど,当時彼らは自称「説明者」って言ってます。活弁士っていうのは,何かちょっと身分が下っぽく見られて嫌がられたんですよね。
で例えば映画『Shall We Dance?』の監督をした周防監督が2019年に作った『活弁』って映画があるんですよ。 で,その中で,田舎の村に活弁士が映画と一緒にやってきます。一座を引き連れてやってくる描写があります。 で,映画で『怪猫』という無声映画のシーンが出てきます。明治の化け猫の特撮映画なんですよ。 でスクリーンの左の方に,ちょっと暗くてよく分かりにくいんですけども声色弁士がいます。声色弁士っていうのは,それぞれの担当の役を2〜5人がかりで1本の映画の台詞を分けて話す,本当に声優ですね。でこの『怪猫』はチャンバラ劇なんですよ。いわゆる明治時代なんですけども,その時代にはないチャンバラ時代劇っていうのをやる時は声色弁士を使うんですね。 
しかし当時人気作だった海外映画はスター弁士が1人やってるんですね。これは人気のスター弁士が出てくるシーンなんですけど,フロックコートを着て完全な洋服を着て,銀幕の前に立ってるんです。何故銀幕っていうのかっていうと,スクリーンは白いシーツなんですけども,映写前に,助手がスクリーンに樽で水をパッと綺麗にぶっかける。そうすることによって,白いシーツ自体はただの白い布なんですけども,キラキラと光ってまるで銀のように見えたって事から,「銀幕」っていう風に今でも言います。別に当時の映写スクリーンの成分に銀が入ってたとか,そういうことじゃなくて,ただ単に上映前にバケツでスクリーンに水を綺麗にパーっとぶっかけると,それに光が当たってキラっと光って見えたから銀膜っていう風に言ったそうです。で,その銀幕の前でフロックコートを来たおしゃれな弁士が一人で喋るわけですね。で,当時は海外からフィルムと同時に台本も取り寄せたんですけど,台本に書いてある台詞だけでは内容伝わらないですよ。
当時の明治37年ぐらいにヒットしたのが,ローマ時代の戦争映画の『アントニーとクレオパトラ』ですね。 『アントニーとクレオパトラ』って明治の終わりに,それぞれイタリアとアメリカで映画化されてるんですけども,もうそんなの観てもわかるはずないんですよ。これ公開当時の浅草の様子です。浅草電気館で『アントニーとクレオパトラ』って書いてあって,なんかローマっぽい絵が描いてあって,ものすごい人が集まってるんですけども,こんなに人が観ようと集まった。しかもこの映画尺が58分。長い。当時の映画としたら破格の長さ。当時のフィルムって1巻ごと,ワンリールごとで10分ぐらいなんですよね。短いので7分,長いので13分ぐらいしかない。なので,その10分ごとにリール入れ替えなきゃいけないんですよ。 その時に次の上映のこともあるから,1回リール抜いて,予備のリールに全部前のやつを巻き取って,頭とお尻をもう一回逆にして,次のリール入れてやるから,最低でも5分,長ければ10分ぐらい時間がかかるんです。かなり時間費やされるんですよ。でそれでも大ヒットして,ここに新聞記事が載っています。でこの交代時間…リールを交代する時に,説明士…活弁士って後に言われた言葉で,彼らは自分たちのことを「説明士」とか「説明者」って言ってたんですけど,説明士が,このリール交換の時に,これまでのまとめ話してくれるんです。10分ぐらいの訳のわからない海外の無声映画を観て,生演奏があるから音楽だけはついてるんですけど,で,それが終わると,ここまでもまとめての話してくれて,この先の展開も大体ざっと話してくれるんです。「アントニーの運命やいかに…」とか。あと当時の時代背景も説明してくれるんですね。「当時,エジプトはローマ帝国の支配にあって,女王クレオパトラはそこで捕虜になって,一回ローマに連れてかれたんだけども,絨毯の中に隠れて,アントニーが出てきて,そこでラブラブになっちゃうんだよ…」っていうのが説明される。これシェイクスピアが戯曲で書いて,ヨーロッパアメリカでは,そのシェイクスピアをエリート層は教養として読んでるし,舞台も観てる。『アントニーとクレオパトラ』って,当時の日本人にとっての『忠臣蔵』の討ち入りものとか,現在の日本人にとっては『ちびまる子ちゃん』や『ドラえもん』の基本設定みたいなもんですね。知ってて当たり前のもんなんですね。だから海外では映画として成立するんですけども,東洋の果ての日本では,誰もシェイクスピアとか読んでる人は禄にいないんですよ。だから,本当はこんな大衆の街浅草に人々が詰めかけたところで,絶対ヒットするはずがないんですよね。 なので,ヨーロッパとかアメリカでは,この『アントニーとクレオパトラ』が作られて上映されて58分の映画やった時は,説明士いなかった。あの,ちょっと言っとかなきゃいけないのは,説明士活弁士って日本特有の文化だった。当時,日本の影響化にあった,当時の日本の植民地だった韓国とか台湾とか,一部の東南アジアの国では,映画上映された時に日本と同じように活弁士が出てきて「…どうなるでしょうか?」ってやったんですけども,日本以外の国では,映画上映で誰かが出てきてストーリーを説明するとか全くないんですよ。 日本だけなんです。映画誕生当時は,最初は活弁士あったんですよね。 エジソンのキネトスコープにしても,フランスのリュミエール兄弟にしても。なんせ,フランスにリュミエール兄弟がやってる映画なんて,工場の出口から女の人が仕事が終わって出てくるというのを撮っただけの映画なんですよ。5分もないわけですよ。 それを金取って観せるわけだから,持たないんですよ。 5分だから尺がないので,どの国も日本もそうなんですけど,まず口上というのやるんです。 「さて,ここに取りい出したるは,かのエジソン翁が発明してましたる,頗る非常な世紀の大発明でありまして,モーション・ピクチャア,日本語で活動写真と申し上げます…」みたいなことを30分喋べる。30分喋ってみんなが「早く観せろ」ってなって,「フランスの工場から婦人たちが…」って,これもう世界中でそうだったんですよ。 なのでその黎明期はトークというのがついてて当たり前だった。当時のエジソン社が作ったフィルムってのも,エジソン社の庭に水を撒くというだけのフィルム。 一応ギャグが入ってて,水を撒いてると,途中のホースを子供が踏んでで,水撒いてる人が「あれ?水出なくなった」と言って顔向けた瞬間に,子供がホースから足を外して顔にバシャってかかって,ここで一笑いが起こる。これも本当に数分しかないフィルムなんですけど,これを公開するのにやっぱり,「これは何なんだろう? 」ってなるから「これははホースといって,管から水が…」って言わないと観客はまあまあよくわかんないわけですね。 なので,映画の説明者っていうのは最初は世界中にいたんです。尺を繋ぐ問題もあるし,内容を説明する必要があったんですけども,フィルムがどんどんどんどん長くなっていくんですね。そして映画の中に字幕が入るようになって,ストーリーが語られるようになると,説明者解説者というのはいなくなった。 日本以外では。ところが日本だけは唯一残ったんですね。 
日本で活弁士が残った理由は何かっていうと,地方巡業が多かったっていうことが一因じゃないか。この本にはあんま書いてないですよ。何故日本だけ活弁士が残ったのかっていう,その明確な理由って,それぞれの説あるんですけど,書いてないんですけども。日本では,最初見せた,いろんなフィルムをまとめた1枚のポスターありましたけど,あんな風にいっぱいいろんなものを見せなきゃいけなかったんで,中継ぎで説明をいっぱいする必要があったと。だから,まず日本では真ん中の説明が盛んだったんですね。で,これを真ん中の説明「中説(なかせつ)」っていう風に当時から言われるようになりました。映画と映画の間で「このフィルムはこのようです,さて,次はこんなフィルムなんですよ」っていうのを説明することを「中説」って言うんです。で,それに対して, 映画の前に「さてここに取りい出したる,映写機というものをご存知でしょうか?電気の力で動きます…」という,映画の前にする前説明,これが略して「前説(まえせつ)」と呼ばれる。今僕らが,お笑いの現場とかテレビとか,そういう所でよく聞く「前説やらせてもらってました」とかよく言うじゃないですか?僕もよく言いますよね。1番最初に生放送が始まる時にですけど,前説っていう風に言うんですよ。前説っていう言葉ですね。このルーツは,実はこの活動映画からですね。ところがこの『アントニーとクレオパトラ』みたいな40〜50分尺の映画作品になると,活弁士というのが一切姿が消す。で何故日本だけ活弁士が残ったのか?とか,一応,この本の中身をまとめた説明後でやります。
で,さっきも話した通り『アントニーとクレオパトラ』は58分あって,でも欧米で当たり前のですね。ローマ帝国,エジプト,海上の戦闘とか,そういう常識が日本人は全くありません。で,一応映画の途中とか合間とかに,活弁士が思いっきり説明しないともう本当に話がチンプンカンプンなんですね。 なので,日本は映画といえば,活動写真といえばスクリーンの横で弁士が付きっきりでずっと喋ってるのが当たり前だったんです。で,弁士によってセリフが違うんですよ。これも当たり前ですね。正確なセリフの台本が来るわけじゃないから,みんな想像で喋るんです。で「お茶の子さいさい…」「任せろ合点だァ…」とか,日本語の符丁もガンガンガンガン入れる。だから弁士によって面白さが違うんですよ。 同じ『アントニーとクレオパトラ』でも,この人がやると世紀の悲恋の物語,ところがこっちの人がやると大爆笑の喜劇にしてしまう。当時の世相をテーマにパロディとかをやった,今でいう爆笑問題がやってるような世相漫談みたいなものにしてやってしまう弁士もいたそうです。当時の日本の首相とか,陸軍の大臣とか,或いはなんか笑い話があったらそれを巧みに話の中に盛り込んでやるということもやってたそうです。で,それが理由で映画よりも弁士の方が人気があった,そういう時代だったんですね。
で,その時代に, 明治から大正にかけて日本一と言われたのがこの駒田好洋ですね。1877年(明治10年)7月1日生まれですから,僕と同じ誕生日です。 やっぱりペラペラ喋るヤツっていうのは同じ運命の星ですね(笑) 明石家さんま,駒田好洋,岡田斗司夫,全部7月1日生まれで,全部言ってることは半分言い加減で全部ペラペラ喋るっていうヤツですね(笑)  ウィキペディアによると,映画の興行するばかりではなく,日本初の商業公開用の映画を制作し,さらに日本初の劇映画も作ったということで知られているそうです。そこそこ新しいフロンティアを切り開いたんだけど,それで大儲けしたわけではないというところもそっくりですよね。生まれたのは大阪です。で実家は呉服屋なんですけども,15歳で家出して,そのままアメリカへ行く。神戸の舶に乗って密航で行ってしまいます。で2ヶ月間アメリカ放浪したんですけども,まあまあ仕事もなくて,貧乏で浮浪者になってたのを警察に捕まっちゃって,日本へ強制送還されました。はっきり言えばこの家出は大失敗だったんですよ。ところが日本に帰ってきた好洋は,「アメリカでもうほとんど乞食やってましたとか,ホームレスやってました」っていうのを「アメリカでエジソンの弟子になった」って嘘を言う。嘘っていうか,これ駒田好洋の自伝って本当にわかんないそうなんですよ。ていうのは,本人自身が乗って書いて,面白いようにどんどんどんどん盛って話すから,ある人は「ほとんど嘘だ」と言うんですけど,ところがとことん調べてみると割と本当だったっていう。ここら辺もなんか俺親近感覚えるなーって思うんですけどもですね。 
で,「エジソンの弟子だ」と言ってるのは,これは100%嘘だと思います。で,日本に強制送還された後,次は実家の呉服屋に帰らずに東京に逃げるわけですね。で,東京に逃げたら,まあまあそういう大阪での悪い評判伝わってないので,「神戸からアメリカに行って,エジソンの弟子になった」っていうホラ吹いて,そのプレゼン能力が買われて,東京一のチンドン屋さんの会社「ひろめ屋」っていう,話を広める,宣伝を広めるから「ひろめ屋」っていうところに店員として入店しました。でさっきも話したように,この時代,駒田好洋が始めた映画興行のポスター。無料の最後も見せたこのポスターですね。元々チンドン屋さんなんで,こういう風に自分たちのことをものすごいように書いて盛り上げて,で街へ入る時も普通に入るんではなくて,街の少し前でトラックを降りて,パレードしながら街に入ったそうです。で,自分から「天上天下唯我独尊」っていう風に言っちゃったんですね。 日本での活動ですね,「元祖・頗(すこぶ)る非常に大博士」って言います。で,駒田もやっぱり活弁士という風に言われるのを嫌って,自分のことを「映画の教育者」「フィルム教育者」という風に名乗ってました。 
駒田が優秀だったのは何かっていうと,やっぱチンドン屋さんのちょっと大きくなった広告代理店ぽくなるんですけど,「ひろめ屋」の一部門だった映画興行部門を,その得意の大ボラと名調子でどんどん大きくしたことだと思うんですよね。 で,活動写真が流行る前,普及される前にして,すでに日本では実はスライドによる上映店が流行ってます。スライドで上映で日露戦争の戦争写真とか,あとは日本の様子みたいなものをスライド写真を投影してお客さんにトークするのはすごい流行ってたんです。で,この駒田は,この語りが頗る非常に大得意で,芝居小屋を次々と活動写真の専門館,あるいは併用館に変えた。つまり,普通の芝居小屋より暗くしなきゃいけない。芝居小屋なら,普通の芝居もやって役者の顔が見えるように明るく作る。明りもいっぱい灯けて,そんなにドアも閉め切らない。 それを完全に締め切れるようにして,前にデカい幕を置いて,何より大事なのが映写機から割とでかいノイズがあるので,映写機を入れるブースみたいなのを作る。トイレみたいな小部屋を映画館の後ろの割と真ん中に置かなきゃいけないんですね。そういう風なものを作らせる。で,これは芝居小屋とかが嫌がることもあったんですけども,とにかく映画やったら,活動写真やったら客が入るもんで,駒田のプレゼンの上手さもあって,日本中の芝居小屋がどんどんどんどん少なくとも映画も上映できるようになっていった。もう早めに映画館に切り替えちゃった芝居小屋も多かったんですけどね。 
■ 東京市の人口の5倍の観客が押し寄せる
で駒田の活躍でどんな変化が起きたのか?ですね。 東京都の観劇者人数の推移のグラフでみると,明治40〜45年,この時期に映画だけでなく,お芝居舞台を観に行く人の数っていうのは340万人>>520万人>>730万人>>ってなってますけども,この時の明治40年前後の東京市の人口はたった250万人なんです。これ変でしょ?たった人口が250万人なのに何故お芝居に行ってるのが340万人もいるんだ?730万人もいるんだ?それだけ異常だったんですよ。それだけ当時,芝居とか映画が大ブームだったんですね。しかし本当にすごいのが,こっから先の伸び率なんです。明治45年が270万人って,これ戦争とかで一回ちょっと東京市の人口が減ったからなんですけども,大正になって,いきなり1200万人って,いきなり3倍に増えちゃうんですよ。で,この3倍に増えた理由が明らかに映画なんです。東京市の人口変わんないですよ。人口250万人のままで,活動写真の影響でその人口の5倍の人数が映画館に行くという事態になってるんですね。 で,これ何故かというと,明治天皇のお葬式映像があったからです。明治天皇のお葬式映像があって,で次の新しい大正天皇の映像とかスライドがあったので,みんな本当に「行かにゃいかん」って行ったんですよ。これを見なきゃいけないという風なことで,かつての東京オリンピックの比ではないですね。いわんや『鬼滅の刃』の比ではないです。とりあえずこれを観なければ日本人であるはずがないという風なぐらい盛り上がって,それでみんな映画館に詰めかけたわけですね。で,それ以上に…明治天皇のお葬式以上って言ったらもう失礼になるかわかんないですけど,それよりもヒットしちゃったのが,この大正元年の『怪盗ジゴマ』でした。『怪盗ジゴマ』,本当にこれメガヒットした。
で,東京都の人口はさっきも言ったように,ほとんど変化がないので,もう今で言うとコンビニ行くぐらいの頻度で,とにかくポケットに今の値段で言うと200円以上ある人は全員行ってたぐらい映画に行ってるんですよ。で,このさっきも話した,東京市の人口の5倍行ってる,3倍に増えた映画人口,劇場人口って,まるまる映画の観客層なんですよね。で,東京に住んでる人は大体,大人も子供も,家庭の主婦も老人も,みんな週に1回か少なくとも月に2回,映画に行ったって言われてます。で,この辺りは江戸川乱歩なんかの小説を読んでみると,どんなに当時の人が映画に当たり前のように行ってたのか,芝居を観なくなって,映画に当たり前に行くようになったのかっていうのを書いてあります。で,その行った人のほとんどが,駒田好洋を始めとして,映画よりも活弁士で観るものを選んでいた,そういう時代でありました。 
■ 活弁のルーツを辿る
何があったんだろう?って本当僕も思いますよね。で,後で紹介しますけど,じゃあその『怪盗ジゴマ』って面白いのか? 今もYouTubeで観れるんですけども別に面白くないんですよ。 ただ何故それに皆そんなハマったのか?っていうのが,今日の話なんですけどもですね。「今でいうカリスマYouTuberみたいな感じ?」…そうですね。 もう本当に登録人数500万人超えのYouTuberを10人集めたぐらいの知名度とヒットと,あと皆の陶酔度,本当にその人の話を聞きたくて聞いたことだと思ってください。それが結構頻繁にどの村にも来るんです。駒田好洋が去ると次は誰それが来る…ってことで,毎週のように新しいその活弁士が自分のチームを率いて自分の村に来るんですね。大体何人かの楽団を率いて来る。で,前半の時代劇の古い映画,忍者映画とかそういうやつでは声色活弁士を使って話をしたりしてるんです。でも後半の,ちょっと高級なアメリカ映画,ヨーロッパ映画,イタリアやフランスの映画とかだと,フロックコート着た超かっこいい活弁士がやる。それを聞いてそれが去ると,また,次の週には新しい活弁士が観たことないフィルムを持っていく…そういう風な時代だったんですね。 
じゃあ何故その日本人はその映画,海外のようにフィルムそのものを観るんではなくて,活弁士で観るっていう方法を選んだのか?ですね。これは今,僕らが現にYouTubeでどんな動画を観てるのか?っていうアナロジーで考えると分かりやすいと思います。大体みんなYouTubeでどんな動画観るかって言うと,ニュースですよね。あとまとめですよね。これどうなってんだ?っていうまとめとか,あと切り取りですよ。まァひろゆきとかそういうのがどんなこと言ったって切り取り。ここら辺観るんですけども,これ要するに,それはもう僕ら皆同じで,「面白いかどうかわかんないことに無駄な時間を使いたくないから」なんですよ。つまり時間的なコスパをよくするために,まずはまとめとかを観ると。テレビでニュースを観るんではなくて,その「観たい部分のニュースだけをタイトルつけて,YouTubeで公開してくれたらニュース観るわ」っていうやつですよね。で,これ現代人気質じゃないんですよ。江戸時代からの当たり前なんですよね。「江戸ッ子は気が早い」って言ってるんですけども,日本人ってその江戸の頃から気が短くて,YouTubeのまとめとか観るのは別に現代人だからではなくて,それはもう江戸で本当に僕ら日本人として当たり前なんですよね。落語ってあるじゃないですか。あれ,僕,落語家になろうと思ったことが20年ぐらい前にあって,その時に落語家の起源調べたんですよ。で,よく本に載ってるのは「落語の起源っていうのは,豊臣秀吉が持っていた御伽衆(おとぎしゅう)っていうのがいて,その御伽衆が色々な面白い諸国の話をしてくれて,その中に曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)という,実はそれは忍者の一派で諜報活動みたいなのをしていて…」って載ってるんですけども,実際に実は落語の起源っていうのは何か?っていうと,芝居の幕間にショートカットするの役割だったそうですね。当時,江戸時代半ばぐらいから,お芝居のストーリーがどんどんどんどん長くなっていった。で一つの話を連続で観せようとしたら3時間以上超えるのが当たり前だったんですね。で,当時その琵琶法師とかが三国志とか語るわけですよ。 語るんですけども,もう三国志を語り始めて2週間か3週間経つ頃に,ビラをいきなり出して「今夜より諸葛孔明登場」って書くんですよね。そこまで諸葛孔明出てこない。つまり,その1人の演者がガーっと話して,お芝居の内容っていうのは話しても,話し終えるのに3週間とか4週間ぐらい語るような,それぐらいの分量。話の蓄積がすごく多くなってきた。なので,芝居に行くっても一日仕事になっちゃうんですよ。お芝居の幕の内弁当っていうのを幕間に食べるというのは当たり前で,朝から行って,下手したら暗くなるまでずっと観てるのがお芝居だったんですよ。で,こうなると観る方も疲れるし,大変になってきますよね。 でやる方もとりあえず予算もかかるし,疲れて1日に1回しかできないから大変だということで,面白い部分はやりますと。だし人気がないんだけど,必要な部分どうしようかってことですね。そこで説明士が生まれるんですね。これが後の落語家で,そのAパートやったら次Bパートやるんですよ。 で,BパートとCパートは口でペラペラしゃべるんですね。 でこれが,その舞台の真ん中に座布団を敷いて,話して,で,一応お芝居話すもんだから,右左話分けをやって,お芝居みたいなものをやるっていうのが,これが落語家の始まりだっていうのを,僕20年ぐらい前に調べてそうだったのかってすごい!びっくりしたんですけども。 
だから噺家が生まれるのは,日本人が話のうまい人の語りを聞くっていうのがもう大昔からあったからなんですね。なので,これ分かりやすいのは,日本人のYouTuberっていうのは語りで観せる人結構多いんですよ。でも海外のYouTuber観たら,実演主義なんですね。つまり何かやってみせて,その合間に話をするっていうのは,海外のYouTuberの特徴なんですけど,日本のYouTuberって,割とカメラ目線でずっと話してっていう人が結構いるじゃないですか?あれって日本人のYouTuberの特徴なんですよ。海外のYouTuberって観せて話すんですよ。観せながら実演しながら。ところが日本人のYouTuberにももちろん実演系はいるんですけども,でもそれより多いのが,話すだけっていう人。話すだけを退屈せずに聞いちゃう。 それが日本人の観客層の特徴なんですよね。 
「絵解き」っていうのがあるんですね。 「絵解き」っていうのは鎌倉時代よりもっと前の平安時代中期ぐらいからあったそうなんですけども,説話画っていうのを見せながら僧侶が説明するのを「絵解き」って言うんですけども,説話画って分かりますか?仏教のありがたい絵のことですね。地獄とか描いてる場合もありますし,お釈迦様の誕生の話もあります。「お釈迦様が悟りを得た時にこんな事件がありました」みたいの,あるじゃないですか。そういうありがたい説話を,巨大な絵を見せて,偉い徳のあるお坊さんがそれについて庶民に話をするっていう,これを「絵解き」という風に言ったんですけども。 この時代は極楽浄土とか地獄とかいう,本当に仏教的な話だったんですよね。しかし鎌倉時代ぐらいになってくると,もう偉いお坊さんである必要ないんです。それよりはトークがうまいヤツがいいんですよ。なので,お坊さんのコスプレをしただけの大道芸人がやるようになったんですね。 さらに室町時代になると,もうもはやコスプレもしなくなったんですよ。ただ単にちょっと派手な格好した婆娑羅な歌舞伎な格好した元気のいい若者が,ハイテンションで喋るっていう,本当にYouTuberみたいになったんですよ。もう室町時代になると,話す内容ももう絵解きじゃなくなったんですよ。絵は使うんですけど,仏教のあり方のお話しじゃなくて,有名人の話をするようになった。例えばその楠木忠重の生涯をイラスト化したものを持ってって「泣けるねっていう風に話したり,「オイオイオイ…赤穂浪士が討ち入りしたって言うじゃないか,あれ,実はこんな話があってな…」っていうようなニュースの裏話みたいな。本当にYouTuberと同じような事を,その一応ボードを使って説明しながら話すっていう。で,あと「絵解き比丘尼(びくに)」っていうのが室町に現れた。「比丘尼」って女性の尼さんのことですね。女性の尼さんのことなんですけども,ちょっとエロい絵解きをやってるんですよ。極楽の図に裸が描いてあったり,地獄の図に裸が描いてあるんですね。 そのちょっとエロいヤツを「ああ,そんな無体なことを…」「エイ!まだ吐かぬか!そうなればこうやってキリキリ攻めてやる」「はあァ…」みたいなことをエロ声で言って,で絵解きが終わったらそのまま売春するっていう,すげえ職業があったんですけど,こういう文化が,日本には江戸時代の前からあったんですよね。
で,こんな感じで,江戸時代は完全に僧侶による元々の説話画っていう文化が衰退して,それと分離して,本当に面白い事件,みんなが関心を持ってる出来事を絵にして,それを前にして声色を使って話してっていう,ほとんどアニメとかYouTuberに近いような芸能として,日本では完成してた。これもやっぱ他の国にはないんですよ。この日本という国の特殊なところって,どの辺がよくわかんないですけど,こういうのがどんどんどんどん進化していくんですよね。で,絵解きのポイントというのは,もう絵というのはもう途中からどんどんどうでも良くなってるんです。「解き」なんですよ。つまり説明なんですよ。説明がポイント。でこれをその戦後,日本の娯楽がない時代に復活させたのが「紙芝居」。紙芝居というのは,実は室町時代の絵解きにすごい近い。大体あれぐらいのサイズの絵を見せて,ゆっくりと話しながらチラチラ見せながら「続き観たい人はアメ買っておくれ」っていう,あれは,その語り部として室町時代の絵解きっていうものを復活させたというポジションになってます。 すなわち落語とか講談っていう話芸の大元っていうのは絵解きだったんですね。
しかし,江戸中期になると絵解きより芝居が増えてくる。古臭い絵よりも豪華な舞台で観たい。舞台でイケメンや美女が演じるのを観たい,それで芝居が人気になって,絵解きは廃れていく。ところが芝居は,話が長くなって,登場人物も増えていく。で江戸ッ子は気が早いから,舞台に30人上がったら35人上げないと満足しない。そうやって芝居の規模が増えて,しかも人気役者が引き抜かれたり死んじゃう事もある。それどころか,人気役者が下手すると,ただ単に年をとっただけで人気が落ちてくわけですね。だから,本当に安定的な収入限ではないんですよね。そんな中生まれたのが人形浄瑠璃と写し絵です。 人形浄瑠璃って関西のルーツなんすけど,何が面白かったって,操り人形なんですよ。で,操り人形にハードな恋愛話とか恨み節をさせるんですよ。つまりお芝居では割とスタンダードな「このままでは…いっそ一緒に死のうか」みたいなものをお芝居でやるんですよ。ところが人形浄瑠璃では「一緒に死のうか…」と言って,実は男は死にたくなかったので,女をこっそり殺すと,赤く変わった女の人形が「この恨み…」みたいなドロドロの話になるんですよね。 つまり江戸時代の『まどか☆マギカ』や『ひぐらしの鳴く頃に』だと思ってください。 「萌えキャラだからドロドロが面白い」,これが人形浄瑠璃のポイントだと思っておけば,古典芸能をちょっと面白く観れると思うんですけど。萌えキャラにきつい話をさせるのがすごい流行ったわけですね。 
写し絵っていうのは,この人形浄瑠璃よりさらにコストを下げるわけですよ。 コストを下げて,もっと見せ物として楽しくしようとした。人形浄瑠璃の方は,人形だから手間はかかるというのもあるし,操作も大変なんですけども,どんどんどんどんお話がドロドロになっていってちょっと楽しく見るような話じゃないんで,もっとドラえもんとかポケモンみたいな楽しい話にできないの?っていうことですね。江戸末期に登場したのが写し絵ですね。 これは歌川広重が描くいた『流行浮世写絵』っていう版画じゃなくて肉筆で描いた絵画ですね。 プリントですけども1867年,江戸の末期に描きました,この時代の流行を書いたやつなんですけども,観客が観てるのは,イラストじゃないんですよ。世界初のアニメーションなんですね。 写し絵の原理って,観客がいたら間にスクリーンがあって,裏側に箱を持った人がいっぱい立ってるんです。で,スクリーンに要素は写ってません。 ダルマとか花とか,1つ1つごとに実はスライド映写機があって裏から投影してるんですよ。これが世界初のアニメーションなんですけど,おまけにこのスライドの機械見ると,カシャカシャと切り替わるようになって,つまり絵を動かすことができたんです。で明りは油です。映写器の中にロウソクとか油が入っていて,それをレンズで拡大する。大体,江戸時代中期ぐらいに西洋から渡ってきたギアマン,ガラスを磨いて作ったレンズです。当時日本でもガラスは作れた。 それを使ってこういう風なものをやってた。で,これってスクリーンの裏側からスライドを映して,キャラごとに違うプロジェクターを手持ちで動かしてアニメーションを作ったわけです。きっかけは,さっき話したオランダから入ってきた新しい素材ギアマンガラスですね。で,江戸の地域には,このギアマン製の風輪とかコップもあったという風に言われてまして,かなり一般的だった。ギアマンを使ったスライド自体を発明したのは2世紀の中国です。 それが17世紀ぐらいになって,ヨーロッパでスライドショーが大流行したんですよ。 で,ただこれ日本では,このヨーロッパで流行ったスライドを,小回りのできる携帯プロジェクター「風呂」,お風呂と同じ風呂っていう字ですが,風呂に進化させました。 風呂と種板は,今の時代に復元されたんですけど,風呂と言われる,光源が入った,明りが入った箱に,レンズが何枚かついていて拡大できます。 で,この種板と言われるガラスの板が入ってます。この種板ってよく中見るとこのだるまが上下逆さに投影されるから逆さになるんですけど,上下逆さのだるまの,ちょっとずつ違う絵がガラスの上に直に描いてあるんですね。これを切り替えることで,まるで動いてるように見せるわけです。中にはこの種板の端の部分がリング状にくり抜かれてて,そこに円盤型の種板と周りの縁が埋め込まれて,糸が張って,でこの糸を引っ張ると種板がくるくるっと回転する。つまり中に入っている人物キャラクターがトンボ返りをしているように見える。そういう種板もあったんですよ。 本当にもうアニメーションなんですね。 で,さっきのあの最初に見せたやつに戻りますけども,舞台上にまず巨大な和紙が貼ってあるんです。巨大な和紙に水をかけて透明度を上げます。 で,観客と和紙との間に簡単なセットを組んでる。もうミニチュア特撮の原理ですね。舐め物としてのセットが組んであって,この間で煙を炊いたりして雰囲気を出す。でこれ,1969年の少年マガジンで大友庄司さんが解説した機構なんですけども,まず岸辺の風景だけを映すのに風呂が1台。これ,固定式です。 川の水を移すのに移動式の風呂が2台用意してあります。で,この船を写す専門の風呂ですね,で,船の上に乗ってる船頭さんを動かしたり,映すのにまた風呂1台で…
で,この写し絵っていうのは,実は20世紀の半ばぐらいまで,欧米には伝わってなかったんですね。なので,今現在映画の歴史が,実はヨーロッパの世界でも書き変わってて。エジソンとかフランスのルミエール兄弟より先に,日本で本当に大衆向けに公開された興行としての世界初のワイドスクリーン映画であって,世界初のアニメーションであると。 そういう風に研究が進んでる。まだヨーロッパのウィキペディアでどうなってるのか僕知らないんですけども,徐々に徐々に写し絵って言葉が出てきてるそうです。
で日本人ってその渡来した鉄砲を,オランダとかポルトガルから渡ってきた鉄砲を異常に進化させたんですけど,同じようにスライド映写機とかスライドフィルム自体,ガラス板自体を徹底的に改良進化させたわけですね。
で,こういう写し絵なんですけど,やっぱり弱点はセリフがないんですよ。 で説明士が要る。一説によると,吉原の口上師ですね。「ここの界隈はここここだよ」「お兄さんお金がこれぐらいしかないか,だったらここのお店がおすすめだよ,みんな性格良くて器量良し,嗅いでから匂いなんて,本当にすっと鼻から入ってきて…」みたいなことをいう口上師って,吉原にはその口上を言うだけの口上師っていたんですけど,そういうのを引き抜いて,この写し絵の説明士として使ったそうですね。これ江戸末期なんですけど,で,江戸が終わって明治が始まる頃,芝居小屋ではお芝居以外のいろんな見せ物をやる総合エンタメ施設になってたんですよ。 そして進化するしかなかった。っていうのは,さっきも話したように,お芝居は本当にコストも手間もかかるんですね。なので,怪しげな見世物をやったり,落語やったり,歌歌うだけの歌謡みたいなものをやったり,踊りやったり,ひどいところは,服はだんだん脱いでいく,ストリップの原型みたいなことをやったり,あと,パノラマを見せる,いわゆる海外の風景とか,そういう風なものをミニチュアでジオラマも作ってそれを覗かせるパノラマっていうのも流行ったそうです。で,それぞれに口上師が必要なんですね。説明が必要なんです。 で,それで面白さとか見所っていうのをみんなに説明するわけですね。 で,今例えばセブンイレブンで新製品のお菓子とかサンドイッチが出ると,YouTuberが安いだの,おいしいだの,スカスカだとか詐欺だとか騒ぐじゃないですか?なんかああいう紹介があるのと全く同じで,そのYouTube文化って僕ら思ってるものは,実はその江戸時代から明治時代に渡るメディアの進化っていうのをきっちりなぞってるんです。全く同じような進化を遂げてるところが面白いと思います。
■都市型ホラー『怪盗ジゴマ』
話戻って,そんな時代に輸入された最新の見物が,シネマスコープとシネマグラフなわけですね。で,これも説明士を必要としたんですけど,やっとここで話が繋がるんですけど,日本では,その平安時代の絵解きから始まる口上文化,説明士文化,語り部文化があるので,西洋では説明士が必要なくなった後も,日本ではずっとその方が面白いからという理由で活弁士は生き残ってたわけです。映画だけを観るよりは情報量として,横でずっと内容と関係ない話とか脚注みたいなものをどんどんどんどん話してくれる方が情報量として高い。それを処理する能力があるっていうことですね。日本人は映画というフィルム情報だけでなく,音楽って音楽情報だけでなく,さらに耳からストーリーとか雑学みたいなものをどんどん取り込んで,同時に楽しむっていうような文化を楽しんでいたんですね。独自の進化を遂げていた。 そのこそ大正の世を揺るがした『怪盗ジゴマ』なわけです。まァここまででもう1時間半喋ってるからここで終わりっていうのもできるんですけど,それではなんか『怪盗ジゴマ』をまだ話をしない方終わっちゃうんで,続けさせてください。 
さて,初期の活動写真では,説明士が不可欠だったわけですね。最初言ったように,エジソン社の庭撒きとか,リュミエール兄弟の,汽車がこっちへ向かって走ってくるというだけの映像見せたもんだから,これ何か?って,まず汽車というものの説明も必要だったわけなんですけども,興行がヒットするようになると,さっきも言った通り,次第に説明士,口上師目当てでお客様が来るようになった。 弁士にファンがつくようになって,追っかけみたいなことも行われるようになったと。で考えてみたら,お芝居っていうのは同じ演目を誰がやるのかで観たりするんですよ。歌舞伎もそうですよね。ストーリーがみんな知ってるんですよ。お話はみんな知ってるんですけども,その知ってる話を誰がやるのか,誰が演じるのか,誰が喋ってくれるのかっていうので観に行く。海外のシェイクスピア劇とかも同じですね。知っているものを演じる人がどのように解釈つけて演じるのかっていうのを観に行くわけなんですね。 だからある意味,言い換えればネタバレしてから観に行くっていう,リスク回避とあとコスパ上げてると全く同じ行為なわけです。もう定番で知ってるお話,誰がやっても面白いと決まってるものをどんな風にさらに面白くしてるのしてくれるのか?と観に行くわけですから。これはもうやっぱコスパを上げる行為になってんですよ。リスク回避とでコスパで駒田好洋はこの活弁士として大成功しました。で,その人気をさらに押し上げたのが『怪盗ジゴマ』です。
現存するフィルムに残っているシゴマですね。 悪そうな顔けども何がそんなにヒットしたのか? 舞台はパリです。謎の強盗や殺人事件が続発し,その現場には必ず「Z」の1文字が。私立探偵ポーランは,怪しい車を尾行すると偶然そこは見つかりそうになりながら,ちょっとドタバタあった後で彼らZ団は一斉に車で移動してパリの一流ホテルの宴会場で「我々の悪事は大成功した」っていうんでZ団のなんか大パーティーが始まるわけです。「Zの文字,それはジゴマのことだ」みたいな,もう分かりきったのがあって,ジゴマがいい調子でみんなにこういいこと言ったりして,悪そうな顔で笑ったりしてるっていうのをポーランが見てるという。 ポーランはパリ市警に連絡を取って,その宴会場に踏み込みました。 しかしその怪盗ジゴマは変装の名人であって,おまけに部下も全員変装の名人なんです。部下が階段降りてる最中に他のお客さんの後ろにすっとしゃがみ込んで,次のシーンで立ち上がると全員服が違うんですよね。これ僕YouTubeで観てちょっとおかしかったんですよ。コマ落としの簡単なトリックなんですけど,しゃがんでるともうみんな服が違う。そうするともうポーランも警官もわかんなくて「あ?Z団はどこ行った?ジゴマはどこ行った?」って逃しちゃうんですね。 で,ポーランは階段降りて降りて,ここにもいない。ここにもいないと降りてって階段の1番下まで行くと,Z団は上からグランドピアノをポーランの上に落とすんですね。むちゃくちゃなことをするわけですよ。で,ポーランはやられてしまった。 高笑いをする怪盗ジゴマ,ポーランはどうなってしまうんだろうかというところで前編終わりなんですけど,これで30分ぐらいあるのかな? 映画が終わるんですけども。第2部ではこのポーリンがですね‥ポーランとポーリンと2つ記載があるんです。で,今の大体研究ではポーランだそうなんですけど,ポーランはもう死にかけてですね。 上からグランドピアノ落とされたから死にかけて病の床にあるのを,私立探偵ニック・カーターが引き継ぐ。「もうこれからのことは心配なさらないでください,あなたの悔しい思いあなたのこの意思はきっとこの私立探偵ニック・カーターが引き継ぎます。 」みたいなこと言う。 本当にもうドイツ表現主義,考えてること全部体で表現しなきゃいけない。でニック・カーターはジゴマの敵を討つために潜入していってジゴマの彼女を味方につける。ジゴマは彼女がいるんですけど,それでそっから情報得て,ついにジゴマは倒されるのであった…って話になってるんですけども。さてジゴマっていうのが変装の名人で実は配下っていうのがいて,私立探偵の1人が追いかけていって…というところで敵に殺されてしまう。 その意思を受け取って,私立探偵ポーランが死んだ後,ニック・カーターが引き継いで,ついにはその部下ですね,ジゴマの彼女であったり,部下みたいなものをだんだん攻めることによって,ジゴマの正体を特定して,そしてジゴマをやっつける…って,この話で何かというと『デスノート』なんです。デスノートの元ネタなんですよね。このデッキ,僕どっかで見たことあるなと思ったら,そうか,それでLとか引き継ぎやってんの,これなのか? という風に思ったんですけども。
でジゴマの怖さ。電車の中でジゴマが強盗する話なんですけども,それまで紳士みたいだったジゴマが変装剥ぐと怪しい人間になって,拳銃を持ってて,でこの同じ列車の中にいる貴族たちからお金取り上げたり言うこと聞かないと銃で撃ったりするんですよ。でこれが怖いって言われた。何故怖いって,吸血鬼とかゾンビの怖さ。あなたの隣人もジゴマかもしれない。変装の怖さ。川戸炭治郎の時代にはない怖さ。村の人はみんな知ってる人で,家族はみんな知ってる人でっていう世界にない恐怖ですね。都会にのみ出てくるホラーの話なんですよね。電気で街が明るくなると,都会の恐ろしさの話が出るんですよ。実際にそのロンドンが怖くなったのはガス灯の光で夜も明るくなったロンドンの時代です。切り裂きジャックやシャーロック・ホームズの時代のロンドンなんですよね。切り裂きジャックとかジキルの都市型の犯罪者が出てきたのが,夜明るくなった街なんですよ。で,それは何故変装が恐ろしいのかっていうと,おそらく身分社会の崩壊と,来る市民社会全体に不安があるんだろうなというのをざっとわかるんですけども,その変装の名人っていう設定自体は,例えばモーリス・ル・ブランのルパン・シリーズですね。 ルパン・シリーズとかでアイデアはあったはあったんですけども『怪盗ジゴマ』はその変装の名人っていうのを映画化映像化することでルパンより有名になっちゃう。だから当時の日本人で教養人っていうのは,全員やっぱりジゴマの名前憶えてるんですね。 で,そういう都市の時代に,文明が開いた時代に怪人とか悪役のシンボルになりました…

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