[健康] ブレインフォグ情報〜gooブログから
ブレインフォグについて
2022年12月26日 18時44分13秒 | 重要な医療情報
一般向けにわかりやすい解説はこちらです。
通常、脳脊髄液と血流の間には血液脳関門というフィルターがあり、脳にとって必要な物質は通し、有害な物質は通さないようになっています。ところが、COVID19感染は血管内に豊富にあるACE2レセプターを介して血管に激しい炎症を起こします。血液脳関門を破壊し、脳内の免疫細胞のミクログリアがそれによって不必要な学習をしてしまい、シナプスを過剰に破壊するのがブレインフォグの病態ということが分かってきました。当院のかかりつけの患者さんたちですと、当院医師がいつもしている説明と似ていることに気づきますね。
これはアレルギーや膠原病と似た仕組みです。普段は有益な掃除作業をやっている免疫系が不必要に過剰に暴走しますと皮膚を攻撃してアトピー、鼻粘膜を攻撃して花粉症、末梢気管支を攻撃して気管支喘息を起こすのとよく似た病態です。(脱線しますが免疫を強化したら万病が治る的な詐欺商品の説明がインチキであることもこれでよく分かりますね。正確に動かないと免疫系は危険な面もあります。インチキ商品は大して効かないので実害すらないとは思いますが)免疫系の暴走に関しては、刺激しているアレルゲンを遮断して、さらに抗炎症作用のあるステロイドを微量投与することで一旦沈静化させます。その後、しばらく時間が経つと自動的に荒れまくっていた免疫系がバランスを取って自然治癒してくるグループと、いつまでも症状が出る難治性のグループに分かれてきます。残念ながら血液脳関門の脳側にステロイドを入れることは出来ませんが、再感染を防いで次の刺激(おそらくアレルゲンと同様の仕組み)を止めておけば、少なくとも自然治癒してくるグループは良好な経過を辿る傾向があることは分かってきています。幸い、当院の受診者は皆さんそのタイプの模様で、現在みるみる改善しつつあります。学会の症例報告を見ていますと、自然治癒傾向に乏しく長期化するケースでは、慢性疲労症候群と同様、ライフサイクルが狂う例も出てきており、社会復帰が可能か、懸念されています。
2回目までの新型コロナワクチン接種を実施した人たちは秋ぐらいまではそこそこ良好な免疫状態でしたので、感染しにくいか、感染しても激しい炎症が起きずに済む傾向がありました。そういう人口が多かったため遭遇率も極めて低かった模様です。ただし、mRNAワクチンの抗体産生による防御はそろそろ切れ始めています。mRNAワクチンのもう一つの効果である、重度の炎症を阻止する細胞性免疫はまだ持っている模様ですが、これも長期的には減弱します。減弱する前に安全な状態で不顕性感染してN抗体(感染後に出来る強力な抗体)を獲得していればいいのですが、現在の国内保有率は3割程度と推測されています。現時点では3回以上接種していて、そのうち一回はオミクロン対応型ワクチンであればほぼ大丈夫と思いますが、今後の流行の推移によってはブレインフォグの発症率は上がってくるかもしれません。だいたい、100名中数名の発症率となりつつあるようですので警戒は必要です。当エリアでは接種率は極めて高いため、比較的良好な状態が維持されてはいる模様です。
月・火・金・土の午前9時〜11時が通常診療 午後は金曜のみ4時から6時です。感染症は11時以降の電話予約制です。
小平だより
https://blog.goo.ne.jp/sakurahanamizuki/e/664c71f18363c2dce0e53cb739914d5d
ブレインフォグとは何か? ―海外で注目されている図―
2023年03月24日 | COVID-19
ブレインフォグはCOVID-19罹患後症状(long COVID)の代名詞のようになっていますが,私はパンデミック以前にこの用語を聞いたことがありませんでした.つまり以前から使用されてきた医学用語ではなく,SNSなどで患者さんから発信され定着したものと考えられます.その定義は曖昧で,意味する症状はさまざまであると感じていました.
英国からこの問題を調査した研究が報告されました.方法は2021年10月の1週間,掲示板型ソーシャルニュースサイトであるRedditから「brain fog」を含む投稿を抽出しています.この結果,1663件の投稿が確認され,うち717件が解析の対象になりました.一人称で自分の症状を書いていたのは141件で,内訳は多い順に,健忘(51件),集中力低下(43件),解離現象(本来一つにまとまり繋がっている意識や記憶,知覚,アイデンティティが,一時的に失われた状態)(34件),認知の遅延に対する過剰な努力(26件),コミュニケーション障害(22件),頭がぼーっとする(10件),疲労(9件)など,症状の重なりも見られました.50%の投稿は,病気や疾患に関する投稿欄にあり,COVID-19(87件)だけでなく,精神疾患,神経発達障害,自己免疫疾患,機能性障害,薬物使用・中断などの欄に記載されていました.図は結果をまとめたものですが,twitterでは海外の多くの患者さんが引用し,「まさのそのとおり」とか「自分はこの症状が当てはまる」などと議論されています.
つまりブレインフォグは,健忘,集中力低下,解離現象,過剰な認知的努力,コミュニケーション障害,疲労などの多彩な症状が含まれ,今までにない異質な体験を表すために使用されているものと考えられました.その原因もCOVID-19以外にもさまざまなもので生じます.ブレインフォグという便利な言葉で済まさずに,その内容を問診でしっかり理解することが大切だと感じました.著者らは具体的な症状を理解することが,根底にある病態機序の解明につながると述べています.
McWhirter L et al. What is brain fog? J Neurol Neurosurg Psychiat 2023;94:321-325.
#longCOVID#brainfog
Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
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ブレイン フォグ 🧠⁇
2024-04-19 16:27:00 | 日記
コロナ禍で後遺症の様に
残っている ブレイン🧠フォグ?
コロナ感染だけでなく
ワクチン、コロナ禍のストレス
などで生じた症状で
頭の中に霧(フォグ)がかかったような状態で
集中力が散漫になったり眠くなったりするらしい
そういう時は
炭水化物を減らして集中力を
高めるとか
人と接しなくなって口もきかず
出歩く事も制限されて
果ては 転びやすくなったり
口元が緩んで涎が垂れたり
病院に行かなくて癌の発見が遅れたり
ただの老化だけでは無いみたい
自律神経失調症
友人にもいて
神経内科に行きなさい と言われ
鬱 の手前
何もする気が起きないとか
シャキシャキ 元気印の人だったのに
コロナ後遺症…
コレから先の人生のほうが
短いんだから先が見えてるんだから
動ける事に感謝して🥲
趣味に啓発に 息子🐩も愛して
もう少しがんばろー
老化の白内障
片目が終わったから
老化を改善できる医療も有るし
いい事 見つけよう‼️
昼行燈
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新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(8月28日)~高齢者における認知症,未成年におけるブレインフォグ・てんかんの危険因子としてのCOVID-19~
2022年08月28日 | COVID-19
今回のキーワードは,128万人のデータから示されたCOVID-19にともなう精神・神経症状のリスクの経時変化,2年経過してもブレインフォグ,認知症,てんかん・痙攣発作のリスクは上昇している,未成年でもブレインフォグを認め,とくにてんかん・痙攣発作のリスクが高い,認知症,てんかん・痙攣発作を呈した高齢者の死亡率は高い,オミクロン株では死亡率は低いが神経・精神症状による医療への負担は持続する,です.
Lancet Psychiatry 誌に重要な論文が発表されましたので,今回はその論文を詳しくご紹介します.Long COVIDの神経・精神症状について3つの疑問がありました.
①各症状のリスクはいつまで続くのか?
②年齢によって違いはあるのか?
③ウイルス株によって違いはあるのか?
これらについて128万人もの電子カルテデータを用いた国際研究により重要な知見が得られました.インフルエンザなど他の呼吸器感染との比較のデータですので,COVID-19がインフルエンザなどとまったく違う病気であることが一目瞭然です.
残念なのは日本人のデータが含まれていないことです.米国,オーストラリア,英国,インド,マレーシア,台湾などのデータであり,医療のデジタル化が遅れた我が国は相変わらず蚊帳の外です.医療機関の間でデータを交換できる電子健康記録(MHR)の整備は国家の喫緊の課題です.国家が科学的な戦略を持ってコロナに立ち向かうべきですが,全例把握をするか否かさえ自治体に任せて責任を放棄したかのような状態です.外国を真似てウィズコロナ政策を進めていますが,日本は海外と高齢化率も医療制度もまったく異なるため,高齢者の死亡が増加し,医療が破綻するという予測は難しくはないと思います.さらにこの論文を読めば日本でも感染者増加の社会への影響が今後危惧されることが分かります.実際,米国ではコロナ後遺症で最大400万人が働けていないことが最近CNNで報道されていました.科学を尊重し,十分に議論をして,この難敵と戦う必要があります.
◆ 128万人のデータから示されたCOVID-19にともなう精神・神経症状のリスクの経時変化
方法:2年間の後方視的コホート研究で,国際的なTriNetX電子医療記録ネットワークのデータを使用した.期間は2020年1月から2022年4月,COVID-19群と,他の呼吸器感染症の患者群を同数,傾向スコアマッチングさせた.18 歳未満[未成年],18~64 歳[成人],65 歳以上[高齢者]の3群に分けた.COVID-19患者128万4437人を特定した(未成年18万5748人,成人85万6588人,高齢者24万2101人;女性57.8%).2年間のリスクは,時間的に変化するハザード比(HR)で表した.
結果:
【2年経過してもブレインフォグ,認知症,てんかん・痙攣発作のリスクは上昇している】
全年齢の検討で,COVID-19と他の呼吸器感染症の比較をすると,神経・精神症状のリスクの経時変化は大きく異なっていた.多くの症状は6 ヵ月後にHR が 1 よりも有意に大きくなったが(つまり他の呼吸器感染症よりリスクが高い),HR1に至る期間は大きく異なっていた.例えば気分障害(うつ)は43日でHRが1になり,その増加は一過性であるのに対し,ブレインフォグ,認知症,てんかん・痙攣発作,精神病性障害のリスクは,2年間の追跡期間終了時点でも上昇し,リスクは終始持続した(図1).以上より,COVID-19ではインフルエンザなどの呼吸器感染症と違って最初の 6 ヶ月間で,様々な神経・精神症状リスクが増加するというこれまでの知見が確認されるとともに,早期に消失する気分・不安障害のようなものと,2 年間終始持続する認知症などがあり,異なる病態を反映するものと推測された.
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新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(6月18日)ブレインフォグ研究に大きな進歩
2022年06月18日 | COVID-19
今回のキーワードは,嗅覚神経組織において持続する免疫反応が脳に影響を及ぼしlong COVIDが生ずる可能性がある,軽度の呼吸器感染は脳脊髄液でのCCL11上昇や大脳白質ミクログリア活性化を介して認知機能障害を引き起こす,オミクロン株の症候性感染に対し,ワクチン2回接種のみではほとんど効果がない,ワクチン誘発性免疫性血小板減少症による脳静脈血栓症に起因する死亡率低下に免疫療法は有効,です.
今回の最初の2論文はブレインフォグやlong COVIDのメカニズムに迫るもので,驚愕の内容でした.いままで何度もCOVID-19は認知症の危険因子になる知見が集積されつつあることを紹介してきましたが,いよいよ全体像が見えてきました.2つの論文をつなげると以下のようなストーリーになります.
軽度の呼吸器感染でも嗅覚神経組織での炎症が長期に持続する → 嗅球を介して中枢神経に影響が及ぶ,すなわち大脳白質のミクログリア活性化・脳脊髄液CCL11(エオタキシン)等のサイトカイン・ケモカイン産生が起こる → 海馬の神経細胞新生な障害,オリゴデンドロサイトの減少,ミエリンの喪失 → ブレインフォグ・認知機能障害
ちなみにこのCCL11は昨年,Nature誌において多くの研究者を驚愕させた論文の主役です.若年マウスに老齢マウスの血漿を暴露させると認知機能障害を起こすことができる,つまり血漿中のある物質が神経細胞新生・シナプス可塑性の低下や,恐怖条件付けや空間学習・記憶を損なうことを示した論文で,その原因物質として同定されたのがCCL11とβ2ミクログロブリンでした.Long COVIDにこのCCL11が関わるのか!と驚くとともに,「なんと恐ろしいウイルスなのだ」と今まで何度も繰り返していたフレーズが口を衝いて出てきました.当然,次はlong COVIDに対する免疫療法の効果の検証が開始されると思いますが,自身のCOVID感染後脳症の治療経験から(BMC Neurol. 20212;21:426),一度誘発された髄内サイトカイン・ケモカインの制御はステロイドパルスやIVIGでも容易ではなく,そう簡単ではないかもしれません.
◆嗅覚神経組織において持続する免疫反応が脳に影響を及ぼしlong COVIDが生ずる可能性がある.
Long COVIDの病態機序を明らかにするために, SARS-CoV-2ウイルスまたはインフルエンザAウイルス(IAV;2009年に大流行した豚インフルエンザのウイルス)に感染させたゴールデンハムスターの短期および長期の全身反応を比較した研究が米国から報告された.初感染後31日において2つのウイルスが肺で同様の反応を引き起こす一方,SARS-CoV-2ウイルスのみが嗅覚神経系で慢性的な免疫反応を引き起こし,それがウイルス除去後1カ月経っても明確に認められることを見出した.つまり感染性をもつウイルスが検出されないにもかかわらず,嗅球と嗅上皮では骨髄系細胞とT細胞の活性化,炎症性サイトカイン産生,インターフェロン反応が生じていた(図1).著者らは初感染により死んだ細胞の残骸やウイルスRNA断片が炎症を長期化させるという説を唱えている.そして驚くべきことに,これら嗅覚神経系における免疫反応はウイルス除去後1ヶ月に及ぶハムスターのうつや不安を示唆する異常行動と相関した.つまり嗅覚神経系における持続的な免疫反応が,脳に影響を及ぼし,ブレインフォグやlong COVIDをきたす可能性を示唆する.そしてCOVID-19から回復したヒト患者の嗅覚組織でも,持続的に上記と同様の転写の変化が認められた(IAV感染では認めない).この小動物モデルはlong COVID9の機序や治療法を探るために有用と考えられた.
Science Translational Medicine. Jun 7, 2022(doi.org/10.1126/scitranslmed.abq3059)
◆軽度の呼吸器感染は脳脊髄液でのCCL11上昇や大脳白質ミクログリア活性化を介して認知機能障害を引き起こす.
Neuro-COVID研究を牽引するYale大学からの報告.著者らはCOVID-19に伴う認知機能障害は,がん治療に関連した認知機能障害に似ているという仮説を立てた.がん治療に関連する認知機能障害では,大脳白質ミクログリア活性化とその結果生じる神経調節異常が中心的な病態機序と考えられている.このため著者らは軽症のSARS-CoV-2ウイルス呼吸器感染の脳への影響を調べた.この結果,マウスとヒトの双方で,大脳白質に選択的に認めるミクログリア活性化を見出した.マウスでは,軽症の呼吸器感染後,海馬における神経細胞新生の持続的な障害,オリゴデンドロサイトの減少,ミエリンの喪失がみられ,さらにケモカインCCL11(エオタキシン)を含む脳脊髄液サイトカイン・ケモカインの上昇を認めた(図2).CCL11の全身投与は,海馬におけるミクログリア活性化と神経新生の障害を引き起こすことも確認した.またlong COVIDにより認知機能障害が持続するヒト患者でもCCL11レベルが上昇していた.以上の所見はがん治療後とSARS-CoV-2感染後の神経病態が類似すること,ならびに軽度のCOVID感染でも認知機能障害につながる可能性があることを示している.
Cell. June 16, 2022(doi.org/10.1016/j.cell.2022.06.008)
◆オミクロン株の症候性感染に対し,ワクチン2回接種のみではほとんど効果がない.
オミクロン株のBA.1またはBA.2に対する自然免疫,mRNAワクチンまたはその両方による防御について研究した論文がカタールから報告された.症候性(つまり症状が見られるという意味)BA.2感染に対する感染歴のみでワクチン接種なしの有効性は46.1%であった.ワクチン2回接種+感染歴ないでは,その効果は乏しく-1.1%であった(ほぼ全員が2回目の接種を6カ月以上前に受けていた).3回接種+感染歴なしの有効率は52.2%で,2回接種+感染歴ありでは55.1%,3回接種+感染歴ありでは最強となり77.3%であった.BA.2感染による重症,重篤,致死的症例に対して,感染単独,ワクチン単独,ハイブリッド免疫のいずれも強い有効性(>70%)を示した.BA.1感染に対する解析でも同様の結果であった.以上よりオミクロン株とその亜種による症候性感染に対し,2回接種しても時間が経っているとほとんど効果がないものと考えられる.現状,2回接種のみではブレークスルー感染は生じてしまい,上述のlong COVIDに移行するリスクがあることを啓発する必要がある.
New Engl J Med. June 15, 2022(doi.org/10.1056/NEJMoa2203965)
◆ワクチン誘発性免疫性血小板減少症による脳静脈血栓症に起因する死亡率低下に免疫療法は有効.
ワクチン誘発性免疫性血小板減少症による脳静脈血栓症(VITT-CVT)は,COVID-19ウイルスベクターワクチンのまれな副作用である.2021年3月,VITTの自己免疫性病態が発見された後,治療勧告が策定された.これは3本柱,すなわち免疫療法(IVIGおよび/または血漿交換療法),非ヘパリン系抗凝固剤,血小板輸血の回避からなる.今回,欧州を中心とする多施設国際研究でこれらの推奨事項へのアドヒアランスと死亡率との関連性を検討することを目的とした前方視的研究が報告された.17カ国71病院から99例のVITT-CVT患者が解析された.まずVITT治療勧告の遵守は時間経過とともに改善した.しかし勧告に従った治療は死亡率を改善したものの,統計的有意差は認めなかった(14/44(32%)対 29/55(52%),調整後 OR 0.43).しかし免疫療法を受けた患者は死亡率が低下した(19/65(29%)対24/34(70%),調整後OR 0.19).ヘパリンの代わりに非ヘパリン系抗凝固薬を用いた治療は,死亡率の低下と関連しなかった(17/51(33%) vs 13/35(37%),調整後OR 0.70).また,血小板輸血も死亡率に有意な影響を与えなかった(17/27(63%) vs 26/72(36%),調整後OR 2.19).以上よりVITT-CVTの死亡率低下には,免疫療法がもっとも重要と考えられた.
Ann Neurol. June 10, 2022(doi.org/10.1002/ana.26431)
Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
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怪しいフォグ
2024-02-22 | 信ずること
婚約の話が浮上した頃贈られた花束の薔薇の花びらとメッセージ*
長い時が過ぎ去ったと言うのに褪せもしない花びら
メッセージは二人の合言葉であり、信じていること。
ストレスの鬱積、睡眠不足、不規則・不適切な飲食生活、極端な運動不足などによって、人は往々にして、頭がモヤモヤしている感覚を持ち、集中力や記憶力などが低下して、よって判断力や意思決定能力が欠けてしまう状態をブレイン・フォグと言うが、文字通り脳に靄なり霧なりが湧いていることである。誰でもそのような状態に陥るが、未亡人の91%はブレイン・フォグに見舞われると言う統計がある。(Modern Widows Clubが2020年に行った523人を対象にした調査による。)日本で頻繁に起こる「おれおれ詐欺」などは、おそらくお連れ合いをお亡くしになった年配者が被害者なのは、そうした靄や霧が一因となり、適切な判断力を欠けさせてしまうからなのかもしれない。放置しておくと、実は鬱病や認知症などの本格的な病に発展してしまう可能性がある。ちょっと行き過ぎたモヤモヤだとご本人やご家族が懸念する時は、一応専門医に相談することが大切だ。
夫を見送ってから、以前にまして祈ることが頻繁になり、そして50余年になるキリスト者としての知識やその土台となる信仰のために、捨てることも忘れることもできない大きな希望のために、泣き崩れてどうにもならないことには至らなかった。〜すればよかった、という後悔一つ私にはなく、また一言も苦しさを訴えず夫が静かにこの世を卒業できたことは祝福であると思う。葬儀のあとで、ビショップに「故人は非常にあなたに感謝していると私や他の教会員たちに何度も何度もおっしゃっていらしたのですよ。心の底から大きな愛情をお持ちのご夫婦であられましたね。」とお聞きした時は、お礼を申して、帰宅して件の寝室のカウチに座ってさめざめと一人で泣いた。かつて多くの受験者の力となった旺文社の「傾向と対策」参考書のようにブレイン・フォグにもその傾向と対策はある。健康的な食生活から始まって、十分な睡眠をとり、散歩や軽い運動、ストレス軽減のためにリラックスタイムをとって音楽鑑賞や読書などから気軽に始められる。私の対策はキリスト者としての信仰と希望を持ち、聖典をさらに読み、学び、「東に病気の」方があれば、「看病し」、「西に疲れた母あれば行って」子供たちと遊び、食事を持っていき、の、まさに「雨にも負けない」生活を心がけていることである。「雨にも負けない」のなら、靄も霧も退散してくれることだろうと願いつつ。(宮沢賢治「雨にも負けず」から。)
*(I can't wait for the day when )We'll Never Have To Say Goodbye Again (to each other).
(その時が待ちきれません)わたしたちが(お互いに)2度と別れを言う必要がありません。
ままちゃんのアメリカ
https://blog.goo.ne.jp/rell248/e/7cf7549f50cdf67d319829e10f1ac259
ブレインフォグの凄まじさ
2025-03-01 08:36:16 | Weblog
私のブレインフォグは凄まじく、薬飲んだ直後に、今、薬飲んだっけ?とわからなくなることが多々ある。
リスペリドンとか、心療内科でもらってる薬は薬の包装が、目の前に転がってるから、まだ大丈夫なんだけど、ヨクイニンタブレットは、瓶が目の前にあっても、これから飲もうとしてたのか、飲んだ後なのか、わからなくなるの。
迷ったら、飲まないことにしてるから、1日9錠なんて、とても飲めない。ちゃんと飲めてたら、もっと結果いいのかなあ?
記録
https://blog.goo.ne.jp/pop321/e/3900fe73b8e20146a30b69ed5223259e
https://blog.goo.ne.jp/pop321/c/f81e513c4e63a75e6d40c3c78dfeb031