2005年9月26日月曜日

[市場] ライブドア・モバイル登場??~主役の座をうかがう「第三勢力」たち

[市場] ライブドア・モバイル登場??~主役の座をうかがう「第三勢力」たち
2005/08/23 20:47 更新
モバイル戦国時代(第3回):第三勢力の台頭と「ホリエモン携帯」の現実味 (1/3)
最終回は、ドコモや新規事業者の影にある「第三勢力」を扱う。
平成電電、アイピーモバイル、YOZAN、ライブドア。
いずれも虎視眈々とチャンスを狙っている。
激動する移動体業界をまとめる「モバイル戦国時代」、最終回はNTTドコモ、新規事業者の対立の影にあって主役の座をうかがう「第三勢力」たちを扱う。
本稿でいう第三勢力とは、“携帯事業”を行うとは明言していないが“モバイルデータ通信”の提供を予定しており、将来的には音声通話サービスにも進出してきそうな事業者を指す。具体的には平成電電、アイピーモバイル、YOZAN、ライブドアといった事業者がこれにあたる。いずれも、虎視眈々とチャンスを狙っている。
■勇躍、WiMAXに踏み込んだ平成電電
まず注目株なのが平成電電だ。
既にドリームテクノロジーズと組んで、WiMAXとWi-Fiを組み合わせたサービスを発表している。
全国に15万~20万カ所のアクセスポイント(AP)を設置し、これを平成電電の光ファイバーバックボーンに接続する計画(7月5日の記事参照)。
当初はデータ通信サービスを展開するが、将来的にはVoIPサービスも視野に入れているようだ。
WiMAXといえば、多くの事業者が注目する無線通信技術(7月4日の記事参照)。
しかしサービスの開始時期、具体像をここまで明示した事業者は、平成電電が初めてとなる。
過去に固定通信の分野でも、現在KDDIやソフトバンクが力を入れる「回線直収型電話サービス」(2003年4月2日の記事参照)にいち早く取り組んだのは、ほかでもない平成電電だった。「WiMAXの開拓者」として、先行者利益を確保できるかがポイントになる。
■2GHz帯レースで先行? アイピーモバイル
TD-CDMAを旗印にモバイルデータ通信市場に挑むのが、アイピーモバイルだ。
昨年、ソフトバンクとイー・アクセスが相次いでTD-CDMAからFDD方式のCDMA通信に「鞍替え」したが(2004年12月27日の記事参照)、アイピーモバイルは一途にTD-CDMAで事業展開を考えている。
現時点でサービス概要は不明だが、アイピーモバイル支持者にとって嬉しいニュースもあった。
総務省が7月末に発表した、2GHzの割当方針がそれだ(総務省の報道資料参照)。
それによると、総務省は2GHz帯で「ITUで国際標準とされた第3世代移動通信システムを導入する」と明言。
「(特定事業者の)基地局の開設計画の審査の結果……(中略)計画の適切性、計画実施の確実性などの要件を満たす申請者が存在しない場合」に、IMT-2000以外のシステム導入も検討するという。
2GHz帯の割当に手を挙げると見られるのは、アイピーモバイル、ウィルコム、ライブドアの3社。
しかし、3G採用を表明しているのはアイピーモバイルだけだ。
総務省の表現をどうとるかは微妙だが、素直に考えれば
「アイピーモバイルが問題なければ、アイピーモバイルで決まり」
と読める。2GHz帯獲得レースでは、アイピーモバイルが一歩リードといえそうだ。
■YOZANは「コンシューマサービス」を放棄
平成電電と同じく、WiMAXでの事業展開をうたうYOZANだが、こちらは現実的なサービスを選択した。
当初、PHSをWiMAXに置き換えたコンシューマーサービスを展開するのかと見られていたが、「ワイヤレスジャパン2005」会場でこれを明確に否定している(7月13日の記事参照)。
「コンシューマー事業をやりぬく体力がない。VNO事業者に対して回線を提供し、黒子に徹する。プラットフォームベンダーとしてのYOZAN」(YOZANの高取直社長)
VNO、とはモバイル戦国時代の第1回で出てきた「MVNO」(Mobile Virtual Network Operator)の“Mobile”をとったバージョンのこと。
YOZANのサービスは当初モバイルサービスではないため、このような表現になる。
サービス例としては、地域の通信事業者に回線を卸売りしたり、中小規模の企業向けに無線網を構築したりといったモデルが挙げられている。より具体的な内容はVNO事業者次第……ということになるが、どこか派手さを欠くサービスになってしまった感は否めない。
YOZANがトーンダウンしたのと入れ違いに、話題性を高めてきたのがライブドアだ。
ライブドアの公衆無線LANサービス「D-Cubic」は(6月24日の記事参照)、YOZAN同様パワードコムの光ファイバーバックボーンを利用する。アクセスポイントの設置場所も、YOZANと提携することでYOZANの基地局スペースを利用する(7月6日の記事参照)。さながら、YOZANのあきらめたコンシューマー向けサービスを、ライブドアが提供しているようなところがある。
業界のパワーバランスで見た場合、ライブドアのサービスにはもう1つ面白い部分がある。
京セラが推進するiBurstを採用したことだ。(7月15日の記事参照)。
ソフトバンクやイー・アクセスといった事業者は、どちらかといえばWiMAXに乗り気で、iBurstにはさほど興味を示さなかった。
そこをあえてiBurstに賭けたあたりが、ライブドアの事業センスだろう。
これにより“京セラ陣営”がライブドアのバックアップにつくことになる。
京セラグループの京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、無線ネットワークの管理や課金を行うためのシステム構築を行っている(7月8日の記事参照)。ライブドア自慢のP2P電話ソフトウェア「Skype」はネットワーク管理が難点になるが、こうした管理システムと組み合わせれば“モバイルVoIPサービス”も十分可能だろう。
ライブドアといえば、急成長しているものの年間売上は数百億円レベル(2005年9月期は3四半期合計で売上高522億円)。
NTTやKDDI、それに最近になって日本テレコム買収で「売上1兆円プレイヤー」に成長したソフトバンクに比べると、規模は小さい。
だがライブドアには、上記の企業に勝るとも劣らない知名度がある。
ある通信事業者の幹部は「あのマスコミへの露出の上手さは、見習わなければ」と苦笑していたが、これが冗談ではすまされない部分がある。
この知名度に、前述のようにパワードコムのバックボーンと、京セラ陣営の技術力が加わる。
総務省から帯域を割り当てられるかという問題はあるが、上手くすればiBurstで移動体市場を揺さぶる「ダークホース」になれるだろう。
■パワードコム――KDDI連合で大どんでん返しも?
とはいえ、忘れてはならないポイントがある。
一部で、KDDIとパワードコムが合併に向けた交渉を進めていると伝えられていることだ(7月29日の記事参照)。
そもそもパワードコムは、全国の電力系通信事業者の中核となる企業。
電力系各社が持つ全国の光ファイバー網は20万キロを超えるといわれており、パワードコムはこれを利用して法人向けサービスなどを提供している。その事業規模、インフラ網には相当な存在感がある。
KDDIとパワードコムが実際に合併した場合、通信業界に衝撃が走ることは間違いない。
パワードコムの光ファイバーバックボーンとKDDIの固定網、auの移動体サービスが組み合わさると、間違いなくNTTに対抗し得るもう1つの軸になる。
このとき、ライブドアの立場がどうなるかは微妙だ。KDDI――パワードコム連合に一枚噛むかたちで事業を発展させられるのか、それともKDDIから「将来のライバル候補」とにらまれ、協力を拒まれるのか。後者の場合、平成電電のように基幹網を持たないライブドアは大分苦しくなる。
パワードコムがライブドアを“看板”にして移動体市場をうかがうのか、それともKDDIとの強者連合を選択するのか。
「ホリエモン携帯」実現のカギは、どうやらパワードコムが握っているといえそうだ。(モバイル戦国時代 終わり)

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2005/10/07 21:36 更新
CEATEC JAPAN 2005:
iBurstの無線IP電話は2007年?~ライブドア
「CEATEC JAPAN 2005」のキーノートスピーチに、ライブドア上席副社長の照井知基氏が登場。無線LANサービスのコンセプトを改めて話した。
幕張で開催された「CEATEC JAPAN 2005」のキーノートスピーチで10月7日、ライブドア上席副社長ネットワーク事業部本部長の照井知基氏が講演を行った。同氏はライブドアの無線LANサービスの展望を話すとともに、同サービスのコンセプトを改めて明確にした。
■うちはポータル屋 
照井氏は「livedoor Wireless」は既存の公衆無線LANサービスとは異なるものだと説明する。
既に発表されているとおり、同社のサービスは山手線圏内を“点ではなく面で”カバーすること、そして価格が月額525円とやすいことが特徴となる。
安さの理由は、livedoorのポータルサイトと連動して広告で収益を上げられることにある。
照井氏は、この点が従来型の公衆無線LANサービスと決定的に違う部分だと話す。
「我々は通信事業者というより“ポータル屋”。コンテンツでもうけたいと考えている人間だ」。
通信費を収益の柱に据えるモデルも何度もシミュレーションしてみたが、それだとどうしても月額525円という価格を実現できなかったという。
「どうしても、月額2000円以上かかる」
livedoor Wirelessは、インターネットに抜けなくてもよいなら誰でも無料で利用できる。
ライブドアIDを取得しさえすれば、ライブドアポータル内のコンテンツにアクセスできる仕組みだ。
「例えばlivedoor Blogはライブドアとしても大きなコンテンツになっているが、中には『ブログだけ利用できればいいから無料で利用しよう』というユーザーも出てくるだろう」。出先で気軽にブログを利用するユーザーが増えるだろうという読みだ。
ライブドアの各種コンテンツの利用が増えれば、直接収益の増加が見込める。
加えて無線サービスがもたらすPV増もメリットになる。
「ページビューが劇的に増えれば、基本的に広告は売りやすくなる」。
こうした効果を総合的に組み合わせて、収支を合わせてく考えだ。
■iBurstは2007年にも 
会場では無線LANサービスの今後のロードマップも、改めて示された。
現時点でも山手線の圏内の相当のエリアをカバーしているが、10月末にこれを完全な状態にもっていく(下写真参照)。
さらに来年6月までに東京23区内6200カ所にアクセスポイントを設け、さらには全国主要都市に拡大、無線IP電話も始める――というものだ。
会場では京セラの技術開発デモとして、高速移動中にiBurstのIP電話で通話をする様子を披露するビデオも流された。
ハンドオーバーなどもスムーズで、車内でも利用できるとうたう。
ただし照井氏は、「携帯をやるのかとよく聞かれるが、全面的にやるかというとそうではない」と断りを入れる。
公衆無線LAN形式のサービスを開始する当初は、携帯電話サービスをうたうわけではない。
ライブドアとしては利用シーンは明確に限定しないが、
「サービスを提供する中で、無線LANでVoIPをやるユーザーも出てくるだろう」
というスタンスなのだと説明した。

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