2022年4月8日金曜日

[通信] Wi-Fiルーターの置き場所で速度は変わる?ほか通信メモ








[通信] Wi-Fiルーターの置き場所で速度は変わる?ほか通信メモ
Wi-Fiルーターの置き場所で速度は変わる?検証してみた
井上 繁樹
2022年4月9日 06:31
Wi-Fiは随分と速くなった。まだ誰もが使っているというわけではないが、Gbps台の速度が出る製品も珍しくない。けれど電波には弱点がある。距離によって減衰し、障害物の影響を受けて速度が低下する。無線LANの速度が出ないせいか、契約している通信量を越えてモバイル回線を使い込んでしまい、一家の大蔵省に雷を落とされる子弟もいるとかいないとか。本記事では、無線LANルーターの設置場所を変えることでWi-Fiの速度がどう変わるか、拙宅環境で速度を測定した結果を紹介する。
■棚から出したら100Mbpsアップ、壁を挟むと200Mbpsダウン
まずはわかりやすく速度測定結果の要約から。拙宅環境では無線LANルーターを棚から出して机の上に設置したところ、4m離れた地点のAndroidスマートフォンは130Mbps、Chromebookは66Mbpsの速度アップとなった。どちらも40%以上速度アップしたことになる。厚さ20cmの壁を挟んだ地点では、無線LANルーターを棚に収納した状態では、Androidスマートフォンは131Mbps、Chromebookは16Mbpsの速度ダウンとなった。それぞれ87%と17%の速度ダウンになる。また、無線LANルーターを棚から出して机に設置した場合は、Androidスマートフォンは220Mbps、Chromebookは39Mbpsの速度ダウンになった。それぞれ、78%と24%の速度ダウンになる。特にAndroidスマートフォンの速度低下が大きく、Chromebookと速度が逆転している。
以下は速度測定結果の要約をまとめた表だ。
【表1】AndroidスマートフォンのiPerf3による下り速度測定結果表(Mbps)ルーター設置場所4m地点壁越し収納15120机上28161
【表2】ChromebookのiPerf3による下り速度測定結果表(Mbps)ルーター設置場所4m地点壁越し収納9680机上162123
測定環境と詳細結果は、以降で紹介する。
■速度測定に使用したソフトとハード
電波強度の測定はAndroidの電話アプリから呼び出せるWi-Fi情報表示機能とアイ・オー・データ機器のAndroid用アプリ「Wi-Fiミレル」を使用した。接続は周波数帯が5GHz、接続規格がWi-Fi 5。
・ハード
速度の測定はiPerf3を使用した。iPerf3は、サーバーとして使用したWindows 11 PCではPowershell 7.2.2上で、クライアントとして使用したAndoridでは「Network Tools」のiPerf3機能を、同じくクライアントとして使用したChromebookではデベロッパー機能のLinux上で使用した。
・速度測定に使用したアプリ
Windows 11 Powershell 7.2.2
Android 12は電話機能から呼び出せるWi-Fi情報表示、Network Tools、Wi-Fiミレル
ChromebookはLinuxを利用
【表3】iPerf3による速度測定に使用した機器ルーターアイ・オー・データ機器 WN-AX1167GR2(有線LANのみ使用)Wi-FiブリッジGoogle Wifi()接続規格Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac 2x2 MIMO)、5GHz帯サーバーWindows11 Home (Ryzen 5 3600、メモリ32GB)クライアントGoogle Pixel 5a (Android 12)lenovo IdeaPad Duet Chromebook (Chromium OS 14)
・速度測定に使用した環境
測定環境は筆者自宅の2DKで以下の図の通り。屋内で電波を遮断、反射するものは紙と木でできた建具と厚さ約20cmのモルタルもしくはコンクリートの壁など。電波強度は、無線LANルーター「RT」の位置から0~4mはなれた5カ所に、壁を挟んだ「E」地点を加えた合計6カ所で測定した。さらに、「E」地点では人間が無線LANルーターの陰になる位置に立った場合も測定した。iperf3による速度測定は、測定地点を3カ所省略して、0距離、4m、壁越し、壁と人が無線LANを遮る場合を測定した。ちなみに、なぜ0~4mを測定地点に選んだかというと、4m以上離れるとリンク速度が大きく下がり出すことを事前の調査で確認していたため。理想的な速度が出ると思われる最も離れた測定地点として選んだ。
測定に使用した無線LANルーターの設置場所は、
①押入れの下のラックケース(材質は樹脂とアルミ。内部に金属の棚やケースを収納)の中、
②机の上、
③天袋の敷居の3カ所。それぞれ、
①は電波的にかなり条件の悪い環境で、
②は障害物がない理想の環境、
③は壁掛けの場合に近い環境(高さ1.8m)になる。
測定環境
ベージュが壁で、オレンジが木と紙でできた建具、薄い灰色がアルミサッシ、濃い灰色が鉄製ドア、水色が窓。iPerf3でベンチマークを測定したのは★印の3地点
無線LANルーターの設置場所は、
①押入れ下の樹脂製ラックケースの中、
②机の上、
③天袋の敷居の3カ所
無線LANルーターを収納しているラックケース。金属の棚に載せているが、フタをしているわけではない
■速度測定結果
Androidスマートフォンを使って、電波強度とリンク速度を測定した結果は以下のグラフの通り。どちらの場合も、電波強度は距離に比例して減衰していくのに対して、下りのリンク速度は4m離れても大きく下がらなかった。
また、壁は電波強度とリンク速度の低下に大きな影響を与えていて、さらに、人間が電波を遮る位置に居た場合も同様に影響が出た。
ちなみに、今回2種類の電波強度測定機能を使っているが、おすすめなのはWi-Fiミレルの方だ。Androidの機能として搭載されている電波強度の表示機能はリアルタイムで値が変わるので、どの値をとるべきか分かりづらいためだ。
測定環境の電波状況
無線LANルーターをラックケースに入れ押入れの下の段に収納した状態での測定結果。建具で遮蔽していないので、電波強度は減衰しているが、4mまでのリンク速度は悪い結果ではない
・無線LANルーターのケーブルを伸ばして遮蔽物が無い机の上に置いた状態での測定結果
無線LANルーターのケーブルを伸ばして天袋の敷居に設置した状態での測定結果。高所に設置した分0距離から電波強度が下がるが、4mまでの電波強度は最も良い
iPerf3による速度測定結果は以下のグラフの通り。
下りと上りの両方を表に入れると見づらくなるため、下りのみでグラフを作成した。リンク速度は4mまで速度に変化がなかったが、iPerf3による速度測定では4mの時点でも速度が低下していることがわかる。壁を挟んだ地点では速度が大幅に下がり、人が遮る位置にいる場合はさらに速度が低下した。壁を挟んで以降の速度の変化は、電波強度やリンク速度の変化に近かった。人が遮る位置に居ると速度が下がるのは、人間の体の60%が電波を通しづらい水分だからだが、こうして数字で比較してみると、十分な速度が出ていない環境では軽視できない要素になることがわかる。面白いのは、壁を越えてからAndroidスマートフォンとChromebookで速度が一部逆転していること。搭載しているアンテナの違いが影響しているのだろうか。どちらの場合も、最悪の状況でもWebや動画の視聴が可能な速度が出ているが、無線LANルーターを障害物のない机の上に置いた状態以外では、もう1枚壁を越えるのは難しそうだ。
それから、天袋の敷居に設置した場合の速度があまり伸びなかったことは意外だった。数字が伸びなかった理由として考えられるのは、
①梁が電波の障害になっている、
②電波は無線LANルーターから水平、あるいは球状に強く届くので、高低差がある分電波が届きにくくなっている、などだ。高低差ができる分距離が遠くなるということもあるのかもしれない。
ただ、壁を挟んだ地点ではAndroidスマートフォンの場合、無線LANルーターを机上に置いた場合と天袋敷居に置いた場合で速度が大きく逆転しているので、天袋敷居のような高所設置にも一定の効果があるようだ。
iPerf3による速度測定結果グラ
Androidスマートフォンの速度測定結果
Chromebookの速度測定結果。壁越しになってさらに条件が悪くなった場合でも、Androidスマートフォンよりも速度が出ている
■棚に収納した場合の速度低下に注意
無線LANルーターは、登場当初はともかく、昨今では置き場所となる家での受け入れ方がこなれてきていて、たとえば玄関の作り付けの戸棚の中にあらかじめ収納場所が用意されていることがある。冷蔵庫や洗濯機と同様に、見せないデザインで処理されるようになったと言っていいのだろうか。無線LANルーターとしては、収納されることは速度面ではマイナス要因だ。だから、収納する棚は電波を通しやすい素材(木や紙など)でできたものがよい。例えば、無線LANルーターを数多く販売するバッファローは、住宅部材メーカーと組んで「Wi-Fi収納」を共同開発している。無線LANルーターの収納について気になる人には参考になるかもしれない。
今回速度を測定した拙宅の環境のように、無線LANルーターを電波的に不利な環境、例えばBlu-rayレコーダーやAVアンプなど金属部品が含まれているものが多い棚の中に収納する場合、壁を挟んだ場所では十分な速度が出ない可能性がある。モバイル回線と比べるとそれでも十分に速いので気づかず放置していることも多いのではないだろうか。設置場所を少し変えるくらいならお金もかからないので試してみる価値はあるだろう。

PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/inoue/1401186.html


















[通信] Wi-Fi6(4ストリーム)のパワーを活かすシステム作
ネットの速度低下、意外な盲点 パソコンやスマホの子機が遅いとボトルネックに
12/19(日) 20:11配信
子機の性能が不足するときは、USB接続のWi-Fiアダプターを追加するとよい
最後にWi-Fiを遅くする要因のうち、今回はパソコンやスマートフォンをはじめとするWi-Fi子機の現状を見ていこう。
Wi-FiルーターとWi-Fi子機は、それぞれWi-Fi規格のいずれかに対応している。相互の規格が異なる場合には、下位の規格で接続する。例えば、ルーターが最新のWi-Fi6(4ストリーム)対応であっても、子機側のノートパソコンがWi-Fi 5(2ストリーム)対応であれば、両者はWi-Fi 5(2ストリーム)で通信する。そうなると、自分のパソコンがどの規格に対応した子機を内蔵しているかが気になるところ。ここ1、2年で購入した最新パソコンはWi-Fi 6を搭載しているケースがあるが、それ以前の機種であればWi-Fi 5を搭載したものが多い。Wi-Fi 5の子機は2ストリームが主流だが、下位モデルでは1ストリームもある。 【図解はこちら】ネット接続の速度、PCやスマホのチェック方法
■ノートパソコンのスペックを調べる
自分のパソコンのスペックを正確に知りたければ、ウェブなどのカタログデータを確認しよう。 ただし、メーカーによっては特に古いモデルでWi-Fi子機の詳しい情報が載っていないことがある。そんなときは、子機のモジュール名から調べる。スタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を開いたら、「ネットワークアダプター」欄にある子機のモジュール名を確認する。「Wireless」などの文字があるのが子機のモジュール名だ。例えば、「WirelessAC」とあれば、それはWi-Fi 5。ウェブでさらに詳しい情報もわかる。 モジュール名を見てもわからなかったときは、実際のリンク速度から推測する。リンク速度とは、Wi-Fiルーターと子機間の最大通信速度(理論値)のこと。866メガビット/秒(Mbps、メガは100万)ならWi-Fi 5の2ストリーム、433Mbpsなら同1ストリームと推測できる。電波が弱いとリンク速度が落ちるので、Wi-Fiルーターの近くで確認しよう。 ギガビットクラスの光回線を導入し、Wi-Fiルーターは6対応なのに、子機のパソコンは4や5に対応──。そんな残念な環境に置かれたユーザーのなかには、子機をアップグレードしたいと思う人もいるかもしれない。 そんなときは、USB接続のWi-Fiアダプターを使うとよい。国内メーカーのWi-Fi 5(2ストリーム)の子機は4000円前後、同(3ストリーム)は7000円前後で購入できる。また、バッファローから国内メーカーで初めてWi-Fi 6に対応した製品も発売される。通信速度にこだわるユーザーは検討しよう。
■最新モデルのスマホ子機はWi-Fi 6に対応
スマホのWi-Fi規格はどうなっているか。まずはカタログデータで確認する。必要な情報が得られなかったとき、Android(アンドロイド)の場合、機種によってはリンク速度から推測できる場合がある。「設定」を開き、「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」とたどると、「送信リンク速度」「受信リンク速度」が表示されることがある。 iPhoneの場合、設定画面からリンク速度を確認できない。ただしここ数年のモデルなら子機側の性能は十分といえる。 (ライター 岡野幸治) [日経PC21 2022年1月号掲載記事を再構成]

INTERNET Watch
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/shimizu/1248918.html











Wi-Fi 6
清水理史の「イニシャルB」
もうこれでイイ! Wi-Fi 6最安の実売8千円! TP-Link「Archer AX10」を試す
清水 理史
2020年4月27日 06:00
TP-Linkから発売されているArcher AX10は、Wi-Fi 6に対応するルーターとしては、現時点で最安となる実売価格8000円前後の製品だ。最大通信速度は1201Mbpsとなるものの、実効速度はなかなか優秀。「もうこれでイイ」と思わせるコスパ最強のWi-Fi 6ルーターだ。
スペックはそれなり、160MHz幅非対応で最大1201Mbpsの通信速度
160MHz幅での通信には非対応で処理性能も控えめ。セキュリティ機能の「TP-Link HomeCare」もUSBポートも省略されている……。ただ、そんなスペック上の違いを気にしなければ、TP-Linkの「Archer AX10」は、なかなかお買い得な製品だ。
TP-LinkのWi-Fi 6ルーター「Archer AX10」
実売価格は2020年4月時点で8000円。1万円以下の価格でありながら、最新のWi-Fi 6ことIEEE 802.11ax(ドラフト)に対応しており、最大1201Mbps(5GHz帯)での通信が可能になっている。
Wi-Fi 6における規格上の最大通信速度は9.6Gbpsで、現時点では製品ベースでも4804Mbpsに対応するルーターが最速なので、本製品の1201Mbpsはかなり物足りなく感じる。Wi-Fi 5でも上位モデルなら1733~2167Mbpsを達成しているので、額面上のスピードだけなら、これにも及ばないわけだ。同じくTP-Link製でワンランク上(それでも安いが……)のモデルである「Archer AX50」と比べても、先にも触れた通り、いくつかスペック上の欠点が目に付く。
Archer AX10Archer AX50実売価格8000円※11万2800円※1CPUトリプルコア、1.5GHzクアッドコア、1.8GHzメモリ256MB未公表Wi-FiチップBCM6750Intel WAV654Wi-Fi対応規格IEEE 802.11ax/ac/n/a/g/b←バンド数2←最大速度(2.4GHz)300Mbps574Mbps最大速度(5GHz-1)1201Mbps2402Mbps最大速度(5GHz-2)―←チャネル(2.4GHz)1~13←チャネル(5GHz-1)W52/W53/W56←チャネル(5GHz-2)―←新電波法対応―←ストリーム数2←アンテナ外付け×4←IPoE IPv6○←DS-Lite―←MAP-E―←WAN1000Mbps×1←LAN1000Mbps×4←USB―USB 3.0×1動作モードRT/BR←ファームウェア自動更新―←HomeCare―○VPNサーバー○←本体サイズ260.2×135.0×38.6mm←
※1 2020年4月15日時点。調査時10%OFFクーポンあり(価格は未適用時)
しかし、実質的にはこれで十分なのだ。
「フレッツ 光クロス」など、最大10Gbpsで通信できるインターネット回線が登場したとはいえ、WANもLANも1Gbpsが上限の環境がまだまだ多いし、Wi-Fiの通信も、一部には2402Mbpsで通信できるPCがあるものの、スマートフォンの上限は1201Mbpsが最速なのだから。
Archer AX10には、前述したセキュリティ機能のTP-Link HomeCareやUSBポートに加え、同社の一部ルーター製品でサポートされているIPv4 over IPv6(MAP-EやDS-Lite)、さらに「OneMesh」と呼ばれるメッシュ機能が搭載されない。
だが、これらを不要と割り切ってしまえば、わずかな投資で次世代のWi-Fi 6へと移行できるのが本製品の魅力だ。詳しくは後述するが、筆者宅では3階の遠くの場所でもかなり高い速度で通信できており、その性能も優秀だ。
もともとTP-Linkはコスパに優れた製品を扱うことで有名だが、本製品は、今までの製品の中でも群を抜いてコスパが高いと言ってもよさそうだ。
ライバルとなりそうなのはネットギアジャパンの「RAX20」だろうが、こちらは2.4GHz帯が574Mpbsと高いものの実売価格も1万3533円と高いので、やはりコスパでは本製品が突き抜けている。
「Archer AX50」と同デザイン、大型のアンテナを4本搭載
それでは実機を見ていこう。
外観は、先の表でも比較した上位モデルのArcher AX50と共通したもので、ブラックの比較的コンパクトな筐体となっている。アンテナは、外付けタイプで4本が搭載される。本体サイズが比較的コンパクトなので、長めのアンテナがアンバランスな印象を受ける。実際にアンテナの長さを測ってみると140mmほどあるので、本体の奥行きサイズ(135mm)よりも長いことになる。
■WAN/LANポートはすべてギガビット対応
インターフェースはシンプルで、背面に電源やリセットボタン、WPSボタンに加え、1ポートのWANと4ポートのLANが搭載される。すべて1Gbps対応となっており、Wi-Fiの最大1201Mbpsを下回る。さすがにこの価格帯の製品に2.5Gbps以上のLANを求めるのは贅沢なので致し方ないが、実効速度を考えれば十分なものと言えるだろう。
■Tetherアプリを使ってセットアップできる
セットアップには、同社製品ではおなじみの「Tether」アプリを利用する。セットアップ時のWi-Fi接続は手動だが、インターネット接続などはアプリから簡単に設定可能で、SSIDやパスワード変更後のWi-Fi接続も、アプリから自動的に実行できる。各種設定の変更や動作状況をチェックができるのはもちろんだが、クラウド経由でルーターの動作状況をチェックしたり、ゲスト用Wi-Fiを手元で簡単にオン/オフできるなど、なかなか使いやすいアプリだ。こういった点は上位モデルと何ら変わらない。低価格モデルだからと言って、心配することはないだろう。
■一番遠い場所でも239Mbps! エントリーながらWi-Fi 6は侮れず
気になる性能だが、価格を考えればかなり優秀なものだ。次のグラフは、木造3階建ての筆者宅の1階にArcher AX10を設置し、各階でiPerf3による速度を計測した結果だ。クライアントには、同じくWi-Fi 6で1201MbpsとなるiPhone 11を利用した。
iPerfテスト
1F2F3F入口3F窓際Archer AX10上り544414238102下り807563381239
同じフロアとなる1階で807Mbpsをマークしており、かなり高速だ。今回は結果を掲載していないが、手元のWi-Fi 6対応PCでの計測では、同一フロアなら有線LAN並みの900Mbpsオーバーを記録できる。3階でも優秀で、入り口付近の障害物が少ない環境では381Mbps、最も遠い3階窓際で239Mbpsで通信できた。Wi-Fi 5対応のアクセスポイントの場合、3階窓際で100Mbpsを上回ることはあまりないので、エントリーモデルとは言えWi-Fi 6は侮れないという印象だ。ちなみに、今回のテストでは上下方向に電波を飛ばしたいため、Archer AX10のアンテナはすべて水平の状態で計測している。アンテナが外付けとなるタイプの製品では、アンテナの向きで結果が変わりやすいため、設置時にクライアントの利用場所を想定してアンテナを調整しないと、実力を発揮させにくい。このあたりは試行錯誤しながら調整してみるといいだろう。
■普及が進むテレワークでも、これで十分
というわけで、TP-LinkのArcher AX10を実際にテストしてみた。エントリーモデルとは言え、その実力は高い。スマートフォンを中心にWi-Fi 6対応製品が増えてきた状況を考えると、買い換えに値する製品と言えるだろう。IPv6 over IPv4に対応していないのが日本のインターネット回線事情には合わないが、IPv6は標準でオンになっている。DS-LiteやMAP-Eの環境のユーザーは、アクセスポイントモードで利用するといいだろう。テレワークの普及に伴い、家庭内のWi-Fi事情を見直す動きが出ているが、そういったケースにも適した製品と言える。5GHz帯が通りにくい鉄筋造りで広めのマンションなどでは、メッシュWi-Fiを選択した方がよさそうだが、本製品は安価なので、後から中継機を追加するという選択も無理なくできる。こうした点も、リーズナブルな本製品ならではのメリットと言えそうだ。

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ハードウェア
自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
【使いこなし編】第17回
Wi-Fi中継機でエリアを拡張しよう(3)
【Wi-Fi中継機の設置位置調整編】
村上 俊一
2019年9月30日 06:05
使いこなし編は、まずWi-Fiの電波状況を良くすることにフォーカスしている。自宅Wi-Fiの電波状況について、スマホを使ってヒートマップを作成し、ウィークポイントがよくわかるようした後、Wi-Fi中継機(エクステンダー)を使ってエリアを補完する作業をしている。前回まででWi-Fi中継機が利用できるようにセットアップが完了したところだ。
自宅Wi-Fiエリアの弱いところを補完するWi-Fi中継機を活用中。Wi-Fi中継機は設置場所の調整がとっても重要なのだ。必ず調整しておこう
今回は、セットしたWi-Fi中継機に対し、最終の微調整を行っていく。電波を中継するWi-Fi中継機は、Wi-Fiルーターの電波は届くが弱くなっていくエリアを探りながら、Wi-FiルーターとWi-Fi中継機の距離が最適になるよう設置するのだが、これが意外と難しい。なぜなら、Wi-Fi中継機がWi-Fiルーターの電波を掴まないと中継をしてくれないし、電波が強過ぎる場所ではエリアがあまり拡張されない上、中継機に接続がなかなか切り替わらない。
そこで作成しておいたヒートマップが役に立つ。電波が完全に弱くならないエリアで、コンセントのある場所にうまく設置するようにしよう。今回使っているWi-Fi中継機のTP-Link「RE350」は、Wi-Fiルーターの電波強度をリングの色で表示してくれる。ブルーに光っていればエリア内。赤くなってしまうとエリア外だ。つまり、設置場所で青かったり赤かったりと色が変わるようなら、Wi-Fiが快適に使えるエリアのギリギリであることを示している。
Wi-Fi中継機TP-Link「RE350」。接続しているWi-Fiルーターの電波強度が十分であれば、リング部分がブルーに光る
Wi-Fiルーターのエリアから外れていればリング部分が赤くなる一方、場所がギリギリだと青と赤が切り替わることも。時間をかけてチェックをしていこう
TP-Linkの機器で設定に使うスマートフォンアプリ「Tether」。Wi-Fi中継機の設定後にログインしたところ。電波強度が弱い場所だと警告が表示される。警告バナーをタップしても表示できるが、[ツール]をタップ
Wi-Fi中継機はコンセントに直接挿して使うので持ち歩くワケにはいかないが、使い始めた場所でしばらく接続状況をチェックし、問題があれば移動するという作業を怠らないようにしておきたい。なお、Wi-Fi中継機には、Wi-Fiルーターからの電波強度を表示する似たような機能を持つ製品が多い。TP-Link製品で利用できるスマートフォンアプリ「Tether」でも、電波強度のチェックができる。設定する機器にログインしたあと、下部の[ツール]タブを表示させると[ロケーションアシスタント]という機能が利用できる。ここで、[Wi-Fiシグナルを確認]をタップすると、強度が十分かどうかを調べてくれる。こちらを使ってもいいだろう。
[ロケーションアシスタント]という機能が利用できる。これをタップ
[Wi-Fiシグナルを確認]をタップすると計測される
離れすぎていて計測結果が悪いときは、もう少しWi-Fi中継機をルーターへ近づけよう
ちょっと近づけると良好になる
なお、以前に使ったアプリ「Wi-Fiミレル」[*1]で、Wi-Fi中継機を含めてヒートマップを作成してみたところ、以前はあった黄色い部分がなくなり、すべての範囲をエリア内に含めることができた
[*1]……iPhoneをiOS13にアップグレードしたところ、アプリが起動しなくなったので注意してほしい。いずれアップデートで修正されることと思われる
■今回の教訓(ポイント)
Wi-Fi中継機は、セットアップ後のWi-Fiルーターとの距離調整がポイントになる
エリアが重なりつつ、エリアがシッカリ中継できる位置に設置しよう

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