2002年2月9日土曜日

[機器][PC] Thinkpad i series 1124 (2609-93J)






[機器][PC] Thinkpad i series 1124 (2609-93J)
Thinkpad i series 1124 (2609-93J)
仕事が忙しいのねん。
実を言いますと私は去年はプーでした。いろいろあって一昨年に会社を辞めて、しばらく(?)のんびりしていたのです。
ふと思って自分のページを見直してみると...無職の分際でよくもまぁいろいろ買ったものです。別に私がお金持ちな訳では無く、要らないところ(?)にほとんど金を使わない性格なので、働いていた時の多少の小銭が残っていたわけです。しかしさすがにそれも厳しくなり、世間の風当たりなどもあって21世紀である今年にやっとこさ再就職を果たしました。
が、このご時世に雇ってくれる会社と言うのは、よほど金が余っているか、よほど忙しいかの2つに1つしか無いでしょう。さらに言うとほとんどが後者の部類に入ります。そして例に漏れず、私も後者の会社にあたってしまいました。とにかく忙しくて毎晩夜遅くまで働いています。
家に着くのは夜中、食事して風呂入ってバタンキューです。こういった生活を続けていると平日はメールチェックすらせずに寝てしまい、インターネットから遠ざかってしまいます。ついに当方の地域にも念願のCATVインターネットが来たのですが、それに加入するどころかフレッツISDNすら元が取れているかどうか怪しいくらい使ってません。
働き出して一ヶ月ほどはまさにそんな日々が続き、行きつけの掲示板にもあまり顔を出さず、未読メールが山のように溜まるようになってしまいました。たまに休みの日にまとめて返事を返そうとしたりしていましたが、文章を書くのが苦手(今書いているようなページですら一ヶ月近く掛けてじっくり手直ししてからアップしてます。)ですし、休みはゆっくりしたい と言う事でだんだん面倒になってきてしまいました。
反面、妙に無駄な時間が増えました。それは通勤時間。姫路近くから大阪まで毎日2時間近く掛けて通っていますが、電車の中ですることもなく、ボーっと外を眺めています。この時間を有効利用するにはノートPCしか無い! よっしゃ、しばらく使ってなかったVAIO505の出番がやってきたぜ!!! と思ったら...
壊れてやんの...>VAIO505(初代)。
ウンともスンとも言いません。修理しようかとも思いましたが、いまさらPentium133MHzのものを修理してもろくに使えないでしょう。それならいっそ..いっそ新しいノートPCを買えば良いじゃないか! <バカ?
■NotePCは数あれど
最近のノートPC事情は様変わりしてきて、ほとんど持ち運ばない事を前提に作られている大きなものか、頻繁に持ち歩く事を前提に作られているとても小さなものか、と両極端なものが多い気がします。
前者の場合は、バッテリはNi-H(ニッケル水素)などの安価なものを採用しており、1時間程度しか持たず、本体サイズもA4サイズ以上と大きめで、CD-ROMとFDを内蔵したオールインワンタイプが主流です。サイズを犠牲にした分、汎用的な部品を使えるために、比較的安価という事もあり、省スペースブームの波に乗って、オフィスや家庭でデスクトップの代替として使われている例が多いようです。
そして後者の場合、バッテリはもちろんLi-ion(リチウムイオン)で、そこそこ(2~4時間前後)持ち、サイズはA5や、B5と横幅は同じで縦を縮めた変形サイズなど。FDやCD-ROMはUSBポートを使用して外付け。PCを持ち歩く必要のあるサラリーマンや、PC依存症の若者に人気です。
しかし私の条件として、
・HDDが大きいこと。これはちょっと理由がありますがまた後ほど。それでなくても10Gは欲しいですね。
・B5サイズ以下であること。電車での持ち運びを考えるとA4はキツイでしょう。
・値段は20万円前後。売れ筋はこのくらいの値段は覚悟しておかないとね。
・バッテリが長く持つ事。デスクトップの代替として使うならいざ知らず、電車の往復で使うにはそこそこ持ってほしいですね。往復を考えて3~4時間くらい。
・所詮は車内での暇つぶしなのでCPUはあまり重視しない。400~500MHz程度で十分。
そこでまず考えたのがVAIO C1。サイズは変形B5サイズ。横幅はB5と同じですが、縦が短くなっているため1024 x 480という変わった解像度です。それは良いとしても、先代VAIOは速攻で壊れたという事もあるし、先輩もC1持ってるし、と言う事で却下。次は上記C1と同じく変形B5サイズの富士通LOOX。んー、なんか富士通ってあまり好きく無い、で却下ぁ (^^;; と思ってましたが一般的なIntelでは無くtransmeta(トランスメタ)という会社の、アイドリング時にとても動作電力が低いcrusoe(クルーソー)というCPUを採用しているというのが、新しいもの好きの私には魅力でした。動作電圧が低いと言う事は、バッテリがよく持つと言う事にも繋がります。いいことづくめじゃん!
 しかし・・・アイドリング時に電圧が低くなっても、CPUを使っている時はそれなりの電圧が必要になるため、実際には思ったほどバッテリには貢献しません。動作速度も同周波数のPentium!!!と比べると遅めです。
いろいろ考え、やっぱりLOOXかなぁ...と決めかけていた矢先、会社的に上記「crusoeは使わない!」と言い切って居たIBMから、面白いノートPCが発売されると言う記事を読みました。それがこのThinkpad i series 1124(2609-93J)です。
超!
このノートPCのCPUは一般的なノートPCに使われている「低電圧Pentium!!!」ではなく、それをさらに下回る、Intelが上記crusoeに対抗するために作り出した「超低電圧Pentium!!!」なのです。
AC電源を繋いでいる場合は 1.1V駆動のPentium!!!500MHzとして動作し、バッテリになると 1V以下 (正確な電圧は公表されていない) のPentium!!!300MHzとして動作します。今までも同じような仕組み (Intelでは SpeedStepTecnology = スピードステップテクノロジ と呼んでいる) のCPUはありましたが、バッテリモードで1Vを下回るCPUは現在これ以外はありません。上で書いたように電圧が下がればそれに応じてバッテリの持ちも長くなります。そのため標準バッテリで5時間、ロングライフバッテリ( 2001年4月発売予定 )で7.5時間も動作するそうなのです!
これは公表値なので標準バッテリで5時間は無理としても、私の会社までの往復はゆうゆう持ってくれます。以前所持していたVAIOが公表値1.5時間と言いながら、結局1時間すら持たなかった事からすると革命的です。ちなみにバッテリだからといって強制的に300MHzのバッテリモードになるかと言うとそうではなく、常に500MHzで駆動するようにも設定できます。
先日出張で東京に行った際に調べてみましたが、MP3をバックで動かしながらFrontPage2000でHPを作ったり、メールを書いたりしてますと、3時間30分でローバッテリ表示(残り15%)になりました。実働4~4.5時間といったところでしょうか。
他のスペックも見てみましょう。LCDは通常のバックライト付TFT液晶、10.4インチで1024x768です。グラフィックチップはSilicon MotionのLynxEM+、HDDは20G、PCMCIAスロットがひとつ、USBポートがひとつ、LucentのV90モデム、サウンドはCrystalの  CS4281。全体的にバランスのとれた構成です。
あとThinpadには変わった特徴があります。B5ノートの分際で、シリアル、パラレル、VGA、PS/2(マウス、キーボード兼用)が直接本体についているのです。USBの普及で最近あまり使われなくなったとは言え、わざわざ別途リプリケータを買わなくても良いというのが便利ですね。
■SpeedStepの威力
さて本当にクロックが変わっているのでしょうか? バッテリモードとACモードとでHDBENCHを取ってみました。まずはバッテリモードで。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name
Processor Pentium III 298.66MHz[GenuineIntel family 6 model 8 step 6]
Cache L1_Data:[16K] L1_Instruction:[16K] L2:[256K]
VideoCard Silicon Motion LynxEM+
Resolution 1024x768 (16Bit color)
Memory 64,596 KByte
OS Windows Me 4.90 (Build: 3000)
Date 2001/03/13 00:43
HDC = Intel 82440MX PCI Bus Master IDE Controller
HDC = プライマリ IDE コントローラ (デュアル FIFO)
HDC = セカンダリ IDE コントローラ (デュアル FIFO)
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
C = GENERIC IDE DISK TYPE01
ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
9297  11907 12513 6703         9153        11148          7
Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
4147      6765   1298    32  15219 12471 8505 C:\100MB
確かに300MHzになってます。しかし...ビデオカードがびっくりするくらい貧弱ですね。スペックとしては最低レベルです。普段ビジネスアプリを動かす分にはあまり遅さを感じないのですけどねぇ。個人的にはRageMobilityを積んで欲しかったと思います。Thinkpadの他モデルではそのRageMobilityを積んでるマシンもありますしねぇ。まぁ電力の問題もあったのでしょう。
さて次にACモードで動作させてみました。要らない部分は省きます。
Processor Pentium III 497.75MHz[GenuineIntel family 6 model 8 step 6]
ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
11216 19910 20919 7974         9266         11342       14
Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
10190      15162 2277    99 15370 12455 8689 C:\100MB
どうやらちゃんと500MHz駆動しているようですね。数値もそれなりに上がってます。当たり前ですがHDDのアクセス速度は同じですね。演算速度はクロック数に比例して約2倍になってますが、メモリの性能はほとんど変わってません。この結果から見ると、FSBを変えているのではなくて倍率が変わっているようです。つまりバッテリモードは100x3=300MHzで、ACモードは100x5=500MHzで動いているわけですね。性能を考えるとこうするのは当たり前なのですが、IntelのCPUはPentium2 333MHz頃から倍率変更が出来なくなってましたので、それからすると面白いですね。
また、これは本当かどうかわからないのですが、今回の超低電圧Pentium!!!500MHzは、800MHzくらいのCPUの中から、低電圧で動くものを選別して使用しているそうなのです。
■Thinkpadの真髄
さて私は初めてThinkpadユーザになったわけですが、なぜか当方の周りにはThinkpad愛好家が多いのです。たとえば友人のシェルパは、以前からデスクトップマシン( 98NX-PII266MHz )があるにもかかわらず、あとから買ったThinkpadばかりを使い、さらにその後もう一台Thinkpadを買い足して、ノートPCをメインにするという、よくわからない事をしています。私は所詮ノートPCはモバイル用途でしかなく、家に居る場合はノートはまったく使わないというスタンスを取ってきました。一番の理由は強いて使う必要が無いという事ですが、それ以外にもキーが打ちにくいという事、それにポインティングデバイスが使いにくいという事です。
しかし初めてThinkpadを使ってみてわかりました。キーがめちゃ使いやすい! しっかりクリック感がありつつ、メカクリックほど重すぎず、微妙な抵抗感がキーボードを 「打っている」 事を実感させます。 ネット知人のtoshiさんは  「Thinkpadのキーボードは慣れてしまうとデスクトップより使いやすいッス!」  と豪語されていましたが、確かにこれは病みつきになる気持ちもわかります。またポインティングデバイス(トラックポイント)も最初は戸惑いますが、慣れると結構使いやすいです。もちろんマウスにはかないませんが、スライディングパッドなどの他のポインティングデバイスとは比べ物になりません。
・・・と良いことばかり書いてきましたが、少しだけ残念な事があります。まずは本体にLAN機能が付いていない、という事。PCMCIAスロットが一つしかないので、これをLANに奪われると痛いです。
実を言うとこの1124にはこっそりLANのコネクタが付いているのです。にもかかわらず、その機能が(ハード的に)付いていないんですね。このご時世、56KモデムやシリアルポートよりもLANの方が利用価値が高いと思うんですけど...是非次回作にはモデムを削ってでも100/10BASEのLAN機能を付けて欲しいですね。またこれはどのPCでもそうもしれませんが、電源を切断した瞬間に「ブツ!」という大きな音がする事です。たいした問題は無さそうですが、当方はMP3ファイルを大量に入れて、それをイヤフォンで聞きながらメールを書いたりこういったページを書いたりしています。そして電源を落とす際にイヤフォンをさしたままだったりしてびっくりします。あと、ハイバネーションから復帰する際、ACモードだとそうでも無いのですが、バッテリモードだと激遅い(ACモードの倍以上かかる!)のです。強制500MHzにしてもこの部分は変わりません。BIOSの関係で無理なのかもしれませんけど、ここまで遅いのならハイバネーションからの復帰だけでも強制的に500MHzで動作させて欲しかったと思います。
...と、悪いところを探しましたが、所詮はこの程度。まったくもって満足のNotePCです。持ち運びができるNotePCが欲しいが、キーボードなどの入力デバイスを犠牲にしたくないと言う人。そして電池の持ちを重視するという人にはお勧めの一品です。あ、そうそう。i series 1124はこの超低電圧Pentium!!!を積んでいるタイプ(2609-93J)と、ただの低電圧celeronを積んでいるタイプ(2609-73J)がありますので、買う場合はお気をつけを。

Evolution's REvolution
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/9681/computer/16.htm
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/9681/computer/40.htm
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/9681/index.html





IBM ThinkPad,若松通商ショップ
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