1984年4月18日水曜日

[ゲーム] ラリパッパ野球団(HOT-B)

[ゲーム] ラリパッパ野球団(HOT-B)
ここは名門、ラリパッパ高校野球部。しかし今や、不良のたまり場と化してしまった。野球部再建にひとり立ち上がった野球部主将と不良部員との、心暖まる青春アクションゲーム。
■物語(マニュアルより)
部室のドアを開けると、中はタバコの煙でモウモウとしていた。ムッとするアルコールのにおい。転がったビールのアキ缶。数人の不良部員がたむろしている。
信じられない。本当に、これがかつての名門、ラリパッパ高校野球部なのだろうか。
部室に来る度、彼はいつも同じ思いにとらわれる。彼はラリパッパ高校野球部キャプテン。名門の名を受け継ぐ、唯一の部員だ。
「よお、キャプテン。またひとりで練習かよ。」
「がんばれよお、スポ根少年。ヒャハハ。」
いつもは耐えて無視するキャプテン。だが今日という今日は、もう我慢できない。今こそ、野球部再建に立ち上がるときだ。
「表へ出ろ、不良ども。お前達の根性を叩き直してやる。」
不良部員の更正には、やはり野球しかない。ノック3本、目にものみせてくれる!
バット片手に、キャプテンはグランドにとび出した。だが、不良も黙っていない。パンチやキック、ナイフ片手に机を両手にふりかざし、一斉にキャプテンに襲いかかった。
危ない! ナイフが飛んできた。よけろ! 不良がノックボールを打ち返したぞ。おっと、こんなことばかりもしてられない。期末テストは受けなくてはならないし、グランド整備もまだなんだ。
ラリパッパ野球団のラリパッパな闘いが今、始まる。
■作品紹介
不良化した部員にノックを3本ぶつけると、選手として更正する。これだけの単純なルールである。(ただ、単純ほどおもしろいうというのがアクションゲームである。)ノックをぶつけるたびに、不良は少しずつユニフォームに着替えていくが、途中で不良に出会うとまた逆戻りする。のべ9人の部員を更正させるとゲームクリアであり、この9人がいくつかのステージに分散して現れる。ステージの間にはフルーツまたはコンダラのボーナスステージがあり、1ゲームクリアごとには単語あわせ(期末テスト)のボーナスステージがある。
一見するとマリオブラザーズの亜流のようだが、やはり武器(?)を持つというところでアクションゲームの爽快感が全く違っている。またフリッキーのようにも見えるが、武器の使い勝手からいえばこちらの方が数段上である。他には一方通行の床があったり、アイテムによってゲームが進行しやすくなっているなど、完成度は高い。さらには当時流行のボーナスステージも盛り込んであり、飽きさせない展開となっている。
また、FMシリーズのサブシステムを欠点を逆利用し、色数を4色に減らした上で、余った16キロバイトを有効活用するなどアイデア的にも面白いことをしている。
■思い出の日々
ラリパッパ野球団。この名前を知っている人が何人いるのだろう?
ふざけたタイトルに背景が真っ黒な画面。そして「不良になった野球部員にノックをぶつけて更正させる」というぶっとんだシナリオ。
これだけおちゃらけたゲーム、今で言えば「バカゲー」だろうか、当時これだけの作品を発表したHOT-B社には恐れ入る。ただ、やはり当時のメイン機種88に移植されなかったこともあり、一部で盛り上がっただけのようであった。
はっきり言って、このゲームは好き嫌いがまっぷたつに分かれると思う。
まず、この世界観にのめり込めるかどうかである。私なんぞはこういう設定自体が好きなので、たいそう気に入ってしまったが、社会問題はマジメに考えないと駄目だという人には全く受け入れられないだろう。また、実際こういう状況に置かれたキャプテン(いるのか?)にも受け入れられるかどうか怪しい。不良を更生させるという目的はともかく、「ノックをぶつけて」という辺りは、PTAと一体になって反撃を喰らいそうな気がする。
ともあれゲームを始めると、ボールを持ったキャプテンと、学ランの不良が登場する。最初のうちはノックをあっさり喰らってくれるのだが、面が進むに連れボールを打ち返してきたり、机やナイフや巨大なボールを投げてきたりする。また、更正しかけた部員が不良に出会うとまた逆戻りしてしまうし、闇雲にノックしたところで自分のノックしたボールに自分で当たってしまってもアウトになる。足場の構成もだんだん動きづらくなっていくのでどんどんやられやすくなってくる。
そのキャプテンを助けるアイテムとしてバット・靴・羽根等がある。これがあると非常に楽になる面もあるので、是非揃えておきたい。
さて、不良にやられた場合キャプテンはいじけてしまい、画面には「がんばって!」の文字が出てくる。これには背景に星が瞬くパターンとマネージャ(?)が歩み寄ってくるパターンがあり、安易に熱血していないのが好感を持てる。
今となってみればさすがに(当時から?)画面構成が少し寂しいが、そのゲーム性は当時から全く色あせることなく光って見える。現在、こういった類の何も考えずに遊べるゲームは皆無と言っていい。そのためか、「ラリパッパ野球団」はたまに無性に遊びたくなるゲームなのである。
■隠しコマンド
GRAPH+A 不良が武器を持つようになる
GRAPH+E 面クリア
GRAPH+M キャプテンが増える
ESC ゲームを一時停止
PF3 ゲームをコールドスタート
■おまけ・・・あなたのラリパッパ度チェック
1.正義感が強い
2.青春ドラマが好き(だった)
3.こういうゲームで社会問題を考えるのも悪くはないと思う
4.愛のムチを許せる(^^;)
5.野球に興味がある
6.身長の3倍程度のジャンプができる(^^;)
7.「ラリパッパ野球団」対応のマシンを今現在持っている
8.PSG単音のBGMが好き(^^;)
9.コンダラを引いたことがある
10.このチェックを最後までやってしまった
一つでもあてはまるようなら、キャプテンの資格があります。
半分以上あてはまるようなら、立派なラリパッパ高校野球部キャプテンです。
■データ
対応機種:FM-7、PC-8001mkII、S1
発売時期:1985年
発売元:HOT-B
価格:3800円(TAPE)/6800円(DISK)

スーパーゲーム図鑑
http://www.tako.ne.jp/~ichiro/game/rari/rari.htm
http://www.tako.ne.jp/~ichiro/game/hadou/hadou.htm
http://www.tako.ne.jp/~ichiro/game/index.htm


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