[機器][時計] SEIKO Pilot Chrono 20th Limitedほか〜レトロフェイスのクロノグラフ
SEIKOのメカクォーツを使った3~5万円の古典顔クロノグラフ時計が、海外でも人気の理由とは!
3/5(土) 7:10配信
アウトラインのパイロットクロノ20thリミテッド。1940年代のクロノグラフの名機“フライングオフィサー”を世界23都市の時刻も確認できるデュアルタイム時計として再現
筆者がプロデュースする時計ブランド、アウトラインの最新作として先頃発表した“パイロットクロノ20thリミテッド”(3万7400円)。おかげさまで現在実施しているクラウドファンデイング「ウオッチメーカーズ」での先行予約では、開始してまだ2週間ほどというのに、多くのお申し込みをいただいている。今作は正直なところ古典的なディテールを強めに打ち出したため少し不安だったが、ほんとうれしい限りである。
そして今回は、このパイロットクロノ20thリミテッドでも採用したセイコーインスツルのメカクォーツと呼ばれるクォーツ式のクロノグラフムーヴメントについて取り上げたいと思う。 メカクォーツとは秒針(クロノグラフの場合はクロノグラフ計測秒針)がクォーツ式で一般的な1秒毎に動くステップ運針ではなく、機械式ムーヴメントのごとくスムーズに動くスィープ運針にあえて設定しているムーヴメントである。実はいま、これがけっこう海外のマイクロブランド(小規模な独立系時計メーカー)が採用し、魅力的な時計を作っているのだ。
そんなメカクォーツの存在を再認識させたのが、2019年に設立されたスイスのマイクロブランド“ファーラン・マリ”ではないかと思う。以前に当ウオッチライフニュースでも「スイス発の独立系ブランド“ファーラン・マリ”に注目」(関連記事参照)と題して取り上げているので詳しくはそちらを見ていただきたいが、1930~40年代のパテック フィリップのクロノグラフから着想を得て作られたという同社初のコレクションで“Mr. GREY(写真)”というモデルが、何と時計業界のアカデミー賞とも呼ばれる2021年ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)において設立から10年未満のブランドに贈られるリベレイション賞(Revelation Prize)を受賞して注目を浴びたのである。超有名時計ブランドばかりが受賞する中でだ。 そのため日本の時計好きの間でもかなり話題となった。しかも、作りのクオリティもさることながらムーヴメントは機械式ではなくクォーツのため価格は日本円で5万7566円と現実的な価格だったこともあって、そのインパクトは強烈だったに違いない(現在は完売)。
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