【ISDNの概要】
このHPはISDNの概要にについてまとめたものです。
1-1ISDNとは
「ISDN」とは、電話やFAX、データ通信を統合して扱う、サービス統合デジタル網と呼ばれるサービス体系の総称。通常のアナログ回線 に比べて高速で安定した通信が可能。アクセス方式には、下記の2種類がある。
●BRI(基本インターフェイス)
●PRI(一次郡速度インターフェイス)
★BRIサービス
「BRIサービス」は基本インターフェースに基づく個人向けのサービス。データ通信用の64kbpsのBチャ ネル2本と呼制御用の16kbpsのDチャネル1本で構成され、「2B+D」と表現される。データー通信用に確保する帯域幅は、Bチャネルを2本合 計した128kbps。
★ISDN2つのカプセル化タイプ
ISDNのデータリンク層には、異なる2つのカプセル化タイプを使用する。
●データー用(Bチャネル)のカプセル化タイプを「LAPB」
●制御用(Dチャネル)のカプセル化タイプを「LAPD」
という
★PRIサービス
「PRIサービス」は一次郡速度インターフェイスに基づく企業向けのサービス。北米と日本ではPRIサー ビスはデーター通信用の64kbpsのBチャネル23本と呼制御用の64kbpsの1本で構成され「23B+D」と表現される。欧州やその他の地域では、 PRIサービスはBチャネル30本とDチャネル1本で構成され、「30B+D」と表現される。
1-2ISDNの機能グループと参照点
★ISDNの機能グループ
ISDNでは、接続するデバイスの特徴に基づいて「機能グループ」を定義している。機能グループは下記 の表のとおり。
機能グループ
NT1
NT2
TE1
TE2
TA
★参照点
「参照点」はアーキテクチャ上で、定義されているインターフェイス。参照点は次のとおり。 NT2がない場合もあり、その場合はS/T点となる。
参照点
U点(User点)
T点(Terminal点)
S点(System点)
R点(Rate点)
●ISDN機能グループ/参照点
1-3ISDNスイッチタイプの設定
ISDN交換機のタイプを「 スイッチタイプ」という。BRIインターフェイスでISDNに接続するにはキャリア側のスイッチタイプを指定する。スイッチタイ プを指定するには{isdn switch-type}コマンドを入力し、引数に<スイッチ タイプ>を指定する。
スイッチタイプは国によって異なる。例えば日本では、キャリアがNTTなのでnttを指定する。
【ISDNスイッチタイプの設定】
(config)♯isdn switch-type <スイッチタイプ>※スイッチ タイプ:キャリアのタイプを指定
1-4ISDNのステータスの確認
ルーターが電話局のISDN交換機と正しく通信できているかを検証するには、[show isdn status]コマンドを入力する。このコマンドでISDN交換機と の通信で定義したスイッチタイプや物理層がアクティブかどうかを確認できる。
また、データリンク層のステータスでは、TE1の割り当ての状況を確認できる。
【ISDNステータスの設定】
♯show isdn status
>
※TE1
ISDNに接続可能な電話線、FAX、コンピューターなどの機器を識別する端末識別番号。複数台の端末を接続してISDNを利用する場合、ISDN交換機は64~126の範囲内の番号を端末に自動で割り当てる。
1-5接続状態の確認
ISDNの接続状態を確認するには、[show dialer]コマンドを入力する。Bチャネルごとに次の様な情報が表示される。
●接続の状態
●発呼のトリガとなったパケットの情報
●切断までの時間
●接続後に経過した時間
●接続先の電話番号
【ISDNの接続状態の確認】
♯show dialer
通信がなくなってから90秒すると以下の表示が出て,いずれのチャネルも回線が切断さ れる。
Ciscoルーターの内部構成・機能について
http://www.geocities.jp/cwqnx949/isdn/
http://shikaku949.ohuda.com/
NTT
http://info.ntt.co.jp/ISDN/
INSテレホーダイ
http://web.hqs.cae.ntt.co.jp/shop/annai/ith/ith-k.html
NTTダイアルイン
http://info.ntt.co.jp/ISDN/service/02_S/060.HTM#(参考)「契約者回線番号」
NTT/NTT-TE東京MN-128(DSU内蔵)
https://www.nttpc.co.jp/service/infosphere/
ザグレイスフル
http://www.the-graceful.com/
ISDN Tips
ここでは、一歩上を行く快適なISDNライフのためにいくつか書いてみたいと思います。
■ISDN機器の賢い選び方
ISDN機器というと、TAとDSUが先ず頭に浮かぶと思います。その他に最近はダイヤルアップルータを導入される方も増えてきた様です。それにこの他にパソコン内蔵型のISDNボードやPCカードも有ります。
さて、これから新たにアナログからISDNに切り替えようとする方にいくつかアドバイスです。
その昔はDSUとTAは別体であるのが一般的でした。
しかし、現在はTA、ルータ共にDSU内蔵型のモデルが数多く出ています。
これらDSU内蔵モデルの中にはS/T点が外に取り出せない物があります。この様なモデルはいくら安くても手を出してはいけません。
SCSIボードを買う時に1台しか周辺機器を繋げられないボードは選びませんよね。同様にオプションになるにしてもS/T点が出せる物を選びましょう。
■ISDNバス配線(S/Tバス配線)を生かそう
ISDN導入を扱った入門にはDSU内蔵型TAにパソコン、アナログ電話、FAX、モデム等を配線してある解説が圧倒的に多いようです。この様な配線例はワンルームマンションや狭いアパート等に住んでいる方にとっては問題ありませんが、数部屋のマンションや一軒家になると問題が出てきます。元々電話のローゼット(RJ11)が有った場所とパソコンを使う部屋が離れている場合、一台のTAで配線を考えると無理が出てきます。例えば、電話のローゼットが一階に、パソコンが二階に有る場合です。一階から二階へ宅内配線(2線)を伸ばし、二階のDSU内蔵TAからまた一階までアナログ配線を伸ばす事になります。あるいは、一階に設置したTAからRS-232C線を延々二階に上げるという事になります。配線の総延長が増えたり、RS-232Cを伸ばしてノイズが入りやすくなるのでは困ります。
そこで、ISDNバス配線の出番です。一階にDSUとTAを設置し、そこから二階にバス配線を伸ばしてもう一台のTAからパソコンに繋ぎましょう。配線がすっきりします。この時、一階のTAはアナログポートのみの使用になります。しかし、ノートパソコンがあれば一階から接続する事も可能になります。
■TAの選び方
現在、TAはモデルチェンジサイクルも早く、パソコン並みの価格変動を示しています。DSU内蔵、乾電池によるバックアップ、フラッシュロム採用、2Bを用いた128kMP通信等、怒濤のように進化しています。雑誌等では、新製品の新機能を大々的に取り上げていますが、惑わされる事はありません。
■目的別に分けて選ぶ
先程、例に挙げた様に大きな家屋では2台のTAが必要になります。アナログのみ使用する1台めのTAではデジタルポートの性能にこだわる事はありません。乾電池による停電時のバックアップがあり、グローバル着信に対応していれば、フラッシュロムでなくても、MPによる128k通信出来なくても良いわけです。従って、1Bしか対応していない旧機種でもまったく問題ありません。
予算に限りが有る場合、叩き売りされている旧機種等を探し歩いた方が、アナログポート内蔵DSUより安く上がることもあります。或いは中古という選択もあります。
■パソコン側の機器
ではパソコン側に繋ぐ2台目のTAはどうでしょうか?もし、快適なISDNライフを目指すのであれば、TAでなくルータやISDNボードを選ぶべきです。TAでの128k2B使用はシリアルポートの制限があり、高速シリアルカードが必要となる場合が多いです。それに、64kまたは128kの同期通信をRS232Cのシリアルに繋ぐためには、同期-非同期変換が必要になります。TA内でのこの変換は転送速度のオーバーヘッドとなって現れてきます。この点、ISDNボードやPCカードでは同期のままでデータのやりとりが出来るため、ボトルネックが少なくなります。
さらに、最近はパソコン1台でなく、2台以上持っている方もおられると思います。この様な方にはダイヤルアップルータがおすすめです。まだ、家庭内LANを組んでいない場合でもルータ導入を機会にLANを組んでしまうのも良いでしょう。ルータは以前は価格も高く、設定が難しい事からプロや法人ユースが主体でした。それにNATによるIPアドレスの変換機能を持たない場合、ISPとの契約がLAN型接続または専用線契約となり高価でした。しかし、97年から低価格ダイヤルアップルータが各社から発売になりました。これらのルータはNATによるIPアドレス変換機能を持ち、WWWブラウザのGUIによる説定が可能なものです。また、家庭内でのISDN回線向けにアナログポートを設け、DSU内蔵型のものも発売されています。ネットワーク機器であるルータのメリットは数多くあります。
■1台ですべてと考えない
1台でデジタル通信、アナログによる電話、FAX、モデムをまかなおうとすると、どうしても配線に無理が出ます。また、ISDN機器の機能にも限りがあります。そこで、ISDN導入時からISDN機器を2台以上使う事を考えましょう。
ISDNはモデムによるアナログ通信と比べてトラブルも少なく安定性が有ります。しかし、機械であれば故障が全くないとは言い切れません。こうしたトラブルの時に1台しか機器がないとどこがトラブルになっているのかの切り分けが出来ません。数台あれば機器を繋げ変える事によりトラブル箇所の特定がしやすくなります。SOHO等仕事にも使う方は電話はライフラインですからバックアップの意味でも複数台のISDN機器を使用した方が安心でしょう。
武蔵野通信
http://www.musasino.org/isdn/isdntips.htm
ISDNの光と影
■名称について
ISDNはIntegrated Services Digital Network(統合デジタル通信サービス網)の略称であるのは皆さんよくご存じですね。このISDNのNTTにおけるサービス名称がINSネット64(または1500)です。ではINSは何の略かと言うと,Infomation Network System(高度情報通信システム)の略称です。その昔(昭和59年),武蔵野三鷹地区でINSモデルシステム実験がはじまった頃にはINSを「I・いったい,N・何を,S・するのだろう」とも揶揄されてました。
大企業以外の通常の2B+DのISDN(INSネット64)は別名BRI(Basic Rate Interface・基本インタフェース)と言います。23B+DのISDNはPRI(Primary Rate Interface・一次群速度インタフェース)と言います。NTTではINSネット1500と呼ばれています。では,ISDNでない通常のアナログ電話は他にどんな呼び方が有るのでしょうか?NTTでは加入電話と呼び,その他にPSTN(Public Switched Telephone Network・公衆電話交換網)という呼び方もあります。
■何故,ISDNのオンライン申し込みページはあんなに多いのか?
サーチエンジン等でISDNをキーワードにして検索すると,ISDNについての説明とオンラインまたはメールでの申し込みの出来るページが数多くあります。ISDNについての説明は簡単なものから力の入った物まで様々です。TA等のISDN機器のメーカが自社製品のPRを兼ねてISDNの解説をしているのはもっともですが,それを上回る数の申し込みページが存在します。これらのページは,NTTフレンドリーショップと名乗っているところもあります。平たく言うと,NTTの代理店です。彼らは,ISDNやテレホーダイ等のNTTのサービス商品の申し込みを,ユーザからNTTに取り次ぐ事によりNTTからマージンをもらっています。そこで,ISDN申し込みページを開設してユーザからの申し込みを待っている訳です。最近では,客寄せのためにマージンの一部を申し込みしたユーザに還元して景品やキャッシュバック等を行っているページもあるようです。まだ申し込みが済んでいなくて,日数に余裕のある方はこれらの景品付きのところで申し込むのも一つの手かもしれません。(注:筆者はこれらのページの保証はいたしません。)
■ISDNの知られざる利点
パソコン雑誌や上記のオンライン申し込みページやNTT ISDNホームページ等で取り上げられているISDNのメリットは,回線速度が速い,一度に2回線使えるというのが多い様です。
確かにそうですが,それ以外にもメリットはあります。 1.ISP(プロバイダ)にインターネット接続する時に繋がるまでが速い。
プッシュホンでないダイヤルパルス式でモデム接続するとすごく時間がかかります。プッシュホン契約すると少し時間が縮まりますが,TAやISDNボードでの接続はそれをさらに上回ります。ルータに至っては意識してダイヤル接続する事なしにブラウザやメーラ等を動かすとトリガパケットが発生して数秒後には繋がります。この感覚は専用線に近いものがあります。その反面,意識しないでも繋がるために注意しないと通信料がかさみます。
2.データ通信時に安定している。
モデムによるアナログ接続は33.6kや56kまで拡張されましたが,これらは最大スペックというだけで,常にその速度での接続が可能なわけではありません。現実にはモデムで接続した後も常に通信速度は変化しています。また,NTT自身はアナログによるデータ通信速度を9600bpsまでしか保証していません。従って,回線状態が悪くて通信速度が上がらなくても,NTTによる改善は望めない事が多いでしょう。さらにアナログでは天候によっても回線状態が変化します。ISDNではこの様な事は無く,Bチャネルあたり64kbpsの速度をNTTが保証しています。
3.数多くの通信機器を使用出来る。
アナログでもブランチ接続で複数の機器を使用する事は出来ますが,接続する機器が増える程不安定になります。ISDNではS/T点からのバス配線により8台までのISDN機器が接続出来て,TA等のアナログポートにアナログ機器を接続出来ますから,トータルでかなりの数の通信機器を安定して接続出来ます。
■ISDNの欠点
電話回線は通話やFAX,パソコン通信,インターネット接続だけに使われている訳では有りません。その他にもガス会社の検針や警備会社への通報等にも使用されています。これらのサービスはアナログ網を前提としているため,ISDNでは問題になることがあります。例えば東京ガスのマイツーホーはQ&Aにあるように端末装置(T-NCU)がデジタル対応ではありません。参考リンクのISDN & ガス集中検針もご覧下さい。LPガスのオンライン監視にはウェルネットのWELCOME24やYAZAKIのNCU一体型・収納型S型保安ガスメータ等があり,実際の様子をここで見る事ができます。これらのサービスはノーリンギング(無鳴動着信)を利用している事が多いのですが,ノーリンギングはISDNのTAではサポートされていません。Dチャネルを用いたISDN向けの機器が開発されるまでは,フルにサービスを受けられない事になります。ガス会社からの検針はサポートされても,外出先からの自動遮断等はISDNではサポートされていません。
また,家庭やオフィス等で警備会社と契約すると,窓やドア等にセンサーを付けて,侵入者や非常時等に電話回線経由で警備会社に通知するサービスがあります。これらのサービスはアナログ回線では通話中の回線を強制切断して警備会社に通報する装置を設置します。ところが,ISDNではサポートしてるといってもその内容はごくごく一部の種類のTAのアナログポートにその装置を接続出来るというだけで,S/Tバス配線上に繋がれた他のISDN機器がBチャネルを2つ用いている場合,警備会社への通報は行われません。
■ISDNは停電に弱い?
アナログ回線に電話機能のみの単純な有線電話(黒電話等)を使用している場合,電力線が停電になっても,電話は48Vの局給電で動作出来ます。しかし,ISDNでは停電になると電話が使用出来なくなると言われています。そのために最近のTA等は乾電池により停電時のバックアップをしています。これを「ISDNは停電に弱い」などと言っている無知な人を見かけます。これは嘘です。現在,アナログ向けに売り出されている家庭用電話機器は停電時の動作を考慮しているものはほとんど見かけません。コードレスの親子で,親機の受話器まで無線にしたものなどを多く見かけます。これでは,停電時に親機からの電波送受信が出来なくなり,通話は不可能です。ISDNの場合はTA,ダイヤルアップルータ共に最近の製品は停電時に電池による動作が可能です。電池使用がいやであれば,外付けの単体DSUにNTTのS-1000かS-2000を繋げば,局給電のみで動作可能です。
■ISDNの不利
ISDNに切り替えても,基本料金は高くなるものの,通話料(通信料)はアナログと同じであるというのが97年までは常識でした。テレホーダイではサービス料金が高くなるとはいっても,2B同時接続も出来る訳ですから,アナログよりは高くても納得出来ました。テレホーダイ以外の定額制でない割引サービスにアナログのみのものもありましたが,会話主体に考えられており,データ通信主体として考えるとそれ程魅力のあるサービスではありませんでした。NTT以外の長距離NCCや国際電話の料金もアナログとほぼ同等でした。
しかし,その前提が崩れるときが来ました。言うまでもなく,地域系NCCの東京電話(TTNet)の参入です。市内通話さえも割引する料金体系に,NTTをはじめとする既存のキャリアはなりふり構わない値下げ競争を始めました。ところが,東京電話はアナログ回線のみのサポート(TTNetの自社網を除く)で当初参入し,ISDNでのサービス開始は98年夏となりました。迎え撃つNTT側もエリアプラスやタイムプラス等の割引サービスをアナログ回線のみに限って開始しました。ISDNは東京電話とNTTの値下げ合戦の恩恵を受けるのがお預けになってしまいました。これは0422,0424地域のような03地域の隣接MAエリアや,テレホーダイ以外の時間にインターネットアクセスするユーザにはかなりの不利です。これらの不利も,東京電話がISDNでのサービスを開始すれば解消していくと思われます。(98年3月記)
98/6追記
やっとこさISDNでのエリアプラスが始まります。詳しくはこちらへ。また,東京電話のISDNサービス開始は遅れています。
武蔵野通信
http://www.musasino.org/isdn/isdntips.htm
http://www.musasino.org/isdn/yomoyama.htm
SOHO向けのISDNプラン(アナログ編)
大きな会社やオフィスであればISDNでもINSネット1500という事になりますが、ここでは個人事業主や零細事業所でのISDNプランを考えてみましょう。SOHOと一口に言っても規模も違えば、業種も色々です。ここで取りあげるのは個人自営業で従業員が10人未満、業種はコンピュータ関連や電話勧誘ビジネス等以外の場合を想定しています。
さて、SOHOと言うからには電話とFAXが必要です。また、ここを読んでいるくらいの方ならば、インターネットへの接続も出来ないと困るでしょう。
まず、INS回線の契約はダイヤルインを1番号契約してグローバル着信許可とします。電話番号とFAX専用電話番号の2つは必要でしょう。TAはアナログポートが合計3ヶほしいところです。新規購入するのであれば1台に3ヶのアナログポートをもつものが有りますが、既にTAをお持ちであればS/Tバス配線して2台目のTAでアナログポートを確保しましょう。
3ヶのアナログポートのうち、2ヶは電話用で契約回線番号、1ヶはFAX用にしてFAX専用番号を割り当てて使います。ダイヤルイン及びグローバル着信の設定はTAのマニュアルを参照して下さい。DSUは予算を切りつめたい場合はTA内蔵型でも結構ですが、TA故障時に回線ごと使えなくなるリスクがあります。単体のDSUの方がより壊れにくいでしょう。事務所を無人にする事が多い方はALEXONのTAがおすすめです。転送機能に関してはNTTのボイスワープ契約無しで、他の電話や携帯、PHSに転送が出来ます。もちろん、ボイスワープ契約をしても構いません。
最近のTAはPHSを子機として収容したり、無線により2台のTAを結んだり、バス配線で異なるTAに内線転送出来るものも出てきています。デジタル通信側の機能UPが一段落したのでアナログ側の機能UP等にメーカーも力を入れるようになってきたと考えられます。これ自体は歓迎すべき傾向ですが、SOHO用としてみた場合は不満な点も多くあり、あまりおすすめは出来ません。
ではどういった点が良くないのでしょうか?これらのTAに収容する電話機は基本的に1回線のみの使用しか考えていないので、ISDNの2Bを用いた2回線分を使用して保留、転送、切り替えをするには制限があったり、複雑な操作を必要とします。さらに家庭用電話機の主流となっているコードレスホンは内線同士の通信などの機能は充実していますが、アナログ1回線のみを前提に作られているので、やはりおすすめは出来ません。
この様にTAのみの機能で拡張するのではなく、最初から複数回線の使用が出来る2回線用のホームテレホンやビジネスホンを用いるべきでしょう。TAのみの機能拡張に比べて、主装置が必要になり、子機の値段も上昇しますが、使い勝手は飛躍的に良くなります。自分一人だけが使うのであれば複雑な操作でも平気でしょうが、従業員や家族が全て使いこなせるとは限りません。可能な限り操作がシンプルな方が間違いなども減るはずです。それに、ホームテレホンやビジネスホンは高価ですが、それほどすぐに壊れるものではありません。パソコンが2~3年で陳腐化して買い換えを余儀無くされることに比べれば決して高いものではありません。
現在、ホームテレホンとして2外線収容可能な物はNTTのレカム・ホームテレホンVX-II/DタイプとパナソニックのVJ-617MSがあります。これらの2外線収容可能なホームテレホンがおすすめです。この2外線というのはアナログ回線2外線を意味しており、ISDNでは1回線が2Bでアナログ2回線分有るため、ISDNを2回線収容出来るという事ではありません。働いている人数の規模が拡大する予定があったり、住居併設でもう1回線あるならばさらに多くの外線を収容出来るビジネスホンにするべきでしょう。ビジネスホンについては数多くのメーカーから発売されていますが、個人向けの小売りは一般的でないため、電話業者に相談されるのがよろしいでしょう。これらは、ドアホン(インターホン)も収容できるので便利です。SOHO向けビジネスホンとしては松下からパ ナホンDSII-iというISDN2回線収容のモノが出ています。(ニュースリリース) また、田村電機からデジタルSVやデジタルPVというISDN2~4回線収容出来るものが出ています。ISDNを2回線(4B)以上導入する予定があれば検討の価値があります。
さて、ホームテレホンやビジネスホンの主装置にTAのアナログポートから2本の電話用の配線をします。あとは主装置からそれぞれ子機に配線すれば良いわけです。下の図に配線を示します。TAは一台でアナログポート3ヶのものでも構いません。しかし、NTTからの配線の引き込みする場所とFAXの設置場所が離れている場合は電話用のTAとFAX用のTAとを分けてS/Tバス配線で繋ぐ方が良いでしょう。アナログポートからの配線を長く伸ばしてFAXに繋ぐのはノイズが入りやすくなるため、おすすめしません。
また、留守番電話機は、ホームテレホンやビジネスホンのオプションでは値段が高い割には機能が少ない事が多いので通常のものを2台目のアナログポートに繋いでいます。この辺りはお使いになる方の考え方にもよるでしょう。留守番機能だけで通常の電話機としては用いません。もちろん、現在お使いになっている留守番電話機があればそれを利用しても構いません。
武蔵野通信
http://www.musasino.org/isdn/isdntips.htm
http://www.musasino.org/isdn/yomoyama.htm
http://www.musasino.org/
歴史と構造を知る
ここでは、ISDNの歴史とその構造を説明しています。 ISDNの歴史から記載していますが、構造から先に知りたい方は、 こちらをクリックして下さい。
構造の項は、必然的に専門用語の嵐となりますが、 できるだけリンクにてご説明いたしますので、お気軽にお読み下さい。
■ ISDNの歴史を知る
ISDNの検討は、1960年頃にITU-T(旧CCITT)がデジタル通信の国際標準化作業を開始したことより始まりますが、 ISDNの概念は、1984年にISDNの基本事項に関する勧告(レッドブック)にて一応の形ができ、1988年には、国際標準化の勧告がなされました。(ブルーブック)
ISDNプロトコルは、第三(ネットワーク)層までIシリーズ勧告として制定されました。
日本ではNTTがこの勧告を元に、同(1988)年の4月より「INSネット64」と云う商品名でISDNのサービスを東京・名古屋・大阪を皮切りに 開始しました。
翌年1989年には「INSネット1500」と云うISDNサービスも開始し、当初は回線交換と云う通信モードだけでしたが、 翌々年1990年にはパケット交換サービスも追加されました。
国内のインターネットがブームになる1995年前後までは、ISDNの用途は主に業務用に限られていましたが、 インターネットのブームとともに個人ニーズにも爆発的な伸びを記録しています。
■ ISDNの構造を知る
・64(ロクヨン)・64(ロクヨン)128(イチニッパ)のお話
まず、ISDNのCMなどでよく聞く64・64・128って何なのだ?と云うところから、お話をしようかと思います。
この謎の数字の羅列は、実はISDN(INSネット64)の回線速度と構造を表しています。
INSネット64は、先にもお話ししたように1つの回線で2通話が同時にできます。 これを2B+Dと呼んでいます。
ここで云うBとかDとかは、チャネルを表しています。 2B+Dを正確に云うと2つのBチャネルと1つのDチャネルと云うことになります。 Bが情報チャネル、Dが信号チャネルです。
このBチャネル1本の回線速度が64kbpsですので、2Bは64kbpsと64kbps、 2つ足して128kbpsで、64・64・128となります。 (正確な由来は、NTTではないので分かりませんが、おそらくこういう事でしょう。)
・TAって何?DSUって何?
ISDNの話題になると必ずといって良いほど出てくるTA(ティ・エー)とは何でしょうか?
TAは、正式にはターミナルアダプタと云います。 ISDNは、デジタルで全てを処理していますので、従来の電話回線で使用していた電話機やモデム・FAXなどは、そのままでは使用できません。
これを可能にするもの、つまりISDN対応でない通信機器をISDN対応に変換する機器がTAです。
話の本筋からは若干それますが、ここでTA購入のチェックポイントを幾つか説明しておきます。
・信頼性の高い製品を選ぶ
TAはISDN通信機器の要の部分であり、これに問題が生じると電話やFAXが使えなくなります。つまりライフラインです。 従って信頼性のある製品を選びましょう。
リモートメンテナンス機能や停電対策の 有無、サポートの良さなどがチェックポイントとなります。
・ISDNのサービスを全て発揮できる製品を選ぶ
せっかくISDNにしたのに、電話回線と同様のサービスしか利用できないのでは、面白くありません。
従来の電話回線では実現できない三者通話などに対応している製品を選びましょう。 今すぐにその機能を利用しなくとも、そのメーカーがどのくらいISDNを熟知しているかの目安になります。
・操作のしやすい製品を選ぶ
パソコンはまだしも、電話機は家族全員が使うものです。設定はまだしも、操作は簡単にできる製品を選びましょう。
本当に簡単に説明しましたが、TAってなんだかご理解していただけたでしょうか?
では、DSUって何なのか超簡単に説明いたします。
これは、ISDN1回線に1つ必ず必要なものです。・・・簡単すぎますね。
これでは全然説明になっていないので、もう少し簡単に説明します。
DSUとはDigital Service Unitの略で、デジタル通信に必要な信号変換や過電圧保護などの機能を持っています。 通信網からはU点と呼ばれるインターフェース(接続口。I/Fとも記載します。)に、4芯のメタリックケーブルで接続します。 つまり従来の電話線と同じものです。
単体のDSUの場合には、ここよりS/T点と呼ばれるインターフェースより、 8芯のメタリックケーブルでTAやデジタル通信機器(G4FAXやデジタル電話)と接続します。
このあたりを詳細に書くと、かなりややこしくなりそうなので、やはりISDNに必要なものと思って下さい。 最近は、省スペースや接続の簡易さなどよりDSU内蔵のTAが殆どです。
2台目以降のTAにはDSUの必要はありませんが、貴方が1台目のTAの購入を検討しているのならば、DSU内蔵のTAを購入しましょう。これは、業界の常識です。
■ Tips
・ITU-T(旧CCITT)
ITU-Tは、 ITU(International Telecommunication Union 国際通信連盟)の下部機構です。
ITU-Tは、ITUの電気通信標準化部門であり、 元々はCCITT(Consutation Communication International Telegraph and Telephone 国際電信電話諮問委員会。略語はフランス語による。) と云う組織で、1993年3月にITUに組み込まれました。
ちなみにCCITTは、そのままシー・シー・アイ・ティ・ティと読みます。 ITU-Tは、アイ・ティ・ユーのティーと私は読んでいますが、ホントは何と読むのかは知りません。 どなたか知っている方がいれば教えて下さい。
・ITU(International Telecommunication Union 国際通信連盟)
1865年にフランスのパリにて設立された万国電信連合と、 1906年ドイツはベルリンにて設立された国際無線電信連合が、 1932年にスペインのマドリッドにて合体し設立した組織です。
本部はスイス、ジュネーブにあり1996年2月現在、加盟国は185カ国です。現在ITUは、UN(国際連合)の専門機関となっています。
・UN(国際連合)
ご存じ世界の平和のために設立された組織です。 残念ながら科学特捜隊やウルトラ警備隊は、 ここの所属ではありません。
国際連合、通称国連の正式名はThe United Nationsと云います。
・科学特捜隊やウルトラ警備隊
ここまでクリックしてきた貴方は、 クリック猿病にかかっている可能性があります。
・クリック猿病
リンクが張っているとクリックせずには、 いられない!ブラウザを観ながらひたすらクリックをし続ける人のことです。
例えば、ここに危険押すな!などと云うメッセージがあっても、 何も考えずについ押してしまいます。
・開始
世界初のISDN商用サービスとのことです。 ちなみに国内のISDN試験サービスは東京・三鷹にて1982年から約3年間にわたって行われました。
・回線交換
通信中は、その接続ルートを占有する通信方式です。
従来の電話回線がその代表的なものです。また、現在のインターネット接続も同様です。 ちなみに回線交換の課金は接続している距離と時間を元に算出する形を取っています。
・パケット交換
データをその名の通りパケット(小包)化してやり取りする通信方式です。
各パケット内に送信先や送信元の情報が入っていますので、 通信網に複数のパケットを混在させることが可能であり、 通信中にその接続ルートを占有することもありません。
また、課金も距離や接続時間は殆ど関係なくやり取りした情報量 (パケット数)による形を取っていますので、 常時つなぎっぱなしの専用線のような利用を低価格で実現できます。
接続の時間の割には、データのやり取りの少ない将棋や碁などの通信ゲームにも最適です。
ちなみに、NTTの提供するパケット交換サービスには以下の3種類あります。
・INS-P(INSネットパケット通信モード)
INSネットでのパケット交換サービスです。 基本料金が安価で、一回線で複数の端末を同時に利用したり、通話しながらもできるなどのマルチメディア通信が可能です。
・DDX-P(第1種パケット交換サービス)
端末とパケット網の交換機との間をデジタル回線で結ぶパケット専用線です。 基本能力が高いため、高トラヒックの発生しやすいパケットのホスト側に主に利用されます。 80年度版以降はINS-Pと相互接続が可能です。
・DDX-TP(第2種パケット交換サービス)
従来の電話回線を利用できるパケットサービスです。 ホームバンキングなどで利用されますが、残念ながらINS-Pとの相互接続はできません。
・主に業務用
当初(現在でもそうですが)は専用線のバックアップなどの用途で回線交換が利用され、データ量が少ない場合にはパケット交換での利用が主でした。
また、パケット交換は業務用だけでなく一回線で複数の同時通信ができ、また遠距離でも比較的料金が安価というメリットがあるため、 個人BBSでも利用されました。
当初、回線交換は高速通信のできるというメリットがありましたが、インターネットのように画像や音声を頻繁にやり取りする 事がありませんでしたので、データ量の少ない場合には、専用線に比べコスト的に安価なパケット交換がよく利用されました。
・爆発的な伸びを記録
INSネット64の契約数は、1994年度には約34万回線だったのが、 1996年末には100万回線を越えています。
実は当初通信網の交換機がISDN対応でなかったため、ISDNの契約を受ける度に高価なISDN対応交換機を設置しなくてはならず、 売る度に赤字になると云う状態が続いていたらしいです。
このため当初はISDNの宣伝を積極的に行っていませんでしたが、最近インフラも整備されたので積極的にISDNの宣伝を行っています。
ISDNの最近の爆発的な伸びは、インターネットのブームにも一因がありますが、NTTの営業努力も大きいと思われます。
・INSネット64
64・64・128は、INSネット64での話です。
INSネット1500を同様に表すと、
64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・64・1472(いーすーちーに)
となります。
なぜ、そうなるのかは本文中で明らかにしてゆきますので、どうぞ続けてお読み下さい。
・2B+D
INSネット1500は、1つの回線で同時に23通話できますので23B+Dと呼びます。 また、もう一回線INSネット64か同1500があれば、Dの部分を共用することで同時24通話可能です。 この場合には24Bと呼びます。
・BとかDとか
なぜBなのか?なぜDなのか?詳しい話は知りませんが、 ISDNの検討段階にはAやCもあったらしいです。 検討段階で消えてゆく規格(企画?)・・・よくある話です。
・チャネル
TVのチャンネルと同等に考えて下さい。BchとかDchとか書く場合もあるところも一緒です。 ただしTVは、各チャンネルを周波数帯で分けているのに対して、 ISDNでは各チャンネルを時分割によって分けています。
・情報チャネル
実際のDATAが流れるチャネルです。相手先の電話番号や料金情報などは流れません。
・信号チャネル
相手先の電話番号やこちらの電話番号、 料金情報など実際のDATA以外(接続する前後)の様々な付加情報の流れるチャネルです。
・64kbps
なぜ、64kbpsに決まったかというと、 現在の電話(通話)の情報量をデジタルに換算すると64kbps必要だからです。
参考までにkbpsの意味を説明すると、
・k
1,000の単位を表しています。すなわち64K=64,000です。
・bps
bit(ビット) /(パー)sec(セック。second。秒)の略です。 1秒間に何bit送れるかと云うことです。
bitとは、デジタルであらわす情報量の最小単位です。
64kbpsとは、64,000の情報(0or1)を1秒間に送れると云うことを指しています。
これだとまだちょっと分かりにくいので、例として漢字をどの位送れるか計算してみます。
漢字は1文字あたり16bit (8bit=1byteですので2byteとも云います。漢字は2byteというのが一般的です。)ですので、64,000bps÷16bit=4,000文字/秒 で、1秒間に漢字4,000文字、400字詰め原稿用紙10枚分の情報を送れます。 (実際には、間に制御信号等が入りますのでちょっと足らないかと思いますが・・・)
ちなみにDチャネルは16kbpsです。
・2つ足して128kbps
Dチャネルはどこに行ったのだ?
・リモートメンテナンス機能
通信を介して直接TAの設定内容・通信記録を確認できる機能です。
サポートの最終兵器とも云えます。
・停電対策
正直云って、現在の国内電力のサポート能力はかなり高く、 突発の長期停電は殆ど起こりませんので必要がないかと思われます。 これは保険みたいなものです。
・有無
リモートメンテナンス機能は初代ALEXより、停電対策はALEX-128/HGよりサポートしております。
・三者通話
別々の場所よりかかってきた(もしくはかけた)2人の電話と同時に話すことができます。
ちなみにHGでは、2つあるTELポートで三者通話を個々に利用できますので、 あっと驚く電話井戸端会議が可能になります。 ただしキャッチホンでもそうですが、サービス料は徴収されます。
・ご理解していただけたでしょうか?
ご理解できなかった方は、 info@alexon.co.jp まで「わから~ん!」とメールを寄越して下さい。
より分かり易く説明するように鋭意検討させていただきます。
・従来の電話線
モジュラーケーブルとも呼ばれています。 また、形が一緒ですので従来の電話回線からISDNに変更しても、 壁のモジュラージャックを取り外したりの工事を全くすることなく 簡単にISDNに変更できます。
わいわいISDN
http://www.alexon.co.jp/know/isdn/index.html
http://www.alexon.co.jp/know/isdn/i_can.html
http://www.alexon.co.jp/know/isdn/index.html
http://www.alexon.co.jp/know/isdn/i_history.html