タイトル:ミステリーハウス(米) 世にも貴重なapple版のタイトル
メーカー:シェラ・オンライン(国内版移植:スタークラフト)
機種:PC-6001その他
メディア:FDD
ジャンル:アドベンチャー
■解説
殺人犯人を倒し、隠された宝石を見つけてミステリーハウスから引き上げる。
(・・・・・・・・・・・・いいんですけどね。)
■説明
テキストアドベンチャーの元祖がZORKならグラフィックアドベンチャーの元祖がこれ。
ミステリーハウスといえば、日本では圧倒的にマイクロキャビン版を示すのと、元祖なモンで古いせいか少々造りが難解なせいか、参考作品程度の知名度しかなかった。
(ただ、どうみてもマイクロキャビンはこの作品を参考にして作ったとしか思えんのだが・・・)
値段も高かったしねぇ・・・
とはいえ、舘に集められた7人が一人ずつ殺されていくというミステリー仕立ての展開は、結構面白いモノがあった。
■攻略
直訳
さて、実は幸いにしてアップル版ミステリーハウスをさわったことがあるのだが・・・
コマンド、直訳やん。
(機会があったら絶対カブール・スパイの攻略でふれるけど)
なんでも、英和辞典見てそのまんま・・ちゅう訳しかた、
なんとかならんかったんか。 で、apple版の舘。
作者 ちなみに、このゲームの作者は、シェラ・オンラインの創設者でもある、
ケン&ロバータ・ウィリアムズ夫妻。
特に、奥さんのロバータ・ウィリアムズはその後もADVを作り続け、
そして、初のアニメーションADV「キングズ・クエスト」を造りだす。
一時期、シェラオンラインが日本語版を出していた頃があったけど、
その時パッケージに写っていたおばちゃん(失敬!)が彼女である。
(シェラはパッケージ裏に必ず作者の写真を載せていたのだ。)
アップル版 機会があったら、アップル版の画面もアップしたいですわ。
と、いうのも稚拙なイラストがかえって不気味に写るんですよ。
特に死体の面々。
顔文字じゃないけどホントに
(x_x)
なんて感じののCGなんですから・・・
機会がありましたのでアップします。こんなんです→
下の日本版と比べてちょーだい。
BACK
攻略法(AppleII版の攻略法を元に88版で攻略。)
家の前
ヴィクトリア風の荒れ果てた屋敷。
その前に立っています。
ここから進むのにまず一苦労するかもしれません。
ここは「ウエ」で進んで下さい。
(屋敷へ入るのにウエを使うことは覚えといて下さい。)
玄関
ここが、実質的なスタートポイントです。
次に屋敷をここから出るときは、全てを終えたときです。
途中で、ここから出ようとすると・・・
ドア アケル
ナカ ハイル
エントランス・ホール
中にはいると、後ろで鍵の閉まる音。
振り返ると、いつのまにか立っている7人の男女。
彼らも、貴方と同じくこの舘に招かれたようです。
足下にノートが落ちていますね。
ノート トル
ノート ヨム
ノート
『高価な宝石が、この舘に隠されている。早い者勝ち』
と、書かれている。
頭を上げると、もう7人は消え失せている。
早速、貴方も行動しなければ。
ニシ
台所
冷蔵庫、ガス台、戸棚がある。
流しを見ると、何かが落ちている。
実は、このゲーム、なんとアイテム名は表示されない。
絵を見て、それが何なのか自分で判断しなければならないのだ。
(ひょえー)
ちなみに、これは見た目にバターナイフと判断できるので拾っておく。
冷蔵庫の中には、水差しが入っている。
空だから、水を汲んでおくとしよう。
戸棚の中にはマッチがある。
ADVならお約束のアイテムだ。ゲットせねば。
ナガシ ミル
バターナイフ トル
レイゾウコ アケル
レイゾウコ ミル
ミズサシ トル
ナガシ ミル
ジャグチ ヒネル
ミズ クム
トダナ アケル
トダナ ミル
マッチ トル
ヒガシ
ミナミ
食堂
ローソクがあります。
お約束のアイテムですからいただきましょう。
裏庭
垣根に囲まれた裏庭です。
なんと、死体があるではありませんか!
犠牲者#1:機械工のサム
死因:鈍器で頭を殴られて。
この、お宝探しは穏やかには進まないようですね・・・
このゲーム、死体には何もできないので
木戸を開けて先へ進みましょう。
シタイ ミル
キド アケル
キド イク
小さな墓地
同じく垣根に囲まれた墓地です。
彫られたばかりの墓穴が6つあります。
そばにいるのは墓堀人のジョーイです。
彼は何を考えて墓穴を掘ったのでしょうか?
ちなみに、落ちているシャベルはジョーイが邪魔をして取れません。
どうしても、シャベルを取りたければ彼を殺して下さい。
シャベル トル
ジョーイ ミル
キド イク
キタ
家の横の庭
ここからまた、家の中へ入れます。
ところで、さっきから
「段々暗くなってきました」とメッセージが出ています。
これは何を意味するのでしょうか?
トビラ アケル
トビラ ハイル
図書館
長いこと使われていないせいか、ホコリが溜まりまくってます。
床に、またノートが落ちていますね。最近置かれたようです。
拾って読むと・・・さっきと同じ?!
【実は、これがノートのトリック。前に拾ったノートをそのまま
持っていると、最初に拾ったノートしか読めません。
ですので、最初に拾ったノートを手放さないと2番目のノートは
読めません。】
と、いうわけで、なんとか2番目のノートを読めたのですが・・・
『7-6=1。それで自分の物。』
・・・どうやら力づくで宝石を独占しようとする輩が7人の中にいるようですね。
(もうノートに用はないので、一度読んだノートは置いておく方がいいでしょう。)
ノート トル
ノート ヨム
(最初に取ったノートを持ったままだとそちらを読む)
ノート オク
ニシ
2F
2階はちょっと造りがややこしいです。
ドアを開けて入るコマンドが「ドア 行く」なので注意。
ウエ
ヒガシ
ドア イク
大きな寝室
なんと、いきなり部屋の外からナイフが飛んできて横をかすめて
ベッドに突き刺さります。
どうやら、貴方もターゲットの対象みたいですね。
ちなみに、AppleII版だと、このナイフを取っていけたのですが、
88版ではどうやっても抜けませんでした。
そんなものなんやろか、それともコマンドが悪いのかしら?
ドア イク
ヒガシ
ドア イク
小さな寝室
ここで、第2の死体を発見できます。
第2の犠牲者:お針子のサリー
死因:頭に大きなコブ
よくみると、彼女の服に金色の髪の毛がついています。
サリーは金髪ではありません。これは犯人の髪の毛?
シタイ ミル
ドア イク
屋根裏部屋
金槌が落ちています。
ハシゴがありますが、登ろうとすると頭をぶつけます。(そりゃそうやね)
カナヅチ トル
ハシゴ ノボル
ドア イク
物置
いわくありげな箱がありますが、カギがかかっているようです。
後回しにしましょう。
ハコ ミル
ハコ アケル
ドア イク
シタ
キタ
書斎
意味ありげに絵が掛かっていますが、
実はダミーです。
(実は次回作ミッション・アステロイドの1シーンだって知ってますか?)
この画面の方角はデタラメです。
素直に前=北、右=東と解釈しましょう。
ドア イク
(どちらのドア?)ヒガシ
風呂場
またも死体を発見。
第3の犠牲者:肉屋のビル
死因:ストッキングで首を締められて
安直ですが、犯人は女性なのでしょうか?
(ADVだとこの手の小道具が使われた場合、ヒッカケでなくて大抵その通り。)
タオルが壁に掛かってるので取りましょう。
(持っていると、後で無意識に使うことになります。)
シタイ ミル
タオル トル
ドア イク
ドア イク
(どちらのドア?)キタ
ミナミ
ミナミ
ニシ
ドア ハイル
子供部屋
またまた死体を発見しました。
第4の犠牲者:ドクターグリーン
死因:刺し殺されて
ここで、出来ることは何も無さそうです。
シタイ ミル
ドア イク
ニシ
ドア イク
子供の寝室
また、ノートが落ちていますね。
読んでみると、
「お前なんかに見つかるものか!あれは私の物だ!」
と、煽り文句。
残りの人間が絞られてきた以上、貴方にも危険がまた及ぶようですね。
ノート トル
ノート ヨム
ノート オク
食堂
たぶん、ここまで行く前に陽が落ちて真っ暗になってしまうはず。
そうすると、何もできません。
その前に灯りをつける必要があるのですが、
灯りをつける場所を注意しなければなりません。
食堂で、灯りをつけようとすると、なんと引火して床に燃え広がってしまいます。
そのままだと焼け死んでしまうので、
水差しに汲んだ水をかけねばなりません。
そうすると、焼け跡から奇妙なモノが見つかります。
絨毯で隠されてた穴が絨毯が焼けたので丸わかりですね。
これは、何処のカギでしょう?
マッチ ツカウ
ロウソク ツケル
ロウソク ケス
ミズ カケル
アナ ミル
カギ トル
台所
さっき、開けなかった西のドア。
外の森へ続いています。今は確認だけで戻りましょう。
さて、コマンドは?家に来たときと同じく「ウエ」なんですね。
台所で、なんとなく戸棚が動きそうなので試してみましょう。
漆喰が破れてレンガが露出していますね。
さっき取った金槌を持ってれば、壊して穴を開けられます。
入るのが定説でしょうね。
ドア アケル
ドア イク
(どちらのドア?)ニシ
(森)
ウエ
(台所)
トダナ ウゴカス
レンガ コワス
アナ ハイル
壁一面をコケが覆っているジメジメした部屋
壁の穴から配膳室を通り抜けてやってきたこの部屋で、
またも死体を見つけます。
第5の犠牲者:鉛管工のトム
死因:刺し殺されて
手に持っているのはヒナギクの花。ダイイング・メッセージですな。
机の上にカギがあります。
あと、分かり難いけど壁に穴ボコが開いています。
そちらへ行きましょう。
シタイ ミル
カギ トル
アナ ハイル
南北に抜けるトンネル→大きな松の木
トンネルを抜けると、そこには松の木が。
大きな木とくれば、登るのがセオリー。
キタ
キ ノボル
高い松の木のてっぺん
上には何故か望遠鏡があります。
覗いてみると・・・
おやおや。屋根の上に小さな小屋がありますね。
屋根に付いた開き戸で上がれるようです。
木を降りると森の迷路に出ます。
ここは、適当に方角を入れるしかありません。
その内、台所の前に出ます。
ボウエンキョウ ノゾク
シタ
シタ
再び物置&屋根裏部屋
屋根裏部屋に戻ると、隠し戸が見えて上がれるようになってます。
その前に、さっき開かなかった箱を開けましょう。
地下室のカギで開けれます。中には・・・これは強力な武器ですな。
それを入手したら。早速屋根へ行きましょう。
ハコ ミル
カギ アケル
ハコ アケル
ケンジュウ トル
ドア イク
カクシトビラ アケル
ハシゴ ノボル
隠れ部屋
(墓堀人のボブを除いた)最後の人物がいます。
そう彼女、デイジー(ひな菊)がこの殺人劇の犯人です。
彼女を倒すチャンスは1回きり。しくじると殺されます。
迷わず、手持ちの最強の武器で殺しましょう。
そうすると、床のノートを読むことが出来ます。
「地下室にあり」
何が?なんて野暮な事はいわんでくださいよ。
デイジー ジュウ コロス
ノート トル
ノート ヨム
ノート オク
カクシトビラ ハイル
再び地下室
コケが一面に覆われています。
これをふき取ってみましょう。(その為のアイテムは持ってますよね?)
そうすると、部屋の一角からまた漆喰が破れたレンガ面がでてきます。
レンガが取れそうですので、取ってみましょう。
そうすると・・・後は、屋敷を出るのみ!
(ちなみに、犯人を殺さなくてもこれは取れますが、
屋敷を出る際に犯人に殺されます。)
コケ フク
レンガ トル
ホウセキ トル
エントランスルーム
ここで、最初に床の穴から見つけたカギを使ってドアのカギを開けましょう。
やっと、屋敷の前に出てきました。
で、最初に使ったコマンドの逆を入れると・・・
「アナタハ ミステリ ハウス ヲ カンリョウ シマシタ
OK」
って・・・・・何やこれは。
おまけにLIST(リターン)で、プログラムリストまで見れるやないの!
とほほ・・・
カギ アケル
ドア アケル
ドア アケル
キタ
シタ
おしまいっ!
Ashens to Ahens
http://www3.airnet.ne.jp/ashen/oldgame/myst_e.htm
http://www3.airnet.ne.jp/ashen/oldgame/
アドベンチャーゲームのうた
アドベンチャーゲームというと、何を思い浮かべますか。
なによりも先に、「ミステリーハウス」を思い浮かべられる方、いらっしゃいますでしょう。
少なくとも自分はそうです。
ミステリーハウスとは何であるかさえ、知らない人いますよね。
それは、1980年代前半にマイクロキャビンが発売したパソコンゲームです。
なぜ自分はこんなものを思い出すのでしょうか。
幼児体験という要素は間違いなく存在します。
でも、それだけではありません。
やはりこれが一番アドベンチャーらしいと今でも思うからです。
自分にとって「ミステリーハウス」とは、古き良きパソコンアドベンチャーゲームの象徴的存在です。
パソコンアドベンチャーとはいかなるものであったか、これが今回の主題です。
また、昔話をしましょう。
ミステリーハウスを具体例に、パソコンアドベンチャーについてご説明します。
なにぶん昔の話ですし、現物が自分の手元にないので多々事実と異なる点ありましょう。
複数のゲームの記憶が混入している可能性が大です。
雰囲気を伝えること、これが目的なので少々のことはご容赦ください。
ゲームがスタートすると、画面に大きな2階建ての家が描かれます。
この画面は、まず白線で家の輪郭が描かれます。
それから、屋根を赤に、壁面を白に、窓を青に、とひとつひとつ塗られて行くわけです。
この間10から20秒でしょうか。
まるでベーシックの”line”、”peint”命令を使用しているかのようです。
使用される色彩は8色、これは”color”命令で直接8色指定できたからですね。
当時のパソコンは性能が低かったために、簡単な画面を描くことだって一苦労でした。
メモリだって何キロバイト、CPUは何ヘルツという単位だったわけですから。
参考のためにあげてみます。
サターンの性能はメモリ計40メガ(1メガ=2の10乗キロ=1024キロ)
CPU28.6メガヘルツです。
この文章を書いている自分のパソコンは、メインメモリ64メガ、CPU500メガヘルツです。
雲泥の差だということ、おわかり頂けますね。
でも昔はこんなことあたりまえでした。
性能が低いが故に、画像データーを減らし、プログラムを洗練させるという努力がありました。
画面は単純にして分かりやすい、これは素晴らしいことでした。
それに数年後には1秒足らずで美しい画面を描く「魔王の指輪」(日本ファルコム)というゲームも登場しました。
メモリが少ないくせに込み入った絵を描く最近のゲーム。
ひどいものになると画像はスキャナで取り込んだだけ。
CDロムにアクセスする時間を考慮に入れると、「魔王の指輪」の方がよほど速い訳ですからね。
ゲームとして必要な情報のみを提供し、映像でごまかすことがない。
この点だけでも大変に好感が持てます。
で、話を戻しましょう。
自分はその家の前に立っているわけです。
画面下に
「>アナタハ、オオキナイエノマエニタッテイマス。」と表示されています。
当時のパソコンは、ひらがな表示ができませんでした。
ましてや漢字なんて無理ですからね。
「S」と打ち込みます。
この「S」というのはsouthの略です、つまり「go south」という意味です。
当時は、キーボードから直接自分の行動を入力したわけです。
コマンド選択などという堕落した形ではなかったのですよ。
だから、理論上は何でもできたのです。
「use match」で家に火を付けてもよかった訳です。
実際のところゲームの側で用意した数種のコマンドにしか対応していませんでしたが。
このコマンド入力式についても、あとで言及します。
初期のパソコンゲームは英語入力のものが多かったです。
なぜゲームの文章は日本語(カタカナ)なのに、入力は英語だったのでしょうか。
ともかく、動詞+目的語という形でコマンドを入力していきました。
しかし「S」では「ソチラニハイドウデキマセン。」との答えが返ってきます。
そこでめげずに、「W」「E」と入力しますが答えは同じです。
最後に「N」と入力すると画面が切り替わり、ドアの絵が移ります。
これで、スタート地点と家の入り口が南北の関係にあることが分かりました。
そこでノートに地図を書きます。
四角を上下に二つ書き、ひとつにはスタート、もう一つにはドアの前と書きます。
そしてこの2つを線で結びます。
またスタート地点は北にしか移動できないのであるから、上部以外の辺にバツを付けておきます。
当然、地図は上が北ですからね。
この地図を書く行為は、アドベンチャーゲームの基本であり、楽しみのひとつでした。
東西南北上下とあらゆる方向への移動を試みます。
移動できない方位にはバツを付けていくこと、移動できた場合には逆の方位で再びもとの地点に戻れることを確認すること。
一方通行ということもありますからね。
ウイザードリーで地図を書いてゆくのと全く同じ事です。
何か発見がある度に、この地図に書き込んでいく訳です。
最初は白紙だったノートが埋まっていくこと、わくわくする思いです。
家に入らないといけないのですから、もう一度「N」と入力します。
すると、「ソチラニハイドウデキマセン。」との答えが返ってきます。
よく考えてみると、ドアが閉まっているので当然ですよね。
そこで「open」ナニヲ?「door」と入力し、それから「N」とすればよいわけです。
家にはいると、メモが落ちています。
アドベンチャーゲームの鉄則は、拾えるものは何でも拾えというものですから、当然メモを拾います。
えっ、どうしてメモだとわかるかですって?
それは画面の紙片に「memo」と書いてあるからです。
「take」ナニヲ?「memo」で、メモが拾えました。
メモには「ドコカニオカネガカクサレテイル。」と書いてあります。
これでようやくゲームの目的が判明しました。
家の中のお金を発見すればよいのです。
当時のゲームは、開始直後には何をすればよいのか不明なことが多かったです。
アドベンチャーゲームは本質的に謎解きやマッピングなど、ゲームの過程を楽しむものです。
だから、これで十分なのです。
ストーリーなんてゲームの本質には無関係ですからね。
物語がよくないとダメだという錯誤を犯している人、多いですよね。
彼らは、トリックを解くことがゲームの本質であることを理解できないかわいそうな人です。
よけいなものを盛り込まないという点は、高く評価すべきです。
次は正面に進んでみましょう。
「open」「door」です。
しかし、「カギガカカッテイル。」との答えが返ってきます。
ならば、ゲームの基本は「急がば回れ」ですから左右の部屋に行ってみます。
「break」「door」などとやっても
「イミガワカリマセン。」
といわれるのがオチです。
ノートの地図には、入り口の部屋の正面のドアに施錠のマークを付け、左右の部屋を書きそれと線で結んでおきます。
あとは鍵を捜せばいいわけですから、
「look fireplace」、
「lool table」、
「look picture」
「use hammer」、
「use candle」
などを繰り返していくわけです。
以上がミステリーハウスの序盤ですが、これでおおよその雰囲気はつかんでいただけたかと思います。
終盤までやっていることはこれと同じですからね。
こんなアドベンチャーゲームって一体何がよかったのでしょう。
「冒険している」という気分になれること、これがやはり最大の楽しみでした。
当時のゲームは難しかったです。
コマンドは自ら入力しなくてはいけない。
当然コマンド表などないので、一体何ができるのか分かりません。
(実際は10種類程度種類の動詞(use、look、take、go、ツカウ、ミル、シラベル)しか認識しませんが)
しかも英語の場合もありました、、まあこれは幼い自分にきつかっただけですが。
小学生が和英辞典と取っ組み合うのは滑稽であり哀れです。
地形は複雑で、かつ広大でした。
例えばXからYへは「north」で移動できますが、逆のYからXへは「south」でなく「east」だったりするのです。
さらに移動できるのは東西南北のみではなく、木に登ったり、穴を掘ったりもありました。
マッピングには頭を使ったものです。
トリックは難解でした、難解といよりもナンセンスという方が適当であったかもしれません。
頭を使うというよりも、手持ちのアイテムなどでいかに試行錯誤するかという作業の要素が大でした。
でも、難しかったからこそ冒険の気分を味わえたのです。
確実なマッピングとメモ、いささかだれる試行錯誤の果てに正しい行動を発見する。
ひとつのトリックを解いて新しい場面に移動でき、そこの絵を見られる。
そして地図に新しい地点を加えていく。
これだけでとてもうれしかったものです。
最高の報酬でした。
また冒険心をかき立てる要素として、忘れてはならないものがあります。
それは当時のゲームはすぐに死んだという点です。
例えばこんなふうです。
無灯火で地下室に降りると「アナタガラックニアタマヲブツケテシニマシタ。」
はしごを登って屋上にでてしまうと「アナタハスベッテオチテシニマシタ。」
十字路を南に行くと「天気は良く、旅は快適であった。ところが突然一匹の毒蛇が現れ、君の足をかんだのである。薄れゆく意識の中、君はこれが死なのかとおもった。」
ひとつ、考えてみてください。
シューティングのようにリアルタイムの入力を要求するゲームでは、答えが分かっていても死にますよね。
むしろ死なないように正しい入力ができるように努力していくことがゲーム主要な目的です。
この場合、よく死ぬということは難度の高さと同義です。
しかしアドベンチャーゲームにおいて死にやすいということは、難度の高さではありません。
むしろ親切というべきでしょう。
なぜなら、死ぬことはその行動が間違っていることを教えてくれるからです。
間違った行動をとった結果クリアが不可能になってもゲームオーバーにならない、このほうがよほど難しいです。
ともかく、よく死ぬからこそ、緊迫感がありゲームをセーブしながら進めようと思えるわけです。
もちろん、当時のアドベンチャーには欠点もありました。
難度が高すぎた、というよりも単にナンセンスであったということです。
例えば彩京シューティングの2周目はすさまじい弾速と弾の量に、打ち返し弾まで加わって殺人的な難度になります。
でも、これは自分の技量によって(理論上は)克服できるものです。
それにたいして当時のアドベンチャーは、トリックを解くための行動が純粋に不条理でした。
たとえば、なにもない森の中で懐中電灯をつけると通路が現れるといった具合です。
あまりに壮絶ということで、語りぐさとなっているゲームがあります。
「惑星メフィウス」(T&E;ソフト)という作品です。
このゲームでは、主人公は開始早々いきなり投獄されます。
その脱出方法はさび付いた鉄格子の一本を取るというものですが、そのためには20回、鉄格子をたたき続けることが必要でした。
この時点でゲームを放棄した方も多かったと聞きます。
最高に凄まじいのは、22*22の系484エリアからなる砂漠で、ゲームクリアに必要なアイテムを捜す事でした。
まずアイテムがある10のエリアを捜すわけですが、これも最初から順番にアナライザーに反応するものを捜していくことが必要です。
さらに運良くアイテムの存在エリアが分かったとしても、その画面のどこにあるかは不明です。
40*24マスからなる画面を、端から順に捜して行かなくてはなりませんでした。
ネットで「惑星メフィウス」で検索をかけると必ずこれがでてきます、興味をお持ちの方は、是非やってみてください。
さらに悪質なトリックに「コマンド探し」というものもありました。
カタカナ入力のゲームなのにその場面だけ英語入力だったり、カタカナをローマ字に置き換えて入力したり、英語をローマ字読みしてカタカナで入力したり、はたまた英和辞書の片隅に乗っている極めて使用頻度の低い動詞を使わないといけなかったりというものです。
これらの欠点はかなり重大でした。
何しろ、答えを知らないと絶対にクリアできそうにないゲームも多数あったからです。
それにあまりにトリックがナンセンスすぎたので、たとえクリアできたとしても途中がだれてしまうのです。
それでも、パソコンアドベンチャーは面白かったです。
もう一度あんなゲームをやりたいなと真剣に望んでいます。
「しっかりとゲームになっている」これだけで今の世の中では貴重なのですよね。
以上
ちょっと語っておきたいこと。
このエッセイはかなり前から思っていたのですが、ようやく書き上げることができました。
執筆を決意した原因は「アドベンチャーゲーム必勝本」という書籍を友人から借りたことです。
この本は小学生のころ持っていた本で、当時のアドベンチャーが多数攻略してありました。
ミステリーハウス、
オホーツクに消ゆ、
デゼニランド、
サラダの国のトマト姫、
ザース、
魔王の指輪、
ポートピア連続殺人事件、
タイムトンネル、
アステカ
など22本、往時を知る人にとっては垂涎ものの内容です。
このおかげで、自分も沢山アドベンチャーを解けました。
ちなみにこの本、著者は山下章さんです。
この方も今では「ベントスタッフ」という攻略本会社の社長なられて、時代の変化を感じます。
ヴァンパイアハンター、テクニカルマニュアルにもこの方のコメントがあるのを見ると不思議な思いです。
自分は現在のゲームにあまり好意的ではありません。
しかし、でもアドベンチャーというジャンルは現在でも良質のものが多数存在するようです。
これを書きながらサターンで「慟哭そして」をやっていたのですが、本当に面白いです。
高い難度とゲーム然とした内容、いいものです。
エッチ系だからといって、無視してはいけませんね。
プレーヤーのレベルが高い分だけ、エロゲーにはしっかりと高難度のものも存在するようです。
きっと今一番まともなアドベンチャーは、エッチゲームなのしょう。
(当然、だめなやつはとことんダメですけど)
エルフの作品をやりたくなってきます。
最近のアドベンチャーは、シナリオ分岐型というのが多いようです。
ゲームは時間に沿って一方的に流れていき、ある時間にどの選択肢を選ぶかによってその後の展開が変化していくというものです。
この形式は選択肢のみで進むので一見簡単そうですが、自分はあまり好みません。
まずマッピングが無いというのが残念です、自分はアドベンチャーの楽しみの半分はマッピングだと思います。
次に時間に沿ってゲームが強制進行するので、選択肢が皆不可逆的だからです。
自分の好きにさせて欲しいですよね。
そして分岐条件が複雑すぎます、個々の選択肢が以後の選択肢に影響を与えていってしまうからです。
個人の嗜好の問題もありますし、これはこれで面白いのですがね。
一番の問題は、コマンド総当たりというゲームが存在することです。
画面にある選択肢をすべて選んでいくと、自動的にゲームは進行するという形式です。
こんなもの、ゲームじゃないですよ。
物語を見せつけるだけなら、やっていることはコンシューマーRPGと同じですからね。
物語を求めるならば、映画や小説でしょう。
このエッセイを読んでアドベンチャーゲームがやりたくなった方、次の2作品をおすすめします。
詳しくはセガサターンに愛をの項目を参照ください。
太陽の神殿(サターン、ファルコムクラシックス2に収録)
この作品はコマンド選択式ですが、動詞と名詞を別々に選択するという形式を取っております。
少なくとも自分は完全にノーヒントでクリアできました。
極端に不条理なトリックはなく、難度は決して高すぎません。
しっかりとパソコンアドベンチャーの雰囲気を味わえる大変な良作です。
慟哭、そして(サターン)
画面内をマウスでクリックして、バイオハザードのようないかにもゲーム然としたトリックを解いてゆきます。
マウスでクリックとアイテムの使用しかありませんが、組み合わせが膨大なのでいい難度です。
完全ではありませんが、この作品も自力でクリアできたので不条理でないことは保証できます。
自分はまだ手が着いていませんが、ミスト、リブン、ゾーク1(サターン、プレステ)もパソコンゲームの移植なのできっとよくできているのでしょう。
おしまいです。
戻ります。
ビデオゲーム、書籍等に関して
http://www2.ttcn.ne.jp/~inu/text/adv.html
家が映っています
テキストAVGをプレイしている人たちの中には、文字しか映らないモニターを寂しがる人たちがいた。
取り分け日本では、テキストアドベンチャーの人気はなかった様に思える。
この頃に発売された『表参道アドベンチャー』以外に、日本で作られたテキストAVGで有名なものと いうと、
『幽霊船』(1983年 新紀元社)
『宝島』(1983年4月 新紀元社)
『南青山アドベンチャー』(1982年12月 アスキー出版社)
『不思議の国のアリス』(1984年6月 マイクロキャビン社)
『スターライトアドベンチャー』(1983年10月 キャリーラボ社)
『同 2』(1984年2月 キャリーラボ社)
ぐらいだろう。
『ダイヤモンド略奪作戦』(1984年5月 RAM社)
『Dr.猫田の不思議な家』(1984年 新紀元社)
なんて知っている人、いないですよね~(逝)
しかし、テキストアドベンチャーは文字が見えないと何のゲームかわからんな(逝)
yureisen/幽霊船
takrajima/宝島
minami_aoyama/南青山アドベンチャー
fusigi_alice/不思議の国のアリス
starlight_adventure/スターライトアドベンチャー
starlight_adventure2/スターライトアドベンチャー2
nekota/Dr.猫田の不思議な家
テキストAVGが人気のあったアメリカでも、グラフィックが無くて寂しいと感じていたのだろうか。 しばらくして、グラフィック付きのAVGが登場した。
余談
当時テキストAVGに対して、グラフィックが付いているAVGをハイレゾ・アドベンチャーとも 言っていた。なぜなら、最初にグラフイック付きのゲームを発売したシェラ・オンライン社制作のAVGの シリーズ名だったため、一般的に使われていた。
Mystry House/ミステリーハウス
1番はじめに絵が表示されたのはシェラ・オンライン社の 『ミステリーハウス』だろう。
このゲームがAVGの世界にどれだけの 衝撃を与えたことか。
日本のAVGに多大な影響を与え、 その結果『ミステリーハウス』を模範した(そのものずばりな内容のゲームもありますが) ゲームが登場している。
古くからAVGをプレイされている方なら、ミステリーハウスタイプのゲームを 1度はプレイされていることであろう。
『ミステリーハウス』の内容は、ある家の中に大きなダイヤがあると聞きつけた7人による ダイヤ争奪戦だ。
また登場人物が1人また1人と殺されていくという、サスペンスタッチのミステリー性も 持ったゲームだった。
グラフィックといっても『ミステリーハウス』に表示されたのは、白い線で 書かれた質素な画面であった。
しかも線画するのに時間が掛かるので、移動する度にイライラが高まる。
昔のゲームを知らない今の人たちがプレイしたら、今時の子供でなくてもキレること請け合いである(逝)
だが、当時の人たちはモニターに映し出される画像に歓喜し、夢中になってプレイした。
様々な謎を解き、宝物を見つけだす。単純な画面ばかりだったが、次々に現れるグラフイックが見たくて プレイヤーはプレイし続けた。
そして『ミステリーハウス』以降、日本ではグラフイック付きのアドベンチャーゲームが主流となった。
本家本元の『ミステリーハウス』を移植したスタークラフト社(1983年)、 マイクロキャビン社の『ミステリーハウスI・II』(1983年)や 『WORRY』(1984年)。シンキングラビット社の『鍵穴殺人事件』(1983年) の様な推理ゲームも『ミステリーハウス』の仲間だろう。推理・宝探しというエッセンスは、今のAVGに深く 根付いている。現在発売されているAVGの原点は『ミステリーハウス』なのである。
Mystry House Cabin/ミステリーハウス
I Worry/Worry
Kagianasatujin/鍵穴殺人事件
余談
シェラ・オンライン社の『ミステリーハウス』と『ミッション・アステロイド』では、 どちらが先なのだろうか?
スタークラフト社が移植した際の通し番号で言うと、『ミッションアステロイド』が先なのだが・・・。
という疑問が解決しました。
mission_as/ミッションアステロイド
発売順で言うと、『ミステリーハウス』が第1弾。第2段は『ウィザード&プリンセス』。 その後に『ミッション・アステロイド』という事のようです。
但し、通し番号は、『ミッション・アステロイド』が1番若く、”#0”。 本当は先に出るはずだったのだろうか? それとも難易度が低かったから? うーむ。
情報有り難うございますM.SUDAさん、Laverさん
Nostalgia
http://aizuma.hp.infoseek.co.jp/avg/avg2.htm
fusigi_alice/不思議の国のアリス
takrajima/宝島
minami_aoyama/南青山アドベンチャー
Kagianasatujin/鍵穴殺人事件
Mystry House1/ミステリーハウス1
Mystry House/ミステリーハウス
mission_as/ミッションアステロイド
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