Wizardryの資料
死ぬほどこのゲームを遊んだけれども、ゲーム中での諸事象の決定過程についてご存じない方は多いと思います。
ゲームをクリアするには全く不要ですが、知識として知っていると面白いもの。
一応の実用性を含めて、それをらを紹介しようと思います。
経験則として認識している事象を改めて数式で理解することで、意外な驚きが得られるものと思います。
出典は「WIZARDORY LLYLGAMUN SAGA 公式ガイドブック」です。
こちらにはさらに詳しく書かれているので、興味を抱かれた方はこの名著を入手なさることをお薦めします。
以下の諸法則は、ウィズが最もウィズである初代三作(凶王の試練場、ダイヤモンドの騎士、リルガミンの遺産)におけるもので、主に初代を対象として議論を進めます。
ここでは、次の決定過程について紹介致します。
宝箱について
ディスペルの成功率
レベルアップ時の能力値の変化
レベルアップ時のヒットポイントの変化
武器について
攻撃回数について
攻撃の命中判定
アイテムの取得
宝箱について
トラップの識別成功率は次の式によって決定されます。
盗賊、(素早さ*6)%・・・最大95%
忍者、(素早さ*4)%
他の職業、(素早さ)%
つまり忍者の的中率は高々72%であり、信頼できないということです。
カルフォ(95%)の併用は必須といってよいでしょう。
(盗賊の場合でも併用するのが吉ですが)
次にトラップ解除成功率です。
罠はずし能力値を決定
罠はずし能力値=キャラクターのレベル-フロア数-7(忍者、盗賊はこれに職業修正値として+50)
解除判定
罠はずし能力値が1から70までの乱数よりも大きければ、罠解除は成功です。
トラップ動作判定
失敗の場合は、キャラクターの素早さを調べます。
これが1から20までの乱数(20面体ダイズ一回です)よりも大きいと、罠は作動しません。
小さい場合は、「罠に引っかかった」となります。
以上の式から解りますが、罠自体はどの職業であっても解除可能です。
「罠はずし能力値>70」となれば確実に罠を解除できる訳ですから、次の不等式を解くとそのレベルが求められます。
レベル-10(最深部)-7>70
レベル>70+10+7
レベル>87
つまりレベルが88あれば、いかなる職業であっても確実にトラップを解除できます。
従ってパーティーにシーフがいなくても、カルフォを用いることで確実に宝箱を開けられるというわけです。
ディスペルの成功率
成功判定値=50+5*レベル-10*モンスターのレベル+職業修正値
(職業修正値は、僧侶0,ビショップ-20、ロード-40)
成功判定値が5以下の場合は5とする
成功判定値が0から100までの乱数よりも大きければ、成功。
この式からは次の2点が導かれるます。
強力なモンスターほど解呪が難しい
レベルが同じならビショップやロードはクレリックよりも解呪能力が低い
レベルアップ時の能力値変化
まず、25%の確率で能力値は変化しません。
年齢と0から130までの乱数を比較し、年齢が大きい場合には次の判定を行います。
能力値が18の時は5/6、2未満の時は常に変化しません。
能力値がヴァイタリティーの場合には常に下がります。
それ以外の能力値は、3よりも大きい場合に下がります。
レベルアップ時のヒットポイントの変化
現在のレベルの数だけ、ダイス(職業によって異なる)を振ります。
戦士・ロード 、10面体
僧侶・サムライ 、8面体
盗賊・忍者・ビショップ 、6面体
魔法使い 、4面体
ただしこのダイスには、ヴァイタリティーによる修正が加わります
生命力3 、-2
生命力4~5、-1
生命力16 、+1
生命力17 、+2
生命力18 、+3
ここで生命力が最低3(ひいては最高18)であるのには、恐らく次の理由があります。
ウィザードリーはその起源をダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D、AD&D)というテーブルトーク(ボードゲームのようなもの)に持ちます。
このゲームにおける、キャラクターの能力値の決定は6面体ダイス3回の合計値です。
つまり最低3(1が3回)で最高18(6が3回)。
従って3以下は意図されていないのであり、仮に3以下となっても修正値は3の場合と同じと見なすのでしょう。
職業がサムライの場合のみ、もう一度ダイズを振ります。
このダイズの合計値が現在の最大HP以下の場合には、最大HPに1を加えます。
最大HPよりも大きい場合には、最大HPを上記合計値まで引き上げます。
上の式から導かれることですが、生命力は常に18であるのが望ましいですね。
またこれによって転職後はしばらく最大HPが1しか上昇しない理由が解ります。
逆に言うならば、一度自分はメイジからビショップへの転職後に最大HPが一度に120増えたことがあります。
武器について
このゲームに登場する武器には、それぞれ固有のダメージ範囲が設定されています。
例えば、ロングソードは1~8です。
何故このように大聞く変動するのかをご説明致します。
武器のダメージは、やはりD&Dに準拠するものです。
このD&Dは乱数の決定要因としてさいころを用いました。
4面、6面、8面、10面、12面、20面のダイスを使用したのです。
(おもちゃ屋さんにいって、手に取ってみられることをお勧めします)
つまり、ロングソードのダメージは8面体ダイス一回と決められていたのですね。
(8面体ダイス一回振ることを、1d8と記述します)
ゲームであるので、実際には存在しないダイス(3面体など)が用いられることもありますが、基本的にコンピューターはダイスを振って判定を行うという原則は守られています。
ダメージ範囲の他に、武器には命中判定、攻撃回数への修正値を持つものも存在します。
命中判定に修正があれば、敵に攻撃があたりやすくなります(判定式は後述)。
攻撃回数の修正値は、キャラクターの職業・レベルに関わらずその回数分の攻撃を可能とします。
しばしば「なになに」+1というアイテムが登場しますね。
この+1とは、基本となる武器「なになに」に命中判定・攻撃回数・攻撃がヒットした場合のダメージにそれぞれ1を加算するという意味を持ちます。
(実際はそう単純でもないですが)
村正ブレードに対する有名な言明として次のものがあります。
「村正を手にするものが、たとえレベル1のサムライであっても、巨人を一刀両断にすることができる」
村正はダメージ10~50(5d10)、攻撃回数3です。
平均的にダイスがでたとして、30が3回でダメージ90。
ファイヤージャイアントのHP(15から92)を大きく上回るわけで、レベル1サムライでも一撃ですね。
武器の性能を少々紹介してみます。
武器名の後の数字はダメージ、括弧内は攻撃回数で空欄の場合は0です。
ロングソード、1~8
ショートソード、1~6
メイス、2~6
ダガー、1~4
ロングソード+1,2~9(2)
ショートソード+1、2~7(2)
メイス+1,3~9(2)
ドラゴンスレーヤー、2~11(1)
ロングソード+2,3~12(3)
ショートソード+2、3~8(3)
カシナート、10~12(4)
ダガー+2,3~6(2)
ダガーオブスピード、1~4(7)
ソード+3(E)、4~13(4)
村正ブレード、10~50(3)
手裏剣、11~15(3)
カシナートの安定した高ダメージと、圧倒的な村正の破壊力が目立ちます。
攻撃回数について
基本的に、装備する武器の攻撃回数がそのキャラクターの攻撃回数となります。
(ただし武器の属性とキャラの性格は一致していないといけません)
職業修正値を上記の回数に加えます。
戦士・サムライ・ロード、+レベル÷5
忍者、レベル÷5+1
以上の値が10を超えた場合には、10とします。
この式から導かれることは、メイジ・シーフ・ビショップ・プリーストはレベルが上がっても攻撃回数は変わらないということです。
攻撃の命中判定
基本的に、「攻撃スキル」という数値が、1から20までの乱数(20面体ダイズ)よりも大きければ攻撃は命中です。
攻撃スキルは、次の式によって求められます。
「攻撃スキル」=「モンスターのAC」-「ファイトレベル」+3*「モンスターのグループ」
ファイトレベル=職業修正値+ストレングスによる修正値+アイテムによる修正値
職業修正値
戦士・ロード・サムライ・忍者の場合は、レベル÷3+2
その他は、レベル÷5
ストレングスによる修正値
恐らくですが、HP決定の際のヴァイタリティーの場合と同じく以下であろうと思われます。
力3 、-2
力4~5、-1
力16 、+1
力17 、+2
力18 、+3
強力な武器には、命中判定に+1,+2とっいった修正を持つものがあります。
モンスターのグループは最前列を1とし4列目を4とします。
これにより算出された攻撃スキルが、21以上の場合は20に、1以下の場合は1に修正します。
アイテムの取得
アイテムは、それぞれ(武具、防具、その他)通しで番号が付けられています。
大まかにいうと、この番号が大きいものほど強力なアイテムといってよいです。
例えば、ロングソードは1・ラージシールドは8、そして村正は86・シールド+3は90といった具合です。
そしてモンスターはそれぞれに、何番台の宝を何%の確率で持っているかがあらかじめ規定されています。
(グループで登場する敵の場合は、先頭の敵のもののみ考えます)
例えば、「バブリースライム、No1~15(10%)」といった具合です。
これはバブリースライムを倒して宝箱を開けた場合に、1~15番のアイテムを10%の確率で持っているということです。
強いモンスターほど一般的に良いアイテムを落とします。
レベル3サムライ、No1~15(20%)、No17~32(10%)
レベル5メイジ、No1~15(50%)、No17~32(30%)、No33~51(10%)
オーガーロード、No1~15(100%)、No17~32(50%)、No33~50(20%)
レッサーデーモン、No17~32(75%)、No33~50(25%)、No52~78(10%)
ハイプリースト、No33~50(70%)、No52~78(25%)、No79~92(5%)
マイルフィック、No33~50(100%)、No52~78(50%)、No79~90(10%)
といった具合です。
村正・ガーブオブロード・手裏剣(いずれも80,90番台)という強力なアイテムを持つ敵は次に列挙するものに限定されています。
以下の11種は5%の確率で強力な(79番から92番の)アイテムを所持します。
フロストジャイアント
ファイアドラゴン
ハイプリースト
ハイウィザード
マスターシーフ
ハタモト
ヴァンパイア
グレーターデーモン
ポイズンジャイアント
ドラゴンゾンビ
以下最強6種は10%の確率で(78~90番のアイテムを所持)です。
レイバーロード
ザハイマスター
フラック
アークメイジ
マイルフィック
ヴァンパイアロード
従って、村正を獲得するために最も効率がよい方法はこうなります。
地下10階で、上記最強6種が登場するまで「逃げる」を選び続けることです。
間違ってもブリーブなどと戦ってはいけないということになります。
ここで稀少アイテムの番号をあげます。
ブレストプレート+2
銀の小手
ソード+3(E)
ショートソード+3(E)
盗賊の短刀
ブレストプレート+3
ガーブオブロード
村正ブレード
手裏剣
コールドチェーンメール
プレート+3(E)
シールド+3
回復の指輪
僧侶の指輪
これらを敵が落とす確率がたったの5や10%で、しかも村正はその14個の中の一つです。
必ず稀少アイテムを持つ敵とであったとしても、村正が入手できる確率は280分の一。
なかなか、大変ですね。
留意すべき点です。
先の所持アイテム例に挙げましたが、最強6種は回復の指輪(91)と僧侶の指輪(92)を所持していません。
また最も見落としがちなアイテムとして、51番のシールド+2があります。
これは以下9種のモンスターが10%の確率で(No33~51を)持つのみです。
レベル5メイジ、レベル4シーフ、キラーウルフ、スピリット、ジャイアントスピナー、ワーターガー、メデューサリザード、レベル5プリースト、レベル6ニンジャ、レベル7メイジ
普段は見落としがちな地下6,7,8階を重点的に探索しないと発見できません
以上です。
ビデオゲーム、書籍等に関して
http://www2.ttcn.ne.jp/~inu/text/wiz.html
http://www2.ttcn.ne.jp/~inu/text/adv.html
ウイザードリィ
Wizardry1
提供会社 (株)アスキー
価格
5.0DFDD: 12800円
3.5DFDD: 12800円
Wizardry2
提供会社 (株)アスキー
価格
5.0DFDD: 12800円
3.5DFDD: 12800円
■内容
あの、噂のWizardryが。ついに日本語バージョンで登場!!狂気に大君主トレボーの世界征服の為の 2つの条件---最強の精鋭部隊の育成と邪魔な魔法使いワードナに魔除けの奪還---を充たす事 がこのシナリオの目的である。この世界は、あなたの分身とも言える様々なキャラクタ創造に始まる。 最大6人のパーティを結成して、魔法と困難に満ちた地下10階に至る迷宮の冒険へ出発していくの だ。3次元迷路で表現されている迷宮にはパーティを惑わす、凶悪な魔物そも、落とし穴、暗闇の空 間、魔法の品々、と言った数々の困難が待ち受けている。これらの困難を乗り越える事によって、あ なたのキャラクタは成長していくのだ。
■感想
あのウイザードリのFMシリーズへの移植版です。
移植版とは言えども、完成度は本家のApple 版に負けません。さすがに、R.P.G.の原点(正統派)と言われるゲームだけあってキャラクタ 作りが確りしています。(悪く言えば、設定が多すぎてめんどくさい!?)このゲームは、最初のキ ャラクタ作りが全て、と言えるゲームではないでしょうか。
Nabechan Home Page
http://www23.tok2.com/home/fm7emu/ysm2/asc/wiz.htm
http://www23.tok2.com/home/fm7emu/ysm2/art/a-tr.htm
二大巨頭
テレビームのRPGの世界において、ボードゲームの『D&D』が与えた影響は計り知れない。
何故ならば、 今でもRPGがテレビゲームの人気ジャンルとして存在しているのは、この『D&D』に影響されて作られた 2つのゲームがあるからだ。
・・・そう。RPGを語る上で、この2つのゲームを外すことは出来ない。
ウィザードリィ
まずは、サーティック社から発売された『ウィザードリィ』(1981年)。
今でも多くのプレイヤーを熱中させるこのゲームが世に出たきっかけは、アンドリュー・グリーンバーグ氏が大学在学中に『D&D』に夢中になり、1人で楽しめるようにとアップルIIでゲームをプログラミングしたことが発端である。
このゲームは多くの友人にモニタープレイされ、その中の1人であったロバードウッドヘッド氏の プログラム技術によってグレードアップされた。
それが『ウィザードリィ』である。このゲームがプレイしたくてアップルIIを買った人も多いだろう。
魔法使いのワードナに盗まれたアミュレットを取り戻すために、 3Dダンジョンの中を冒険していくのだが、殆どのプレイヤーはアミュレットを取り戻すよりも、 キャラクターを育てる楽しみのほうが大きかった。
ストイックに自分のキャラクターを鍛え、ディスクがアクセスする音でどんな敵キャラかが 分かるようになるほど戦い、数少ないレアアイテムを手に入れるために毎日のようにプレイする人が 続出したゲームである。そして飽きさせないゲームバランス。いくら強くなっても、常に緊張感がもてる ゲームバランスを持つゲームは、そう多くない。
画面に表示されるのはワイヤーフレームで書かれたダンジョンと、味方キャラクター達の情報。 そして襲いかかるモンスター達。与えられる視覚的な情報が少ない分、プレイヤー達は色々な想像をして、 自分たちの世界で冒険していた。
続編も続々と発売されているが、カラー化された『ウィザードリィ』が発売されたときには、 様々な批判が飛び出した。つまりそれほど、独特な世界、想像力を刺激される事を楽しんでいる人が 多かったということでもある。(カラー化したのは、あるゲームの登場による”危機感”を持ったからで あるが・・・。)
日本でも1985年11月に、アスキー社より『1』が移植販売された。
全世界で『ウィザードリィ』を徹夜でプレイしたした人の数と言ったら、そうとうな数になるだろう。 発売から何年も経つが、未だに色あせていないゲームでもある。 これ以降『ウィザードリィ』は、順調に移植されていく。
Ultima1/ウルティマ
そしてもう1つのゲームといえば、『ウルティマ』だろう。「いや『ウルティマ』ではなくて、『アルテマ』だ。」という論議も今では懐かしい(逝)
『ウルティマ』(CALIFORNIA PACIFIC社 1981年)は、制作者であるリチャード・ギャリオット氏が、高校生の頃(17歳ぐらいの時のようですな)に作った『アカラベス』を拡張し、アップルIIで発売されて大人気となったゲームだ。
ロード・ブリティッシュ国王が治めるブリタニアに魔術師モンデインが攻め込み、国を乗っ取ろうとするのを阻止するのが目的である。(ちなみにこのロード・ブリティッシュとは、制作者であるリチャード氏のニックネームだったのだが、ゲーム内におけるその強さ故に、本名のリチャード氏よりも有名になっている。)
余談
後にリチャード・ギャリオット氏は、自分で会社(ORIGIN SYSTEMS社)を設立。そしてCALIFORNIA PACIFIC社からウルティマの版権を買い戻し、改定した『ウルティマ1』をIBM-PCで発売している。
Ultima2
ウルティマ2
『ウルティマ』のスケールは大きく、シリーズを重ねるごとに内容が 大きくなっていく。
『ウルティマ4』に至っては、哲学をテーマにした内容となり、聖者になるのが目的と いう往来にない作品を出してプレイヤーを驚かした。
日本では、スタークラフト社から『ウルティマ2』(1985年7月)が移植された。 もちろん、ウルティマシリーズもこのあと移植され続けることになるのだが、『4』以降はポニーキャニオンが 版権を得て移植、発売している。
しかも『1』から『3』の版権も得たため、再度『1』から『3』がポニーキャニオン社から発売されている。
『ウィザードリィ1』と『ウルティマ2』が移植され、日本語で実際にプレイできるようになった。 これは、日本RPG界の未来に対して、非常にメリットがあったと思われる。この2つのゲームをベースに、 日本のRPGの基礎が出来上がっていくことになる。
Nostargia
http://aizuma.hp.infoseek.co.jp/rpg/rpg2.htm
0 件のコメント:
コメントを投稿