2025年2月27日木曜日

[EC] UberEats, インバウンド客(2025.2)〜元『馬鹿力』構成・渡辺のウーバーイーツ日誌 「なぜ店に行かずデリバリー?」外国人観光客が




[EC] UberEats, インバウンド客(2025.2)〜元『馬鹿力』構成・渡辺のウーバーイーツ日誌
「なぜ店に行かずデリバリー?」外国人観光客がウーバーイーツを使いたがる理由【チャリンコ爆走配達日誌】
2025/2/27(木) 7:00配信
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第89回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
* * *
ウーバーイーツの配達員を始めてから丸7年。人気の食べ物の移り変わり、注文される方のライフスタイルの多様化、配達サービスを行なう店の拡大などなど、さまざまな変化を配達しながら感じてきました。その中から今回は、外国人観光客の方々の注文動向の変化について書いていこうと思います。
私が主に配達をしている銀座や日本橋エリアはビジネスホテルなどが立ち並ぶ場所。配達を始めた当初からウーバーイーツを利用する宿泊客の多いところです。過去の動向については「日本を訪れる外国人観光客がウーバーイーツで頼む、今人気の料理とは?」や「ウーバーイーツの配達中、街に観光客が戻ってきたことを実感」でも書きましたが、最近増えているものは何か。それは深夜のコンビニ商品の配達です。銀座や日本橋エリアを自転車で回っていると、コンビニ密集地帯がけっこうあります。なので、観光客の方々が宿泊するホテルの近くにも、歩いて行ける範囲のコンビニはたくさんあります。ですが、日本橋の高層ビルが立ち並ぶ東京駅に近いエリアには、23時ぐらいに店を閉めてしまうコンビニがあり、ホテルの場所によっては深夜のコンビニ探しに苦労するところもあります。また、このエリアのコンビニに立ち寄ると、日本のコンビニの品揃えが豊富すぎるのか、缶チューハイやビールが並ぶコーナーでビールとノンアルコールビールの缶を見比べて「このふたつの違いはなんなのか?」と迷う人や、牛乳のコーナーに並ぶ多彩な商品を見て悩む人を見かけます。時間帯によっては、そういう観光客で店内がごった返すところもあります。そんな閉店時間の心配や店内の混雑を気にすることなく、翻訳機能を使って自国の言葉で商品の説明を見ながら購入できるのがウーバーイーツ。
深夜の注文は配達員のマッチングが決まらず、商品到着までの時間がかかる場合がありますが、どこにあるのかわからないコンビニまで出かけ、よくわからないまま商品を選ぶよりはマシだと考えているのでしょう。深夜12時から早朝4時ぐらいまで、コンビニからホテルへ向かう配達依頼はそこそこの頻度で入ってきます。料理を届けるためホテルのロビーへ行ったら、配達員がたくさん集まっている、ということもあります。これはグループで日本を訪れる方が注文するパターンで、おそらく一度でたくさんの種類の料理を味わいたいのでしょう。すし、うなぎ、とんかつといった日本の料理やパーティの定番料理のチキンやピザなど、さまざまな店からホテルへやってきた配達員がロビーの一角に向かい、5、6人の外国人観光客のグループに1、2人前分の料理を渡しているという場所にけっこう出くわします。
先日気づいたのが、ラーメン店や牛丼チェーンの松屋からの配達。ラーメンや牛丼は外国人観光客の方がよく注文するもの。なので、以前から一定数の注文はあるのですが、最近感じたのは、食券を買うタイプの店からの注文が多いということ。ラーメン店の券売機は食券のボタン部分に料理の写真がなく、英語表記もないところがほとんど。松屋のようなタッチパネル式の券売機も操作方法が複雑。そんな事情からなのか、食券の券売機を導入する店からの配達が、直接注文するタイプの店より多いことに気づきました。おそらく同じ理由で、大盛り、味濃いめ、野菜増量など、オプションの多いラーメン店からの配達もかなりあります。ほかにも、外国人観光客ならではの注文傾向はあると思います。今後も新たな傾向に気がついたら、この場であれこれ報告したいと思います。
文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明

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https://news.yahoo.co.jp/articles/589257ecfb185719ab8340c9cec0b64e4e479033
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週プレNews
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ウーバーイーツ配達でたまに現れる「暗証番号」案件はいったい誰得なのか?【チャリンコ爆走配達日誌】
2025/2/20(木) 7:00配信
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第88回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
* * *
今回は暗証番号の話です。ウーバーイーツで注文完了後、たまに「暗証番号」なる4桁の数字が表示されることがあります。同じく配達員が使うアプリにも、商品受け渡しの際に暗証番号を求める画面が表示されることがあります。この暗証番号案件、同じ人に運ぶ場合でも、ある日は暗証番号を求められなかったのに別の日には暗証番号が必要だった、なんてことがあるので、配達する側にとっては面倒な案件です(注文される方にとっては、もっと面倒に感じていると思われます)。あくまで私が配達してみての感想ですが、年末年始の配達あたりから、この暗証番号を求められる案件が増加。以前は30件の配達に対して1、2件程度という感じでしたが、最近は4、5件ほど、多い時は7、8件ほど暗証番号の指示画面が出るようになりました。
誤配達防止のために導入したのではと言われているこの制度。経緯はわかりませんが、この番号がランダムで出るのは配達員にとってたまったものではありません。なぜなら、暗証番号を伺うと「知らねえよ!」「前はそんなもの出なかったぞ!」と怒り出す方がまれにおり、BAD評価を付けられる可能性があるからです。配達する私や注文される方にも面倒な暗証番号案件を回避するにはどうしたらいいのか。確実な方法は商品の受け渡しを「置き配」に設定することです。受け渡しの住所などを設定する画面の受け取り方法を選択する画面で「手渡しする」を選ばないことです。私が配達をしていて置き配指定で暗証番号を求められたことはこれまで一度もありません。たまに「手渡しする」設定のまま、配達員に伝えるメモ欄に「ドアの前に置き配でお願いします」と書く方がいますが、この場合「暗証番号の案件なので置き配できない」と言われるので、置き配で問題ないのであれば設定画面でしっかりと「置き配」と指定するのをオススメします。確実に暗証番号を回避するそのほかの手段はありません。ただ、私の経験上、暗証番号が出やすいのがホテルへの配達。自宅、オフィスといった普段利用するところ以外の場所で商品を受け取る場合に暗証番号が求められることが多いです。そのほか、外国の方からの注文でも暗証番号をよく求められます。すべての方が、ワン、ツー、スリー......とゆっくり話してくれるわけではない上、この配達が暗証番号を必要とするものだと理解していただくのに時間がかかる場合があるので、海外の方との暗証番号のやりとりは手間がかかります。いくら誤配達防止のためとはいえ、4桁の番号を知っているのは配達員と注文者だけ。料理を受け取る際に暗証番号はいらないので、このシステムの導入で誤配達が減るとは思いません。正直なところ私は「海外でサービスを展開するライドシェアの場合、乗車する時に暗証番号があれば、同じ乗車場所から出発する他の車への乗り間違えがなくなる。アプリはライドシェアのシステムをそのまま流用しているので、フードデリバリーにおいてはまったく意味のない機能だが導入された」と感じています。そんなわけで、誰もがメリットを感じない暗証番号機能ですが、ウーバーイーツで「手渡しする」を選択している限りは出てくる可能性がある案件なので、回避したい方は設定画面から置き配の設定をして注文してください。ただ、置き配設定はキャッシュレスの事前決済の方しか利用できない機能なので、現金を使って利用される方はイライラしている時に口頭で伝えると早口になって聞き取りづらい場合があるので、暗証番号が出た場合はスクショに撮って、配達員が到着したら画面を見せていただけると助かります。
文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明
■コメント
('-')    
自分の住んでるマンションは壱番館と弐番館があって弐番館に配達に行く配達員が何人もいて注文したやつが届かないなんて事が多々ある。ウーバーに限らず出前館でもやられたことがある。そのトラブルが一時期頻発して暗証番号が表示されるようになった事があった。
('-')
ホテル宿泊者のお客様への配達でお客様のメッセージに501号室ですとか部屋まで持ってきて下さいという指示が多いですが海外はわかりませんが、日本のホテルは宿泊者以外は客室まで行けない規則が多いのですが、先日海外のお客様で部屋まで持ってきて下さいとメッセージがありメッセージの返信でホテルフロントまでしか行けませんとお伝えしても話が通じなくて電話しても日本語話せない人で、フロント前でひたすら待って商品廃棄2分前にホテルの人が一緒に行きますよと言われて商品は渡せたのですが、だったら初めからそうしてくださいよって思います。
お客様都合で10分待っても追加報酬は支払われないので。
('-')
2/20(木) 9:28
手渡しの暗証番号案件なのに
注意事項に  お客様希望で置き配でお願いしますとなってると最悪
暗証番号がないと置き配はできないので
必ず聞きます
そういう客に限って電話しても出ない
メールも返答無し
この場合は暗証番号がないと勝手に置き配できません
サポートセンターに連絡して12分間待ちます
12分間過ぎると時間切れ切れで
配達完了ボタンを押します
配達料金プラス調整金と品物は廃棄して下さいとなります
たまにですが絶対に暗証番号を聞いて下さいとなる場合があるので そうなると意味不明です
何のための暗証番号なのか?
配達員のストレスなだけ
昨日も裸同然で若い子が出てきて
手渡したら 直ぐにドアを閉められて
暗証番号聞く暇もなかった
若い子にしたら深夜だから警戒してるんだろうけど
電話してもメールしても返答無し
サポートセンターに連絡して終了にしました
やり切れない気持ちだった
('-')
一軒家で家の特徴が何も書かれていないとき、ホテル・寮等で外で受け渡すとき、「違う人に届けてしまった!」となる可能性はほぼゼロになるので、確かに確認するのは面倒ですが個人的には意味のある機能だと思います。基本的に暗証番号を確認してから受け渡ししていますので。私自身は暗証番号で揉めたことは一度もありません。機能が悪いのではなく暗証番号一つで不機嫌になるといった、そもそも配達員と円滑・円満に受け渡しをしようとする姿勢が全くない利用者が悪いのです(逆も然りですが)。この機能を無くしたところでそういう面倒な人が一定数いらっしゃることには変わりがないので、暗証番号機能はこのままでいいと思います。
('-')
頻繁に注文しますが暗証番号は誤配トラブルがあった後によく出るようになりますよ。同じお店で置き配不可や暗証番号になったりするのでお店側が誤配でuberに文句を言った場合も起きてるような感じがします。今は一定期間ランダムっぽいですが前は誤配後一発目は必ずでした。そして暗証番号の時は置き配にしてても玄関先で受け取るに変更されるのでこっちで設定で回避するのは無理ですね。

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ウーバーイーツの配達で旅費と滞在費をまかなえるのか? 激安ステイの沖縄編【チャリンコ爆走配達日誌】
2025/2/6(木) 7:00配信
旅費を格安に抑えられれば旅を楽しみつつ収支がプラスになるのでは? そんな思いで沖縄で配達をしました!
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第86回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
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1月のお正月休み明けから2月の卒業旅行シーズンが始まる前までの間は、飛行機のチケットやホテルの宿泊代金がグンと下がる季節。レンタサイクルを活用することで全国どこでも配達ができるウーバーイーツ自転車配達員にとっては、旅を楽しみながらスキマ時間に配達をしたら、旅行に出かけておいしいものを味わったのに収支がプラスになる可能性の高まるシーズンです。配達員になってからこれまで、京都、名古屋、広島、札幌と、旅先でのウーバーイーツ配達チャレンジの模様をいろいろ書いてきました。今回はそんな旅配達の第5弾ということで、1週間、沖縄へ行ってきました。
成田空港から沖縄・那覇までのLCCのチケットが往復で1万4560円。現地の宿泊費が6泊で1万9250円。自宅から空港、空港からホテルの交通費や自転車のレンタル代を合わせると総額4万2000円ほど。リモートでの会議や取材、原稿を書く作業をこなしつつ、スキマ時間に配達してこの金額を稼げれば、実質無料で沖縄生活が楽しめます。1日平均6000円なら稼げる可能性はありそう。そう思って出かけました。初日(水曜日)、2日目(木曜日)とライター仕事が入り、配達を始めたのは沖縄に到着してから3日目(金曜日)のこと。1日目、2日目の夜に配達員用アプリを立ち上げ、どんな感じで依頼が舞い込んでくるのかを見ていたところ......。
1000円から2000円ほどの配達依頼が2、3分に1回ほどのペースで入ってきたので、金土日の3日間でガッツリ配達を行なえば3、4万円は稼げるだろうと思い、3日目(金曜日)の未明から自転車を借りて、配達員用アプリのスイッチをオンにしました。午前5時から朝9時にかけてはいい感じに配達がつながりました。待機している場所がホテルの多いエリアということもあり、宿泊先に朝食を運ぶ依頼が多く、4000円ほど稼ぐことができました。ところが9時半を過ぎると依頼がピタリと止まり、以降は2、3時間に一度、依頼が入ってくる程度にペースダウン。アプリを17時間30分オンにして注文を待っていましたが、結局入ってきたのは14件で収入は6674円でした。
思った以上に稼ぎが少ない結果となりましたが、次の日は土曜日。都内の配達でも土日は稼げるので巻き返せるだろうと思い、土曜日にアプリのスイッチをオンにしたのは朝4時。前日のようにホテルに宿泊する人からの依頼を待っていたのですが、配達依頼はまったく入らず、初めての配達が来たのは午前8時40分。観光客で大行列のポーク玉子の店の料理を近くのマンションまで運びました。都内でも、行列店で並んで待つのを回避するためにウーバーを利用する人がいて、そのことを「注文品を受け取って即配達完了! 激近・短距離配達ベスト3」で書きましたが、沖縄でも同じ使い方をする人もいるんだなと思いながら次の配達を待ったものの、依頼はまったく来ません。飲食店の多い国際通りやチェーン店が多く並ぶおもろまちという新都心のエリアを行き来しても、依頼が入ったことを知らせる音がスマホからまったく鳴りません。結局、次の依頼が入ったのは13時すぎ。その後も16時台に2件、20時台に2件入っただけ。アプリを22時間30分オンにして稼ぐことができたのは3032円。5日目(日曜日)こそ巻き返しをと思うも雨で配達できず......。ただ、この日の夜に雨が上がったので、日付が変わってすぐの0時過ぎから6日目(月曜日)の配達を開始。日曜日の夜は配達員が少ないのか、これまで見なかった長距離の依頼が入ってきました。都内で配達をする場合、自転車の配達は長くても5kmは行かないですが、このときの配達は12.5km。しかもルートの真ん中に標高40mほどの丘超えが2回ありました。その後も、国際通りにある沖縄のハンバーガーショップA&Wや先ほど紹介したポーク玉子の店からの注文が相次ぎ、沖縄に来てから初めての配達依頼ラッシュとなったのですが、標高が100m以上ある首里城周辺までの配達が5回ほど続いて心が折れました。配達員用アプリで過去の那覇市中心部の注文依頼状況を見ると、土曜日の昼から夜にかけては依頼がけっこうありました。それにもかかわらずまったく入らなかったのは、おそらく自転車配達員に回すような短距離の依頼が少なかったことが大きな要因なのでしょう。また、土日は配達員が増えることで、私に依頼が回ってくる機会が減ったのでしょう。月曜日に配達依頼が多かったのは、配達員が少なすぎてバイクや軽自動車の人に回すべき配達依頼が私に回ってきたということでしょう。
そんな感じで、稼げなかった要因はいろいろありますが、結果、今回の沖縄(那覇市周辺)の配達で得た収入は4日間で1万8730円。私にとって沖縄は、観光で出かけるには最高の場所ですが、ウーバーの自転車配達には向かない場所でした。

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ウーバーイーツで配達する商品、依頼数、チップ......。この1年で大きく変化したこととは?【チャリンコ爆走配達日誌】
2024/11/28 07:00
週プレNEWS
ウーバーイーツの配達をしていて1年前から大きく変わったと感じるのは......
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第77回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
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2018年の正月に初めてウーバーイーツの配達をしてからまもなく7年。この間、配達するものや配達を依頼する人、配達で得られる収入など、いろいろと変化はありましたが、中にはわずか1年で変わってしまったものもあります。そこで今回は、私が配達していて感じた、1年前と大きく様変わりしたことを紹介します。あくまで私感なので、バイクで配達されている方や、私と異なるエリアで配達されている方にとって「それは違うのでは」と感じることもあるかもしれませんが、「あなたのところではそんな状況になっているのね」ぐらいの感じで読んでいただけたらと思います。
◆タピオカドリンク
ガクンと減ったと感じるのは、タピオカドリンクの配達。私がウーバーの配達を始めた2018年はタピオカドリンクがブームの時代。繁華街だけでなく住宅街の中にもタピオカドリンクを販売する店があり、商品を受け取りに行く際「こんなところに店があるのか?」と思ったこともしばしばありました。世間的にブームが落ち着いた2019年も、タピオカドリンクの注文はしょっちゅう入っていました。その頃はひとり暮らしの男性への配達が多く、「飲みたいけどお店で買うのは恥ずかしい」という人が注文していたのでしょう。その後、コロナで外出の自粛が呼びかけられた2020年から2022年もブームの時ほどではないですが、1週間に2、3回ほど個人宅への配達がありました。2023年に入ってからはオフィスへ大量のタピオカドリンクを運ぶ依頼が結構ありました。リモートワークからオフィスワークへと切り替わった会社が、社員への気遣いとしてドリンクを注文したのでしょう。ところが、今年に入ってから2週に1回入るか入らないかぐらいまで配達依頼が一気に減少しました。ハッキリとした原因はわかりませんが、コロナ前まで主流だったひとり暮らしの方に20時過ぎの食後の時間帯に届けたり、専業主婦の方が家事を終えてひと段落する14時過ぎの時間帯に届けたりすることが皆無になったこと。オフィスへの大量の配達がなくなったことから「配達料のかかるウーバーでドリンクだけを注文するのは割高」「出社するのも慣れただろうから、経費をかけて社員を気遣わなくて大丈夫」と判断したのでしょう。
◆チップ
タピオカと同じく、節約の理由から減ったと思われるのはチップです。私が配達する東京都の中央区、港区あたりでは、都内で週に50配達ほどのペースで運んでいると、週に1、2回ほどチップがもらえる機会がありました。外国人観光客が宿泊しているホテルへ運んだ場合やタワーマンションの最上階に住む方へ届けた場合はかなりの高確率でもらえましたが、最近は2、3ヶ月に一度あればラッキーという感じです。日本に観光で来る外国の方が増え、「日本ではチップを払う必要がない」ことが普及したのでしょう。また、タワーマンションに住む方もお金があるから住むのではなく、投機目的で購入した人から賃貸で借りている方もいるのでしょう。私の場合は今年の8月にいただいて以来、チップによる収入はありません。感覚的にはチップがもらえる頻度、金額とも昨年の5分の1という感じです。
◆ガチ中華
配達で減ったのはガチ中華の店からの依頼。緊急事態宣言が出ていた頃はテイクアウト専門店として営業。深夜にガチ中華の店を訪れると、閉鎖されている飲食用のスペースに毛布を持ち込み、客席の椅子に横たわり、毛布をかけて寝ている奥さんと、厨房で鍋を振っているご主人、という光景をよく見かけました。それがコロナ後は注文が徐々に減り、19時から21時の時間帯、週に数回運ぶだけに。それが最近ではまったく配達依頼がありません。こちらもいろいろ要因はあると思われますが、考えられるのはガチ中華がブームになってウーバーをやらなくてもお客さんが入るようになった、もしくはウーバーイーツに支払う手数料が高いのでやめたかのどちらかだと思います。先ほど書いたように、ガチ中華の店をやられている方は、儲けるチャンスがあればガツガツ働くタイプ。儲からないツールと判断したら、スパッとやめる決断をしているのかもしれません。また、店に多く客が来るようであれば、手間のかかるウーバーをやる必要はないでしょう。このように、たった1年で大きく変わってしまう配達員界隈の事情。そんな変化に柔軟に対応しつつ、今後も配達を続けていこうと思います。
文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明

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寒くなり注文が増加中! ウーバーイーツ配達員が運ぶのに苦労する汁物ベスト3【チャリンコ爆走配達日誌】
2024/11/14 07:00
週プレNEWS
寒くなってきたこの時期、できれば運びたくない商品とは!?
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第75回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
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私が配達をする東京では10月後半になっても最高気温が25度を超える日があるなど、今年は昼間の暑さに苦労しましたが、気づけばもう11月。朝晩は寒いなと感じる日もあり、ファミレスや牛丼チェーンには「あったか鍋膳」といったのぼりが出るようになりました。冬は温かいものが食べたくなる季節。温かい食べ物といえば汁物。そして汁物といえば、配達中に中身をこぼしてしまうリスクの高い商品です。そこで今回は寒くなってきたこの季節に注文が増える汁物の中から、配達員である私ができれば運びたくない、リュックの中身を常に気にしながら配達する商品をランキング形式で紹介したいと思います。
◆豚汁
第3位は牛丼チェーンの豚汁。全国に店舗を展開する三大牛丼チェーンのすき家、松屋、吉野家。ボリュームがあって体も温まる豚汁は牛丼との相性が抜群。そんなわけで、冬になるとこれらのチェーンから豚汁の注文がものすごく増えます。ですが、牛丼チェーンで配達員に渡される袋に詰められた商品は縦長に汁物が上になるように積まれています。文字だとわかりづらいので、アスキーアートで表現するとこんな感じです。

  ――――
   豚汁
  ――――
――――――――
   牛丼
――――――――

ふたり分を注文される方の場合、こんな感じになることも。

   ――
   玉子
   ――
   ――
   玉子
   ――
  ――――
   豚汁
  ――――
  ――――
   豚汁
  ――――
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   牛丼
――――――――
――――――――
   牛丼
――――――――

歩いて持ち帰る場合は縦長に積まれていたほうが運びやすいのですが、このままの状態でリュックに入れると豚汁は確実にクラッシュ。リュックの中が汁まみれになります。そのため、注文内に豚汁がある場合は一度袋から商品を取り出し、こぼれないようにリュックに配置。配達先に到着したら袋の中に入れ直しています。すき家では牛丼とサラダのセットなどを注文した場合、厚紙でできた転倒防止用のトレーのようなものに商品を差し込んだ形で渡されることがあるのですが、この厚紙も歩いて持って帰る場合に適した厚さというかなんというか、ぶっちゃけますとペラペラなので配達中の揺れに耐えられません(あの安さで牛丼などを提供するので、薄いのは仕方のないことだと思います)。なので、トレーに豚汁が差し込まれていた場合も豚汁だけ取り出して、自分で用意した汁物用をこぼさないようにするためのケースの中に入れて運び、配達先に着いたら入れ直しています。
◆スープカレー
第2位は専門店のこだわりスープカレー。適度な熱さと辛さで体の芯から温まるスープカレー。私の配達するエリアには人気店が多いのか、寒くなるとスープカレーを運ぶ機会がものすごく増えます。スープカレーの醍醐味は大きな具材。半分にカットしたジャガイモ、ナス、4分の1にカットされたニンジン、唐揚げよりも大きくカットされた鶏モモ肉などがゴロゴロ入っています。そんな商品を配達員用の大きなリュックに入れ、背負って自転車を漕ぐと、カーブに差し掛かったり、段差に乗り上げると、大きな具がゴロンと動く感覚が背中に伝わってきます。スープカレーの専門店の方が梱包しているので、ウーバーの配達程度で中身がこぼれることはないと頭の中で理解はしていますが、ゴロンとくる感覚が背中に伝わると、今でもドキドキしてしまいます。
◆二郎系ラーメン
そして第1位は二郎インスパイア系のラーメン。私が主に配達するエリアにはウーバーイーツをやっているラーメン二郎はありませんが、二郎インスパイア系のラーメン店でウーバーイーツによる配達を行なっている店は結構あります。丼から溢れるほどの麺とスープ、その上に山盛りに盛られたモヤシ、さらにその上からかけられた味付き背脂。そんなラーメンを提供する店の商品は、袋に入った状態で渡された時点で袋の外側に脂がついてしまっていることがほとんど。そのため、リュックに入れる前にティッシュで袋を拭いています。お店の方がしっかり梱包してくれるので、こぼしてしまったことは一度もありません。なのになぜこれが1位なのか。それはプライベートで一度こぼしてしまったから。現在やっているかどうかはわかりませんが、コロナで外出が制限されていた時期、二郎でテイクアウトのサービスを行なう店がありました。鍋や器を店に持って行くと、鍋にスープ、器に麺や野菜を入れてくれるというもので、鍋を運ぶのにちょうどよかったのでウーバーイーツのリュックを使いました。しかし家に帰ると、何度か上下に揺れた影響で、鍋のフタにある穴から汁がこぼれていました。すぐに汁を拭き取って、ラーメンを食べた翌朝、配達をしようとリュックを開けるとツンとくるニンニクの匂い。そしてリュックの底はギトギトに固まった脂。結局その日はリュックの掃除をしなければならず配達はお休み。匂いが取れるまで丸5日、配達を休みました。テイクアウト時のスープの量が多かったのが一番の原因であり、店の方がしっかり梱包されていることは重々承知していますが、今でも二郎インスパイア系のラーメンを運ぶときはリュックを掃除した日々のことが頭をよぎってしまいます。
文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明

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Uber Eats配達員が三輪バイクに乗り換えるか本気で考えてみた
2024/11/30(土) 19:00配信
私はヤマハPCXでUber Eats配達員をやっています。3000回ぐらい配達してきましたが、いつしか「ピザ屋やハンバーガー屋などのデリバリーいいなぁ」と思うようになっていました。なにせ彼らの相棒は、三輪バイクですから。Uber Eats配達員が稼ぐには悪天候の日に長時間稼働することが基本。雨や風に耐えなくてはいけません。安全性、積載性、どちらをとっても二輪より三輪のほうが優れているのでしょう。メリットが大きければ乗り換えようかなと思い、いろいろ調べてみました。この記事では、二輪バイクで配達しているUber Eats配達員が、よりたくさん稼ぐために三輪バイクの導入を検討してみた結果を紹介します。
■Uber Eats配達員が乗っている三輪バイク
私のまわりのUber Eats配達員がよく乗っている三輪バイクは、“ホンダ ジャイロキャノピー”と“ヤマハ トリシティ125”です。2024年11月時点で、ホンダの3輪バイクであるジャイロシリーズには、ジャイロXとジャイロキャノピーがラインナップされています。両者の違いはいろいろありますが、分かりやすいところでは、屋根の有無。ジャイロXは屋根なし、ジャイロキャノピーは屋根ありです。両者とも50ccの原付一種というところは共通しています。トリシティは125cc、150cc、300ccから選べます。Uber Eats配達でもよく見かけるのは、125ccです。これは126cc以上だと、ナンバーを業務用のいわゆる緑ナンバーにする手間があるためです。
■Uber Eatsの配達で三輪バイクを採用するメリット
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車体が安定しているので、長時間稼働でも安心感がある
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ジャイロキャノピーは自立しますし、トリシティ125は「めざせ、ころばないバイク。」をコンセプトに開発されただけあって、そうそう転ばない安心感があります。雨の日長く稼働していると、集中力が切れてきますから、これはうれしい。元気なときは、マンホールや白線を踏まないように走れますが、疲れるとどうしても油断して踏んでしまうこともあります。神経をとがらせて、私が走行しているときでも、三輪で気楽に走っていく様子はちょっとうらやましい。
──────────
大型のボックスを載せられて、大量案件も平気
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ジャイロキャノピーもトリシティ125も、大きいものだと100Lのボックスを後付け可能。とくにジャイロキャノピーは荷台があるので、縦長のボックスを付けられたり、他のバイクにはない荷物を運ぶことに特化した特長を持っています。極稀ですが、「遅くまで残業している社員用の夜食、牛丼15人前!」など大量に運ぶ案件に当たります。大量案件は他の配達員と分けて運ぶこともできますが、工夫すればボックスに入れられそうだと、詰め込んでしまうんですよね。無理に食事を詰めると崩れることもありますし、それらが余裕で積めるのはありがたいです。
──────────
屋根がある、後付けできるので風雨に強く長時間稼働できる
──────────
三輪バイク特有のメリットではありませんが、ジャイロキャノピーは屋根があり、トリシティ125は社外品ですが屋根を後付けできます。Uber Eats配達員は悪天候こそ喜んで稼働するのは前述のとおり。とくにおいしいのはゲリラ豪雨のときです。激しい風雨で自転車や二輪バイク配達員が脱落していくなか、屋根付き三輪バイクの配達員は高単価案件を獲得し、元気よく走っている印象があります。
■Uber Eatsの配達で三輪バイクを採用するデメリット
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初期費用、メンテナンス費用が高い
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パーツが多いということは、それだけ高価かつメンテナンスの手間がかかるということ。2024年11月時点で、新車だとジャイロキャノピーは、メーカー希望小売価格57万900円、トリシティ125は49万5000円です。後者は、プラスしてリアボックスや屋根を付けると60万円を超えてきます。どちらも二輪と比べれば、タイヤが多い分、タイヤ自体やブレーキパッドなど周辺の消耗品の代金も多くかかります。それなりの投資が求められるので、それを覆すだけの稼働が必要です。
──────────
屋根を付けるとツーリング映えしない
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屋根付きバイクはとても頼もしい存在ですが、ツーリング時はイマイチかと思います。配達時はあんなに嫌だった雨や風も、ツーリングではそれほど嫌ではありません。むしろ、多少の雨風があって苦労したほうが、ゴールした時の達成感があって気持ちいいかもしれません。そしてなにより、正直なところ、屋根付きバイクだとツーリング映えも気になります。友人達のバイクに並んで、宅配ピザ屋のようなバイクを置くのは、ちょっと場違い感があり少し気後れします。あとは、パーツが多いだけあって重さも気になりますね。屋根なし125ccでも、上り坂は非力さを感じるときがあります。
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快適性や積載性は二輪より優れるが軽貨物に劣る
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快適性や積載性が自慢の三輪バイクですが、もっと突き詰めると軽自動車での配達のほうが、優れています。二輪バイクよりは優れているけれど、軽自動車には劣るという中間のポジション。燃費やフットワークの軽さなども考慮して、軽自動車より三輪バイクという判断をした配達員もいるかもしれないですけれどね。
✔三輪バイクは魅力的だけど、今のPCXを手放すほどではなかった
私が配達用バイクに求める条件は、古いバイクではないこと、二段階右折が煩わしいため原付二種であること、自宅の狭い駐輪場に置けること、ツーリングにも行けることの4つ。それぞれを考慮した結果、3輪バイクの購入は見送りました。まずは金銭面です。原付二種だとトリシティ125の一択になり、新車だと屋根を後付けして60万円ぐらいです。今からバイクを買ってUber Eats配達員を頑張るぞという方にはいいかもしれませんが、私はPCXをすでに所有しています。PCXを売って屋根付きトリシティ125を買うとなると、差額は30万円ぐらいでしょう。私のような副業配達員がUber Eatsで30万円を稼ごうと思うと、本気を出して2か月、少し緩くやって3~4か月かかります。それだけの対価を払って、乗り換えるかと考えると、手が出ませんでした。自宅の狭い駐輪場に置けるかは、問題なし。ジャイロキャノピーの幅は660mm、トリシティ125は750mm、PCXは740mm。幅が広そうなイメージですが、意外にもトリシティ125はPCXと、ほとんど幅が変わりません。ツーリングにも行けるという点は、屋根が不格好な問題は残りますが、パワー的には問題なし。下記はジャイロキャノピー、トリシティ125と、現在私が持っているPCXのパワーウェイトレシオの一覧表です。
車種:ジャイロキャノピー
重量:139 kg
馬力:4.6 ps
パワーウェイトレシオ:30.2 kg/ps
車種:トリシティ125
重量:168 kg
馬力:12 ps
パワーウェイトレシオ:14 kg/ps
車種:PCX
重量:133 kg
馬力:12.5 ps
パワーウェイトレシオ:10.6 kg/ps
パワーウェイトレシオは重量を馬力で割った値で、1馬力で何kgのものを動かすかを示しています。値が小さいほど加速力に優れているということです。3車種を比べてみると、どうしても3輪バイクは車体が重いのでパワーウェイトレシオが悪くなります。とはいえ、トリシティ125なら飛ばさないし高速道路も乗りませんし、ツーリングにいけるという点はクリアかなと感じました。屋根を付けた場合は、手間ですが、ツーリング時だけ外すこともできそう。まとめると、スペック的には魅力的だが、もう原付二種を持っていること、副業Uber Eats配達員であることから、三輪バイクはいまいちフィットしなかったという結論です。
■本業勢にとってはアリな選択肢
長時間稼働時、悪天候時に三輪バイクは心強い味方になるでしょう。しかし、大きな初期投資と配達に特化した性質は、副業勢にはなかなか決断しにくい面があります。本業で配達をするなら、屋根付き3輪バイクという選択肢はかなり有効かと思います。初期投資を覆す投資価値もありそうです。いろいろ考えましたが、三輪バイクが羨ましい気持ちは変わっていないので、次のバイクを乗り換えるとなったら、「思い切ってみるのもアリかな」なんて考えたりもしてます。
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文:ヤングマシン編集部(山崎陸/エンジニア/ライター)
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ヤングマシン編集部

Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/fe0ca58275aab40c14c2f5de6c083de96513e9cd






東京は歩きすぎる!…地方との2拠点生活で見えた「東京は物理的にも疲れる街」の理由
2024/12/4(水) 8:04配信
現代ビジネス
東京って、いるだけで疲れる
地方から東京に遊びに来た友人と話していたときのこと。その友人が「東京って、いるだけで疲れるんよね」と言っていた。こう思う人、多いのではないだろうか。筆者は仕事柄、東京の街について書くことが多いのだが、その度に「東京は疲れます」というコメントが来る。どうやら、多くの人がそう思っているようだ。もちろん個々人の感覚的な話だから定量的なデータがあるわけではないけれど、実感としてこう感じている人は、けっこういる。
では、どうして東京は疲れるのだろうか。たぶん、その理由の一つが「座れる場所が少ない」こと。筆者は都市ジャーナリストとして、東京に「座る場所が少ない」あるいは「座る場所はあってもなんだか座りづらい」ことを問題にして、その理由について考察してきた。カフェはどこも激混みだし、外でふらっと座れる場所も少ない(この辺りについては、この記事で書いているのでぜひ読んでください)。そして、もう一つの「疲れる理由」は「東京がびっくりするぐらい歩かないといけない街」だからだと思う。今回は、そんな「歩かないといけない街・東京」のリアルと、そうなってしまう理由について解説する。
■実際に東京は日本で一番歩く街
「地方より東京の方が歩く」話は、ネットを中心によく語られている。たとえば、XのまとめメディアTogetterでは「Twitterの噂『地方の人間は歩かない、東京人は歩く』のは本当? 実態を探ってみた」と題して、Xで度々話題になるこの噂が本当なのかを確かめている。この調査によれば、インタビューした東京に住んでいる人の83%は「徒歩15分ぐらいまでなら歩く」と答えたらしく、東京に住んでいる人の「徒歩」に対する抵抗感の薄さが立証されている。実は、「東京は歩く」というのはデータ的にも証明されている。東京大学とジオテクノロジーズが2023年に発表した共同研究の結果によれば、1日の歩数が最も多い都道府県は、東京都だった。1日に6136歩も歩くらしく、これは全国の中央値5009歩を大幅に上回っている。他にも、ドコモの「dヘルスケア」上のデータを元にした「からだデータ白書2020」によれば、東京都の平均歩数は5749歩で全国1位。データを取っているのが2020年のコロナ禍中だったこともあって、上述の研究結果より歩数は少ないが、それでも堂々の1位である。歩数の調査は正確な計測が難しいこともあって統計ごとに結果にブレはあるものの、おおよその調査で東京は上位5位に入っている。日本公衛誌第9号に掲載された「都市規模による歩数の違い」(井原正裕らの研究による)によれば、都市の規模が大きくなればなるほど歩数が増えることが報告されている。となれば、日本でもっとも都市規模が大きい東京の歩数が多くなることは当然の結果だろう。ちなみに筆者は東京と香川の丸亀で二拠点生活を行っている。試しに、東京での歩数と香川での歩数の3日間平均を同じ曜日で測ってみたところ、香川で1976歩だったのに対し、東京では4198歩だった。当然ながら、香川での移動はほとんどが車で、東京では公共交通機関が主になるから、この結果も違和感がない。特に筆者が住んでいるのは香川の郊外で、最も近いスーパーが2kmほど先。当然車を使うし、なんなら車に慣れすぎて本来は徒歩で行けるはずの近所のコンビニさえ車で行ってしまうこともしばしばだ。
■犯人は「駅」
では、どうして東京はこんなにも「歩く」のだろうか。前述したジオテクノロジーズの調査に参加した樋野公宏氏は「行きたくなるお店や公共施設が多い、鉄道やバスなどの公共交通が充実しているーそんな都市では住民の外出率が高く、歩数も多くなる傾向にあります」という。当然のことだが、公共交通機関の発達は、歩数の多さの原因となる。特に歩行距離でいえば、「駅」の存在は東京の街の歩行距離を格段にアップさせている。2017年のデータになるため、現在では一部変化もあるが、渋谷駅の平均移動距離は約330m。渋谷駅内で乗り換えをするには、人混みを移動することも考えるとだいたい5~10分ぐらいは歩くのだ。ちなみに、新宿駅は約182メートル、池袋駅も約207メートルでそこそこの距離。乗り換えがある場合、この道のりを歩かないといけない。疲れる。実は、平均移動距離でいうと大阪もかなり長い。というのも、大阪は私鉄とJRの駅が離れている場合が多く、大阪駅の平均移動距離は328mで渋谷に匹敵する。
ただ、東京でさらに歩行の距離数を高めているのが、地下鉄による「垂直移動」だ。首都圏の地下鉄の垂直方向の平均移動距離は13mで、平均こそ関西圏と同じだが、首都圏は突出して深い地点が多い。たとえば秋葉原駅での「つくばエクスプレス」から「総武線」の高低差は約48mで、ビル16階分に相当する。そりゃ、ビル16階分の移動が発生すればエスカレーターを使ったって疲れるに決まってる。それ以外にも垂直移動距離が長い駅ランキング20位のうち、16が首都圏で占められており、いかに東京の地下鉄移動が過酷かがわかる(ここまで、「小佐野 景寿「「乗り換えで歩く距離」が長い駅ランキング」」の調査による)。明らかに、東京では駅の存在によって「歩行」が多く発生しているのだ。
後編『東京は地方より歩く街だった…「歩くことが当然」で疲れてしまう納得の理由』で詳しく解説する。東京という都市の発達に、徒歩移動が増える要因があるとわかる。
谷頭 和希(都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家)

Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/23249caeb6303d160f2ca4a3a57cbad6a81d3936








まいばすけっと/Uber配達員による買物代行機能、1000店舗で導入達成
2024年12月04日 15:45 / 経営
まいばすけっとは12月4日、Uber Eats Japanのオンラインデリバリーサービス「Uber Eats」を新たに400店舗に導入し、まいばすけっとでの「Uber Eats」導入店舗数が合計1000店舗を達成した。
まいばすけっとでは、6月26日に「ピック・パック・ペイ」(PPP)を国内初の対応店舗として導入。PPPは「Uber Eats」の配達パートナーが、注文商品のピック作業・袋詰めから会計・配達までを一貫して手掛ける機能となる。導入以降、買物に行く余裕がない人をはじめ、近い距離でも外を歩くことが難しい人など、多くの顧客が利用しているという。

流通ニュース
https://www.ryutsuu.biz/strategy/q120476.html










[EC] UberEats, 冬の札幌へ遠征(2024.11)〜元『馬鹿力』構成・渡辺のウーバーイーツ日誌
渡辺雅史: 冬の札幌へ遠征〜元『馬鹿力』構成のウーバーイーツ日誌
最高気温10度以下の札幌でウーバーイーツ配達チャレンジ【チャリンコ爆走配達日誌】
2024/11/21(木) 8:30配信
週プレNEWS
東京より寒いところなら配達員が少なく、注文が増えそう……というわけで札幌で配達をしました!
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第76回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
* * *
猛暑日続きの夏が9月まで続き、10月に入っても真夏日を記録。私が主に配達を行なっている東京の都心部エリアでは熱中症になる恐れもあり、昼間の配達はなかなかできませんでした。10月後半に入り、ようやく暑さが落ち着いたので「さあ、昼の配達を再開させよう」と、配達員用アプリのスイッチを平日の昼間、毎日のようにオンにしているのですが......入ってくる依頼は1時間に1本あるかないか。入ってくるものも1件配達して320円のものばかり。配達で稼ぐというのは厳しい状況です。なぜ稼げなくなるのか。それは私と同じように夏は暑くて昼間の配達を避けていた人たちが昼間の配達に続々参入しているから。そして涼しくなったので、これまでウーバーを使っていた人たちが自分で店へ行くようになったから。配達員が増えて注文が減れば、舞い込んでくる依頼の数も需要と供給によって設定される配達料もグッと下がってしまいます。だったら、すでに秋を通り越して冬に入りかけている地域へ行けば、働こうと思う配達員も少なく、寒くて外出が面倒と感じる人からの注文も多くてガッポガッポ稼げるのではないか。
■札幌遠征
そんなわけで、11月6日から8日にかけて北海道の札幌へ配達に行ってきました。交通費は往復LCC、札幌の繁華街・すすきののビジネスホテルに2泊する格安パックで2万6000円。LCCに乗るための成田空港への電車代や新千歳空港から札幌市内までの電車代、自転車レンタル代、現地での食費を含めると合計4万円ほど。10月下旬の私のウーバーの稼ぎは平均で週2万円ほど。週のおよそ半分となる3日間で1万円プラスになればOKという感じです。なので、札幌遠征にかかった4万円プラス1万円の5万円を3日間で稼げれば旅行に出かけた上にいつも通り稼げて超満足。4万円でも旅行したのにプラマイゼロ、東京でダラダラ過ごしていても食費はかかるのに、その代金もゼロになるわけですから大満足です。ここからはそんな札幌遠征の愚痴を書き連ねていきます。「愚痴」と書く時点で結果はネタバレしていますが。
11月6日、朝7時30分出発の新千歳空港行きのLCCの飛行機に乗り込んで、機内のアナウンスから聞こえて来たのは「ただいまの新千歳空港の天候は晴れ。気温はマイナス1度」との言葉。到着後、機内から外に出るとダウンジャケットをはおっていてもヒヤッとする感じでした。寒い中配達するのは大変ですが、そんな環境を狙ってきたので、むしろ大歓迎。晴れていて道路も乾いているのでどんなに寒くても路面が凍結する心配がありません。「狙い通り稼げるぞ」と札幌市内の自転車貸し出しのターミナルで自転車を借りて漕ぎ始めたのが朝10時。そろそろランチタイムに入ろうかという時間です。札幌らしい場所で撮影をしながら依頼を待っていると、すすきのエリアの吉野家からの配達が。初めて行く場所でしたが問題なくこなして366円をゲット。すすきの近辺にたくさんある北海道を代表するコンビニ・セイコーマートの前で撮影したり「ウーバーイーツは、ローソン、ファミリーマートの配達や7NOWの代行配達をやっているけど、セイコーマートの配達はやってないのか」「セイコーマートの商品はwoltで注文できるのね」なんてことをチェックしていると、今度はイオンモールの中にある吉野家からの配達依頼。それを注文された方のところへ届けると、依頼がピタリと止まりました。時刻は12時30分。13時になっても依頼が来なかったのでセイコーマートで買ったお弁当を食べながら待っているとマクドナルドからの依頼。配達を終えたのが14時。そこからすすきの周辺をウロウロ。15時からホテルにチェックインして部屋で待機していましたが、依頼がまったくやってきません。ようやく入って来たのが22時30分。そこから立て続けに3件注文が入ったのですが、初日はここまで。13時間30分待機して注文はわずか7件。収入は2527円でした。この日の札幌市内の気温は最低0度、最高9度。寒かったので注文が多いと思ったのですが、期待はずれの結果に終わりました。
■翌日、ビジネスホテルの窓から外を見ると......。
日目が終わった時点で収入は2527円。しかも2日目はホテルにこもりっぱなし。これではなんのために札幌に来たのかわからないので、3日目は車道の雪が溶けた午前3時から配達を始めました。すすきのは道内一の繁華街。夜中でも配達依頼がくるだろうと待っていると、ラーメン屋から824円の依頼が。雪が残っているとこんなに金額が上がるのかと驚いたものの、いつまでこの高水準が続くのかなと不安に思いつつラーメン屋へ向かうと、店の前にラーメンができ上がるのを待つ同業者の方の姿。話しかけてみると、札幌で軽自動車を使って配達しているとのこと。さらに聞くと札幌のウーバー事情をいろいろ教えてくれました。
「春から秋にかけて昼間の札幌のウーバーは厳しい」
「深夜のすすきのは注文がかなりあるので、札幌エリアで稼ぐなら夜10時から翌朝6時狙いがオススメ。ただ単価は安く、がっぽり稼げるわけではない」
「札幌は軽自動車を使った配達員が多いので、5kmから8kmほどの長距離の配達が多い。自転車で依頼が来ないのは、長距離の配達依頼が多いからと思われる」
そして最後に、こんな言葉を。
「昼間の雷と大雪でウーバーを利用するスイッチが入った。今夜から明日の夜にかけては依頼の数も配達料も爆発的に増える!」
車道からは雪がなくなったものの歩道には中途半端に溶けたシャーベット状の雪。地元の方は冬用の靴を持っているので靴の中に水が入ったり、雪に足を取られて転びそうになったりすることはありません。ですが、そんな歩道を歩いて外食に出かけたり買い物をしたりするのは面倒とのこと。なので歩道がベシャベシャな日は注文がものすごく増える。配達料も雪が降っている最中はそんなに上がらないものの、時間が経つにつれ上がっていく。これからの24時間はボーナスタイムだと。
「一度ウーバーを使えば利便性にハマる。そして冬の間ウーバーを使い続ける。だから雷と大雪のセットは、稼げる時期の訪れを告げる合図と言えるよね」
なんか大げさなことを語り出したなぁ、なんて思っていたらラーメンができ上がり、その人は「じゃあ、頑張ってね」と私に声をかけ、ラーメンを持って軽自動車へと消えていきました。2日間札幌にいて2527円しか稼げてないし、ダマされたと思ってここから帰りの飛行機に乗るまでぶっ通しで配達してみようと、すすきのを中心に稼いでみた結果がこちら。ウーバーは朝4時から翌日の朝4時を「1日」としてカウントするので、最後の1日で稼げたのは3時から4時の939円と、4時から18時までの1万2903円の計1万3842円。軽自動車の方が話された通りのことが起きて、配達の件数、配達料の単価が共に爆上がり。東京で働く以上に稼げました。ただ、初日、2日目がまったく稼げなかったので、トータルでは2万円以上の赤字でした。おそらく来週以降に札幌へ行けばかなり稼げそうな感じですが、自転車で雪道を走るのは危険です。また札幌市内のレンタル自転車の今シーズンの営業は11月15日で終了するとのこと。なので、自転車を使って1日でこれだけ稼げたのはタイミングが良かっただけ。札幌でコンスタントに稼ぐのは難しそうです。ちなみに、この雪の影響なのか、予約していた新千歳空港から成田空港へ向かうLCC最終便は出発が1時間20分遅れ、成田空港に着いたのは23時30分。都内へ向かう電車、バスはすべて終了してしまったため家に戻ることができず、ターミナルのベンチでひと晩過ごしました。雪の残る街の中を配達するよりきつかったです。

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東京都内の真夜中に多い「ウーバーイーツ配達先ベスト3」【チャリンコ爆走配達日誌】
2024/8/22(木) 7:00配信
週プレNEWS
私の深夜配達先ランキングのベスト3を紹介します
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第63回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
* * *
お盆休みも終わり、8月ももう終盤。早いところでは、もう新学期が始まっていますが、東京では最高気温が35度を超える日もあり、夏が終わる気配はまだまだありません。努力義務化されたヘルメットの着用、しなくても問題ないもののBAD評価の要因となるので着用するマスク、電動でアシストされるとはいえ常にペダルを漕ぎ続けなければ動かない自転車。そんな環境で配達をしているので、この季節は基本、気温が30度を下回らない限り配達しないようにしています。となると、配達する時間帯は早くても21時から。主に稼働する時間は深夜2時前後という真夜中の配達が中心となります。この時間帯はやっている店が少ないこともあって注文される方が少なく、稼げる時間帯ではありません。ですが、昼間の配達では体験できないものも多く、配達で感じたことをあれこれ書く私のような人間にとっては興味深い時間帯です。
そこで今回は深夜に多い配達先ベスト3を紹介します。ランキングは私の配達をもとにしているので、フードデリバリーで深夜配達されている方は「自分も深夜に配達しているけど、全然違うぞ!」とお怒りにならず「東京エリアではそんな配達先もあるのね」ぐらいな感じで見ていただけたらと思います。
第3位は「銀座のクラブ」。
私が配達をするのは、東京の日本橋を中心とするエリア。銀座までは自転車で10分程度なので、クラブへ配達することが結構あります。配達するものは、日本橋周辺にある店のスイーツやサンドイッチ、銀座周辺のすし屋の折詰めなど。クラブのお客さんがホステスの方たちと召し上がるために注文するのでしょう。銀座で遊ばれている方は情報をよく知っているようで、路地裏にある隠れた名店のような雰囲気の店で受け取り、銀座へと運んでいます。指定された店へ行くと、必ず建物の前には注文された方ではなくお姉さま方がいて、商品を渡して配達完了。配達する身としては、エレベーターで目的の店まで行く手間が省けてありがたいです。また、職人さんが作られる折詰めは、多少傾いても中身が偏らないよう隙間なくおすしを入れているので、傾いてしまわないか不安を感じずに配達できるのでとてもありがたいです。
第2位は「病院」。
こちらは以前「病院の先生たちがウーバーイーツで注文する鉄板メニューは?」で紹介したので詳細は省きますが、注文される方の多くは疲れた顔をされております。
そして、第1位は「外資系企業」。
日本橋、大手町エリアのオフィスビルには多くの外資系企業が入っています。23時30分過ぎ、終電がなくなる時間から増えるのが、こういう企業で働く人からの注文です。深夜なので指定のビルに到着したら裏側にある通用口にまわり、警備室で入館手続きをします。この時、入館証をもらうために外部の業者の入退館記録が記されたシートに名前や配達先を記入するのですが、このシートには「0:15 ウーバー 配達先〇〇」「0:37 ウーバー 配達先〇〇」「0:55 ウーバー 配達先〇〇」「1:32 ウーバー 配達先〇〇」「1:47 ウーバー 配達先〇〇」「2:20 ウーバー 配達先〇〇」と、ズラリと書かれており「外資系企業って大変だな」と思います。そして業務用エレベーターで目的のフロアへ行きます。
フロアに着いたら注文された方に連絡して、業務用エレベーターの近くで商品を渡します。注文したものを渡す際、向こうの顔がチラリと見えることがあるのですが、どの方も大変疲れ切っています。男女の比率は半々といったところです。そんな方々が注文するのは、男性は牛丼かコンビニのお弁当。女性はコンビニのおにぎり、サンドイッチが多いです。深夜まで営業している店はコンビニか牛丼屋ぐらいなので、このようなラインナップとなるのはしかたないことと思います。ですがコンビニの場合、ビルから歩いて2、3分ほどで行くことができる店舗が多く、真夜中の配達を始めた頃は「ちょっとした休憩もできない状況なのか」と驚いたものです。他にも、皇居周辺を自転車で通っていたらカブトムシが飛んできてヘルメットに当たったとか、公園で泣きながらブランコを漕ぐおじさんを見たとか、真夜中の配達ならではの体験はいろいろしていますが、そういったエピソードはまた別の機会にお話しできたらと思います。
文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明
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昨夏のウーバーイーツ配達経験から得た、今年の猛暑を乗り切るための秘策【チャリンコ爆走配達日誌】
2024/7/4(木) 7:10配信
週プレNEWS
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第56回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
* * *
2023年、東京都心では最高気温30度を超える「真夏日」と呼ばれる日が64日連続で続きました。私の昨夏のウーバーイーツ配達記録を確認してみると、64日間続いた真夏日の間に働いたのが33日、配達回数476回、稼いだ金額20万8951円。去年の夏はバリバリ配達しましたが、その経験から得た、この夏に実践したい暑さ対策を紹介しようと思います。自転車配達で去年の夏から大きく変わったのは、ヘルメット着用の努力義務化です。現在、私は配達中にヘルメットを着用しています。このヘルメット、蛍光色で頭の部分に穴が開いているため、炎天下で自転車に乗る際に着用しても蒸れないだろうと思って購入しました。ですが、35度を越える日も当たり前のようにあった去年の夏は、メーカーも想定していない暑さだったせいか中が熱くなり、7月下旬にはランチタイムの配達中にめまいを起こし、まっすぐ歩くことができなくなりました(その日は夜まで配達予定でしたが、昼で切り上げました)。
そんな経験から今年購入したのはハッカ油です。リュックの中に保冷剤を入れておいてアイスやかき氷などを運ぶ際に役立てつつ、適宜、頭、首、脇を冷やす。なんて対策も考えたのですが、食べ物と頭、首、脇を冷やすものが同じだと衛生面で問題がありそうですし、保冷剤によってリュックの中が結露すると紙袋で渡される料理を運ぶ際に濡れて袋が破れてしまいます。かと言って、かけるとスーッとする整髪料を体にかけまくって食べ物を配達するのも、あまりいい印象ではありません。そこで、食べ物でもあるハッカ油の入った霧吹きを準備。暑くなったら頭や体に吹きかけることで暑さを乗り切ろうと考えています。汗対策としては、ハッカ油のほかに、トレーニング用のアンダーシャツを購入。汗を目立たなくしました。さらに東京都の銭湯で使える共通回数券を購入。配達中にいつでも銭湯に立ち寄って汗を流す態勢を整えました。
続いての対策は、リュックの中のダンボールの仕切りを増やすこと。私が使っているウーバーのリュックは内側に断熱が期待できる素材が使われていますが、思ったほどの断熱効果はありません。そのため、去年はアイスやかき氷の注文をこなすたびに「BAD評価をつけられるのでは」と不安でした。そこで、スーパーマーケットの一角にあった「ご自由にお使いください」コーナーから拝借した段ボールで仕切りの数を増強。さらにその上から段ボールのフタをかぶせて、アイスがなるべく溶けないようにしました。それでも、結露の問題はまだ解消できていませんが。
それと欠かせないのは、スマートフォンの熱暴走対策。GPS機能を使う配達員用のアプリは、使用中にスマホが熱くなることがしばしばあります。春、秋、冬は外気にさらせば熱もすぐに冷めるのですが、夏はそうもいきません。放っておくと急に配達員用アプリが強制終了したり、場合によってはスマホの電源が突然落ちてしまうことがあります。小型のファンを使って本体に風を当て続ければ熱は逃がせそうですが、ウーバーで丸1日働くためには、スマホをフル充電させただけでは足りず、大容量のモバイルバッテリーもフル充電させておかなければなりません。その上、小型のファンを回し続けるための充電池をプラスするとなると、配達もそうですが充電作業が大変になります。そこで考えたのは定型文のスタンバイ。配達依頼が届いたら「この季節はスマートフォンが熱暴走で機能しなくなる可能性があるので、電源を落として配達します。配達員の現在位置がわからずご不便をおかけしますが、到着までしばらくお待ちください」という定型文を送信して電源オフ。店に近づいたら電源を立ち上げ、商品を受け取り、配達先を確認したら「現在、お店で商品を受け取りました。〇〇分ほどで到着予定です。再び電源を落とさせていただきます」と送信して、配達先に近づいたら電源を立ち上げる。このようにスマホに定型文を用意。注文された方へコピペで簡単にメッセージを送れるようにしました。これだけ準備しても、最近の夏は異常な暑さなので想定外のことが起こりそうですが、この夏もとりあえず交通事故や商品をこぼすことなく、無事に運び切れたらいいなと考えています。
文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明

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https://news.yahoo.co.jp/articles/cd5fd787fea9942297812c1e841b4113252e1165
https://news.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E9%9B%85%E5%8F%B2












伊集院光と放送作家・渡辺雅史との不思議な関係についてのエピソードまとめ
2018.11.132021.11.24
ニッポン放送での出会い
伊集院光がニッポン放送で『伊集院光のOh!デカナイト』(1991~94年)に出演していた際、出待ちをしていたネタはがき職人・サバ味噌煮が渡辺雅史である。その後、渡辺はニッポン放送のアルバイトとして関わり、放送作家の足掛かりとなる。現在、『伊集院光 深夜の馬鹿力』『爆笑問題の日曜サンデー』の構成作家を担当している。

ラジサマリー
https://radsum.com/archives/364







◆構成渡辺君が
辞めちゃう理由ってなんでですか?
y6f********さん
2019/6/28 7:18
伊集院光深夜の馬鹿力の構成渡辺君が
辞めちゃう理由ってなんでですか?
marvinさん
2019/6/30 4:01
確か本業の Uber Eats 配達員が忙しくなったからだって言ってた様な気がします。放送作家の勉強がしたいなら現場から離れる必要は無いですからね。そんな説明では納得出来ません。やっぱり本業に専念すると見るのが正しいかと思います。
◆中年男性スタッフの笑い声がずっと入ってましたが、今も同じですか?
are********さん
2023/10/1 1:23
伊集院光の深夜の馬鹿力を7、8年以上聞いている人に質問です。
前に伊集院さんのラジオを聞いていた時、放送中に中年男性スタッフの笑い声がずっと入ってましたが、今も同じですか?
明らかに減ったり無くなったりしている場合はいつ頃からそうなったか大体でいいので教えてください。
wit********さん
2023/10/2 13:54
「構成の渡辺くん」と呼ばれていた構成作家さんが2019年にお辞めになられています。20年以上番組を担当されていて、特徴的な笑い声ですからこの方の声のことだと思います。その後、別の構成作家さん→以前から番組にも出演していた河野かずおさん(2021年〜現在)と変遷しているようです。番組聞いてると複数人で笑ってる時もある気がします。渡辺さんの声ほど特徴的でないのであまり印象に残っておらず今調べて知りました笑。
◆渡辺君が戻ってくることはないのでしょうか?
gia********さん
2021/9/16 8:08
伊集院光深夜の馬鹿力に構成の渡辺君が戻ってくることはないのでしょうか?
渡辺君がいたときの方が面白かったですよね。「教えて老害さん」って新コーナーも面白くなさそうですよね。面白い空脳は殆どやらないのに。
ベストアンサー
shi********さん
2021/9/17 9:21
渡辺さんは通院してて、夜はちゃんと寝るように、と医者から言われているので無理だと思います。
落語を奥さんに聴いてもらって、医者のときに「おっOいさわっときゃよかった」という発言はやめた方がよいと言われないと、そのマズさに気がつかなかったという話を聴きました。もう女性の陰部の名称で笑いをとる、バニラトラックで笑いをとる、嬢の容姿で笑いをとる、などは時代遅れの深夜放送という気がします。自分たちがテンOを使う話は肯定的に話して熊田曜子さんが使ったものでは笑いにするのもドン引きです。旅の話は好きなのですが、コロナでできないし、最近聴いていて辛いです。
yamasitahoubunさん
2021/9/17 0:58
構成渡辺くん戻ってきてほしいですよね
老害のコーナーって明らかにつまんなそうですよね
そもそも老害なんて言葉を あまり使ってほしくないなー
構成見習いの大谷君だか瓶底眼鏡くんだかどちらかは知らないけど あまりこういう言葉を気軽に使うべきじゃないよ
あと個人的には AD 柳沢 AD 見習い補佐代理 の松上くんが、今何してるか知りたいですね
***********さん
2021/9/16 18:55
もう戻ることは無いと思われます。恐らく渡辺君も大なり小なり伊集院の気難しさに嫌気が差した部分もあると思いますので。
脱・渡辺後は明らかに番組の質が下がったというのは同感です。
個人的には「自虐のうた」「豆知識予備校」「渡辺校長の平成ハレンチ学園」あたりが大好きでした。

Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11249448306







〈年収激減〉フードデリバリー配達員が稼げる時代は終焉? 出前館とUber EATSに見る国内市場の限界
2023/11/27(水) 7:02配信
集英社オンライン
■日本のデリバリー市場の縮小危機にまつ未来…
今期の出前館の決算は衝撃を持って迎えられた。オーダー数、流通取引総額、アクティブユーザー数ともに減少し、2024年8月期は2%の減収だったのだ。そこに見え隠れするのはフードデリバリー市場の縮小という悪夢だ。最盛期は年間1000万円稼げると話題になった配達員だが、注文数の減少、配達エリアの縮小、報酬の減額で懐が寂しくなる未来も見えてくる。
修正した想定よりも早いスピードで出前館の利用者は減少している?
アメリカのUber Technologiesのフードデリバリー事業は好調をキープしている。2024年7-9月のデリバリー事業における取扱高は186億6300万ドル。前年同期間比で16%増加した。この事業の取扱高は2023年度も2割近く増えていた。特にコロナ禍以降は右肩上がりの事業なのだ。
一方、出前館の2024年8月期の売上高は前期比2.0%減の504億円。もともとは8.9%の増収を計画していたが、会社予想を下回るどころか、減収という結果に終わっている。出前館は2024年5月22日、傘下にあった法人向けフードデリバリープラットフォーム運営会社の株式会社くるめしを譲渡することを発表。それと同時に業績の下方修正を行い、売上高を期初予想の560億円から510億円に引き下げている。リリースのタイトルは「持分法適用関連会社の異動(株式譲渡等)、特別利益の計上(関係会社株式売却益)及び業績予想の修正に関するお知らせ」となっており、一見するとこの会社を売却したことが売上予想の引き下げに影響しているかのような印象を受ける。しかし、くるめしは子会社ではなく持分法適用関連会社だ。売上高は連結業績に影響せず、持分比率に応じた利益を財務諸表に反映させるだけである。リリースの最終ページに書かれていた「GMV が期初想定より下回る見込みのため」という言葉こそが、この会社の行く末を占う最重要のものだった。GMVとは流通取引総額のことで、出前館というプラットフォームにおいて取引された合計金額を表す。出前館の2024年8月期の流通取引総額は1904億円。前期よりも7.4%減少している。注文数に至っては7031万件で、9%の減少だ。出前館は2024年5月22日に2024年8月期通期の売上高を510億円に引き下げる下方修正を行った。この期の着地は504億円だ。想定を更に上回るスピードで流通取引総額が削られているのではないか。
■日常生活に溶け込み切れない日本のフードデリバリー
Uber Technologiesと出前館の業績の違いは、アメリカと日本でのフードデリバリーの利用状況の差によるものが大きい。アメリカでは2018年の段階で、フードデリバリーは340億ドル(当時のレートで3.6兆円)もの市場を形成していた。シェアトップのDoorDashがソフトバンク・ビジョン・ファンドなどから5.3億ドルもの資金を調達したのが2018年3月だ。アメリカのマクドナルドがUberEatsと提携して配達を強化したのが2017年である。アメリカでは仕事や家事に追われて時短を目的としたフードデリバリー需要が強く、市場の大幅な伸長が見込まれていた。消費者の止むに止まれぬ利用動向があったわけだ。
一方、日本では事情がやや異なる。食に関連する情報提供を行う「食の窓口」のフードデリバリーに関する消費者調査(「食の窓口が「出前・デリバリーサービスに関するアンケート調査」を実施」)によると、利用する理由のトップは「料理をするのが面倒な時」で38.6%。「特定の料理が食べたい時」が32.0%と続く。「忙しくて料理をする時間がない時」は24.9%と低い。マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した調査(「宅配に関する調査(2022年)フードデリバリー編」)では、デリバリーで注文した料理のトップはピザで57%を獲得している。2位のお弁当は29%。3位の寿司が27%だ。ピザは子供を持つ家庭から友人同士のパーティー、一人暮らしの学生や社会人まで、利用シーンの幅広さが特徴だ。「料理をするのが面倒」という消費者のニーズを満たすのにぴったりの料理だと言える。しかも日本にはピザを手作りするという習慣がないため、「特定の料理が食べたい」という利用動向にも当てはまりやすい。ただし、宅配ピザの平均単価はMサイズで2500円ほど。高額なために利用頻度は決して高くはない。高額なのは3位の寿司も同じである。つまり、日常的にフードデリバリーを利用するという意識が低いのだ。 アメリカもピザの宅配は人気があるが、ハンバーガーやタコスなど日常食での利用が中心だ。
Uber Eatsで最も注文が多い商品は、フライドポテト、ガーリックナン、パッタイ(タイ風焼きそば)など、軽食が多い(「The 2023 Uber Eats Cravings Report」)。つまり、アメリカはフードデリバリーが日常に溶け込んでいるために市場拡大が望めるが、日本はコロナ禍という外出制限がなされた異常事態で市場が一時的に伸びただけであり、経済活動の再開とともに市場は縮小へと向かうのではないかと予想できるのだ。その様子は、インターネット上での検索需要を調査するGoogleトレンドにも見てとれる。
■巨額の資金調達を行って自社株買いを実施
過去5年における「Uber Eats(ウーバーイーツ)」の検索数は、2020年4月から5月にかけてピークを迎えたが、その後は右肩下がり。最盛期を100とすると、現在は20を下回る水準だ。「出前館」もほぼ同じである。アメリカでシェアの高い「DoorDash」を調査すると、2024年2月に一時的に検索数が膨らんで100を形成しているが、60~70で安定的に推移している。この傾向は「Uber Eats」にも当てはまる。2022年にDoorDashとfoodpanda、DiDi Foodが相次いで日本から撤退したが、コロナ禍ですら海外勢にとって日本は魅力的な市場ではなかったということだ。出前館は2021年9月にZホールディングス(現:LINEヤフー)などから834億円もの資金を調達した。出前館は2024年8月期に37億円もの純損失を出しているが、これは資金調達による潤沢なキャッシュがあってのものだ。しかし、出前館は2024年7月に最大50億円の自社株買いを行うと発表した。すでに9億円近い自社株を買い取っている。巨額の資金調達は成長に必要な投資を行うことが目的だったはず。配達員の獲得やマーケティングに投じる計画だったのだろうが、今やその一部が、株価対策の自社株買いに使われているのだ。白旗をあげているようにさえ見える。
■度重なる価格改定と発注数の減少で稼げない職種に?
市場縮小の影響を真正面から受けるのが配達員だろう。フリーランス協会は配達員の実態調査(「フードデリバリー配達員実態調査」)を行っているが、それによると、1週間の平均報酬で10万以上15万円未満との回答は2024年が4.2%で、2021年の6.5%から2.3ポイント低下している。15万円以上20万円も1.1%から0.7%に下がった。その一方で、1万円以上10万円未満のゾーンがそれぞれ増加している。つまり、かつてのように稼げる仕事ではなくなっているのだ。出前館は2023年8月に配達員の基本報酬を引き下げた。同年は3月にも値下げ基調の改定を行っていた。配達員への報酬を引き下げているのはUber Eatsも同じである。フリーランス協会の調査では、個人年収に占める配達員としての収入割合が100%と回答した人は、26.9%で最も多い。調査した2万6550人中、7153人だ。次に多いのが2~3割で19.0%。1割が17.3%と続く。つまり、専業配達員と1~3割程度の軽い副業配達員で二極化している。フードデリバリーの市場が本格的に縮小するのであれば、この傾向は更に進むだろう。そして、稼ぎたい一方で仕事が少ない専門配達員は別の職種を選択するケースも増えるのではないか。そうなるのであれば、出前館やUber Eatsなどのサービス提供者は、配達の質を高めるためのモチベーション維持に注力する必要があるだろう。市場の停滞と利益を出しづらいというビジネス構造の中、難しいかじ取りを迫られる可能性もある。
取材・文/不破 聡 

Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9c8a7a6ef488c81773b71ecafa7d9fa2c9d779c

2025年2月21日金曜日

[レビュー] 岡田斗司夫ゼミ『バックトゥザ・フューチャー3』


[レビュー] 岡田斗司夫ゼミ『バックトゥザ・フューチャー3』
Youtube岡田斗司夫チャンネル
2020.6.28   
2025.2.20  
2月1日の限定解除の動画から数えると,4週連続で続けてきたんですよ。岡田斗司夫『バックトゥザ・フューチャー』特集ですね。いよいよ今回が最終回になります。今日の動画でも,金曜ロードショーの放送『バックトゥザ・フューチャー3』の見所について話しました。ということでこんばんは,岡田斗司夫です。時間旅行の果てにドックとマーティがたどり着いたのは1885年ですね。映画のスタート時からですね。100年前のヒルバレーなんですね。で,この1885年っていうのは,適当に設定された100年前っていう時代というよりは,映画のストーリーを読み解く上で,ものすごく重要な時代であり,あとはアメリカの歴史上もすごい面白い時代であるんですね。
で,実際の1880年ぐらいのアメリカとはどんなに世界だったのか?ここに置いてある幌馬車のプラモデルの箱絵があるんですけど,本当にこういう風な世界だったんですね。 一応今日見てもらう動画では,この幌馬車の話ではなくて,1885年を舞台にした,ドクとマーティのタイムトラベルで,どうやって現代に戻るのかって話なんですけどもですね,それを,アメリカ西部開拓時代の移り変わりを解説しながらより深く語っています。この動画は2020年6月28日に配信した『岡田斗司夫ゼミ第341回』の再配信になります。動画が終わった後に,追加のアップグレード情報がありますので,楽しみにしてください。それではこっから無料動画スタートです。
■舞台解説
✔ドライブインシアター
今回の語りたい分どっからかというと,『バックトゥザ・フューチャー3』の語りたい部分ですね。モニュメントバレーに作ったドライブインシアターのセットの話からします。これ後ろの山実物なんですね。アメリカのコロラド州にあるモニュメントバレーっていう,西部劇で有名なハワード・フォークス監督がよくジョン・ウェイン主演で撮ってたような場所なんですよ。太古の侵食でできた岩山なんですけども,そこに昔懐かしいドライブインシアターがある。これ自動車のまま観れる映画館なんですね。 だから野外に映画スクリーンがあって,夜やってるんですよ。 で,この辺りに駐車場みたいなポールがいっぱい立ってますね。これ駐車場ではなくて,マイクとスピーカーが置いてあるわけですね。だから,この映画館に行くと,車に乗ってそのまま入っていってこのポールの脇に車をつけるんですよ。 で,窓を開けて,マイクとスピーカーをポールから引き出して,それを車の窓に引っ掛けるようになってるんで,窓に引っ掛ける。そうすると映画の音が,そのスピーカーから鳴ると。で,自分はたちは食べたいものがあると,それをマイクから注文するわけですね。でウェイトレスの女の子が,ローラースケートに乗った女の子が,ハンバーガーとかパスタとかを持ってくるというあの面白いシステムなんですけども。 実はこれメチャメチャ遅かったそうです。とにかく注文に通りにくくて,注文違えられて,しかも女の子が運んでくる時に,なんか途中で他の男の子に話しかけられたりして,なかなか注文した物が来ない。冷めてるとかすごい苦情が多かったので,マクドナルドというロサンゼルスにある店が,このシステムを変えてしまったと。ドライブインシアターっていうのはこういう風に車で来て,客が注文して,それを車まで持ってくるのが当たり前だったシステムていうのを,お客さんが歩いてきて,食器とか必要なくて,紙に包んだハンバーガーをそのままもらって食べて,その紙を自分でゴミ箱にして帰るというシステムを思いつき,それをレイ・クロックっていうおっさんがシステムを買ってフランチャイズにしたわけですね。そういう流れがあったんですね。1950年代〜60年代ぐらいまであったのがドライブインシアターっていうのが,どんどんアメリカでは廃れていって,多分もう今じゃ稼働してるところって観光客用以外ないと思うんですね。 それをわざわざここに建てました。
ここにインディアンの絵が書いてるんですけど,で,マーティーは「この場所でタイムスリップすると,そんなことするとこのインディアンの部隊に当たっちゃうよ」って言うんですけども,ドックは「いや大丈夫,この場所は100年前に戻るともうインディアンいないから」という風なことで,お馴染みのギャグになるわけなんですけども。 
タイムスリップすると,もうやっぱり予想した通り,デロリアンの前には本物のインディアンがいるわけですね。で,このインディアン。実は本物のインディアンなんですよ。本物っていうのはどういうことかっていうと,モニュメント・バレーって,コロラド州特区にあって,ナバホ・インディアンの居住区にあたるんですね。でロバート・ゼミキス(Robert Zemeckis)たちはナバホの長老に交渉したんですよ。「実はこういう映画を作る,で,モニュメントバレーでロケさせてくれ」っていう風に交渉したら,ナバホ族がノリノリで「いや俺たちにやらせろ」と。「エキストラどうせお前ら雇うんだろう?だったら本物のインディアンでやればいいんじゃない」「俺たちは馬に乗るのは白人よりうまいぞ,白人のスタントマンとか,そういうエキストラたちに任されるはずがあるか」っていう風に言って。で馬用意してもらってナバホ族乗ったら嘘がバレたんですね。1/3ぐらいのヤツはすごくうまかったそうなんですけども,ナバホ族の半分以上は馬乗れなかったそうなんですよ(笑) インディアン嘘つかないどころか,インディアン嘘つきやがったんですけど(笑) で困ったロバート・ゼメキスは,「とりあえずうまい人は全列に出てください,で,うまくない人は全列の人が砂煙あげるから,その後ろで何かうまそうな感じで乗ってください」っていうような感じでやったんで,この実はスクリーンに映ってる全列の人だけがうまいナバホ族で,後列の人はうまくないんだけど,本物のインディアン使ったというところはこの映画のすごいところなんですけど。まァそういう話がありました。 で,僕テレビ版,金曜ロードショー観たんですけども,残念なことにナバホ族が通り過ぎた後に,次は騎兵隊が通っていくシーンがあるんですよ。でこの騎兵隊実はコスプレーヤーです。役者じゃないんですよ。アメリカで有名なコスプレ集団があって。いわゆるスターウォーズで言えば,ストーム・トゥルーパーのコスプレばっかりしてる集団がいる。これ有名ですよね。で,同じように中世の騎士ばっかりしてるコスプレ集団がいて,で兵隊のコスプレばっかりしてるコスプレ集団もいるんです。で,この人なんかボランティアで出させてくれって言って出てるんですけども,かなり下手くそなナバホ族に対して,すごいうまいんですよね。マーティーが隠れてデロリアンがあるんですけど,その崖の上を馬で飛び越える。それも3頭の馬が連続して飛び越えるって,めちゃくちゃ難しいスタントを,そのアマチュアのコスプレーヤーがやってるんですけども,このコスプレ集団もっとすごいのは,衣装も装備もおまけに馬も全部自前なんですよ。 「映画屋さんが用意したそんな偽物は使わない,俺たちが作った本物を持ってくる」って言って,全部衣装とか,あと馬までも自分が普段訓練している馬持ってきて。で,泊まる場所も,もちろんゼミキスたちスタッフもマイケルJフォックスたちスターは全部近くのホテルなんですよ。で,ナバホ族のインディアンも全部ホテルに泊ってるんですけども,この騎兵隊は自分たちが持ってきたテント,それも19世紀のテントで野宿する。馬と一緒にキャンプファイヤしたそうなんですけども(笑) もうね…やっぱなんだろうな…下手なプロより本気のアマチュアの方がすごいという話ですよね。はい。 
✔1885年のヒルバレー
というわけで,もうこんな風に横道話してたら,本当大変になっちゃうな。よいしょ。 ちょっとこっから片付けますね。 前回から紹介してる模型なんですけども。よいしょ。 さて,もうちょっと邪魔にならんようにするか…これが『バックトゥザ・フューチャー1/2』で使った1985年のヒルバレーですよね。で,これが100年前のものですね。何もないシエラ砂漠のど真ん中に1880年のヒルバレーを作らなきゃいけないわけですね。 で,それがこれですね。この作りかけの裁判所だけは背景パネルでやってますけども,元々カフェがあった場所はサロン/サルーンが建っています。でこちらが墓石屋ですね。「Undertaker」って書いてるんですけど,墓石を彫るところです。で,こちら側にシェリフのオフィスがあって,こちら側は銀行ですね。ウェルファーゴ銀行(Welle Fargo Co.)が入ってます。 でえ,こちら側になってくると,ここに雑貨屋があって,こちらがドックのいる金物屋ですね。「Blacksmith」という鍛冶屋の建物があって,この開いてる中で,ドックが製氷機なんかを作ってるわけですね。ヒルバレーって実はすごいんですよ。ヒルバレー何がすごいかっていうと,この位置に給水塔があって,その先に駅があるんですよ。で,駅があるっていうのはすごいことなんですよね。西部の町で,大陸横断鉄道ができたのが1869年のことです。で,『バックトゥザ・フューチャー3』の時代っていうのは,それから16年後ですね。 
鉄道がカウボーイの時代を終わらせたという風に僕は読んでるんですけど,何故鉄道がカウボーイの時代を終わらせたかって言うと,アメリカの海岸部には牧草が生えないので牛が飼えないんですよ。だからアメリカって,東から西へどんどんどんどん移民が進んでいって,でゴールドラッシュとかでどんどんどんどん西海岸の方に移民来たんですけども,彼らが食べる肉がないんですね。肉が取れない。しかもアメリカの西海岸って基本砂漠が多いので,穀物もあまり採れないんで,とにかく食料を矢継ぎ早に輸出というか持っていく必要があったんですねで,彼らはそこでそれのおかげで採れた金とかを東へ持ってくわけなんですけども。で牛が飼えないっての困ったもんで,食べるための肉っていうのは,生きたまま牛のままの状態で運ぶしかないんですよ。まだ冷蔵庫とかないですから,中央アメリカのコロラドあたりから西海岸まで,幌馬車で4週間とか6週間かかったそうなんですよ。だから肉の状態で運べない。 生きた状態で運ぶしかないんです。なのでキャトル・ドライブという,牛たちの群れをそのまま「ハイヨーハイヨー」って言って追っていってロッキー山脈を超えて,西海岸に運ぶ必要があったんですね。これをキャトル・ドライブと言います。で,そのキャトルドライブ,片道が2〜3ヶ月ぐらいかかったんで,そこでカウボーイが必要になったんです。カウボーイっていうのは,このキャトルドライブの間,牛が逃げないようにして,おまけに牛泥棒に牛が盗まれるのも防いで移動してると,大体農場の人とトラブルがあるんですよ。牛が移動していくと「うちの草を食った」とか,「うちの水を飲んだ」とか。牧場なんか通ってる時になってるもんだと思ってリンゴ取ったら,それは農園だったっていうトラブルが多いので,そういうトラブル解決も全部カウボーイがやってたんですね。だからそういう雑用とか用心棒のおかげで,膨大な数のカウボーイっていうのが当時の西部にいたわけです。で,そうやって苦労して西の海岸まで連れて行った牛っていうのは,大体50倍〜100倍ぐらいの値段で売れたので,おかげでペイしたわけですね。
しかし鉄道がここの位置にできてしまうと,牛肉そのものが運搬できちゃうんです。半日から1日もあれば持っていけるから,牛を生きたまま連れてかなくてもいいから,牛肉の状態にして持っていけるわけですね。で,結果多くのカウボーイが失業しました。もう本当にカウボーイの大失業時代だったんですよ。で失業したカウボーイは,ならず者になったり,あとは幌馬車強盗滅になったりするわけですね。だから,この『バックトゥザ・フューチャー3』に登場するマッドドッグ・タネンは悪役なんですけど,タネンもそんな一人です。多分,元々はカウボーイだったんですけども,彼も彼の仲間たちもみんな失業して,もう何年も経ってるわけですね。だからそれまでは現金輸送車のガードみたいな人だった人たちが,全部銀行振り込みになって電子マネーになってしまって,現金輸送車というのがなくなってしまったと。その結果数十万人という現金輸送車のガード…気が荒くてすぐに喧嘩する腕っぷしの強いヤツが西海岸で失業したとか,中央アメリカで失業したと。これがその西部が荒れたイメージを持ってる,僕らがそういう印象を持ってる原因なんですね。 で,ヒルバレーの話に戻りますね。その駅があるんですよ。つまり,カウボーイ時代はこの町ではもう終わってるってことなんですね。だからマッド・タネンはやさぐれてるわけです。駅があって給水塔まであるんですよ。つまり汽車に水を補給する設備まである,かなり上等の駅なんですけど。つまり今で言うと急行が止まるのかな?特急はどうか分かんないけども,急行が止まる駅のレベルだった。かなりすごい町だった事が分かります。 でヒルバレーでもう1つすごいのは,銀行です。これヒルバレーがブームタウンではもうすでになくなってる証拠です。ブームタウンとは何かっていうと,アメリカでゴールドラッシュがあるという風に言ったんですけども。アメリカの西海岸のいろんなところで金が発見されて砂金が発見されて,その結果西海岸中にブームタウンができたんです。ブームタウンっていうのはだから3日か4日ぐらいであっという間に建てられた街のことで,例えばここら辺の町って,全部この立派そうな看板はあるんだけれども,次の引っ越し先が決まっているから,すぐにでも家を売って早く現金化したい。不動産の平均売却期間は3〜9ヶ月と言われ,4日ぐらいであっという間に建てられた街のことで,例えばここら辺の町って全部この立派そうな門構えの看板はあるんですけど,全部これただ単に看板があるだけなんですね。掘っ立て小屋なんですよ。でこういうのフォールズフロントって言うんですね。嘘の掘っ立て小屋のことでフォールズフロントの建物ばっかりなんですけども,銀行ができるということは,砂金の取引ですね。砂金の換金が恒常的にあるということなんですね。つまり1回か2回砂金が取れたという噂で街がでっち上げられて,すぐに金が取れなくなって,廃れたんではなくて,ヒルバレーっていうのは,多分川もしくはその川の上流の山から良質な砂金が取れ続けてたので,ついに両替屋ではなくて,大手の銀行ウェルファーゴが進出してきたわけです。 でマーティが幌馬車に輓かれそうになる場面なんですけど,馬車に跳ねられそうになる場面なんですけど,よく見たら馬が6頭ついてます。で,馬が6頭ついてるってことは,この馬車はエクスプレス急行なんですよ。で,馬車自体のサイズが小さくて,真っ赤な馬車の上に緑色の箱が乗ってます。これはウェルファーゴ銀行の急行駅馬車で,緑色の箱っていうのは金庫なんですね。それのサインなんですけども,これが乗ってることは,その毎週か毎日かわかんないんですけども,この銀行に蓄えられた金が中央に送られてるっていうのが分かるんですね。だからなかなかヒルバレーっていうのは大した町だということが分かると思います。
で,ヒルバレーがすごい街だったんだって話の三つ目なんですけども,まだ時計が載ってないんですけども,これ裁判所ができつつあるんですね。建築中なんですよ。で裁判所っていうのは街が定着してる証拠で,こういう公共の建物っていうのは,町の人が寄付で建てるんですね。だから街が豊かでないと裁判所なんか作れない。で,それができるぐらい豊かになったと。で裁判所があるっていうのは,実は街が一人前になった証拠で,そうでない街は循環裁判官っていうか,当時のアメリカは,裁判官が馬車に乗って村とか町へ3ヶ月1回ぐらいやってくるんですね。それまで怪しいヤツは全部捕まえて全部留置所に入れるんですよ。で,裁判が開く日になったら,全部牢屋から出して,で大体1人5分か10分ぐらいで裁判やって「はい縛り首」「はい無罪」「はい縛り首」「はい無罪」…というように決めて,釈放したり縛り首にしてるわけですね。それが巡回じゃなくてちゃんとした裁判官がいる裁判所ができるっていうのは,すごい事。 街に裁判所があるのは,本当に一人前になった証拠で,自治能力が町にあって,こっから選ばれた議員をワシントンに送るということが認められることもありました。で,逆に小さな町で裁判所がいつまでもなかったら,大きな町に併合されたりするんですね。だから,「隣町にこういう裁判所ができる」という噂が立ったり,建築が始まったら襲撃して裁判所を焼き討ちに合わせるという事件も結構あったそうです。この当時のアメリカは荒っぽくて,隣の町に裁判所ができるということは,イコール町がこの近所の首都になるんだ。それはもう許せんていうことで,みんなで襲って燃やしてしまうかというようなこともよくあったってことなんですけど。でこういう街同士の小競り合い,あと,牧場同士の小競り合いがまだまだ多かったんですね。町に裁判所ができる前は,こういう小競り合いというのは基本的に力づくで解決するので,マッドドッグ・タネンのような成らず者を何故許すのか?何故うろうろさせてんのか?っていうのは,まだまだこういう裁判所が完成するまでは,あんな怖いヤツでもいてもらわないと困るというような事情もあったわけです。
■ アップデート情報
では,無料はここまでです。お疲れ様でした。はい,お疲れ様でした。今日の無料動画のアップデート情報なんですけども,UNextで配信している『1883』っていうシリーズがあるんですね。海外のシリーズがあるんですよ。これは現在のモンタナ州付近,イエローストーン付近にある牧場を経営している一家の話なんですね。ケビン・コスナー主演のNBCリーズなんですけど,メチャメチャ面白くてアメリカでも人気があるんですけど,あまりに人気があったので,そのご先祖様ですね。そこのイエローストーンで最初に牧場を築いた先祖様がどうやってそのモンタナ州に来たのか?とか,当時ヨーロッパから来た移民たちていうのは,ルイジアナ州の辺りの適当な港に船でついて,そっからアメリカ大陸横断して,まず北の方にずっと上がっていって,その後西に行かないとカリフォルニア方向に行けないんですね。で,そのみんながカリフォルニア目指したわけではないんですけど,とりあえずそのテキサス州の辺りはもうすでに土地が誰のものか決まってると。そうではなくて,ヨーロッパから来た貧乏な農民たちがアメリカの北の方に入植していくプロセスを描いた。ホームステッド法って法律だったと思うんですけども,「とりあえず誰もいない土地に入植して,そこで2年間開拓作業をすれば,つまりそこの土地に根ざして農業を始めれば,無料で6マイル四方の土地を得られる」…すいません,調べずに記憶だけで話してます。詳しく知りたい人はホームステッド法っていう法律を調べてください。6マイル四方だと思うんですけど,それだけの土地を国から権利与えられる,自分のものにできるわけですね。で,それが,ヨーロッパの当時の貧乏な農民てのは全員小作農家で,全て地主がいて,自分が働いても半分ぐらいは全部地主に持ってかれるという苦しい生活をしてたんですね。だからアメリカに渡ってきた大部分の人たちていうのが,実は農民で,小作農家だったわけです。で,自分の土地を求めてアメリカ行って,で何もない土地を北へ向かい,やがて西へ向かう。
でここで活躍したのが幌馬車なんですね。 まこれは相原って言う大昔のメーカーの幌馬車のプラモデルなんですけど,完成品こんな感じですね。で,僕らがイメージする幌馬車ってこんな感じのもんなんですけども,実際にその『1883』っていうドラマの中で見たらこんな贅沢な幌馬車なんて滅多にいないんですよ。馬なんて1頭なんですよ。で馬が1頭でこの馬車を引いてるんですけども,馬1頭で引ける重さっていうは400kgか500kgぐらいだから,こんなに長い幌馬車なんて,なかなかないわけですね。実際もっと短くて,物も乗らない。日本の箱の感覚でいうと,やっぱヨド物置かなっていう小さめのやつに車輪がついたようなものを引っ張ってるような感じなんですね。で,それが隊列を組んで,アメリカ大陸を縦に北に進んで,横に進んでいくわけですね。 で,開拓移民の大多数はこういう幌馬車で移動したような,またこの馬車を持ってる人は,移民の中でもちょっと金持ちなんですね。そうではなくてもほとんどの人が荷物を背中にしょったり,後ろに紐でずるずる引っ張ったりすると。歩く速度で移動してるんですね。 で,その道とも言えない,なんとか前の人が歩いたんだろうなという,なんとなく,平らになったところを選んで歩いていくんですけど,その道の横に家材,道具,家具とかいろんなものが捨てられてるんですね。で,これ何かっていうと,もう途中まで来た人が「これ以上は重い荷物を持てない」という風なことで,家具とか場合によっては食料はないんでしょうけども,衣服とか捨てたものがゴロゴロ転がってる。で最初は,主人公たちがいいもん落ちてるとかて思ったんですけども,だんだんだんだん「あ,この辺はこういう本当に大事なものも捨てなきゃいけないような,こっから先は,水もなければご飯もないような場所なんだ…」ってのが分かってきて…っていう本当の西部というか,本当のアメリカ開拓時代なんですけどすごいですよ。突然襲いかかる竜巻きとかですね。 …

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時系列でみるヒルバレー
🕖️1885年
 さて,もうちょっと邪魔にならんようにするか…これが『バックトゥザ・フューチャー1/2』で使った1985年のヒルバレーですよね。で,これが100年前のものですね。何もないシエラ砂漠のど真ん中に1880年のヒルバレーを作らなきゃいけないわけですね。 で,それがこれですね。この作りかけの裁判所だけは背景パネルでやってますけども,元々カフェがあった場所はサロン/サルーンが建っています。でこちらが墓石屋ですね。「Undertaker」って書いてるんですけど,墓石を彫るところです。で,こちら側にシェリフのオフィスがあって,こちら側は銀行ですね。ウェルファーゴ銀行(Welle Fargo Co.)が入ってます。 でえ,こちら側になってくると,ここに雑貨屋があって,こちらがドックのいる金物屋ですね。「Blacksmith」という鍛冶屋の建物があって,この開いてる中で,ドックが製氷機なんかを作ってるわけですね。ヒルバレーって実はすごいんですよ。ヒルバレー何がすごいかっていうと,この位置に給水塔があって,その先に駅があるんですよ。で,駅があるっていうのはすごいことなんですよね。西部の町で,大陸横断鉄道ができたのが1869年のことです。で,『バックトゥザ・フューチャー3』の時代っていうのは,それから16年後ですね。 
鉄道がカウボーイの時代を終わらせたという風に僕は読んでるんですけど,何故鉄道がカウボーイの時代を終わらせたかって言うと,アメリカの海岸部には牧草が生えないので牛が飼えないんですよ。だからアメリカって,東から西へどんどんどんどん移民が進んでいって,でゴールドラッシュとかでどんどんどんどん西海岸の方に移民来たんですけども,彼らが食べる肉がないんですね。肉が取れない。しかもアメリカの西海岸って基本砂漠が多いので,穀物もあまり採れないんで,とにかく食料を矢継ぎ早に輸出というか持っていく必要があったんですねで,彼らはそこでそれのおかげで採れた金とかを東へ持ってくわけなんですけども。で牛が飼えないっての困ったもんで,食べるための肉っていうのは,生きたまま牛のままの状態で運ぶしかないんですよ。まだ冷蔵庫とかないですから,中央アメリカのコロラドあたりから西海岸まで,幌馬車で4週間とか6週間かかったそうなんですよ。だから肉の状態で運べない。 生きた状態で運ぶしかないんです。なのでキャトル・ドライブという,牛たちの群れをそのまま「ハイヨーハイヨー」って言って追っていってロッキー山脈を超えて,西海岸に運ぶ必要があったんですね。これをキャトル・ドライブと言います。で,そのキャトルドライブ,片道が2〜3ヶ月ぐらいかかったんで,そこでカウボーイが必要になったんです。カウボーイっていうのは,このキャトルドライブの間,牛が逃げないようにして,おまけに牛泥棒に牛が盗まれるのも防いで移動してると,大体農場の人とトラブルがあるんですよ。牛が移動していくと「うちの草を食った」とか,「うちの水を飲んだ」とか。牧場なんか通ってる時になってるもんだと思ってリンゴ取ったら,それは農園だったっていうトラブルが多いので,そういうトラブル解決も全部カウボーイがやってたんですね。だからそういう雑用とか用心棒のおかげで,膨大な数のカウボーイっていうのが当時の西部にいたわけです。で,そうやって苦労して西の海岸まで連れて行った牛っていうのは,大体50倍〜100倍ぐらいの値段で売れたので,おかげでペイしたわけですね。
しかし鉄道がここの位置にできてしまうと,牛肉そのものが運搬できちゃうんです。半日から1日もあれば持っていけるから,牛を生きたまま連れてかなくてもいいから,牛肉の状態にして持っていけるわけですね。で,結果多くのカウボーイが失業しました。もう本当にカウボーイの大失業時代だったんですよ。で失業したカウボーイは,ならず者になったり,あとは幌馬車強盗滅になったりするわけですね。だから,この『バックトゥザ・フューチャー3』に登場するマッドドッグ・タネンは悪役なんですけど,タネンもそんな一人です。多分,元々はカウボーイだったんですけども,彼も彼の仲間たちもみんな失業して,もう何年も経ってるわけですね。だからそれまでは現金輸送車のガードみたいな人だった人たちが,全部銀行振り込みになって電子マネーになってしまって,現金輸送車というのがなくなってしまったと。その結果数十万人という現金輸送車のガード…気が荒くてすぐに喧嘩する腕っぷしの強いヤツが西海岸で失業したとか,中央アメリカで失業したと。これがその西部が荒れたイメージを持ってる,僕らがそういう印象を持ってる原因なんですね。 で,ヒルバレーの話に戻りますね。その駅があるんですよ。つまり,カウボーイ時代はこの町ではもう終わってるってことなんですね。だからマッド・タネンはやさぐれてるわけです。駅があって給水塔まであるんですよ。つまり汽車に水を補給する設備まである,かなり上等の駅なんですけど。つまり今で言うと急行が止まるのかな?特急はどうか分かんないけども,急行が止まる駅のレベルだった。かなりすごい町だった事が分かります。 でヒルバレーでもう1つすごいのは,銀行です。これヒルバレーがブームタウンではもうすでになくなってる証拠です。ブームタウンとは何かっていうと,アメリカでゴールドラッシュがあるという風に言ったんですけども。アメリカの西海岸のいろんなところで金が発見されて砂金が発見されて,その結果西海岸中にブームタウンができたんです。ブームタウンっていうのはだから3日か4日ぐらいであっという間に建てられた街のことで,例えばここら辺の町って,全部この立派そうな看板はあるんだけれども,次の引っ越し先が決まっているから,すぐにでも家を売って早く現金化したい。不動産の平均売却期間は3〜9ヶ月と言われ,4日ぐらいであっという間に建てられた街のことで,例えばここら辺の町って全部この立派そうな門構えの看板はあるんですけど,全部これただ単に看板があるだけなんですね。掘っ立て小屋なんですよ。でこういうのフォールズフロントって言うんですね。嘘の掘っ立て小屋のことでフォールズフロントの建物ばっかりなんですけども,銀行ができるということは,砂金の取引ですね。砂金の換金が恒常的にあるということなんですね。つまり1回か2回砂金が取れたという噂で街がでっち上げられて,すぐに金が取れなくなって,廃れたんではなくて,ヒルバレーっていうのは,多分川もしくはその川の上流の山から良質な砂金が取れ続けてたので,ついに両替屋ではなくて,大手の銀行ウェルファーゴが進出してきたわけです。 でマーティが幌馬車に輓かれそうになる場面なんですけど,馬車に跳ねられそうになる場面なんですけど,よく見たら馬が6頭ついてます。で,馬が6頭ついてるってことは,この馬車はエクスプレス急行なんですよ。で,馬車自体のサイズが小さくて,真っ赤な馬車の上に緑色の箱が乗ってます。これはウェルファーゴ銀行の急行駅馬車で,緑色の箱っていうのは金庫なんですね。それのサインなんですけども,これが乗ってることは,その毎週か毎日かわかんないんですけども,この銀行に蓄えられた金が中央に送られてるっていうのが分かるんですね。だからなかなかヒルバレーっていうのは大した町だということが分かると思います。
で,ヒルバレーがすごい街だったんだって話の三つ目なんですけども,まだ時計が載ってないんですけども,これ裁判所ができつつあるんですね。建築中なんですよ。で裁判所っていうのは街が定着してる証拠で,こういう公共の建物っていうのは,町の人が寄付で建てるんですね。だから街が豊かでないと裁判所なんか作れない。で,それができるぐらい豊かになったと。で裁判所があるっていうのは,実は街が一人前になった証拠で,そうでない街は循環裁判官っていうか,当時のアメリカは,裁判官が馬車に乗って村とか町へ3ヶ月1回ぐらいやってくるんですね。それまで怪しいヤツは全部捕まえて全部留置所に入れるんですよ。で,裁判が開く日になったら,全部牢屋から出して,で大体1人5分か10分ぐらいで裁判やって「はい縛り首」「はい無罪」「はい縛り首」「はい無罪」…というように決めて,釈放したり縛り首にしてるわけですね。それが巡回じゃなくてちゃんとした裁判官がいる裁判所ができるっていうのは,すごい事。 街に裁判所があるのは,本当に一人前になった証拠で,自治能力が町にあって,こっから選ばれた議員をワシントンに送るということが認められることもありました。で,逆に小さな町で裁判所がいつまでもなかったら,大きな町に併合されたりするんですね。だから,「隣町にこういう裁判所ができる」という噂が立ったり,建築が始まったら襲撃して裁判所を焼き討ちに合わせるという事件も結構あったそうです。この当時のアメリカは荒っぽくて,隣の町に裁判所ができるということは,イコール町がこの近所の首都になるんだ。それはもう許せんていうことで,みんなで襲って燃やしてしまうかというようなこともよくあったってことなんですけど。でこういう街同士の小競り合い,あと,牧場同士の小競り合いがまだまだ多かったんですね。町に裁判所ができる前は,こういう小競り合いというのは基本的に力づくで解決するので,マッドドッグ・タネンのような成らず者を何故許すのか?何故うろうろさせてんのか?っていうのは,まだまだこういう裁判所が完成するまでは,あんな怖いヤツでもいてもらわないと困るというような事情もあったわけです。
🕖️1955年
ライオン住宅地/リオン住宅地(Lyon Estates)ですね。これ,1985年にマーティーがキック・ボードで飛ぶアメリカの住宅地なんですよね。でもしかし,1955年に帰ると,そこは住宅街の門のライオンの台座があるだけで更地なんですよ。で,その後,マーティーは周りを見渡すと看板だけが立ってるんですね。 「Lyon Estates」って書いてあって「Life in the home of tomorrow(明日の住まい)」っていうようなことが書いてるんですけど,何故これを見せるのか?これ,この看板をマーティーが見てるし,見せるのはアメリカ人そして日本人の生活をを変えた出来事があったからなんですね。現実の話ですけども,第二次大戦の後,帰還した兵隊たちは一斉に結婚するわけですよね。1945年で結婚して家庭を持つんですけども,当時アメリカ軍の給料は安いから家買えないんです。で,なんとかそのアメリカの兵隊たちに家を与えるという国家からの命令もあって,いろんな不動産業者考えるんですけども,高くて買えないんですね。住宅不足というのもあるんですけど。でその彼らに家を与えるためのプロジェクトが,全アメリカ人の生活を変えた,今言ったアメリカ人の生活を変えて日本人の生活も変えた1957年のレビットタウン(Levittown)です。 レビッドタウン構想って,1951年ぐらいからずっと続いてるプロジェクトです。フォードの自動車,いわゆるアメリカで何故自動車が普及したのかというと,フォードがT型フォードを作ってベルトコンベアで自動車を作ることによって180ドルぐらいで自動車を作れたからなんですよ。で,レビッド・タウンというのはこれの住宅版で,家を同じようにベルトコンベアで作ろうと。ただ自動車はせいぜい2〜3mぐらいだからベルトコンベアに乗るんだけども,家をどうやってベルトコンベアで作るのか?っていうと,人間が移動すればいいんだ。 つまり家を何十軒も同時に建てると。その同時に立てる時に例えば1番最初の基礎をやる2人組が1軒目のところに行って基礎をやって,基礎が終わった瞬間に2軒目に移動して,それが終わったら3軒目に移動すると。で,そういうチームをいくつも作っといて「はい,お前基礎をやるだけ」「はい,お前壁建てるだけ」「はい,お前ドアつけるだけ」っていう風に人間を分担して,いわゆるベルトコンベア作業っていうのを街待全体にやろうとしたんですね。 だから大工さんていうのは,このレビットタウンでは2人1組で毎日毎日ここを回るっていう風に言われて,そこに行って特定の作業を2時間ぐらいしたら,隣の家で,同じことをやるというのを繰り返して,ものすごく安く家ができたんです。 これで郊外の街が出来た。レビッドタウンの写真ですね。もうこれ写真屋さんから買うしかなかったんで1360円払って買ってきたんですけども。ニューヨークの郊外に実在する街ですけど,こういう思想とか工法で作られたっていうのは大体全部レビットタウン。
レビットタウンは日本ではニュータウンという風に呼ばれて,例えばジブリ作品のふるさとの聖蹟桜ヶ丘とか,大阪で言えば千里ニュータウン。戦後の住宅開発の基本になった。 これが何故アメリカ人の日本人の生活変えたのかっていうと,これって郊外に作るしかないんですよ。 巨大な面積で同じ家ばっかりがひたすら並んでるからです。 ということは,家には巨大な冷蔵庫があって,そして全ての家にはガレージがついてて,全ての家に自動車があって…ということは,その自動車に乗って,お父さんは毎日毎日都会に出勤して,夕方家に帰ってくるお母さんは専業主婦として家でずっと家事をやる。で,子供はこの近くの学校に行く。 これが当たり前になったんですよ。で,今の僕らが当たり前だと思ってることは,この1951年〜1958年ぐらいのレビットタウンでできたんですね。家に専業主婦がいて,そして父親が働きに出るっていうのは日本でもアメリカでもそういう暮らしはあったけど,当たり前じゃなかったんですよ。まだまだ農業がメインで,父親も全部家で働いていて,子供が大きくなったらその家で働いて,そして勉強をお父さんとお母さんに見てもらって,週に1日か2日学校に行くというのが20世紀の初めのアメリカの当たり前だったんですね。週に5日学校に行くっていうのは決して当たり前ではなかった。第二次世界大戦前ぐらいになると,週に5日ぐらいアメリカでも学校に行くようになったんですけど,それが完全に固定化されて,今のその「男は会社に行って働いて,女は専業主婦になる」という,もう今じゃないんですけども,昭和の時代から平成の真ん中あたりまで,この世界でも常識思ってたものっていうのは,20世紀の半ば頃にこのレビットタウンでモデルになって,それが世界中に普及した結果,日本でも,これレビッドタウンというよりは団地という形になったんですけど,当たり前になって。でみんななぜかサラリーマンになる。僕の子供の頃の1965年ぐらいっていうのは,それぞれの家のお父さんの職業というのはすごい多様だったんですよ。 僕の家では,父親は学校の先生でしたし,僕の家の前に住んでいる佐野君の家のお父さんは表具屋っていって,ふすまとか畳を作る人だったし,家の近所でいわゆる会社勤めして働いてる親の子なんて,クラスに2人ぐらいしかいなかった。それぐらい職業は多様だったのが,どんどんどんどんニュータウンができてきて,みんなが同じような家に住むようになって,そしてみんなのお父さんはそれぞれ会社に行くのが当たり前になってきて,逆に言えば大学生が就職というのを考えるようになってきたというのは,1970年代以降の話だと思って下さい。これぐらい僕らの生活変わってきて,その変わってきた生活っていうのは,未だに僕らの考え方や価値観に影響を与えてる。 それがレジットタウン。
それから映画『ET』に出てくるレビットタウン。『ET』という映画でエリオット少年が住んでるのも,このレビットタウンです。 ひたすら同じような家が並んでるところで,裏に森があって,で,そこで宇宙人と出会って…って話でしたし,あと『シザーハンズ』っていう80年代のハリウッド映画も,あと『ホーム・アロン』もそう。 それに出てくる家も全てこのレビットタウン。だから,1955年にタイムスリップする映画で,まず実はかつて住んでる住処ですね,家に行ってみたら何もなくて,そこにこの「未来の住処」って言ってる,なんか1985年には汚らしい貧乏人が住むところだと思ってたのが,昔に行ったらそれは理想の夢の住処だっていう風に思われてたっていうのが,めちゃくちゃキャッチー。ハリウッド映画って娯楽大作の大衆映画のくせに,ここまで深い内容を見せるんだなと思って,ちょっと僕はゾクゾクという風にしました。え,今日の限定はここまでにしたいと思います。お疲れ様でした。 
🕖️1985年
彼女のジェニファーをベンチに座らせて,で自分も横に座って,まあまあイチャイチャイチャしてます。 後ろには時計台が見えますね。で,この時計台なんですけど,後ろこれ公園ではなくて駐車場なんですね。コンクリートに線が引っ張ってあって,ここに駐車場の機械があるんですけど,これがいっぱい並んでるんですね。 駐車場の機械なで,この駐車場があるスペースと時計台が『バックトゥザ・フューチャー』の1〜3までの共通の舞台になります。『バックトゥザ・フューチャー1』では,1985年のヒルバレーの駐車場ですけども2では2015年は公園になっていて,3では1885年の,いわゆる西武開拓時代のヒルバレーになっていて,全く同じ場所で映ってですね。そこではダンスパーティーというか,いわゆる収穫祭のフェスやってるんですけど,まあまあずっと同じ場所なんですよ。 ちょっと比較してみようかな。1985年の現代です。ちょっと分かりにくいんですけど,画面の橋隅っこの方に時計台があると思ってください。で向こうの方に壊れたボロボロの家と商店街が並んでいて,さっき言ったポルノショップですね。そういうのが並んでいて,サラ金屋があって…っていう風になってます。 で,駐車場があるんですけども,これが1955年/30年前に帰ると,めちゃくちゃ緑がいっぱいの公園になってるんですね。で,時計台は綺麗なまんまなんですよ。で,これ元々ユニバーサルスタジオのスタジオ内にあったオープンセットなんですね。いわゆる田舎の町として,しょっちゅう使われてるところです。どれぐらいしょっちを使われてるかっていうと,『バックトゥザ・フューチャー』の1年前にも『グレムリン』という映画のオープニングで全く同じ4本柱の時計台の塔と全く同じ家がずっと並んでるんですけど,これぐらいしょっちゅう使ってるとこなんです。で,このセット行ったことある人多いと思いますけども,実は現在眺めることはできるけど行けないんですね。2010年ぐらいまでユニバーサルスタジオのロットって言われる,そのスタジオパーク内を見ることができるというのはですねえ。ハリウッド・ブルーバードの中で中心部にあったんですけども,確か10年ぐらい前にハリウッドの北の方の田舎に移動して,で大きくしたんですね。シンプソンランドとかそういうの作って大きくしたので,昔はこの『バックトゥザ・フューチャー』のそのあのヒルバレーの街に入れたんですけど,今ちょっと入れないですけど,まこういう他の映画にも使われてるという話でした。 
これ,街のウェルカムボードですね。「Welcome to Hill Valley/よくヒルバレーに来てくれました」というやつなんですけども,1985年のヤツは小さくて町も殺風景なんですけども,1955年は,いわゆるそのロータリークラブもあればライオンズクラブもある。これ何かっていうと地域地域のコミュニティなんですね。共同体でみんながお金出して維持してる町の偉い人とか青年なんとか…夫人会とかのマークが,ボードの下にズラッとついてるから,1955年のヒルバレーにはこう人と人との繋がりがあったんだけども,1985年現在のヒルバレーにはそういうのものがないよっていうわけですね。だから1955年はある種の理想の世界。もう本当に昭和33年を理想の世界としていた『オールウェイズ3丁目の夕日』みたいな撮り方の映画なんです。 というよりは『オールウェイズ…』が『バックトゥザ・フューチャー』のパクりみたいなもんなんですけどもですね。 
で一番最初にも話したんですけども,街がどのように変わったのか,具体的に説明しようと思って,ドックが映画の真ん中あたりで説明するシーンですね。ドックがマーティに「時計台に雷が落ちるのを利用して,1855年から1985年にお前を返すんだ」っていう計画を説明してるらしいんです。で,そのために模型作って説明してくれます。で,この模型っていうのは何かというと元ネタはイギリスのスーパートランプというバンドがあるんですけど,そこそのバンドの『Breakfast in America』ってアルバムなんですけども,イギリスのバンドのえジャケットです。台所とか掃除用具とか洗面台にあるいろんな小物を真っ白に塗って,マンハッタンのビル群みたいに見させると。いわゆる「アメリカっていうのは大量消費文明なんだ」っていう説明というか,それをまあちょっと笑ってるようなアルバムなんですけども。CD以前の時代だからこれできたんですね。CDの時代になっちゃうとアルバムのサイズがどんどん小さくなってくる。これはもうLPと言われる,いわゆる33cm × 33cmのそのディスプレイだからできたようなデザインですね。で,このドックが劇中で作った模型ですね。この模型をさらに1/5のサイズにスケールダウンして美術部に作ってもらいました。 これはま先週から話してる通りです。 ちょっとまあ出して説明してみましょうか。これ見て分かる通り,ドックは卓球台の上に作ってるんですね。卓球台だから,この長辺が大体3mなんですよ。こっちは長辺60cmにしてるので1/5の模型なんですけど,この模型作ったので,初めて僕はいろんな伏線に気がついた。『バックトゥザ・フューチャー』って本当に伏線が多いんですよ。 で,何かっていうとこの部分見てください。 通りを走るデロリアンがワイヤーに触れて雷が落ちる。 ちょうどのタイミングでこのワイヤーの下を通ると雷がワイヤーに当たって,そっから1.21GWの電流が流れ,それのおかげでバーっと走って,本来だったらドックが3階に住んでるはずのポルノ映画専門館に飛び込む前にタイムスリップする。そこまで走ってくっていう話なんですけども,実はドックがわざわざ説明するシーンあるんですよ。これ何故かって言うとここに木に見立てたハインツのケチャップ瓶を白く塗ったものが置いてあるんですけども,このハイツのケチャップ瓶とワイヤーとか触れてるんですね。で,これを見せるためにこの説明シーン入れてるんですよ。 これ何故かって言うと,結局雷が来る直前に,このハインツのケチャップ瓶の枝が落ちてワイヤーが切れるという設定なんですね。で,これで接続が外れたので,ドックは上に行かなきゃいけなくなる。結局マーティーと会話ができなくなって,マーティーは「1985年ドックはリビアのテロリストに殺されるんだ」ということが告げられないっていう全体の流れになったんです。だからここでワイヤーが触れてることを見せるっていうのがすごい重要なんですよ。僕らそんな映画見てる時はノリというかリズムで見てるから「風が吹いた>>枝が落ちた>>ワイヤーが切れた」といわゆるご都合主義のピンチだという風に見てるんですけど,丁寧に観るとこのミニチュアで「ビンとワイヤーが触れてますね>>もう見て危ないの分かる通り,ここが後でトラブルになるんですよ」っていう伏線が張ってある。こういうのミニチュア作らないとわかんないので,すごい楽しかったんですけど,まァどんだけすごいんだ!『バックトゥザ・フューチャー』って思いますね。
じゃあこれを使って1955年と85年の違いを軽く説明してみます。 まずこの公園です。この公園にここちょっと変な小さいものついてます。これ何かって言うと真ん中の四角いのが,戦争でなくなった人々の記念碑,朝鮮戦争でなくなった人たちこの町出身の碑です。で,この町から第一次世界大戦に行った人たちの名前が彫ってあって,ここには街を守った大砲…まァアメリカは内戦くらいで,外国からの侵略で戦争になったことがないので,街を守った大砲って大げさんなもんでもないですけど,一応それが置いてあります。そういう英雄を称える公園だった場所が,現代ではただの駐車場になっているわけですね。で,ここは「アトミックキッド」という子供向けの映画館やってた映画館です。それが1985年にはカルト宗教の教会になっています。で,ここにかなり綺麗なホテルあるんですね。 テントが3枚ある綺麗なホテルがあるんですけども,その綺麗なホテルが1985年は廃屋になってるんですね。 この綺麗なテントはそのジェニファーの後ろで破れていたテントなんですけど,そういう風になってます。横には結構大きな文房具店があります。1955年だから,ちょうど日本製のシャープペンシルとかがアメリカで輸出された時代で,文具なんかも徐々に徐々に精巧なドイツ製とかが輸入が解禁されて入ってきた時代なんですけど,その文具店は1985年はアダルトショップですね。この通りで一番でかいショップがアダルトショップになっていると。まあまあまあポルノショップになってるわけですね。 でここに旅行代理店があると。1955年当時,アメリカは世界最大の経済力を持っていて,アメリカ人が世界のいろんな国へ行って世界のどこにでもいた。今の中国人みたいな感じですね。そこが1985年はサラ金になっている。でカフェは1985年にはフィットネスジムになっている。レコードショップはそのままある。まミニチュア作らなかったんですけど,ここは西武劇がかかってる映画感がある。『バッファロー平原』っていう,ロナルド・レーガン主演の映画やってる映画館があったんですけども,それが今どうなってるのかっていうと,映画館同じなんですけど,ポルノ映画専門になってるんですよ。でカフェは1955年に父ジョージとビフに会うわけです。 で,さっきのカフェで,お父さんはいじめっ子のビフと会います。で,マーティは父ジョージを追いかけて,お父さんの車にはねられて気を失ってしまうわけです。
🕖️2015年
じゃ,次は未来世界ですね。 そうやっていった未来世界です。 未来のヒルバレーをマーティーが目撃する。「うわ,これが未来か」ってマーティーが呆然としていて,バーって公園が見えるんですけども,1985年には中央にあった公園だった部分は池になってるんですね。で,ここよく見ると映画館の前なんですけど,斜めの道になってます。で,こっから自動車が走っていて離陸するようになってるんです。ただ,よくよくこのカットを意地悪に最後まで見ると,この自動車離陸しそうに見えて,このまま坂をふっと降りていくんですけども,次のコマに切り替わると,ちゃんと空を飛んでる車に切り替えるのは大丈夫なんですけど,ちょっとね。 今5秒ショットが長かったのかな? で,この元々は,これイメージボードなんですよ。未来の世界のヒルバレーで今と同じ公園なんですけど,公園の手前にはモノレールが走っててこれ僕,赤く塗ったんだけど,鳥居があったんですね。鳥居まで用意してたんですけど,しかし実際にはこの鳥居つくって置いてみたら,日本に占領されたように見えるんですね。 だからヒルバレーが日本に占領された暗黒の世界に見えちゃうんですよ。 でこの鳥居は取ったんですけども,分かりにくいんですけど,池の端の位置に太鼓橋があるんですよ。それは日本の神社にしかないような見事な太鼓橋がかかってて,そういうところに名残りがあります。 その他に,未来のビフの子分に追いかけられるシーンなんですけども,街景をちょっとアップにしてみてください。 「ヒルバレー・ジュエリー」って店名がカタカナで書いてるんですね。で,ここにもなんか日本語があるんですよ。で,1989年つまり『バックトゥザ・フューチャー1/2』の最大の違いってのは何かっていうと,作られたのは1985年か89年かということなんです。この85年89年っていうのは,「将来日本に支配されるかもしれない,日本にアメリカ全部が変わるかもしれない」と考えていた,いわゆるアメリカの暗黒時代だったんですよね。で,じゃあ当時アメリカは何故そんな状況になったのか?っていう,ここら辺ちょっと違う話になるので,限定の方で考察してみようと思います。

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[機器][AV] サンワサプライ, 多機能ラジカセ「400-MEDI050」〜スタパ齋藤「スタパトロニクスMobile」






[機器][AV] サンワサプライ, 多機能ラジカセ「400-MEDI050」〜スタパ齋藤「スタパトロニクスMobile」
サンワサプライ、カセットテープやラジオをデジタル保存できる多機能ラジカセ
サンワサプライのラジカセが何でもできるしマジで懐かしすぎた
スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
スタパ齋藤2025年2月17日 00:00
2024年11月に見たニュース。あっラジカセだ!!! と惹かれてしまった。
サンワサプライから発売された多機能ラジカセ「400-MEDI050」。いわゆるラジカセの機能に加え、カセットテープの音をデジタル化したり、デジタルサウンドをカセットテープに録音することができる。※画像はサンワダイレクトの商品ページより抜粋。
 ここ数年ポツリポツリと発売されるラジカセタイプのサウンド系ガジェット。見るたびに「欲しいかも……」とは思うのだが、俺の場合は「買う必要がナイ」のだ。音楽を録音した古いカセットテープはあるが、テープ上のほとんどの曲はデジタル化済みだったり、ネットで配信されていたりする。
手持ちの楽曲録音済みカセットテープ。タイトルや曲目をインスタントレタリングやタイプライターで作成していた。高校生の頃のテープなので、45年くらい前のものだ。保存状態が非常によい。のだが、中身の曲は既にデジタル化済みで、カセットテープという物理的なメディアを「そのうち加工してアクセサリーに作り替えよう」と思って残している。
未開封のカセットテープも残してある。ラジカセかぁ~、今見ると何周か回ってカッコイイなぁ。でも買ってもなぁ。というタイミングで発見したのが「ANN」と書かれたカセットテープ。ん? あぁアレか……あっそういえばこのテープはまだデジタル化してないんだった!!! 
ANNと書かれたテープを発掘。かつてラジオ番組に何度か出たが、番組を録音したカセットテープをもらえることが多かった。……「ANN」はコバジュンさんの字かな?じつは昔、ニッポン放送のラジオ番組「オールナイトニッポン」に出たことがある。↓の記事からだと、2003年1月3日放送分だと思う。
https://bb.watch.impress.co.jp/column/stapa/2003/05/29/
ともあれ、このテープは記念としてぜひデジタル化したい! という後押し理由が出てきて、サンワサプライの多機能ラジカセ「400-MEDI050」を購入したのであった。だが、年末年始は妙に忙しく、最近になってやっと開梱&使用したので、今回はこのラジカセをレビューしてゆきたいッ!!!
■1万3800円で買える、かな~り高機能なラジカセ
サンワサプライの多機能ラジカセ「400-MEDI050」は、直販サイトのサンワダイレクトで1万3800円で買える。で、いきなりココでコストパフォーマンス的な結論を言ってしまうと、この価格で買えるわりには非常に高機能である、と感じられた。カセットテープ上の音声をデジタル化(MP3ファイル化)して現代のデバイスで再生可能にするのが、400-MEDI050の主な用途となる。のだが、ほか細々した機能もユーザーによっては「これだ!」的に役立ったりする。400-MEDI050で「デキるコト」を具体的に挙げると、ラジカセとしての各種機能に加え、カセットテープ上の音声をMP3ファイル化できる。それらファイルは本体に挿したUSBメモリーやSDカードへ書き込まれる。カセットテープ上の音声をサルベージできるというわけだ。なお、カセットテープに対するスペックとしては、対応テープがノーマルポジション(Type I)。トラック方式は2トラック・2チャンネルステレオとなっている(ただし説明書は誤表記でコンパクトカセットモノラルというスペックになっている)。
本体にはUSBポート(USBメモリー用)とSDカードスロットがあり、カセットテープ上の音声をMP3ファイルに変換してこれらメディア(ひとつ)に書き込める。2のメディアを同時接続すると変換・書き込みができない。ちなみに、こういった機能を持つカセットテープ再生装置はけっこう多々ある。価格もこなれており、5000円以下で買える製品もあるので、単に「テープの音をMP3にしたい」だけなら、より安価な製品を選ぶのがいいかも。それから、400-MEDI050はBluetoothスピーカーとしても機能する。スマートフォンやタブレットを無線接続し、ステレオスピーカーから音を出すことができる。ただしコーデックはSBCのみで、SCMS-Tには非対応となっている。
スマートフォンなどとBluetooth接続すれば、Bluetoothスピーカーとして機能する。基本的にはラジカセということで、ラジオ(AM/FM)を受信できる。ポータビリティがあるラジカセで、サイズは幅34×奥行き8.25×高さ12cm。重さは1.5kg。電源は単2形乾電池×4本もしくはACアウトレット(コンセント)で、ACアダプター部は本体に内蔵されている(付属電源コードだけで使える)。
本体上面にあるチューニングダイヤルや周波数メーターを使ってAM/FM放送を受信できる。ラジカセなので、受信した放送を録音することもできる。ちょっとユニークなのが、受信した放送をカセットテープに対してもUSBメモリー/SDカードに対しても録音できる点。一瞬、「えっ? 2025年の今、ラジオ放送をカセットテープに録音しなくね?」とは思ったのだが、「そういえば最近、カセットテープで音楽聴くの流行ってるとか……」と思い出した。もーしかするとそういう需要を狙っての機能かもしれない。ちなみに、400-MEDI050はマイクを内蔵(左右スピーカー上部左右)しており、マイクの音もカセットテープ・USBメモリー/SDカードともに録音できる。またUSBメモリー/SDカード上の音声をカセットテープに録音することもできる。これらの機能性を見ると、やはりカセットテープ活用需要を見込んだ各種機能が400-MEDI050にはある感じ。いろいろなソースからカセットテープに録音できるので、カセット活用派にはとても役立つラジカセかもしれない。
もちろん、USBメモリー/SDカード上の音声を単に再生することもできる。再生できるのはMP3ファイルで、メディアのルートディレクトリに置かれているものに限られる。ということで、1万3800円で買えるわりには、かな?り高機能な400-MEDI050。外観もイイ感じなので、つい欲しくなっている人が少なくないかもしれない。
■使い心地はどうなのか?
さて、実際に400-MEDI050を使ってみて、どうだったのか? そのあたりを思ったままに。まず、Bluetoothスピーカーとして音質を確かめた。接続したのはiPhone。ラジカセ側のコーデックはSBCのみなのであまり期待していなかったが、BGMを流すくらいの使い方なら十分に高音質だと感じられた。BASSつまみで低音を増強すると、けっこうイイ音で音楽を流せる。ラジオやカセットテープを聴いても同様。意外な音質であった。
ステレオスピーカーは意外に高音質。それから、ラジオ部はチューニングつまみ使用時はやや慎重な操作が必要で、雑に指を動かすとチューニングがすぐズレたりする。本格的なラジオとはかな~り違うが、この価格帯の製品ならこんなものかな? といった使用感だ。でもまあAM/FMラジオとしてフツーに使える。昔ながらの? みたいな感じのチューニングつまみ。チューニングが合うと周波数メーター部のLEDが赤く光るといった機能はない。細かな操作については説明書を読んでいただきたいが、一連の機能を試すと「ふーん、こう使うのか」とだいたい把握できるハードルの低さがなかなかイイ。全体的に単純明快に使えるあたりも、なんかこう、昭和の電気製品を彷彿させる。つーかですね、このラジカセ、操作がけっこう楽しいのだ、現在において。今って、デカいボタンを押したりダイヤルを回したりして使う機器が、あまり身近ではなくなった。その状況においてボタンを押したりツマミをまわしたりスイッチを入れたり、それが愉快。ボタンを押すとカパァ~ッとゆっくり開くカセットドアとか懐かしいというかなんというか、むやみにカセットドアを開け閉めしてしまう。
STOP/EJECTボタン(停止/取出し)を押すと、カパァ~ッとゆっくり開くカセットドア。あとこれ、ラジカセとして普通に使えて、AC電源駆動にも電池駆動にも対応しているので、普段使いをしつつ災害時用のラジオなどとしてもイイかも。ただ、ACコードは本体背面から後ろへ伸びているので、壁にペタリと着けた状態で置くことができず、残念。本体の後ろへ一直線に向いちゃう電源コード。接続部がL字の電源コードを使えばいいかもしれない……。けっこうイイ感じで使える400-MEDI050だが、作りはお値段なりというイメージ。ハッキリ言って細部のつくりはイイとは言えず、たとえばカセットデッキ部のボタンは押した後に傾いたりする。でも指を触れて修正すればその傾きが直る、みたいな?それと、テープが回っているときのモーターの振動が大きめだったりする。音楽などが流れていればあまり気にならない振動だが、音を消すと聞こえてくるレベルだ。でもまあ廉価なカセットデッキとかラジカセとかって、こんなモンだったような気もする。もうひとつ、音が出ていないときにスピーカーから少々ノイズが聞こえる。これも音を消すと聞こえるレベルなので、あまり気にならないが……昭和の終わり頃の安価で身近なオーディオって……まあだいたいこんなだったかもしれない。
ともあれ、そんな感じで細かい部分を精査すると「1万3800円だもんな~」という感じかもしれない。購入を考えるならそのあたりの割り切りも必要だと思う。余談だが、前述のラジオ番組「オールナイトニッポン」出演時のカセットテープだが、400-MEDI050を使って無事デジタル化できた。20年以上前のテープだが、密閉性の高い容器のなかで立てて保管していたなど、保管状態が良かったためか、テープ自体も音質も無問題であった。てゅーか、カセットテープの音って厚みというか温かみがあって、なかなかイイですな♪

ケータイ Watch
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/stapa/1662512.html
















2025年2月15日土曜日

[レビュー] 岡田斗司夫ゼミ『バックトゥザ・フューチャー』





 




[レビュー] 岡田斗司夫ゼミ『バックトゥザ・フューチャー』
岡田斗司夫ゼミ『バックトゥザ・フューチャー』
Youtube岡田斗司夫チャンネル
2025.2.1   
毎月1日は限定解除として,有料会員しか普段見られないと動画の中から1本選んで1週間だけ無料公開してるんですよね。で,2025年2月1日の限定解除何かと,今月2月7日金曜日から3週間連続で金曜ロードショーで『バックトゥザ・フューチャー123』のテレビ放映するんですね。で,それを記念して『バックトゥザ・フューチャー123』,それぞれの解説動画はそれぞれの前の日の木曜日つまり,2月6日と2月13日と2月20日かな。この3回によって配信予定です。
で,今日の限定解除は『バックトゥザ・フューチャー(Back to the Future, BTTF)』の1について,元々どんな企画だったかっていうというところからさらった動画を限定部分まで含めて皆さんにご覧入れようと思います。『バックトゥザ・フューチャー』はロバート・ゼメキス監督と脚本家のボブ・ゲイルのコンビによって作られたま大傑作の映画なんですけども,1985年に第1作目が公開されて,2025年の今年は実は40周年ですよ。40年ってなかなかビビりません? だからもうみんな当たり前のように語ってるけど,40年前の映画ですからね。せっかく『金曜ロードショー』で流してくれるんだから,知ってる人も知らない人も,まァあの「音楽聞いたことがある」とか「1だけ観たことがある」「デロリアンのタイムマシンだけ知ってる」「主人公だけ知ってる」という人も,この機会に是非構いませんから観てください。まあ,とんでもなく面白いというか,今の面白い映画のフォーマットを作った作品なんで『バックトゥザ・フューチャー』以前の映画は,この公開後にテンポが遅く見えてしまったというのがあります。この動画は2020年6月14日に配信した岡田斗司夫ゼミ第339回を限定部分まで含めて無料配信します。この339回が『バックトゥザ・フューチャー』以外にも色々話したんですけども,今回の限定解除はちょっとテーマがごちゃごちゃするんで,ノーカットではなくて,『バックトゥザ・フューチャー』について話した部分だけ編集しています。え,それでは2月8日までの1週間だけの限定解除になりますけども,限定解除スタートです。 
■初級編
この無料の枠では『バックトゥザ・フューチャー』の初級編やるんですけども。Twitterとか見てると,やっぱ初めて観た人多いんですよ。よく「『バックトゥザ・フューチャー』今更やっても…」とか,あと「観たことないヤツなんかいるのか?」っていう意見があるんですけど,いやいやとんでもない。あのね10年20年経ったらもう観た人なんてほぼ0とか言わないけども,本当に少数派になりますよ。だから『エヴァンゲリヲン』でも何でもそうなんすけど,1990年代ぐらいにすごいブームがあったことって,もう今から15年前とか下手した20年ぐらい前のことになるので,やっぱり常に新しいものを出さないと,みんな観てくれないんですよね。 「『バックトゥザ・フューチャー』観たことがない」という人はすごく多くて,Twitterがなんかお祭り状態になってました。
✔顔芸
で,『バックトゥザ・フューチャー』。どこが好きなのかというか,今,「岡田さんがアニメ以外の映画やるのは珍しい」って言われたんですけども,とにかく『バックトゥザ・フューチャー』って僕は楽しくて好きなんですよ。観てる自分が楽しくなれること。あと分かりやすい。もう本当に映画を好きで細かいとこまで観る人も分かりやすいし,割とそうじゃなくて,ただ単にストーリーを追いかけてる人も十分楽しく分かりやすくできてるんですね。 で,分かりやすいってのはどういうことかっていうと,面白さって僕は,顔芸だと思うんですよ(笑) 面白い顔をするとか,そういうお笑い芸人で言えばもう志村けんがやってたような,本当に子供向けの顔芸なんですけど,この子供向けの芸っていうのを超A級の俳優とかが超A級のアイディアでやってしまうという。 
あの顔芸といえばやっぱドックなんですよ。 ドック(ドッグ・ブラウン, Dr.Brown)なんですけども,例えばこれデロリアンの中から出てくる初登場シーンなんですけども,完全にカメラ目線なんですよ。 必要ないのにペン咥えて面白い落ちてるんですよね。で,この次です。この次は,マーティと1955年で初めて出会う時に,頭に脳波読取装置をつけて目をギョロっと剥いて面白顔をするんですよ。で,一番下は,雷がやってくる時に時計台の上に登ったら,ただ単に時計台の上になんかパンサーの置き物があったというだけでびっくりして,デカい口を開けて叫んでるというだけなんですけども,ドック・ブラウンてこの映画の中でこういう役なんですよ。 いわゆるもう本当にドリフの志村けんの笑い。「ヒャー」「あ~」とかいうのを延々言うばっかりなんですけど,これが絶妙のタイミングとそのマーティとかのリアクションとかが割と呆れた顔とかも絶妙で,なんかすごく面白いんですよ。この楽しさっていうのが『バックトゥザ・フューチャー』の魅力だと思ってます。
で顔芸で,もう1つ押さえたいのがロレイン。 つまり,あのマーティのお母さんですね。ロレインさんですね,自分の家にマーティを招待した時の惚れた表情です。この顔,「好きだわー(トロン)」っていうのがわかる。これももう演技じゃないんですよ。もう顔芸なんですよ。完全に顔芸なんですよ。で,このマーティーが,自分(ロレイン)を無理に誘ったビフを殴ってくれた時に,マーティーがスケボーみたいなもので戦って勝つと。そん時に「…素敵だわ」っていう時のやっぱこの惚れ顔がもう顔芸なんですけど,その後「あの子どこに住んでるのかしら?絶対に突き止めてみせるわ」って,この2コマ目から3コマ目までが,1つの演技の塊りなんですよね。でやってることは,もうただ単に,口が笑顔のまま,変わらずにやや上唇を引き締めて顔の角度を下に下げるっていうだけ。いわゆるおでこの角度を下げて「素敵だわ…」っていう。上げてる顔から「突き止めて見せる」って下げてるだけなんですよ。でもこれだけでわかるという,これも演技というよりは顔芸なんですよ。この面白さがこう,すごい楽しいです。こういうこういう単なる顔芸をまるで演技で見せてる,もうこれやってくると映画が楽しくなるんですよ。もう他の役者さんは基本的に『バックトゥザ・フューチャー』ってメインのキャラクターはそのお父さんのジョージ役の人も全員顔芸するんですけども,普通の抑えた演技と,この顔芸の演技が交互に来ることによって,楽しさが抜群に上がってるんですね。 
✔時代のギャップ
あと『バックトゥザ・フューチャー』が好きなのは,時代のギャップ。この時代だからこれ知ってる知らないっていうのをアイデアで見せてくれるところです。 中盤で,マーティが若いお父さんに会った時。お父さんのジョージとマーティーが会った時に,呼び出してあったんですけども,マーティが一生懸命,ペプシの瓶の栓をねじって開けようとするんですね。で,ジョージが「どうしたんだ?」というと「なかなか開かないんだ」。そしてお父さんはその自動販売機についてる栓抜きでポンと栓を抜いてマーティーに渡します。で,そのままお父さん行ってしまうんですけども,マーティーは「栓抜き?」っていう顔で自販機見てるわけですね。で,これ何かっていうと,80年代のアメリカ,映画の舞台になった1985年っていうのはどういう時代だったかっていうと,アメリカにペットボトルがなかった時代なんですよ。で,日本っていうのはそのプラスチックボトル,ペットボトルが早いうちに普及したんですけども,アメリカ人にとってソフトドリンクっていうのは瓶で,ペットは普及してなかったんですね。なのでガラス瓶の上にツイストキャップっていうのかな,ビールの王冠みたいなもんなんだけども,手でぐっとひねって開けれる瓶っていうのが80年代すごく多かったんですよ。 未だにバドワイザーとかそういうビールは,全部ガラスの瓶の上にツイストキャップになって,王冠なしで開けるようになったんですけど,これは自動販売機で必ず王冠の栓抜きがついてるもので売ってた時代から,そうじゃなくて,コンビニとか,日本だったらコンビですが,アメリカならリカーショップとかそういうようなところで塊りで買うようになって。
で,それをホテルで飲むようになったから,栓抜きが必要でないツイストキャップっていうのが採用された。日本ではペットボトルと,あと缶ビールでプルタブっていうのが当たり前だったんですけど,ちょっと進化が別系統になったんですよ。 なので,マーティーは,昔のペプシも瓶だから,当然ツイストキャップみたいなもんだろうと思うんですけども,1955年はそんなものがなくて,何も知らない。このシーンは何故面白いのかっていうと,それまで何も知らなかったジョージというか,ダメな男だったお父さんジョージ,何も知らないジョージが,唯一この1955年の常識ですね,栓抜きで栓を開けるというごく単純なことをやって観客が笑うと。そうするとマーティが「栓抜きって何なの?」っていう顔で見てるところがちゃんとギャグになってるんですよ。こういう顔芸込みの時代のギャップっていうのは細かい演技出してくれてるところが面白いと思います。
✔脚本の秀逸さ
一番楽しいのは,やっぱ完璧な脚本なんですよ。テトリスというゲームで,上から長い棒が落ちてきたところでスコーンと入って,バっと列が消える気持ち良さ。そんな感じで伏線>>回収>>伏線>>回収というのやっていてで,この伏線も全部回収するのっていう,この脚本の完璧さが『バックトゥザ・フューチャー』の魅力でもあるんですけど。 
一番最初ですね。ドックのガレージから始まります。とにかくこのドック・ブラウンのガレージがすごい情報量で。まず1番最初,無数の時計が動いてると。全部が8時5分前になっていて,で,自動的にテレビがついて,「研究所からプルトニウムが盗まれた」というニュースが流れます。で,カメラがパンすると,壁に時計以外にいろんなものがあるんですけど,額装した新聞ですね,ちょっと暗いんですけども新聞記事です。これをドックが壁に掛けてとってあるんですね。「ブラウン屋敷が火事でなくなった,消失した」という記事なんですけども,これ見てると気がつきにくいんですけども,マーティーのお父さん,お母さんが負け犬だっていうのは,1985年の現代で負け犬だってことは分かるんですけども,ドックも実は同じなんですよ。
ガレージに住んでるんですね。ガレージに住んでいて。だけどタイムマシンで30年前の1955年に戻った時には,そこはブラウン屋敷っていうかなり大きいお屋敷だった。当時のドックは大きい屋敷に住んで,その端っこのガレージの前に高級車待ってて。でその奥にガレージがあったんですけど,もう30年後の現代では,ドックはその高級車もなくしてしまってて,トラック1台持ってるだけなんですね。で,そのガレージの中の粗末なベッドで寝泊まりしてるんですよ。で簡易ベッドの周りにテイクアウトのバーガー・キングとかそういうのの紙とかも散らかってて,この30年でドックっていうのが,どんなに落ちれて貧しくなったのかっていうのがもう見てわかる。ドックもやっぱ負け犬なんですね。で,その彼がその「自分の屋敷が燃えた」っていう新聞記事をとってるわけです。 で,そこに主人公のマーティーがガレージに入っていきます。鍵を玄関のドアに投げ入れるから,これかなり親しい証拠ですね。で,スケートボード蹴ったら,粗末なベッドの下に入って,何かにぶつかる。プルトニウムって書いてるわけですね。 これ僕試写会で観た時にも本当にこの辺りで会場大爆笑でした。テレビのニュースで「プルトニウムが盗まれました」って言って主人公が入ってきてスケートボード蹴ったら,本当に簡易ベッドの下にプルトニウムの黄色いケースが隠してあるって,こんな分かりやすい映画,世の中にあるのか?っていうぐらい分かりやすいヤツですよ(笑) 会場大爆笑だったんですけども,リビアのテロリストからプルトニウムを手に入れたんですね。『金曜ロードショー』では過激派っていう翻訳にしてたんですけど,口の動き見てください。「リビアン」って言ってるんですよ。あの映画の中では,ずっとリビア人リビア人って言って,一番最初にリビア人のテロリストていったきり,その後リビア人って,やっぱ当時のアメリカのリビアに対する感覚が出てたんですけど,今テレビで放送する時は,もうその口ではリビアンて言ってるんですけど,全て違う吹き替えになっちゃうんですけどもですね。 で,リビアのテロリストからプルトニウム手に入れると。実はドックっていうのは,目的のためには手段を選ばない人なんですね。さっきの新聞記事「ブラウン屋敷が火事で消失」なんですけども,これ自分の家が焼けた記事を何故飾ってるのか?というと,実はこれドックが自分の家に放火したからなんですね。で,保険金目当て放火して,それが成功した。で新聞見てみるとバレてないと。で保険金もらったので,科学の研究を続けてると。でドックっていうのはそのシナリオの第1稿,第2稿あたりまでの設定では,若い頃にマンハッタン計画に参加した核物理学者なんですね。で,その後落ちぶれたという設定なんですよ。で,こんな風にドクター・エメット・ブラウンの設定っていうのはすごい細かいんですよね。で,設定めちゃくちゃ細かいんですけど,実は主人公のマーティの設定って少ないんですよ。薄っぺらいのが多い。ていうのはまず映画のシーンがある。シーンを決めるとカードに書いたそうです。ロバート・ゼメキスとボブ・ゲイルの2人,脚本家と監督の2人は,カードに書く時に「マーティーはスケボーをする」,じゃあ,1955年でマーティーはスケボーを発明することにしよう。じゃあ,マーティはスケボが得意なキャラクターにしよう。じゃあ,マーティーがスケボーでいろんなところを走るシーンを映画の中に入れなきゃいけないって,こういう風に逆算的に映画のシーンまず決めてから設定決めてんですけど,マーティってのはそういう風に映画の骨格の中でキャラクターが決められたんですけども,ドクターブラウンていうのはその逆で,もっと最初の頃から「この人は昔はこんなことをやってた」っていうのが決まってたんですね。 で,お兄さんとかお姉さんの設定も,もう本当に薄っぺらいんですよ。ただ,でもドックの場合は,ドクターブラウンの場合は,お父さんとお母さんがアメリカに移住してくる時のこととか,マーティンに出会う前までていうのはすごい丹念に設定されてるんですね。で,何故かって言うと,実は元々『バックトゥザ・フューチャー』の企画段階の主役はドクター・エメット・ブラウンだったからなんです。『バックトゥザ・フューチャー』っていうのは企画から完成まで10年かかってます。ボブ・ゲイルとロバート・ゼメキスがこんな映画作ろうよって言ったのが1975年なんですよ。で,完成したのが85年だからもう10年かかってるんですけど,そのうちの半分の5年間,実はドックが主役の設定だったんですよ。世間から認められていない,ちょっとおかしい科学者がうっかりタイム発明して,で未来世界を見に行ってしまう話だったんですね。で,これが途中から高校生を主人公にっていう風に路線変更したんですよ。 だから冒頭のガレージのシーンって,色々矛盾している設定を入れながら伏線を張ってるので,かなり複雑になってるんですね。そもそもなぜマーティーとドックが何故友達なのか,これも準備稿には書いてるんですよ。で,今発表されている映画評論家とかその人が言ってる設定では,何故マーティーとドックが親友だったのか?それはマーティがドックのところでアルバイトをしてて,そこでドックの人間性っていうのに,マーティーは好きになって友達になったんだっていうのが公式設定になってるんですけど,準備稿はもっと違う設定があって。 ドックはマンハッタン計画にいた。つまり日本に落とした原爆を開発した計画に参加した科学者なんですけど,その後落ちぶれて,映画の中で最後にデロリアンが突っ込む映画館,あそこの3階に住んでたんですね。で,あの3階に住んでて,で下で上映している映画を無断で録画して海賊版ビデオで売るっていう仕事があったんですよ。で,マーティはその海賊版作っているっていう設定が,準備稿のドックはそういうろくでもない人物なんですけど,でマーティは,そのドックの家に忍び込んだコソ泥だったんだけども,ドックの家にあげてやる。 発明品とか面白いからちょっと2人でコンビ組んで海賊版ビデオをドックが作って,マーティーがそれを売りさばいて,売りさばいた金で競馬の掛金にして買うと。で「競馬をやりたいんだけども,ちょっと未来が知れたら金持ちになれるのに」っていうのが少年マーティーのタイムマシンに乗りたい動機っていう,えぐい話(笑) これが映画撮影直前ぐらいまでのシナリオなんですよ。こんな感じだったんですね。 だから,今も言った通り,ドックっていうのは欲しいものを手に入れるために割と多少の犯罪は気にしない,まさに的にテストとして設定されてる。だから盗んだプルトニウムがドーンと置いてあるわけですね。でえどっからのですね。電話にマーティーが出ると,時計が8時になって一斉に目覚ましとかがパッポパッポ♪とかに鳴り出すわけですね。そうすると電話のドックの声が「やったぞ! 実験は成功だ! きっちり25分遅れた」ここね。この『バックトゥザ・フューチャー』っていう映画の最大の謎なんですよ。これ本当に誰も答え出してくれてない。本当にわかんない。調べても。最初に言っときます。わかんないんですけども,不思議なんですよね。でえ,ドックのいう実験とは何なのか?どんな実験をすれば時計が全部25分遅れるのか? で,この伏線実はここ以降出てこないですよ。『バックトゥザ・フューチャー』の中で伏線が解消されてないのはこの箇所だけなんですね。完璧なはずの脚本がここだけ矛盾してる。 マーティが「1週間どこに行ってたの?」っていう台詞ですけど,1週間本当にどこにいたのか,これはちょっとあの無料の最後でお話そうと思います。 
でシーンが変わって学校のシーンですね。学校のシーンで恋人のジェニファーと会う。学校の前で恋人のジェニファーと会って,遅刻しそうになって隠れて行こうとするんですけども,教頭先生に見つかって怒られると。で,バンドのオーディションにも落ちてしまうというですね。「マーティーの人生もやっぱうまくいっていない」っていうのが語られます。
でシーン3が公園ですね。 この公園のシーン1つのシーンなんですけど,マーティとジェニファーが2組いるのは,カメラがパンしてるからですね。カメラがこの2人を追いかけてパンしてるんですけども,最初のカットでマーティーは,エアロビの服を着ているショートパンツの女の子を,つい目が追ってるんですね。で,ジェニファーが「何見てんの」って怒ってマーティーの顎をくっと持って「はいこっち向いて」っていう風にこうグイっと戻しになるんですけど,ここで「マーティが女好きだ」というシーンを見せなきゃいけないんですよ。 マーティーの後ろの街並を見せるという意味もあるんですよ。例えばアダルトショップがあって,テントが破れた汚い廃屋,空き家になったビルなんかがあると,いかにも80年代のアメリカのいわゆる「Japan as No1」と言われた時代ですね。バブル経済に突入する直前の日本は景気良くて日本車売れてるんだけど,アメリカ車全く売れないと。結果的にアメリカは失業者が増えていったという時代なので,どんどんどんどん寂れていく街っていうのを見せてるんですね。で女の子に振り返って怒られると。これも伏線なんですよ。 で,どんな伏線かっていうと,マーティはこの今ちょっと振り返ってしまったフィットネスクラブで,レオタード来てる女の子にスケボーで通る時に毎回毎回手を振るんですよ。でこう毎回毎回手を振るのがあまりに癖になってしまった結果,1955年に通ったら,1955年はカフェになってるんですよ。で,カフェになってそこの中にの人に思わず手を振っちゃうんですよね。1955年ビフと喧嘩して追いかけっこしてる最中なのに,このスケボに乗ってる時に手を振ってしまう。で,これも1985年で毎日のようにレオタード着た女の子に手を振ってしまうから,ついつい同じ場所,今ではカフェになったところに,別にそこに女の子もいないのについて手を振ってしまう。そうすると店内にいたロレインですね。マーティンのお母さんが,それを見て自分に手を振ってくれたと思い込んでマーティーに惚れてしまうという,割とうまい伏線になってるんですよ。だから,ここで必ず女の子を見てしまうようなヤツなんだ>>そして毎回毎回手を振ってしまうんだ>>何故かと言うと,それはお父さんの遺伝で,お父さんは女の子の裸の着替えを毎日毎日双眼鏡で覗いてる男だったんだ>>覗きのお父さんの息子は,スケボーで走りながら毎日フィットネスに手を振ってるから,ついつい癖で女の子がいないカフェに手を振ってしまって,店の中の人は「何あれ?」て表情で見る…この一連の流れです。お父さんからの遺伝とパーティーの行動っていうのがすごい綺麗な伏線になってる。なかなかこんな綺麗な脚本かけないんですけどもですね。うまいですよね。 
✔ヒルバレーの街
で彼女のジェニファーをベンチに座らせて,で自分も横に座って,まあまあイチャイチャイチャしてます。 後ろには時計台が見えますね。で,この時計台なんですけど,後ろこれ公園ではなくて駐車場なんですね。コンクリートに線が引っ張ってあって,ここに駐車場の機械があるんですけど,これがいっぱい並んでるんですね。 駐車場の機械なで,この駐車場があるスペースと時計台が『バックトゥザ・フューチャー』の1〜3までの共通の舞台になります。『バックトゥザ・フューチャー1』では,1985年のヒルバレーの駐車場ですけども2では2015年は公園になっていて,3では1885年の,いわゆる西武開拓時代のヒルバレーになっていて,全く同じ場所で映ってですね。そこではダンスパーティーというか,いわゆる収穫祭のフェスやってるんですけど,まあまあずっと同じ場所なんですよ。 ちょっと比較してみようかな。1985年の現代です。ちょっと分かりにくいんですけど,画面の橋隅っこの方に時計台があると思ってください。で向こうの方に壊れたボロボロの家と商店街が並んでいて,さっき言ったポルノショップですね。そういうのが並んでいて,サラ金屋があって…っていう風になってます。 で,駐車場があるんですけども,これが1955年/30年前に帰ると,めちゃくちゃ緑がいっぱいの公園になってるんですね。で,時計台は綺麗なまんまなんですよ。で,これ元々ユニバーサルスタジオのスタジオ内にあったオープンセットなんですね。いわゆる田舎の町として,しょっちゅう使われてるところです。どれぐらいしょっちを使われてるかっていうと,『バックトゥザ・フューチャー』の1年前にも『グレムリン』という映画のオープニングで全く同じ4本柱の時計台の塔と全く同じ家がずっと並んでるんですけど,これぐらいしょっちゅう使ってるとこなんです。で,このセット行ったことある人多いと思いますけども,実は現在眺めることはできるけど行けないんですね。2010年ぐらいまでユニバーサルスタジオのロットって言われる,そのスタジオパーク内を見ることができるというのはですねえ。ハリウッド・ブルーバードの中で中心部にあったんですけども,確か10年ぐらい前にハリウッドの北の方の田舎に移動して,で大きくしたんですね。シンプソンランドとかそういうの作って大きくしたので,昔はこの『バックトゥザ・フューチャー』のそのあのヒルバレーの街に入れたんですけど,今ちょっと入れないですけど,まこういう他の映画にも使われてるという話でした。 
これ,街のウェルカムボードですね。「Welcome to Hill Valley/よくヒルバレーに来てくれました」というやつなんですけども,1985年のヤツは小さくて町も殺風景なんですけども,1955年は,いわゆるそのロータリークラブもあればライオンズクラブもある。これ何かっていうと地域地域のコミュニティなんですね。共同体でみんながお金出して維持してる町の偉い人とか青年なんとか…夫人会とかのマークが,ボードの下にズラッとついてるから,1955年のヒルバレーにはこう人と人との繋がりがあったんだけども,1985年現在のヒルバレーにはそういうのものがないよっていうわけですね。だから1955年はある種の理想の世界。もう本当に昭和33年を理想の世界としていた『オールウェイズ3丁目の夕日』みたいな撮り方の映画なんです。 というよりは『オールウェイズ…』が『バックトゥザ・フューチャー』のパクりみたいなもんなんですけどもですね。 
で一番最初にも話したんですけども,街がどのように変わったのか,具体的に説明しようと思って,ドックが映画の真ん中あたりで説明するシーンですね。ドックがマーティに「時計台に雷が落ちるのを利用して,1855年から1985年にお前を返すんだ」っていう計画を説明してるらしいんです。で,そのために模型作って説明してくれます。で,この模型っていうのは何かというと元ネタはイギリスのスーパートランプというバンドがあるんですけど,そこそのバンドの『Breakfast in America』ってアルバムなんですけども,イギリスのバンドのえジャケットです。台所とか掃除用具とか洗面台にあるいろんな小物を真っ白に塗って,マンハッタンのビル群みたいに見させると。いわゆる「アメリカっていうのは大量消費文明なんだ」っていう説明というか,それをまあちょっと笑ってるようなアルバムなんですけども。CD以前の時代だからこれできたんですね。CDの時代になっちゃうとアルバムのサイズがどんどん小さくなってくる。これはもうLPと言われる,いわゆる33cm × 33cmのそのディスプレイだからできたようなデザインですね。で,このドックが劇中で作った模型ですね。この模型をさらに1/5のサイズにスケールダウンして美術部に作ってもらいました。 これはま先週から話してる通りです。 ちょっとまあ出して説明してみましょうか。これ見て分かる通り,ドックは卓球台の上に作ってるんですね。卓球台だから,この長辺が大体3mなんですよ。こっちは長辺60cmにしてるので1/5の模型なんですけど,この模型作ったので,初めて僕はいろんな伏線に気がついた。『バックトゥザ・フューチャー』って本当に伏線が多いんですよ。 で,何かっていうとこの部分見てください。 通りを走るデロリアンがワイヤーに触れて雷が落ちる。 ちょうどのタイミングでこのワイヤーの下を通ると雷がワイヤーに当たって,そっから1.21GWの電流が流れ,それのおかげでバーっと走って,本来だったらドックが3階に住んでるはずのポルノ映画専門館に飛び込む前にタイムスリップする。そこまで走ってくっていう話なんですけども,実はドックがわざわざ説明するシーンあるんですよ。これ何故かって言うとここに木に見立てたハインツのケチャップ瓶を白く塗ったものが置いてあるんですけども,このハイツのケチャップ瓶とワイヤーとか触れてるんですね。で,これを見せるためにこの説明シーン入れてるんですよ。 これ何故かって言うと,結局雷が来る直前に,このハインツのケチャップ瓶の枝が落ちてワイヤーが切れるという設定なんですね。で,これで接続が外れたので,ドックは上に行かなきゃいけなくなる。結局マーティーと会話ができなくなって,マーティーは「1985年ドックはリビアのテロリストに殺されるんだ」ということが告げられないっていう全体の流れになったんです。だからここでワイヤーが触れてることを見せるっていうのがすごい重要なんですよ。僕らそんな映画見てる時はノリというかリズムで見てるから「風が吹いた>>枝が落ちた>>ワイヤーが切れた」といわゆるご都合主義のピンチだという風に見てるんですけど,丁寧に観るとこのミニチュアで「ビンとワイヤーが触れてますね>>もう見て危ないの分かる通り,ここが後でトラブルになるんですよ」っていう伏線が張ってある。こういうのミニチュア作らないとわかんないので,すごい楽しかったんですけど,まァどんだけすごいんだ!『バックトゥザ・フューチャー』って思いますね。
じゃあこれを使って1955年と85年の違いを軽く説明してみます。 まずこの公園です。この公園にここちょっと変な小さいものついてます。これ何かって言うと真ん中の四角いのが,戦争でなくなった人々の記念碑,朝鮮戦争でなくなった人たちこの町出身の碑です。で,この町から第一次世界大戦に行った人たちの名前が彫ってあって,ここには街を守った大砲…まァアメリカは内戦くらいで,外国からの侵略で戦争になったことがないので,街を守った大砲って大げさんなもんでもないですけど,一応それが置いてあります。そういう英雄を称える公園だった場所が,現代ではただの駐車場になっているわけですね。で,ここは「アトミックキッド」という子供向けの映画館やってた映画館です。それが1985年にはカルト宗教の教会になっています。で,ここにかなり綺麗なホテルあるんですね。 テントが3枚ある綺麗なホテルがあるんですけども,その綺麗なホテルが1985年は廃屋になってるんですね。 この綺麗なテントはそのジェニファーの後ろで破れていたテントなんですけど,そういう風になってます。横には結構大きな文房具店があります。1955年だから,ちょうど日本製のシャープペンシルとかがアメリカで輸出された時代で,文具なんかも徐々に徐々に精巧なドイツ製とかが輸入が解禁されて入ってきた時代なんですけど,その文具店は1985年はアダルトショップですね。この通りで一番でかいショップがアダルトショップになっていると。まあまあまあポルノショップになってるわけですね。 でここに旅行代理店があると。1955年当時,アメリカは世界最大の経済力を持っていて,アメリカ人が世界のいろんな国へ行って世界のどこにでもいた。今の中国人みたいな感じですね。そこが1985年はサラ金になっている。でカフェは1985年にはフィットネスジムになっている。レコードショップはそのままある。まミニチュア作らなかったんですけど,ここは西武劇がかかってる映画感がある。『バッファロー平原』っていう,ロナルド・レーガン主演の映画やってる映画館があったんですけども,それが今どうなってるのかっていうと,映画館同じなんですけど,ポルノ映画専門になってるんですよ。でカフェは1955年に父ジョージとビフに会うわけです。 で,さっきのカフェで,お父さんはいじめっ子のビフと会います。で,マーティは父ジョージを追いかけて,お父さんの車にはねられて気を失ってしまうわけです。
✔没頭の設定
というわけでここで無料パート終わってもいいんですけども,十分時間経ってんですけど,例のセリフですね。ドックの電話で「やったぞ! 実験は成功だ! きっちり25分遅れた」。この実験とは何だったのか?そもそもドックとアインシュタインって犬は1週間どこにいたのか?っていうこの解説だけ,ちょっと最後してみようと思います。あの最後してみようと言っても,これもちょっと長いんですけどもすいません。夜になって,映画では大体15分目あたりですか,ショッピングセンターの駐車場でマーティーはドックに1週間ぶりに会います。ドックの車,パネル板式のトラックがあります。地面が濡れてるんですけど,地面が濡れてるのは,殺風景な場所でロケするときに映えるシーンにするための,もう映画業界のお約束の工夫です。よく映画見てみると雨降ってないのに地面が濡れてるシーンていうのは結構出てくるんですよ。例えば『テッド』っていう映画で,テッドが呑んだ後,裏の駐車場みたいなところに行くと,そこで変態みたいな男に合うんですけども,それも,雨降ってないんですけど,地面がめちゃくちゃ濡れてるんですね。で,これもやっぱ映えるシーンを作るためです。『ストリート・ファイア』なんかはもう本当にしょっちゅ地面濡らしてますし,ちょっとおしゃれ系の映画『ラランド』もやたら地面濡れてるんですよ。 降ってないのに。それはお約束だと思ってください。で,トラックには「Dr. Evet Brown Enterprise」」って,もうここら辺が貧乏になっても「Enterprise」とか高い男の悲しいとこですね。「Co.op」とかで普通の会社でいいのに大企業みたいに書いてしまうんですね。で,その下に「24H. Science Service(24時間サイエンスサービスして書いですけど,24時間営業サービスて書いてるんですけど,まもちろん)」って,これは台所のパイプ詰まりとか,そういうのを治す会社なんですね。もうこれしかドックには財産というのが残ってないわけです。 マンハッタン計画に参加しながら,なんか売れない便利屋に落ちぶれてしまった。でトラックからデロリアンを出して,マーティンにタイムトラベルの原理を説明します。で,愛犬アインシュタインを使って1分後の未来にデロリアンを送ります。で,この時に「私の愛犬アインシュタインは世界初のタイムトラベラーになったんだ」っていう風に言う。これ,観客も初の実験だという風に思っちゃうんですけど,しかしそれは撮影しながら書き直された脚本の第三バージョンなんですね。 もうかなり有名な話なんですけども,第一バージョンでは,タイムマシーンはこのデロリアンではなくて単なる冷蔵庫だった。内側が鉛を貼ってある冷蔵庫だったんですね。 で,ラストシーンは雷ではなくてネバダ州にあるアメリカ陸軍の核実験場ですね。なので,冒頭の一番最初のドックのガレージのシーンていうのは,この第一バージョンの,そのまだタイムマシンが冷蔵庫で,ラストはネバダの核実験場で取る予定だった時のセット。今コメントで「それ『インディ・ジョーンズ』では?」って聞かれたんですけど,そうなんですよ。この「ネバダの核実験場で核のエネルギーを利用して…」っていうのが,あまりにも面白いアイデアで使えなかったので,『インディ・ジョーンズ〜クリスタルスカルの秘法』のところでようやっとスピルバーグはこれ使ったんですけども。
で,この冷蔵庫のバージョンは,メイキングとかの映像が残ってないんですけども,前後の流れから大体内容が推察できるんですよね。っていうのは,マーティとドックが会ったシーンでですね。ドックは「おっといかん! プルトニウムの補給忘れた」って,一回目の旅行で1本プルトニウムを出すんですけども,最初のタイムスリップのはずなのに1本ないんですよ。ここがポイントなんですね。プルトニウム,他全部入ってるんですよ。 これもないように見えるんですけど,中を見るとちゃんと入ってます。ドックは何のためらいもなく,2つ目に手を伸ばしてこれを取ってるんですね。 で,1つ目はこの透明な液体に入ったケースの中に入ってる黄色いイエローケーキってやつなんですけど,プルトニウムというのがなくなってるんですよね。だからすでに1回使用済みで,そしてドックは躊躇せずに2つ目っていうのを出すんですね。 で,脚本がやっぱり2回も3回も変わったからなんですよ。 なので一応推理してみたんですけども,ファーストシーンでドックのガレージの時計が25分遅れたのは完成版の映画に入っていない,最初の実験の結果なんだろうという風に僕は思ってます。 で,その実験でこのプルトニウムの1つ目を使ったんですよ。なので,トランク開けると1つ足りないわけなんですけど,じゃあそれがどんな実験かっていうと,ドックのアインシュタインが1週間いなくなって,ガレージの時計が25分遅れるような実験なんですよ。 だから「25分遅れてる」って聞いたマーティーは「俺遅刻だよ」って言うんですけど,ドックは「やった!成功だ」っていう風に喜ぶわけです。自分で25分遅らせたんではなくて,実験の結果,時計が25分遅れてくれたんですよ。だから,おそらく冷蔵庫時代のタイムマシンですね。その脚本第1バージョンの時のタイムマシンにドクター・アインシュタインは入っていて,内部では25分しか経過してないんだけども,外の時間は1週間経過してるという実験だったんじゃないかなという風に考えます。まこれもま僕の推理でしかないんですよ。このこの時の資料残ってないんです。で,その時のタイムマシンの作動誤差ですか,冷蔵庫が置いてある場所の周りの時間は1週間過ぎてるはずなのに,冷蔵庫の近くのガレージは25分の時間差ができてしまったと。こういう風に考えると,最初のシーンのドックの叫び声も矛盾なく繋がるし,このプルトニウムの数が合わないっていうのも辻褄が全部あってくると思います。まァ今こんなアラ探しみたいなことをしたんですけど,『バックトゥザ・フューチャー』が好きなのは,単純に楽しいからなんですよ。で同時に意外なところにドラマが入ってる。 僕一番好きなのは,このデロリアンが1955年から過去から現代へ帰って,その後に残されるドックが好きなんですよ。マーティーが現代に帰った後にドックは,「マーティーのデロリアンが消えた!」と喜んで飛び跳ねて「やったぞ!!」っていう風に,すごい嬉しそうなんですけど,それ何故かって言うと,世間に評価されてなくて,結局その後30年間,どんどんどんどん落ちれていくだけの人生。その男が一瞬輝いたからなんですね。「俺が思ってたことは嘘じゃなかった」。俺がずっと人生かけてたこと,マンハッタン計画で俺以外のやつはみんな出世して,みんな偉くなったんだけど,俺だけは自分の発明っていうのずっとずっと追いかけてたから,それが報われた瞬間なんですよ。で,彼はその一瞬が忘れられなくて,30年間努力して,またマーティーと会うっていう,すごい話になってる。でもそこを一瞬のそのドックの喜びの表情を映しただけで現代に戻ってきて,また話戻すっていうところは,この映画のすごいクールなところ,かっこいいところなんですけどね。
✔『バックトゥザ・フューチャー2』
初級編はここまでです。限定の中級編/上級編ではさらに面白く深掘りするので待っててくださいということですね。 まだ今日あるんですけど,ここで無料が終われないんですね。 ここで『バックトゥザ・フューチャー2』の見所の話をします。 『バックトゥザ・フューチャー1/2』が予想外の大ヒットだったんですよ。予想外なんですよ。こんなにヒットすると思ってなかった。正直言ってロバート・ゼメキスと脚本家のゲイルにしてみれば,過去作『ユーズド・カー』の悪夢っていうのがあるんです。自分のデビュー作としてスピルバーグがプロデューサーで作った『ユーズド・カー』『抱きしめたい』の映画が本当に当たらなかったから,あれだけは避けたい。せめてこれぐらい当たってくれと思ってた以上の大ヒットですね。まずはスピルバーグ自身もこんなにヒットすると思ってなかったですよね。で,当時VHSビデオっていうのが普及した始めたので,ビデオで発売した時に,ラストに「To be Continue.../続く」っていう風に入れちゃったんですね。 「冒険は続く…」みたいな感じで入れると,「あ,これ映画が続編があるんだ」ということで大評判になってしまった。映画館でも再公開の時にあまり評判良かったから,2「To be Continued...」っていうやつを入れちゃったんですけど,それが大評判になってきたので,ユニバーサルは「もう絶対これ続編作る」と言い出す。で,ゼメキスとゲイルは「いや‥あれは一本だけだから完璧な脚本書いたんで,2は無理」って言ったんですけども,ユニバーサルのシュド・シャインバーグっていう,後でこれ2の時に話しますけど,悪のプロデューサーがいるんですよね。シャインバーグは「…ああそうか,君たちにはできないか,ところで『バックトゥザ・フューチャー』は我がユニバーサル社の不動産なんだ。不動産だから,利用は我々が勝手に考えるから,じゃあ君達作らなくていいよ」っていう,とんでもない売り言葉買い言葉があった末に2が作られることになったのでですね,なのでまさかパート2作るとは思わなかった。ま,どんな映画になるのかですね。で,『バックトゥザ・フューチャー2』っていうのは,これも観てない人が,もう今となって多いので,ネタバレになれないようにファーストシーンだけ話します。ファーストシーンはパート1のラストシーンですね。そこのやり直しから始まるんですね。いくつか違いあります。一番大きいのは,ジェニファー役のかなり美人のお姉さんの女優さんが出れなくなったので,あんまり可愛くないお姉さんに変わったっていうことなんですけど,岡田斗司夫ゼミでは,その部分はいいんですよ。その部分良くてですね。気になるのはマーティのピックアップトラックですね。親のプレゼントで手に入るトヨタのピックアップトラップのナンバー違ってるぞ問題ですね。やっぱこれもあの後で用意したから,同じナンバーのものが手に入らなかったということと,ここまで再現したんだから,もういいじゃないかっていうことだと思います。 
あと,パート2との違い。パート1のラストシーンとパート2のファーストシーンの違い。ミスターフュージョン(Mr. Fusion)という,どんなものでもエネルギーにするのがデロリアンの後ろについててですね。 これパート1のデロリアンなんですけども,パート2のデロリアンで,一番大きいのは,このミスター・フュージョンていう,どんなものもエネルギーに変えてしまう魔法のコーヒーミルみたいなヤツが後ろについてるんですけど,こん中に,パート1の時はビールの缶を入れるんですね。バナナの皮の他にビール入れて,ついでにビールの空缶もポイと入れちゃうんですけども,パート2の方では,ビールの缶を入れずに,中身だけ入れてビールの缶は外に捨ててます。で,これ,パート1を観た観客からクレームついたからなんすよ。「有機物からエネルギーになるのは分かるけど,アルミ缶入れちゃダメだろう」という風に言われたんですけども違うんですよ。 アルミニウムていうのは水酸化ナトリウムと反応させると水素を発生させて発電おきるんですけど,パート1ではドックは缶の成分表ちゃんと見てる。成分表見て「うん,これスチールではないアルミだ」っていうことでポイっと入れてるんですけども,あまりに観客のクレームが多かったもので,この成分表を見るシーンなくして,代わりに缶を入れるシーンをなくしたんですね。観てる人は変に思うからボツになったんですね。 
あと演技的に言うと,これも顔芸なんですけども。ドックの演技ですね。「未来へ行く?」「いや,君たちの子供の問題なんだ」「え,子供がどうなっちゃうの?何があるの?もしかして僕たちがダメ人間になっちゃうとか?」っていう風にマーティーが訊くんです。で,パート1の時のドックは即否定するんですね。「僕たちがダメ人間になっちゃう?」って言われて「いやいやそうではない」て言うんですけど,パート2のドッグはたっぷり0.5秒抽躇するのでですね。 で,カメラ目線で「どうしよう?」って顔してから「いやいや,そうじゃない」っていう風に話して言うんですね。 で,これアメリカではこういう『バックトゥザ・フューチャー』みたいなカルトの映画っていうのは,みんな本当に何百回も観るんです。 何百回も観るから,だからドック役のクリストファー・ロイド(Christopher Roid)がそのパート2の冒頭で「ダメ人間になっちゃうの?」とかって言った瞬間に躊躇してカメラを見て,でやった瞬間にみんな大爆笑して拍手するんですね。ここが違うんだってわかると。で「ここ撮り直してますけど,突っ込まないでね」っていうですね。こう演技をギャグにしてるというシーンですね。
■ 中級編
岡田斗司夫ゼミでは,6月21日はこの『バックトゥザ・フューチャー2』を丸々1回取り上げますので是非観てください。 じゃあ次はこのまま『バックトゥザ・フューチャー』の中級編に行きます。
✔ドックのガレージ
中級編では,まず最初の方で話したいのが,初球編の方で説明入らなかったんですけども,これドックのベッドです。ガレージの中で,ドックいないんですけど,一番最初にマーティがドックのガレージに行く前のシーンですね。カメラがガレージの中のいろんなものを動かして見せて,時計とか見せて,この細部に映るのがドックの枕元にある3枚の写真ですね。 トーマス・エジソン,ベンジャミン・フラン,アルバート・アインシュタインの写真なんですけども,これストーリーに関係する3人の科学者ですね。トーマス・エジソンは電気で発明して大儲けしたし,ベンジャミン・フランクリンは雷が電気だと証明した。で,アインシュタインは相対性理論でタイムマシンの基礎を作ったということになったんですけども。1955年に行ったら,この写真と,あとニュートンの写真がある。で,マーティンが「ドックはタイムマシーンを発明したんだ,ただそれを動かすには1.215ジゴワットの電力が必要なんだ」っていうと,ドックは「何て事だ! もうダメだ」って,豪華なブラウン屋敷を出てガレージに行く。豪華なブラウン屋敷からガレージへ逃げていくんです。で,そこでマーティーがガレージに行くと,ガレージの中にはいろんな発明品があって,この写真も並んでて,その中の写真に「教えてくれトム!」っていう風に言ってるんですね。「教えてくれ!どうすればいいんだ,1.21ジゴワットってそんな電力どうすればいいんだ?」ていう風にトムに言ってて,ドックがクルッと後ろ向くとそれがトーマス・エジソン(トム)だってわかるという,そういうギャグになってるんですよ。ただこれね,トムに訊くから間違いだったんですね。彼が訊くべきなのはベンジャミン・フランクリンだった。これギャグなんですよ。だからこれ横になってるわけですね。 訊く人を間違えたんです。エジソンに「どうやればそんな電力ができるんだ?」って訊いちゃったから分かんなかったんですけど,そん時に「教えてくれ!ベンジャミン」って言ってたら,最初から雷に気がついたはずっていうギャグをやるためだけにここにベンジャミン・フランクリン置いてあるわけです。 「教えてベンジャミン」て言ってたら,最初から雷に気がついたかついていたっていうギャグをやる。 普通ニュートン,エジソン,アインシュタインってあれば,もうそれでいいんですけども,ベンジャミン・フランクリン入れてるの何故だよっていうと,逆だったっていうことですよね。
✔『ブレイキング・バッド』
あと,これも無料の方では,ちょっと話がずれるので言わなかったんですけども,ドックは自分の家に放火して保険金を手に入れたり,リビアのテロリストに手を貸してプルトニウムを手に入れたりするマッド・サイエンティストですよね。で,このマッドサイエンティストと高校生という設定って,実はあの『ブレイキング・バッド(Breaking Bad)』と同じなんです。 真面目な高校教師ウォルター・ホワイト(Walter White)は,原爆開発で有名なロスアラモス研究所の研究員だったわけですね。 で,それ期待されたんでノーベル賞候補にもなりかけたんですが,ところが意地を張って,全てを捨てて高校の科学教師になってしまった。 しかし,貧困とあと自分自身が癌にかかってるのが分かって,前の自分の未来を変えようとしたんです。未来を回復するとこも同じなんですよ。 で,そこで相棒にとして目をつけたのがかつての生徒ジェシー(Jesse)っていう。このあのウォルター・ホワイトとジェシーの関係っていうのが,ドックとマーティンの関係にすごく似てるんですね。基本設定は似てるってか,ほぼ同じ。『バックトゥザ・フューチャー』のドックを主役にして,何も発明できなかった負け犬がウォルター・ホワイトで,そのウォルター・ホワイトが望んだ通り,未来は変わった。しかし,それが悪夢の始まりだったって,救いのない『バックトゥザ・フューチャー』が『ブレイキング・バッド』なんですけども。この辺のなんか,その後の世界に与えた影響ですか,『バックトゥザ・フューチャー』っていうのは,このキャラクターのコンビ組み合わせでいろんなドラマができるなっていう可能性を見せたので,その『ブレーキング・バッド』では採用されたんだという風に僕は思っています。
✔『デイビー・クロケット』
あと注目して欲しいのがレコード屋なんです。街のレコード屋。マーティーが過去から未来から来た時に一番最初に,映画館を見て映画館の次にレコード屋見るんですよ。 で,あの看板があって「the Ballad of Davy Crocket 」「16tons」ってあるんですけど,これもやっぱり意味があって。『デイビー・クロケット』っていうのはテレビ番組で,ディズニーで『デイビー・クロケット〜西部の開拓者』ってミニシリーズがあった。『the Ballad…』ってその主題歌なんですよ。 で,1955年っていうのをどういう風に表現しよう? で,楽なのはその当時流行ってたものとか番組とか見せちゃうことなんですけど,それやると権利処理が大変なんですよ。 できるだけ安く安全にやらなきゃいけないっていう風なことで『デイビー・クロケット』を見せる。 で,これ1955年っていうのはディズニーランドがオープンした年。 世界初のディズニーランドがカリフォルニアにオープンしたのが1955年7月夏なんですけども。 ディズニープロダクションは万年赤字だったんですけども,どうやってディズニーランドの資金調達したのか?っていうと,ABCテレビとの契約で『ディズニーランド』という番組を毎週放送すると。で,そのうちの一シリーズが『デイビー・クロケット』なんです。 で,『デイビー・クロケット』ものすごいヒットして,世界初の公式キャラクター商品が出た商品なんですね。 ディズニーが初めて公式キャラクター商品出して大儲けしたのって,ミッキーじゃない。ミッキーじゃなくて『デイビー・クロケット』なんですね。『デイビー・クロケット』でビーバーの帽子っていうのがすごい流行って,で,後にロレインの家に行った時に,ロレインの弟がずっと帽子かぶってて,お母さんに帽子剥がされて,また自分で被るという,そういうシーンがあるんですけど,それも全部『デイビー・クロケット』大好きだからなんですね。で,ディズニーランドって1955年にオープンしたんですけども,ディズニーの許可を取らずして,時代を出すというやり方が,この『デイビー・クロケット』の帽子とかレコードだったっていうことですね。
で,あとこの下の「16tons」っていうのは,これも1955年ビルボードのカントリーチャート1位の曲。アメリカのカントリーソングっていうのって,日本の演歌みたいので,すごい人気があるんですけども,『16tons』っていうのは懐かしいですよね。 映画『サウス・パーク』のシーズン22で出てきた,Amazonの配達のところで働かされてる男たちが,「今日も運ぶぜ6トン♪ 俺たちの生活に救いはない♪ 暗い穴グラで毎日毎日働かされただけの人生だ♪」みたいな『16tons』っていう歌なんですけど,これこの頃からブラックミュージックが若者文化に入り始めた。 1955年っていうのはその若者文化ができた年。マーティのお父さんの上司が,カフェに入ってミルクチョコレート注文して飲むっていうのはあるんですけども,それまでああいう場所っていうのは大人が入る場所で,若者は全員キッズって呼ばれてたんです。 つまり10歳だろうが15歳であろうが17歳であろうが全部キッズ。 それがそうじゃなくてティーンという存在があると。12〜20歳ぐらいまでの子供のことをキッズと呼ばずにティーンと読んでそういう文化があることを認めようっていうのがようやっと広まり出したのが,1955年あたり前後です。そこに大きい役割を担ったのはブラックミュージックでもあるので,この『16tons』が入ってきてるんですけど。
■ 上級編
✔ゼメキスとゲイル
次は作り手の話をします。すいません。ちょっと長くなります。 『バックトゥザ・フューチャー』って完璧な映画だと言われるけども,かなり矛盾があるというのは無料の方まで話しました。その矛盾の原因っていうのは,主に予算とスケジュールと,初期案の脚本がいくつもバージョンがあるからなんですよ。 で,予算が少ないのは,はっきり言っちゃって企画した時にロバート・ゼミキス監督の信頼度,ハリウッドのいわゆる業界内での信頼度がすごい低かった。まず『抱きしめたい』って映画,僕すごい好きな作品なんですけど,これがコケた。スピルバーグがプロデュースして作った,いわゆるアンブリンの制作なんだけども,スピルバーグは監督しない映画としてゼメキスはデビューしたんですけども,『抱きしめたい』って面白いけど,ヒットしなかったから,ゼメキスは所詮コネで映画やってコケたって思われた。その大学時代のお付き合いでスピルバーグのお友達だから仕事貰えたって言われた。 でも2本連続でヒットしなかったから3本続けてダメだったらもう永遠に追放されて,スペルバーグからも仕事ももらえなくなると分かってたんですね。 だから『バックトゥザ・フューチャー』の第一稿の,いわゆるあのブラウン博士が主役のバージョンの段階で,もうスピルバーグに見せてる。
そん時はスピルバーグ「面白いね!じゃあ俺プロデューサーやるから作ろうよ!」って言った時に,ゼメキスもゲイルのも心動いたんだけど,断ってるんです。 「君の下で3本目作って,これがヒットしなかったら俺たち終わりだろ?」って正直に訊いた。スピルバーグも「そうだね,これがヒットしなければ終わりだ」ってはっきり答えた。 ところが,そんな中奇跡が起きて。『ロマンシング・ストーン〜秘宝の谷』って映画,もう今憶えてる人いないんですけども,これすごい楽しい映画なんですよ。いわゆる,いかに安く『インディジョーンズ(Indiana Jones)』をできるかって映画ですけど(笑) ダニエルとデビーっていう小柄な役者さんが出てくる映画がヒットしたので,首の皮が繋がったんですね。 で「予算守ってヒット作が作れる作家だ」って言われた。ゼメキスもゲイルも,この呼び名がすごい欲しい。低予算でヒット出せるということは,以後ずっと職業監督としてハリウッドでは仕事が来るという事。たった一回メガヒットを出したら,確かに「予算無制限で」って言われるんですけど,それでダメだったらもう一生干される。じゃなくて堅実に毎年毎年映画作れるような監督になりたいと。だから「自分たち自身で『バックトゥザ・フューチャー』はスケジュールも最低限のものでいいからやらしてくれ」っていうのをいう。 彼ら別に大予算でやりたかったら,はっきり言ってスピルバーグの下で作ればよかった。そしたら3000万ドルぐらいは出たと思います。当時映画で3000万円ったら大作で,それで最終的に『バックトゥザ・フューチャー2』で5000万ドルとかに膨れ上がってきてるんですけども,割とそれに近いぐらいの金額をスピルバーグだったら出せたんですけど,それやっちゃうともう一生終わりなわけですね。 
タイトな予算スケジュールで自分たちで作ろうと思ったんですけども,スケジュールはさらに過酷になっていきます。撮影開始が1984年11月26日。そもそも1984年11月26日開始で映画公開が1985年11月26日ってアメリカの独立記念日,翌年の独立記念日だから半年しか本当は撮影期間ないんですよ。 で,本当は4ヶ月で撮り終わる予定だったんですけども,撮影がお正月を過ぎた時期に,マーティ役をマイケルJフックスに変えてしまいました。 で,これはなんでかって言うと,やっぱりマーティの軽い感じっていうのはマイケルJフォックスじゃないとダメだというようなことで無理やり変えたんですけども。これでスケジュールが大幅に遅れ,マーティー役のマイケルはテレビシリーズ『ファミリー・タイズ』に出演して,そのテレビシリーズが主な仕事だったんですね。 『バックトゥザ・フューチャー』の仕事が入った時に出たいと思ったんですけど,いやテレビシリーズやりながら無理だと思って諦めた。マイクルJフォックスって映画の経験ないわけじゃないですよ。 『ティーン・ウルフ(Teen Wolf)』っていうタイトルで分かる通り狼男だけど,僕は10代だよっていうヤツで,こんな『バックトゥザ・フューチャー』みたいな面白い映画の話…スピルバーグでゼメキス監督の話が来たのに俺は狼男かよって思いながら,ままあまあ『ファミリータイズ』やりながらやってたんですけども。 でも別の役者で『バックトゥザ・フューチャー』やっちゃってた時に,なんか軽い面白さが出ないという風なことで。4ヶ月の撮影期間で1ヶ月半で交代させるって,本当に地獄なんですよ。 スケジュール遅れ るし,予算もスケジュールも最低限でいいって言ってたのをやり直しにするわけですから。で,じゃあ公開時期遅らせられるのかっていうと1985年が舞台で30年前に行く話だから85年っていうのは動かせないですよ。 だから,公開スケジュールもずらせないと。
でこの当時ですね。 ちょうどロバート・ゼメキスとボブ・ゲイルですね。若い頃です。1971年に大学に入学しました。1971年に南カルフォルニア大学に入学しました。で,南カルフォルニア大学っていうのはまあの映画を作る上では名門校みたいなもんで,本当はスピルバーグもここに行きたかったんですけども,入学できなくて成績が足りなくて,南カルフォルニア大学に行った連中を羨ましく思って,しょっちゅう上映会にやっぱ顔を出したそうです。そこでゼメキスとボブ・ゲイルは出会って,あっという間に親友になりました。で,ボブ・ゲイルは脚本家志望だったんですけど,まずこのボブ・ゲイルの脚本家の腕に惚れ込んだのがロバート・ゼメキスなんですね。 で,「お前が書いた脚本を俺が監督するよ」と,もう一生これでいいよって位ゲイルの脚本に惚れ込んだんですね。 大学卒業した1975年『バックトゥザ・フューチャー』の原案が生まれます。だからもうかなり早かったんですよ。
映画公開の10年前に『バックトゥザ・フューチャー』の原案が生まれます。タイムマシンを発明した大学教授が未来へ行く話,これはまあの無料で行った通りタイトルは『ブラウン教授未来へ行く』っていう,すごいダサいタイトルです。すごいダサいタイトルなのには理由があって,1950年代から60年代,その時代にアメリカでは,ちょうどそんなタイトルの映画が流行ってたんですよ。『スミス都へ行く』とか『〇〇ワールドフェア行く』とかです。大体旅行もので『〇〇行く』っていうタイトルのものがやたらあったんですね。それから1975年から5年間,2人はもうずっとこのアイデアに夢中で,なんとか映画にしようとしたんですけど,ところがアイデア面白いのにシナリオにできない。映画ってやっぱりシナリオが7割なんですよ。面白いシナリオになるか。で,その1つのアイデアを登場人物を決めて,それから見たお話で1時間半から2時間の枠でちゃんとつないで映画にすることができるのかどうかって,話が面白いのと別問題なんですね。 
で,シナリオにできない。その間に2人は,ボブ・ゲイルとロバート・ゼメキスさんですね。順調にハリウッドへデビューします。しかし,そのデビュー作でやったのが『抱きしめたい』『ユーズドカー』ですね。 つまり映画的にヒットしなかったんですよ。 映画的にヒットしなかったんですけども,アメリカの映画監督っていうのは,映画完成したらアメリカ全土キャンペーンで周らなきゃいけないんですね。で,いろんな町でサイン会とか講演とか映画館での挨拶とか,プレミア上映があったら絨毯の上歩くみたいなイベントとか,それ回らなきゃいけないんですね。ボブ・ゲイルは大学の間ずっと帰っていなかった田舎に久しぶりに帰ったんです。で,久しぶりに帰った田舎で地下室行ったんですよ。そうするアメリカの家の地下室っていうのは昔からのものをずっと置いてるんですけども,そこでお父さんの高校時代,高校の卒業アルバム見たんですよ。 1940年の卒業で「Class of June, 1940」ってある。お父さんマーク・ゲイルですね。 「President」ってあるので生徒会長です。これを見たボブ・ゲイルはものすごいショック受けます。 まず,お父さんにも若い頃があったんだと。知識としてお父さんが若い頃があって,だけどそれがよりよって生徒会長。生徒会長ってボブ・ゲイルが高校の時に友達に全くいなかったと。「俺が高校の時に絶対に友達にならなかったようなヤツが俺のパパだった,じゃあもし俺が高校の時に今戻れたら,1940年に戻れて,お父さんに会ってたら高校生のお父さんに会ったら友達になれるだろうか? お昔のお父さんに会って,自分は友達になれるかどうか?」このアイデアを掴んだ時にボブ・ゲイルは「これだ」と思ったんです。 で,慌ててハリウッドに帰ってきてゼメキスに会って,「俺たちがずっと考えてた『エメット教授未来へ行く』ってシナリオ,話違うんだよ,未来行くんじゃなくて過去に行くんだよ,タイムマシーン発明して過去に行くんだよ」っていう説明して「主人公は高校生で,高校生が過去に行って,過去の高校生の父親に会う話なんだ」っていうんですね。そうするとゼめキスが「うわーそれすごいじゃん,これだ! そういう風にすれば,おじいちゃんの発明家というか,中年の男の発明家が未来に行って,それで色々トラブルを起こるって話よりも全然映画にしやすい」と。したらゼメキスが「じゃあ俺も思いついた,じゃあ自分の父親が真面目でお堅い生徒会長だとしよう。じゃあ自分のママが,そのお堅いしょうもないつまんない中年女だと,魅力もない中年女性だと思ってた母親が女子高生だった頃,めっちゃエロかったらどうなの? でめっちゃエロい母親が,なぜか自分に惚れてすごい色々エロいことしてくれるんだけど,ちょっとこれってコメディにならない?」って言ったら,もう2人とも大爆場で絶対これだ! っていう風に言ったんですね。で,このままスピルバーグのところ持ってって「これどうすか?」って訊くとスピルバーグ「絶対,それ面白いよ!」っていう。 で「俺金出すから」って言うと,ここでボブとロバートは冷静になって「ちょっと待ってスティーブン,これめっちゃ面白いけどヒットかどうかわかんない。ここで俺らお前から金もらって,もしそこそこしかヒットしなかったら俺らの映画人生終わりだよね」って言うと,スピルバーグも真顔に戻って「うん,そうだね,君らは終わりだね」と。じゃあこのままコロンビアに持っていこうってことで,コロンビアへ持ってったんですけど。一応このそのゲイルがまず地下室でお父さんの写真を見つけて,それをゼメキスに教えて,ゼメキスがそれに乗っけたアイデアで,「お父さんが真面目な生徒会長だったら?,お母さんはエロい女子高生だったらどうだった? 」ってアイデア見つけたおかげで,ものすごい話が面白くなったわけですね。ところがボブ・ゲイルは,最初は自分のアイデア,1975年の時に思いついたアイデアにこだわってて,「過去に行ったとしても,過去を変えると,現代が超クールな世界になってる。例えば1955年,当初は1958年だったんですけど,過去に帰って色々やって過去を良くして戻ってきたら現代に戻ってきたら,もうそこら中モノレールとか空飛ぶ自動車がブンブンブン飛んで,ものすごい1980年になってる」っていうのに結構こだわったんですよ。ところが親友のゼメキスは反対するんですね。 とりあえず現代に戻ってきたら,すげえかっこいい世界になっていたよってSF世界になってたよっていうのはそれは金もかかるし,現実を否定する話になると。そうじゃなくて今の現実でいいんじゃないか?という風にみんなに説得されて,ボブ・ゲイルはしぶしぶ諦めたんですけど,これが『バックトゥザ・フューチャー2』のアイデアになったんですね。 やるつもりなかったんですけども,ユニバーサルから「お前ら抜きでもやるぞ」って言われて,じゃあしぶしぶやるかという時にボブ・ゲイルは「じゃあ元々の俺のやつやろうよ」と。「あの未来に行って車が空飛んでる世界に見せようよ」っていう風なことに繋がるんですけどもですね。 
✔タイム・トラベルとコーラ
で結局,ここまでの段階で,高校生が過去に戻って自分の父親と母親に会うっていう話です。 で,これに興味でコロンビアっていうのは当時コロンビアという映画会社,当時,コカコーラ社の傘下だったんですね。コロンビアはコカコーラグループに買収されたんですよ。なのでコカ・コーラから条件が出ました。「タイムマシンの燃料はコカコーラにしろ」的に言われたんですね。とんでもない条件出されたんですよ。で,「それ無理だ」っていう風なことで話し合った結果,僕が考えたのがタイムマシの燃料はプルトニウムなんだけども「プルトニウムプラス何かがないと時間旅行できな」という,「なんとかそのその触媒となる物質Xを見つけなければいけない」。アルミニウムだろうか?それともマンガンだろうか?という風に,いろんな物質をプルトニウムの上に軽く塗ってやったんだけども,なかなかエンジンの効率が上がらない。リリー・スミスっていう第二次世界大戦前にアメリカで超ヒットした。 SF作家がいて,その人『レンズマン』とか『スカイラブシリーズ』ってSFシリーズ書いてて。で,そのシリーズで触媒Xっていうのが出てくるんですけど,それをそ触媒Xを使うことによって,全てのエネルギー効率が100%に上がると。いわゆる核分裂ですら物質の質量の10%ぐらいしかエネルギーに転換できないんだけど,この触媒Xを使うと100%の変化が可能になるになったんですよ。 だから,ドクターブラウンのモデルって,多分そのSF作家のE.Eスミスだと思うんですけど,この人も「Doc. Smith」と言われた人だから…まあまあいいや,話がちょっと反れた。でその触媒としてコカ・コーラを使う。 プルトニウムの上にコカ・コーラを偶然マーティーがこぼしたら,その瞬間にタイムマシンが作動した。 「これだ!」って言って脚本書いてやってたんですけども,シナリオが完全にできた段階で,まず配給を担当していたディズニーからクレームが来ると。「自分の母親とキスする映画にディズニーは金を出せません」っていうわけですね。まあまあ分かることなんですよ。 で,ディズニーが配給を断っちゃったおかげで,コロンビアはもう弱気になってしまって,これどうしようって話になったんですけども。 
ただ,そのコカコーラでかなり設定作ってたんですよね。コロンビアが傘下にあることで,例えば1955年に戻って,「もう1回コカ・コーラかければいいや」と思ってかけたらタイムマシンが動かない。 なぜなら1955年のコカ・コーラは現代のコーラと違って,まだ成分に何か違うものが入ってるみたいですね。 すげェいいギャグあったんですけどこのギャグも使えなくなっちゃったんですよね。でまあまあ面白いアイデアやったんですけども,コロンビアが降りたので,コーラやめると。で替わりにペプシを出すことになったんですね。で,ゼメキスに「何故全部ペプシなんですか?」って訊くと,理由が「コーラっていうのはロゴがずっと変わんないから,コカコーラを画面に出した時にみんな,ああなんか今と同じじゃんと思ってる。でもペプシでは時代ごとにロゴがかなり違うから,50年代とわかってくれる」いう風に公式では言ってます。でも真相はこっちなんですよ。 元々はコカコーラでやって,コロンビア傘下でコーラで,燃料もこのコーラだったのが,ユニバーサルになったので,コカコーラ縛りが溶けたからっていうのが理由なんですね。で,コカ・コーラの出番がなくなったので,デロリアンは完全にプルトニウムだけで動かすことになった。
✔原作の設定
それのおかげで,慌てて「リビアのテロリスト騙して手に入れる」って下りを追加しなきゃいけなくなったんですね。で,これがもう撮影中の変更だったんですよ。 っていうのは,もうすでに一番最初に,マーティーが高校で授業を受けるシーンは撮ってたんです。で,マーティーが授業を受ける。それは何かっていうと高校で「1955年にネバダで核実験が行われた,で,当時は核っていうのはこんな風に考えられたんだけども…」,って「うわー,退屈な授業。1955年ね。核実験。ハイハイしょうもないな…」と思ってると,校内放送で,「マーティ君に家族から電話かかってるよ」。で行ってみたら,電話で「マーティ,今夜12時過ぎにツインパインモールのショッピングセンター来てくれ」って,ここで電話を受けるはずだった。で,これは何かっていうと,ラストでネバダの核実験場にタイムマシンでタイムスリップするっていうシーンが必要だから,これも撮影済みだったんですよ。 ところがネバダの核実験場に持っていくっていうのって,なんか実際そこでロケするのって大体100万ドルぐらいかるっていう風に言われたんですよ。多分全体のバジェットが2000万ドル程度なんです。 結局は2500万ドル程度なんで,100万ドルそこに使えないんですね。でもう映画のマネージャーから「ラストシーンの現代に帰るシーン,このオープンセットの中でなんとかできませんか?」って言われて「ちょっと待てよ…最後はルームス・シティと呼ばれているネバダの核実験場で,マネキン人形がそこら中にあって,みんな普通の生活してるところに核実験でビカって光って,そのエネルギーで未来へ帰るはずが,このセット内でどうにかしろってことで,しょうがなく考えたのが結局時計台に雷が落ちて,その雷の電力で帰るって話しだったんですね。ただ,その時計台にしても雷にしても,雷の電力で帰るにしても,全部映画を撮り始めてから出てきた設定なので,『バックトゥザ・フューチャー』って本当に,もう紆余曲折の末に奇跡のようにうまくできた映画なんですけども。 
✔デロリアンの設定
だからコーラの出番がなくなったので,デロリアンはプルトニウムで動くことになって,で合わせてリビアのテロリストからプルトニウムを手に入れる下りが脚本で必要になって。で,そのリビアのテロリストと会うシーンとかも,撮ってる時間がないので,もう話の中でしか出てこないと。でプルトニウムが何故減ってるか?とかドックが何故25本くれたか?っていう,無料の最後で言った矛盾するシーンが結局残ることになっちゃったのが,こういうことだと思います。
で,1955年に行ったデロリアンをどうやって戻すのか?なんすけども。予算がかかりすぎるというのは,そこはいいでしょ。 本当にこれ時間なるなら偉いことになった。 結果として,僕は雷でタイムスリップすることにしてよかったと思うんですけどね。 でデロリアンです。 このデロリアンなんですけども,デロリアンのデザインは実は『エイリアンー魂の戦士』ですね。ノストルモ号の宇宙服をデザインしたロン・コブ(Ron Cobb)ですね。 ロン・コブがこれ,『バックトゥザ・フューチャー』のクレジットでデザインしてます。で,彼は,「デロリアン・タイムトラベル・コンサルタント(Delorean Time Travel Consultant)」というすごい名前になってるんですよ。 タイムトラベル・コンサルタントなんですよ。でロンコブはタイムマシンの機能まで全部決めたんです。デロリアンのそれぞれのこの装置は何をやってるのかも全部決めたんですよ。 だから映画のクレジットが「タイムトラベル・コンサルタント」になってるんですけど,例えばそのデロリアンが時間旅行から帰ってきた時,行く時は燃えるんだけど,帰ってくる時は液体窒素をかけてカチンカチンに凍りますよね。で,これもロンコブはちゃんと考えていて,前回僕が話したタイムトラベルの矛盾ですね。つまり現在からタイムトラベルしたらそこの地球の場所がもう変わってるから,そこはもう宇宙空間だ。ロン・コブこれ分かってるんですよ。なので,タイムマシンていうのが存在するとしたら,時間を移動した瞬間に,そこはもう宇宙空間で絶対0度だと。だからタイムマシンていうのは冷えていると。でその一度宇宙空間内で移動して,そこからさらにもう一回,本来に行くべき場所に移動するという意味です。二段階のトラベルを考えたんですね。映画の中で省かれてるんですけども,ロン・コブがデザインした段階のタイムマシンでは,タイムマシンは現実から行きたい時間の宇宙に移動して,その宇宙からもう1回現帰ってくるので,だからデロリアンのタイムマシンというのはカチンカチンコチンでくるっていう,そういう設定になってるんですよ。 なので凍ってるんですけども,パート2で未来から帰ってきたタイムマシンにドックは平気で手ついてる。これ何故かって言うと,パート2以降のデロリアンは再突入した後も凍ってないんです。 それは2015年の世界で改良を受けた,いわゆるエネルギーをミスターフュージョンにするのと同時に,再突入の時に1回1回,宇宙空間に出現して冷やされて,地球に移動するというプロセスなしのタイム・トラベル発明したから,こう手がちゃんと触ってるんだという,そういうしょうもない話もちょっとやりたかったのでやっときます。
✔レビッドタウン
うわァ,もうちょっとだけだ,限定もあと5分ぐらいですね。 すいません。であとライオン住宅地/リオン住宅地(Lyon Estates)ですね。これ,1985年にマーティーがキック・ボードで飛ぶアメリカの住宅地なんですよね。でもしかし,1955年に帰ると,そこは住宅街の門のライオンの台座があるだけで更地なんですよ。で,その後,マーティーは周りを見渡すと看板だけが立ってるんですね。 「Lyon Estates」って書いてあって「Life in the home of tomorrow(明日の住まい)」っていうようなことが書いてるんですけど,何故これを見せるのか?これ,この看板をマーティーが見てるし,見せるのはアメリカ人そして日本人の生活をを変えた出来事があったからなんですね。現実の話ですけども,第二次大戦の後,帰還した兵隊たちは一斉に結婚するわけですよね。1945年で結婚して家庭を持つんですけども,当時アメリカ軍の給料は安いから家買えないんです。で,なんとかそのアメリカの兵隊たちに家を与えるという国家からの命令もあって,いろんな不動産業者考えるんですけども,高くて買えないんですね。住宅不足というのもあるんですけど。でその彼らに家を与えるためのプロジェクトが,全アメリカ人の生活を変えた,今言ったアメリカ人の生活を変えて日本人の生活も変えた1957年のレビットタウン(Levittown)です。 レビッドタウン構想って,1951年ぐらいからずっと続いてるプロジェクトです。フォードの自動車,いわゆるアメリカで何故自動車が普及したのかというと,フォードがT型フォードを作ってベルトコンベアで自動車を作ることによって180ドルぐらいで自動車を作れたからなんですよ。で,レビッド・タウンというのはこれの住宅版で,家を同じようにベルトコンベアで作ろうと。ただ自動車はせいぜい2〜3mぐらいだからベルトコンベアに乗るんだけども,家をどうやってベルトコンベアで作るのか?っていうと,人間が移動すればいいんだ。 つまり家を何十軒も同時に建てると。その同時に立てる時に例えば1番最初の基礎をやる2人組が1軒目のところに行って基礎をやって,基礎が終わった瞬間に2軒目に移動して,それが終わったら3軒目に移動すると。で,そういうチームをいくつも作っといて「はい,お前基礎をやるだけ」「はい,お前壁建てるだけ」「はい,お前ドアつけるだけ」っていう風に人間を分担して,いわゆるベルトコンベア作業っていうのを街待全体にやろうとしたんですね。 だから大工さんていうのは,このレビットタウンでは2人1組で毎日毎日ここを回るっていう風に言われて,そこに行って特定の作業を2時間ぐらいしたら,隣の家で,同じことをやるというのを繰り返して,ものすごく安く家ができたんです。 これで郊外の街が出来た。レビッドタウンの写真ですね。もうこれ写真屋さんから買うしかなかったんで1360円払って買ってきたんですけども。ニューヨークの郊外に実在する街ですけど,こういう思想とか工法で作られたっていうのは大体全部レビットタウン。
レビットタウンは日本ではニュータウンという風に呼ばれて,例えばジブリ作品のふるさとの聖蹟桜ヶ丘とか,大阪で言えば千里ニュータウン。戦後の住宅開発の基本になった。 これが何故アメリカ人の日本人の生活変えたのかっていうと,これって郊外に作るしかないんですよ。 巨大な面積で同じ家ばっかりがひたすら並んでるからです。 ということは,家には巨大な冷蔵庫があって,そして全ての家にはガレージがついてて,全ての家に自動車があって…ということは,その自動車に乗って,お父さんは毎日毎日都会に出勤して,夕方家に帰ってくるお母さんは専業主婦として家でずっと家事をやる。で,子供はこの近くの学校に行く。 これが当たり前になったんですよ。で,今の僕らが当たり前だと思ってることは,この1951年〜1958年ぐらいのレビットタウンでできたんですね。家に専業主婦がいて,そして父親が働きに出るっていうのは日本でもアメリカでもそういう暮らしはあったけど,当たり前じゃなかったんですよ。まだまだ農業がメインで,父親も全部家で働いていて,子供が大きくなったらその家で働いて,そして勉強をお父さんとお母さんに見てもらって,週に1日か2日学校に行くというのが20世紀の初めのアメリカの当たり前だったんですね。週に5日学校に行くっていうのは決して当たり前ではなかった。第二次世界大戦前ぐらいになると,週に5日ぐらいアメリカでも学校に行くようになったんですけど,それが完全に固定化されて,今のその「男は会社に行って働いて,女は専業主婦になる」という,もう今じゃないんですけども,昭和の時代から平成の真ん中あたりまで,この世界でも常識思ってたものっていうのは,20世紀の半ば頃にこのレビットタウンでモデルになって,それが世界中に普及した結果,日本でも,これレビッドタウンというよりは団地という形になったんですけど,当たり前になって。でみんななぜかサラリーマンになる。僕の子供の頃の1965年ぐらいっていうのは,それぞれの家のお父さんの職業というのはすごい多様だったんですよ。 僕の家では,父親は学校の先生でしたし,僕の家の前に住んでいる佐野君の家のお父さんは表具屋っていって,ふすまとか畳を作る人だったし,家の近所でいわゆる会社勤めして働いてる親の子なんて,クラスに2人ぐらいしかいなかった。それぐらい職業は多様だったのが,どんどんどんどんニュータウンができてきて,みんなが同じような家に住むようになって,そしてみんなのお父さんはそれぞれ会社に行くのが当たり前になってきて,逆に言えば大学生が就職というのを考えるようになってきたというのは,1970年代以降の話だと思って下さい。これぐらい僕らの生活変わってきて,その変わってきた生活っていうのは,未だに僕らの考え方や価値観に影響を与えてる。 それがレジットタウン。
それから映画『ET』に出てくるレビットタウン。『ET』という映画でエリオット少年が住んでるのも,このレビットタウンです。 ひたすら同じような家が並んでるところで,裏に森があって,で,そこで宇宙人と出会って…って話でしたし,あと『シザーハンズ』っていう80年代のハリウッド映画も,あと『ホーム・アロン』もそう。 それに出てくる家も全てこのレビットタウン。だから,1955年にタイムスリップする映画で,まず実はかつて住んでる住処ですね,家に行ってみたら何もなくて,そこにこの「未来の住処」って言ってる,なんか1985年には汚らしい貧乏人が住むところだと思ってたのが,昔に行ったらそれは理想の夢の住処だっていう風に思われてたっていうのが,めちゃくちゃキャッチー。ハリウッド映画って娯楽大作の大衆映画のくせに,ここまで深い内容を見せるんだなと思って,ちょっと僕はゾクゾクという風にしました。え,今日の限定はここまでにしたいと思います。お疲れ様でした。 

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✔ロバート・ゼメキス
ロバート・ゼメキスは,アメリカ合衆国出身の映画監督,脚本家,プロデューサーです。1952年5月14日,イリノイ州シカゴで生まれました。南カリフォルニア大学で映画を学び,卒業後は脚本家として活動を始めました。1980年,『ユーズド・カー』で映画監督デビュー。1984年には『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』でヒットを記録しました。
1985年,マイケル・J・フォックス主演のSFコメディ映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を監督し,世界的な大ヒットとなりました。
その後も,『ロジャー・ラビット』,『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』,『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』など,話題作を次々と発表しました。1994年には,『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー監督賞を受賞しました。
2000年代以降は,『キャスト・アウェイ』,『ポーラー・エクスプレス』,『フライト』など,様々なジャンルの作品を手がけています。
また,プロデューサーとしても数多くの作品に関わっており,その才能は多岐にわたります。
ロバート・ゼメキスは,常に新しい映像技術に挑戦し,観客を魅了するエンターテイメント作品を作り続けています。
代表作としては,以下の作品が挙げられます。
 * バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ
 * ロジャー・ラビット
 * フォレスト・ガンプ/一期一会
 * キャスト・アウェイ
 * ポーラー・エクスプレス
 * フライト
最新作は,2025年4月4日公開予定の『HERE 時を越えて』です。
✔ボブ・ゲイル
ボブ・ゲイルは,アメリカ合衆国の脚本家,映画プロデューサーです。
1951年5月25日,ミズーリ州セントルイス生まれ。南カリフォルニア大学で映画を学び,卒業後はロバート・ゼメキスと共に脚本家として活動を始めました。
1980年,『1941』で脚本家デビュー。1985年には,ゼメキスと共に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の脚本を手がけ,世界的な大ヒットとなりました。その後も,『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』,『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』など,シリーズ全作品の脚本を担当しました。
また,プロデューサーとしても活躍しており,『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ以外にも,『ロジャー・ラビット』,『フォレスト・ガンプ/一期一会』など,数多くのヒット作品に関わっています。
2001年には,『アメージング・ハイウェイ60』で映画監督デビューも果たしました。
ボブ・ゲイルは,エンターテイメント性の高い作品を数多く手がけており,観客を魅了するストーリーテリングの才能に定評があります。
代表作としては,以下の作品が挙げられます。
 * バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ
 * ロジャー・ラビット
 * フォレスト・ガンプ/一期一会
 * アメージング・ハイウェイ60
✔ロン・コブ
ロン・コブは,アメリカ合衆国出身のオーストラリアのアーティスト,漫画家,映画のプロダクションデザイナーです。
彼は,反体制的で政治的な内容の漫画や,以下を含むいくつかのSF映画のデザインへの貢献で知られています。
 * エイリアン (1979)
 * スター・ウォーズ (1977)
 * レイダース/失われたアーク《聖櫃》 (1981)
 * バック・トゥ・ザ・フューチャー (1985)
 * トータル・リコール (1990)
コブはまた,環境運動で広く使われるようになったエコロジーシンボルもデザインしました。
彼は2020年に83歳で亡くなりました。
✔レビットタウン
レビットタウンは,アメリカ合衆国ニューヨーク州のロングアイランドに存在した,大規模な郊外住宅地開発プロジェクトです。1940年代後半から1950年代にかけて,デベロッパーのウィリアム・レビットとその息子たちによって建設されました。
レビットタウンは,第二次世界大戦後のベビーブームと,郊外への人口移動の波に乗って,急速に発展しました。大量生産方式を採用することで,手頃な価格で住宅を提供し,多くの人々が郊外での生活を始めるきっかけとなりました。しかし,レビットタウンは,いくつかの社会的な問題も抱えていました。その一つが,人種差別的な住宅販売政策です。レビットタウンでは,白人以外の住民の入居を拒否しており,人種間の不平等を生み出す要因となりました。また,レビットタウンは,画一的な住宅デザインや,自動車中心の都市構造など,当時のアメリカ社会の課題を象徴する存在としても議論されています。レビットタウンは,アメリカの郊外住宅開発の歴史において,重要な役割を果たした一方で,社会的な課題も提起した,複雑な側面を持つプロジェクトと言えるでしょう。

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✔映画『ユーズド・カー』
映画『ユーズド・カー』は,1980年に公開されたアメリカのコメディ映画です。ロバート・ゼメキスの監督デビュー作であり,カート・ラッセル,ジャック・ウォーデン,ゲリット・グレアムなどが出演しています。
・あらすじ
舞台はアリゾナ州の砂漠地帯にある中古車販売店。ライバル店の店長であるロイとルディは,互いに客を奪い合おうと,あの手この手の策略を巡らせていた。そんな中,ロイが事故死してしまう。ルディは,ロイの双子の兄弟であるフレッドを呼び寄せ,ロイの死を隠蔽しようとするが…。
・見どころ
 * 破天荒な中古車販売合戦: 互いを出し抜こうとする登場人物たちの,なりふり構わない攻防が笑いを誘います。
 * カート・ラッセルのコミカルな演技: 巧みな話術で客を丸め込もうとする,主人公ルディを演じるカート・ラッセルの演技が光ります。
 * ロバート・ゼメキスの初期作品: 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで知られるロバート・ゼメキスの,初期の作風を垣間見ることができます。
その他
 * 脚本は,ゼメキスとボブ・ゲイルが共同で執筆しました。
 * スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めました。
 * 1980年のシカゴ映画批評家協会賞で,助演男優賞(ジャック・ウォーデン)を受賞しました。
中古車販売業界の裏側をコミカルに描いた,ロバート・ゼメキスの初期作品『ユーズド・カー』。ぜひ一度ご覧ください。
✔テレビ番組『デイビー・クロケット〜西部の開拓者』
『デイビー・クロケット〜西部の開拓者』は,ウォルト・ディズニーが製作したテレビ番組,および映画です。
概要
 * 1954年から1955年にかけて,ディズニーのアンソロジー番組『ディズニーランド』内で放送されました。
 * アメリカ合衆国の西部開拓時代を舞台に,実在の人物デイビー・クロケットを主人公とした物語です。
 * フロンティアでの冒険やインディアンとの交流,アラモの戦いでの壮絶な戦死など,彼の波乱万丈な生涯を描いています。
 * 全5話が製作され,いずれも大ヒットしました。
 * 番組内で歌われた「The Ballad of Davy Crockett」も大流行し,ビルボードチャートで1位を獲得しました。
主人公
 * デイビー・クロケット:実在したアメリカの英雄。開拓者,軍人,政治家として活躍しました。
 * フロンティアでの生活,インディアンとの交流,アラモの戦いでの戦死など,数々の伝説的なエピソードを持っています。
キャスト
 * デイビー・クロケット:フェス・パーカー
その他
 * 『デイビー・クロケット』シリーズの大ヒットにより,デイビー・クロケットは子供たちの間で大人気となりました。
 * 関連グッズも多数発売され,社会現象を巻き起こしました。
 * 1955年には,2つのエピソードを再編集した映画『Davy Crockett, King of the Wild Frontier』が公開されました。
 * ディズニーランドには,デイビー・クロケットをテーマにしたアトラクション「デイビー・クロケットのカヌー探検」があります。
関連情報
 * デイビー・クロケット - Wikipedia: https://en.wikipedia.org/wiki/Davy_Crockett
 * デイビー・クロケット - ディズニー データベース - atwiki(アットウィキ): https://disney.fandom.com/wiki/Davy_Crockett
ご興味があれば,これらの情報もご参照ください。
✔テレビ番組『抱きしめたい』
『抱きしめたい』(1979年,監督:レスリー・H・マーティンソン)
 アメリカのテレビ映画で,日本では『燃えつきた青春/ザ・バディ・ホリー・ストーリー』の邦題でビデオ発売されました。
・あらすじ: 1950年代後半のアメリカを舞台に,ロックンロールの黎明期を駆け抜けた歌手バディ・ホリーの短い生涯を描いています。
キャスト: ゲイリー・ビジー,ドン・ストロード,チャールズ・マーティン・スミス
✔テレビ番組『ブレイキング・バッド』
『ブレイキング・バッド』は,アメリカで制作されたテレビドラマシリーズです。
・概要
 * 2008年から2013年にかけて,全5シーズン62話が放送されました。
 * 主演はブライアン・クランストン,共演はアーロン・ポール,アンナ・ガンなど。
 * 舞台はアメリカ合衆国ニューメキシコ州アルバカーキ。
 * 高校の化学教師ウォルター・ホワイトが,末期がんを宣告されたことをきっかけに,麻薬の製造・販売に手を染める姿を描いた作品です。
あらすじ
平凡な高校教師ウォルター・ホワイトは,肺がんで余命わずかであることを知ります。家族に財産を残すため,彼は麻薬組織と手を組み,高純度のメタンフェタミンを製造・販売することを決意します。
ウォルターは,かつての教え子であるジェシー・ピンクマンをパートナーに,裏社会でのし上がっていく中で,次第に狂気に染まっていくのでした。
・見どころ
 * 緻密な脚本と演出: スリリングな展開,予想外の出来事,そして深みのある人間ドラマが,視聴者を惹きつけます。
 * ブライアン・クランストンの演技: 温厚な教師から冷酷な犯罪者へと変貌していくウォルターを,ブライアン・クランストンが圧倒的な演技力で演じます。
 * 個性的なキャラクター: ウォルター,ジェシーをはじめ,ハーブ,マイク,ガスなど,魅力的なキャラクターたちが物語を彩ります。
 * 社会問題への言及: 麻薬,貧困,家族,そしてアメリカ社会の光と影を描き出し,視聴者に深く考えさせます。
・受賞歴
 * エミー賞: 作品賞 (ドラマ部門) を2回,主演男優賞 (ドラマ部門) を4回,助演男優賞 (ドラマ部門) を2回,助演女優賞 (ドラマ部門) を1回,脚本賞 (ドラマ部門) を2回受賞
 * ゴールデングローブ賞: 作品賞 (テレビドラマ部門) を1回,主演男優賞 (ドラマ部門) を1回受賞
その他
 * 『ブレイキング・バッド』は,テレビ史に残る傑作ドラマとして,世界中で高い評価を受けています。
 * スピンオフ作品『ベター・コール・ソウル』も制作され,人気を博しています。
 * 2019年には,続編映画『エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE』がNetflixで配信されました。
ぜひ一度,『ブレイキング・バッド』をご覧ください。

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