2024年4月2日火曜日

[ゲーム][携帯電話] iモードケータイアプリ雑録, SDFほか





[ゲーム][携帯電話] iモードケータイアプリ雑録, SDFほか
2005
◆防災i-Station
http://dpm.sakura.ne.jp/i     
ケータイ版防災情報サイト。i-mode,V-live,EZweb対応。エレベーターや地下鉄等の場所別対応法など。
◆SDF
http://appget.com/vf/pc/apview₋021613.htm
ケータイ版Vアプリシューティングゲーム。i-mode対応。上空から飛来する隕石を迎撃し都市をまもる。
◆iアプリRPG   
http://d-shogun.hp.infoseek.co.jp/top/index.html  
ケータイ版有料RPG。i-mode対応。魔物狩りを職業とする夫婦が運命に立ち向かう『アゴニア』など。
◆uji-ring iAPPLI
http://uji-ring.kir.jp/i/appli/   
ケータイ版有料RPG。i-mode対応。サイドビュー戦闘RPG『Maze of Demon』。

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2024年3月31日日曜日

[機器][携帯電話] DDIP/サンヨーRZ-J91~SoundMarket対応ケータイ





[機器][携帯電話] DDIP/サンヨーRZ-J91~SoundMarket対応ケータイ
RZ-J91
space
音楽ダウンロードサービス「SoundMarket」対応プレーヤー一体型端末
■記録メディア(セキュアマルチメディアカード:付属)をスロットインで、録再可能。
音楽配信用途など著作権保護を目的として開発されたセキュアマルチメディアカードをメモリー媒体とし、同梱の32MBカードで約30分間の録音ができます。
■手元操作が簡単、便利なリモコン。
エンジェルフィッシュに似たおしゃれな液晶リモコンを標準装備。再生、早送り、巻き戻しなど手元で操作できるので大変便利です。また音楽再生中に着信があると、ヘッドホンから呼出音が鳴り、お知らせしますので、大切な電話を逃すことはありません。
■高感度「空間ダイバーシティアンテナ」採用。
2つのアンテナの空間距離を確保することにより異なる2つの電波をキャッチし、より強い電波を選択することで、安定した通話品質を得ることができます。
■光の色でお知らせ「イルミネーションエッジ」。
かけてきた相手や通信の種類によって、電話機上部に配置したH”マークが色を変えてお知らせします。
■機能
電話帳件数 200件(1件:電話帳×3件 メールアドレス×2件)
着信履歴件数 20件
リダイヤル件数 20件(電話16件、Pメール、ライトメール、直送メール、Eメール自動受信が各1件)
ライトメール履歴件数 送信40件、受信60件(Pメール含む)
Eメール・DXメール履歴件数 Eメール・DXメール合わせて送信約130件、受信約400件
着 信 音
着信音種 パターン6種、効果音10種
自作メロディ 10種、feelsound 5種
メロディ着信音 6種
サイズ(mm) 幅約49mm×高さ約94mm×薄さ32mm
質量 約110g
連続通話時間 約7時間
連続待受時間 約600時間

DDIポケット
http://www.ddipocket.co.jp/syohin/rz-j91.html





[通信] SDAIR,SoundMarket(サウンドマーケット)




[通信] SDAIR,SoundMarket(サウンドマーケット)
サウンドマーケット
全国の取扱い店で試聴体験実施中!
※取扱い店については、ポケットサービスセンターへお問い合わせください。
好きなアーティストの曲をそのままダウンロードして楽しめる、SoundMarket(サウンドマーケット)。
試聴した後で、気に入った曲だけをダウンロードすれば、feel H"(対応機種) がCDなみの高音質ミュージックプレーヤに。また、 対応機種を持っている人に、プレゼントを贈る人が情報料(*1)を負担することにより音楽データなどをプレゼントできます。音楽の他にも英会話講座や落語などさまざまなコンテンツも楽しめます。 
現在、「ケータイdeミュージック」方式と「SDAIR」方式、2つの方式でそれぞれサービス中です。
*情報料の回収はDDIポケットがコンテンツプロバイダに代わって、通常の通話料と同時にお客様に請求いたします。(料金回収代行)
■ サービス内容
Sound Marketから好みの音楽データなどをダウンロードし、メモリーカードに保存できます。
試聴
購入やプレゼントをする前に試聴することができます。試聴はダウンロード不要です。その場ですぐにお聴きいただけます。 実際にダウンロードする音質とは異なります。
プレゼント
対応電話機を持っている人に、メッセージ、画像をつけてプレゼントを贈ることができます。 贈った人は、相手が受け取ったかどうかを知ることができます。プレゼントは贈った人が情報料を負担しますので、受け取った側は通話料のみで音楽などをダウンロードすることができます。
(注)本機能は同方式対応端末間のみご利用いただけます。
端末間コピー機能(ケータイdeミュージック方式のみ対応)
公衆回線やトランシーバを使用して、音楽データをコピーすることができます。コピーされたデータは暗号化されておりますので、「パスキーダウンロード」を行うことによって暗号が解除され、音楽などを聞くことができます。
(この機能は電話機のオプション機能です。)
パスキーダウンロード(ケータイdeミュージック方式のみ対応)
今後発売される、セキュア・マルチメディアカードなどのメモリーカードのデータの読出し、書込みができるリーダ・ライタ(*2)や端末間コピー機能を使って暗号化された音楽データを入手し、暗号を解く「パスキー」だけをセンターに取りに行く機能です。通常のダウンロードとは比較にならないほど速い時間(数秒)で音楽などを聴くことが可能となります。
*2:株式会社アイ・オー・データ機器より発売中。USBタイプでMicrosoft(R)Windows(R)98/98SE/Me/2000、MacOS8.6~9.1に対応しています。
CDショップ案内
位置情報検出機能により登録されたCDショップの中から自分が現在いる場所に近いCDショップが表示されます。また、住所、店名によりCDショップを検索することができます。
CD通信販売
H''LINKセンターへの自動接続機能により、提供会社 株式会社エムティーアイ、情報元 株式会社ネオ・ウイングで提供する通信販売サイトからCDを購入することができます。

■ ご利用料金(全日)
全国一律
13円/60秒 10円/回
各コンテンツごとの設定料金をダウンロード終了時に課金
*3 通話料は、メニュー閲覧・試聴・ダウンロードごとに適用されます。また、各コースとも掲載の料金が適用され、スーパーパックL/Sの無料通話の対象となります。
■ 「ケータイdeミュージック」とは
三洋電機株式会社、株式会社日立製作所、富士通株式会社、日本コロムビア株式会社の4社で進める、移動体電話機に音楽を配信する方式です。
<「ケータイdeミュージック」の主な特長>
(1)データ圧縮方式にMP3を採用
音楽データをそのままダウンロードするにはデータ量が大きすぎるため、「MP3(正式名称:MPEG-1/Audio Layer3)」という圧縮方式で、CDから取り出した音楽データを約1/10にしてダウンロードします。圧縮された曲(メモリーカード内にダウンロードされた曲)はCD並の品質で再生することができます。
(2)著作権保護技術にUDAC-MBを採用
暗号化されたデータとその音楽を再生する(暗号を解く)ために必要なライセンスキー(*4)の2つを別々に取り扱い、この両方の整合性が取れた場合に再生を可能にする「UDAC-MB」というコンテンツ保護技術を用います。暗号化された音楽データは電話機同士でコピー等を行って取得することができますが、その音楽を再生するには別途ライセンスキーをダウンロードする必要があるため、コピーされた音楽データが不正に使用されることはありません。
*4: Sound Marketでは、ライセンスキーを「パスキー」と呼んでいます。
(3)メモリーカードにセキュア・マルチメディアカード(SMMC)を採用
UDAC-MB方式に基づいて。ダウンロードする音楽に暗号化・(再生できるように)復号化する機能を搭載する著作権保護機能を持ったメモリーカードがセキュア・マルチメディアカード(SMMC)です。
セキュアマルチメディアカードをオンラインで購入できます!
対応電話機等
機種をクリックすると各商品情報のページへリンクされます。
対応電話機 三洋電機製 RZ-J90
RZ-J91(対応プレーヤ付属)
京セラ製 PS-C1
対応プレーヤ 三洋電機製 RZ-RM1
対応USBリーダ/ライター アイ・オー・データ機器製 USB-MMCRW
対応カード 日立製作所製 セキュアマルチメディアカード(64MB/32MB)
■「SDAIR」とは
株式会社東芝、松下電器産業株式会社、九州松下電器株式会社、株式会社ミュージック・シーオー・ジェーピーの4社が共同開発したSDメモリーカードに音楽を配信する方式です。
<「SDAIR」の主な特徴>
(1)データ圧縮方式にAACを採用
BSデジタル放送やインターネットによる音楽配信に採用されている高音質圧縮技術の「AAC(正式名称:MPEG2 Advanced Audio Cording)」方式で、音楽データをSDメモリーカードへダウンロードします。
(2)著作権保護技術にEMMSとCPRMを採用
音楽データの不正コピーを防ぐための著作権保護技術として、EMMS(Electronic Media Management System)とCPRM(Contents Protection for Recordable Media)を採用しています。これらの方式を使うことにより、音楽データの強力なセキュリティ配信や安全な格納を行います。
(3)メモリーカードにSDメモリーカードを採用
SanDisk、松下電器産業株式会社、株式会社東芝の共同開発による著作権保護機能を内蔵したSDメモリーカードに対応しており、切手サイズで大容量・高速転送を実現しています。
対応電話機等
対応電話機 東芝製 DL-B01
Panasonic製 KX-HS110
対応プレーヤ 東芝製 MEA212AS
対応カード Panasonic製 SDメモリーカード
(64MB/32MB/16MB/8MB)
東芝製 SDメモリーカード(128MB/64MB/32MB)
■ お問い合わせ
サービスについて
DDIポケットサービスセンター
受付時間 平日9:00~18:00、土9:00~17:00
TEL 116(feel H"、H"、ポケット電話から)
0077-775(一般電話、公衆電話から)

DDIポケット
http://www.ddipocket.co.jp/joho/sound_market/i_sound_market.html

 
















【ビジネスシヨウ2001】DDIポケット、ブースはAirH"一色
DDIポケット DDIポケットのブースは、6月1日より提供を開始するデータ通信サービス「AirH"」一色に染まっていた。
同社のブースでは、AirH"の提供開始と同時に発売されるセイコーインスツルメンツ製のPCカード型PHS「AirH" Card」(MC-P300)、5月11日より販売されている日通工製のコンパクトフラッシュカードタイプのH"端末「C@rdH"64 petit」、4月末よりオムロンと京セラからそれぞれ販売されているBluetoothアダプタに加え、今夏TDKより発売される予定のコンパクトフラッシュサイズの同様の製品「AirH" Card petit」が展示されている。
あわせて、今秋より提供する予定の128kbpsのパケット通信サービスに対応したPCカード型PHSも参考出品されており、同社がfeel H"の“赤”からAirH"の“青”にイメージ転換を図ろうとしていることがうかがえる展示内容だった。
AirH" Card C@rdH"64 petit
AirH" Card petit128kbps通信対応カード
一方、feel H"端末については、記録メディアにSDカードを使った新たな音楽配信方式「SDAIR」に対応したパナソニック製端末が参考出品されていた。発売時期等の詳細については未定とのこと。なお、同端末はパナソニックのブースでも展示されている。
パナソニック製SDAIR対応端末
このほか、未来を感じさせる展示としては、昨年10月に開催されたCEATEC JAPANにも参考出品されていた腕時計型のPHS端末が様々なボディカラーで登場。発売時期については未定とのことだが、同社によると、そう遠くないうちに商品化が実現できる見通しだという。
面白いものとしては、PHSネットワークを使った512kbpsでの高速インターネットアクセスの実験基板も展示されている。今秋スタートする予定の128kbpsでのパケット通信サービスで使うPCカード型端末を4つ使って512kbpsでの高速アクセスを実現しようというもの。こちらについても商用化の時期は未定とのこと。
腕時計型端末 512kbpsデータ通信の実験基板
■URL
・DDIポケット
http://www.ddipocket.co.jp/
(湯野 康隆)
2001/05/22 20:06

ケータイWatch   
http://k-tai.impress.co.jp/news/2001/05/22/bizsw5.htm

DDIポケット
http://www.ddipocket.co.jp/joho/sound_market/i_sound_market.html

2024年3月28日木曜日

[ゲーム][PS] 伊集院光『深夜の馬鹿力』ゲームレビュー/24.3.22〜『ドラゴンズドグマ2』,『アローン・イン・ザ・ダーク3』 ほか

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[ゲーム][PS] 伊集院光『深夜の馬鹿力』ゲームレビュー/24.3.22〜『ドラゴンズドグマ2』,『アローン・イン・ザ・ダーク3』 ほか
…そもそも構成スタッフっていうのは,俺のおしゃべりの方向性を決めるわけじゃん。それが純愛エロゲーの話って…もう台無しだョ(笑) 今日など消去です(笑) …あとは,何の話しようとしたかな? さっきの純愛エロゲーの話とは切り離して欲しいんだけど。
えっと,最近ゲームメチャメチャ手出してて。ネタを選んでは『風楽のシレン』やってて。んでシレンだけだと,なかなか昼間のラジオ番組から夜のラジオ番組に切り替えられないから,同時に『FF7リバース』やって,その前には『アナザーコード』とか『パラノマサイト』とかも同時にやって。まぁ『シレン』 やって,死んでる間とか,そのあれですよ…瓶ちゃんだけじゃないですよ。僕は「100年残るようなラジオをやっていこう」って決意した。その矢先に来てるあなたたちのネタは何ですか?(笑) 基本的にはみんなで2秒で忘れようっていう…ラジオ終わって,寝る前に必ずコメカミを木槌で叩こうっていう…あんまり使うことがない木槌の釘抜の方でコメカミを叩いてから寝ないと頭に残っちゃう…っていう(笑) 今時だと,すぐにアーカイブスに残るとか,とんでもない話ですよね。
頭を切り替えるのにゲームを何タイトルもやっていて。
✔『ドラゴンズ・ドグマ2』
で,そのFF7,風楽のシレン,アナザーコード,パラノマサイトは,いわゆるアドベンチャーゲーム ってヤツ。それがとりあえず終わって,んでさらにここに『ドラゴンズ・ドグマ2』 っていうのが発売されまして。これがまた面白くて。これ前にも話してたけど,前作の『ドラゴンズ・ドグマ1』が出た時が何十年前の謎のゲームで。基本一人でやるゲームなんだけど,自分に召使いみたいなヤツが付いてる。んで3人付けられたら,1人がその召使いが俺のオリジナルキャラで,んでキャラ作って,一緒にお供する。さらには後の2人は,他のプレイヤーの作ったキャラや,ゲームオリジナルみたいなキャラがいるんだけど,そいつらを連れて4人旅するんです。
このお供の3人はAIで動いてるので,だいたい僕を助けてくれたりとかするんですけど,キャラエディットが相当にできる。普通は一番最初に自分のキャラを適当に作って始めちゃうんですけど,ちゃんと作り込んで始めようっつっていう。クラスは多分勇者だと思うんです。職業もファイターにしましたし,この世界を救う覚者なんだけど,記憶をなくしてるみたいなヤツで,職業をファイターで選んだ後に,身長や体格とかも全部設定出来るから,身長が160cmぐらいで小太りで,なのに筋肉がほとんどなくて,髪の毛が,昔のコントに出てくる校長先生みたく,サイドだけ生えてて上がツルツルの。もうサイドしか残ってない髪の毛で,ちょび髭っていうヤツで(笑)早乙女カレンっていう名前なんですけど(笑) この早乙女カレンを作り出すわけです。んでタトゥーとか入れられるから,タトゥーの位置と大きさを調整して,両乳首を両サイドから狼が噛んでるっていう,狼が微妙に噛むか噛まないかの感じの柄のタトゥーやってんだけど,こいつ冒険の時は鎧に着替えやんの。せっかく俺が良い位置に狼のタトゥーを入れた早乙女カレンが,お供をしているヤツの名前なんですけど。もう一人のお供が,ポーンっていう名前の2mの老婆。身長2mの白髪のお下げ髪で,汚れとか設定出来るから,その汚れパラメータを最大にして,もう泥だらけの。もうお前どうした?っていう2mの,なんか手が細かくて長い老婆っていうね。姿勢の角度も決められるから,早乙女カレンは,いつもふんぞり返った町工場の社長みたいな感じで。老婆は猫背でずっと歩いてるけど,なぜか弓の名手みたいのを連れて歩いてんのね。でこれがすごいのは,ネットゲームだから,こいつらは別のパーティと交流すんの。んで俺らが寝てる間に,どうやら他の人に呼び出されて,ポーンって言うんだけど,そのお下げ髪の老婆は誰かのお供をしてるらしい。でいて目覚めると「別の世界に行ってました」つって別の世界の人のくれたものを持ってきたりとか,鍛えられたりとかするっていう謎のシステムなんだけど。
シリーズの『ドラゴンズドグマ』が,その後すごいネットワークに対応したバージョンが出たんだけど,俺的には,「ネットワークがあんまりにキチンとしちゃうと俺なんかちょっと…」っていう…辛くなっちゃうんだよ。なんか「このキャラの向こうには人がいるから,あんまりぞんざいな 口も聞けないな…」とか。「もう眠いから寝るとかだめだな」って思っちゃうから,その完全ネットワークゲームの『ドラゴンズドグマ』続編は全然触れなかったんだけど,ついにまたその初心に帰った感じのが出たんで。今もあの老婆キャラ,ネットワーク空間でウロウロしてるよ。でも思ったのが,やっぱりこういう「緩やかにつながってるゲーム」が多分好きなんだと思う。『風来のシレン』も一緒に旅なんかできないんだけど,僕の死んだヤツを助けてくれたり,誰かの死んだヤツを助けるって交流はできる。この限定された緩やかな結びつきが,多分僕の好きなゲームの壺なのかな。
✔『ポケモン・バイオレット』
あとあれも始めた。『ポケモン・バイオレット』 。ニッポン放送の前島花音アナがすげぇポケモンが好きで,話聞いてたら,久しぶりにポケモンやりたいなと思って。今もちょっとずつは触ってるのと,あと『ポケモンスナップ』とかすげェ好きだから,ある程度のポケモンの名前わかるんだけれども,ちゃんとやったのいつだろう?『ポケモン赤/緑』って,今でも覚えてるのは,一番最初はゲームボーイ版でポケモンが出た当時,俺はゲーム番組やってたから ,いろんなところでインタビューとかもしてるのね。その時に最初出た『ポケモン赤/緑』って2バージョンで出ることって,当時のゲームじゃあなかったから「この2バージョンってどうしてなんですか?」って訊いたら「モンスターの出る確率が違うから,例えば兄弟で2個とか,お友達で2個違うの買えば 交換ができたりとか,それがすごい楽しいゲームに発展すると思うんです」つって言って。そんな考え方なんだと思った。同じゲームで,モンスターの発生確率とか変えて,これはアイディアだなと思ったんだけど,予想外に2個買う人が多かったんだよね。で異様な売れ方をして,ポケモン自体も面白いし,金持ちの子が一人で2種類買って,ケーブル繋いで交換…みたいなことを始めて,割と思ったのとは違う使われ方が始まるわけ。そうすると他の会社が「これはゼニが儲かるな…」ってなり,他の会社がそこに目を付ける。こういうのって,開発費は倍にはならないじゃん。倍には全然 ならないから,◯◯バージョン,◯◯バージョン…ってゲームをいっぱい作り出し,さらにはそこにレアカード封入みたいなことをやり始めて,このシステムはゼニになるって感じに発展していったのが僕のポケモンの思い出で。それからあんまやらなくなって,まあまあちょっと触るぐらいになってたので。久々やって面白かった。
✔『アローン・イン・ザ・ダーク3』 
さらにもう1個,久々にやるゲームっていうんで
『アローン・イン・ザ・ダーク3(Alone in the dark 3)』っていう。これはすごいのは『Alone in the dark』はもうおじいさんしか覚えていないゲーム。そのバージョン3。パナソニックの「3D o' Real」っていうゲーム機があったんです。当時「うちも負けないぞ」つって パナソニックが出した未来のゲーム機。当時「すごい性能なんだぞ」っていう「3D o' Real」。今じやもう無かったことになってますよ(笑) 当然Pipin@(ピピンアットマーク)って,アップル社が出したヤツと,その「3D o' Real」っていうゲーム機。パナソニックさんは 「何言ってんすか? 聞こえませんけど…」って感じに今なってますけど(笑) その「3D o' Real」っていうところで『Alone in the dark 3』っていうのが出て。これのすごかったのは,当時 なかったのは「3Dグラフィックでアドベンチャーゲームをやります」。謎の洋館みたいところに女の人が一人で入って,バケモノ退治や謎解きをしながら,しかもメチャメチャ難しいんだけどね。で,うっかり 歩いてると,窓を突き破って犬が飛び込んでくるっていう。これが初の3Dポリゴン・アドベンチャーゲーム。その後に『バイオハザード』とか出てくる。これはTBSラジオのアーカイブスに動かぬ証拠があるんだけど,当時カプコンにいた岡本さんっていう,調子のいい人で人生のアップダウンのメチャメチャ激しい人なんですけれども。当時『バイオハザード』大ブームの時に,ラジオのゲーム番組にその岡本さんが出て。その時はカプコンの社員で『バイオハザード2』のスーパーバイザー関わってる人が『アローン・イン・ザ・ダーク』 の話になった時に,「言っていいの? 俺は知らないよ?」って俺は言ったけど「『バイオハザード』は『アローン…』のパクリだ」ってラジオで公言した。すごくない? 俺の中で「うわっすごい」と思ったけどっていうぐらい。
『アローン・イン・ザ・ダーク1』って,初期のポリゴン だから,グラフィックに似ても似つかないんだけど。今から30年ぐらい前のゲームかな?その3D o' Realも今のPS5と比べたらまあ性能悪いです。当時は夢見ましたけど。想像して。『バイオハザード1』のグラフィック ,主人公のキャラクターのグラフィックのポリゴン数が,今の『マイン・クラフト』ぐらい(笑) それを真剣にやってたから。こっちは真剣にやってて,それが海外でちょっとヒットして,3も4も出て,多分映画にもなってんだけど,僕はもう『バイオハザード1』ものすごい難しかったから,それ解いたところで力尽きて。でも楽しかった。すげー楽しかった思い出があるんですけど,もうなんすかね…ギザギザのポリゴンがずっと歩いてましたよ。なもう何て言うんですか…普通にあれを想像力で女だとかゾンビだとか思ってることがすごいからね。
で,その『アローン・イン・ザ・ダーク』の続編が急にプレステ5版が急に出て。で,『ファミコン通信』編集部の浅田君ってすごい仲良しの編集者が「伊集院さんあれ好きでしたよね,あれめちゃくちゃハマってましたよね…あの続編が出たんですよ」って聞いたら,もうさ…Amazonの段ボールをカッター切って,上手に女の人を作ろうと思ったら全然できるぐらいのグラフィックのヤツだったのが,もう一気にバイオの一番新しいのと並ぶレベルのグラフィックになってる。もう映画クオリティになってるわけ。その…これじゃない感ってすごい(笑) これも難しいもんで,ウチの母ちゃんが,爺ちゃんが懐かしがるだろうと思って作ったすいとんをさ,爺ちゃんが食った時「このすいとんは美味過ぎる!! もっと寂しい感じのヤツだ」っつって。「何で具がこんな入ってんだ! 戦後すぐに食べてたすいとんはこんな美味しくない!」って怒っちゃって。「前のヤツの食いかけの麺が入ってない!」って怒ってた(笑) 本当にそれに近いような。こうなっちゃったら,もう俺の中では途中のやつをやってないから,もう同じゲームとしては全然行けないわつって。しかも難しさも,今回も筋金入りに難しいらしいらしいから,おそらく今の僕では頑張れない気がする。なかなかその黎明期のゲームをやってたおじさんからすると,さっきの純愛エロゲで主人公が自分の名前呼んでくれるとかさ,すごいね。『ときめきメモリアル』っていうのが出た時に,俺の憶えてる限りでは初めての恋愛シュミレーションというか,恋愛ロールプレイングっていうかさ 。ゲーム出た時に,俺と俺の周りのゲーム雑誌の反応は本気30%冗談70%で「恋愛なんてものまで数字のパラメータにするってちょっと面白くない?」っていう,そういう変わった位置があったんだけど,蓋開けたらまあヒットするじゃん。 その何作目かで,主人公がしゃべることになったんだよ。今はすごいな…何万円か出したら,声優さんが録ってくれるって。 ほぼ 声優さんの手持ちぐらいだもんね。だけど当時はもうひらがなで「ひかるだいすき」みたいな。しかも当時,恋愛シミュレーションゲームに対する偏見というか,俺自体の中にあった,俺のモテなさに対するコンプレックスがひどくて,本当は「光」どころか,本名は田中健ですから「健」って名前を付けたいんですけど「それ入れちゃって本当に楽しくなっちゃったらダメなんじゃねえか」つって,なんか「野辺山」みたいな,そういう名前つけてやってたのとか思い出すね。もうちょっと最近本当にゲーム 面白すぎて。今日もプロスピの新しいの発表されてたけど,もう実写だよね。最初にスーパーカセットビジョンでやってた頃って,漢字の「大」っていう字だからね。それを選手だと思ってやれたからね。いやなんかすごいよ。未来に来たよ。

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2024年3月11日月曜日

[OS][設定] Googleアシスタントの管理(機能オフ)




[OS][設定] Googleアシスタントの管理(機能オフ)
ID非公開さん
2019/1/21 16:18
イヤホンやヘッドセットを使うとGoogleアシスタントが勝手に起動します。イヤホンやヘッドセットを使うとGoogleアシスタントが勝手に起動します。 正確に言うとイヤホンだとリモコンで音量を上げると、ヘッドセットはジャックを動かすと。 反応しなくなる設定や、Googleアシスタントを完全に無効化する方法はありますか? スマホ AQUOS R(auでの端末名SHV39) OS Android9.0 Google 8.91.5.21.arm64
補足
Googleそのものを無効化等は無しでお願いします。
hiroさん
2019/1/21 22:34
端末の設定 → Google → 検索、アシスタントと音声 → googleアシスタント設定 → アシスタント → スマートフォン → GoogleアシスタントをOFFにする。 これで、どうでしょうか?

Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12272189937
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13282224163




PTTボタンを操作した時に発話までに時間がかかったり、Google音声アシスタントが起動する(Android)
市販の汎用イヤホンマイクや、トグルイヤホンマイク(MKI-G1)は、押しながら通話に対応していないため、ボタンを長押しすると、音声アシスタントが起動します。これらのイヤホンマイクは、「ボタンを押して開始/終了」モードでご利用ください。
※有線イヤホンマイクで押しながら通話をしたい場合は、こちらで紹介している製品から「押しながら通話(PTT)」に対応したものをお選びください。
音声アシスタントが有効になっている場合、有線イヤホンマイクのPTTボタンを操作した時に発話までに時間がかかったり、通話が開始されないことがあります。
■無効化する項目
Google音声アシスタントによる影響がある場合は、以下の項目を無効化することをお奨めします。
• Googleアシスタント
• Googleがお手伝い
※ ご利用の機種や、Androidのバージョンにより、「Googleがお手伝い」の有無は異なります。
■Google音声アシスタントの無効化の手順-1
(Googleアシスタント画面を開く)
※ 画面上の表示や手順は、ご利用の機種やAndroidのバージョンによって異なることがあります。
▽ホーム画面から設定を開く
▽設定画面を表示
▽「Google」>「Googleアプリの設定」>「検索、アシスタントと音声」>「Googleアシスタント」の順にタップ
▽アシスタントの設定画面を表示
▽アシスタントの設定画面で「全般」をタップ
▽「Googleアシスタント」を無効化
■Google音声アシスタントの無効化の手順
(Googleがお手伝いの無効化)
▽ 有線イヤホンマイクを接続
▽ 手順-1で開いたアシスタントの設定画面で、「デバイス」>「有線ヘッドホン」の順にタップ
▽「Googleがお手伝い」を無効化
一部の機種では、デジタルアシスタントアプリを「なし」にしても、音声アシスタントによる影響が解消しないことがあります。解消しない場合は、Googleアカウントにログインして「Googleアシスタント」と「Googleがお手伝い」の無効化をお試しください。お見積りや製品紹介のご依頼は直接弊社の販売パートナーにお問合せいただけます

Buddycom
https://www.buddycom.net/ja/faq/guide-19.html










heh********さん
2023/7/7 17:01
イヤホンをつけると勝手に時刻が読み上げられます。どうにかできませんか? Xperia10iiつかってます。 イヤホンは有線でボタンとかは付いてません。
イヤホンをつけると勝手に時刻が読み上げられます。どうにかできませんか? Xperia10iiつかってます。 イヤホンは有線でボタンとかは付いてません。 角度によって左だけ聞こえなくなることがあります。大抵その時に勝手に時刻読み上げ、音量上下、次の動画再生されます。 TalkBackは解除してあります。 設定アプリで全部の項目を確認したのですが該当するものは見つかりませんでした。 多分イヤホンにボタンついてて音量なり動画再生なり操作できるよ~ってやつと間違われてるんだと思います。 パソコンだとイヤホンからの操作をオフにする設定とかあるのでXperia10iiでも変えられないですかね?
Android | スマートフォン・4,047閲覧・50
回答(1件)
kum********さん
2023/7/7 19:12
私の場合、Googleアシスタントが勝手に起動する症状でした。 原因はアプリ不調やバグでなく、イヤホンジャックの汚れと接触不良でした。 マイクから入力があったと誤認して変な動作をしていたようです。 プラグにホームセンターの接点復活剤を塗り、ジャックに挿して数回グリグリしたら治りました。 同じ症状とは限りませんが参考までに

Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12272189937
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13282224163







Googleアシスタントからのヘッドフォンへの通知を管理する
Android スマートフォンまたはタブレットに接続されている一部のヘッドフォンでは、新着メッセージやメール、近日中のカレンダーの予定について Google アシスタントから通知を受け取ることができます。一部のメッセージ アプリやチャットアプリでは、Google アシスタントに新着メッセージの内容を読み上げてもらうこともできます。
✔通知を聞く
ヘッドフォンのボタンまたはタッチエリアを押して、Google アシスタントに通知を読み上げるよう依頼します。
通知がある場合は、Google アシスタントが読み上げます。
✔音声通知をオンまたはオフにする
▽Android スマートフォンまたはタブレットで、「OK Google, アシスタントの設定を開いて」と話しかけます。
▽[デバイス] をタップします。
[個人用] でヘッドフォン [音声による通知] をタップします。
[音声による通知] をオンまたはオフにします。
ヒント: 特定のアプリの音声による通知をオフにすることもできます。
▽サイレント モードをオンまたはオフにする
スマートフォンで新しい通知音を鳴らしたくない場合は、サイレント モードをオンにする方法をご確認ください。
▽サイレント モードをオフにしても、新しい通知音が鳴らない場合は、メディアの音量が大きく、スマートフォンがマナーモードになっていないことを確認してください。
✔メッセージに返信する
新しいメッセージが届いたら、Google アシスタントに話しかけて、送信者への返信メッセージをすぐに返すことができます。
新しいメッセージが届いたら、電子音が聞こえるまで待ちます。Google アシスタントが数秒間、ジェスチャーを待ちます。
電子音が聞こえている間に Google アシスタントとの会話を開始するジェスチャーをして、返信するメッセージを音声で伝えます。
Google アシスタントがそのメッセージを復唱し、送信するか変更するかを尋ねます。
■通知と Google アシスタントの言語設定の仕組み
スマートフォンとアシスタントで異なる言語が設定されている場合、Google アシスタントは受信したメッセージの言語で通知を読み上げようとします。最良の結果を得るには、アシスタントのメイン言語とスマートフォンのシステム表示言語を同じ言語に設定してください。

Google
https://support.google.com/assistant/answer/7515695?hl=ja



2024年3月6日水曜日

[市場][運輸] Marc Levinson『コンテナ革命』〜岡田斗司夫ゼミ



[市場][運輸] Marc Levinson『コンテナ革命』〜岡田斗司夫ゼミ
YouTube『岡田斗司夫チャンネル』/モノが安くなって僕等が貧しくなった理由
24.3.1
毎月1日は限定解除として,有料会員しか見られない動画の中から1本を選び,1週間だけ 無料公開しています。2024年3月の限定解除は,ひろゆきさんの推薦図書でもある『コンテナ物語』という本を紹介した動画です。この動画は2021年1月31日に配信した「岡田斗司夫ゼミ第380回」を限定部分まで含めて無料配信します。限定部分まで合わせると本当に2時間あるんです。2時間もの長丁場ですけども,めちゃめちゃ興味深い話なんでぜひ最後までお付き合いください。それでは1週間だけの限定解除動画,3月8日までになります。公開時期は1週間だけなので,ご視聴は早めにお願いします。限定解除動画スタートです。
■ 2020年読んだ中で一番面白い本
こんばんは岡田斗司夫ゼミです。今から30年ぐらい前,20世紀の終わりに情報革命,いわゆるIT革命というのが 起きて,僕らにの生活は一変した。これはもうみんな知ってることですね。毎日ニュースでもやってます。で,実はこれとだいたい同じ時期に物流革命という大きな変化が起きてるんですよ。まあ同時期っていっても,実際始まったのは1960年代 なので時期が早いんですけども。あの 実際の物理的な革命なので,ゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくり進行して,20世紀の終わり ぐらいにほぼ完成したと言っていいんじゃいいんじゃないのかな?その鍵を握っているのが,貨物船とか 貨物列車,あるいは大型トラックに乗っているコンテナという巨大な鉄の箱なんですね。この巨大な鉄の箱にいろんなものを入れて,そのコンテナごと運んじゃうというのがコンテナ革命なんですけど,そのコンテナの誕生から普及までの歴史がまとめられているのが,今日紹介する『コンテナ物語』という本です。この船は港でよく見るこの「コンテナ船」ってヤツですね。これ,コンテナ船で,ここであのいろんな色になっているのが,一つ一つのコンテナなんですね。で,そんなコンテナが何百個〜何千個と載ってるのがコンテナ船で,人間が乗る部分は,すごいちっちゃい部分だけなんです。ひたすらコンテナが乗っていて,船の中もガラガラになっていて,本当にこのコンテナを運ぶ 機能しかないです。こういう船が世界中の港に行き来するようになった。
かつて日本も,物流大国として例えば 横須賀とかいろんなところに拠点があったんですけど,このコンテナ船が世界の中心になるとはなかなか思ってなかったので,このコンテナ船の対応が遅れてしまったので,今日本は世界の物流 も,多分昔は三大拠点か四大拠点の1つだったんですけど,今十大拠点の一つぐらいのところまで規模が落ちてるんじゃないのかな。このコンテナの誕生から普及までが『コンテナ物語』の本なんですけども,この本を読めば,なぜ100円ショップはあんなに安く物が売れるのか?とか,なぜ僕らの生活はこんなに物が安くなってるのに,どんどん暮らしが厳しくなっていくのか?まで全てわかるという。ひろゆきさんも薦めるはずですね。今日の動画で,そんなコンテナの物語っていう本の見どころをわかりやすく解説してます。超簡単にこの『コンテナ物語』は分厚い本なんですよ。この分厚い本,日経BPから出てる本なんですけども,ひろゆきが紹介してたから読んでみたんですよ。ひろゆきが,だいぶ前に書評 書いてて「この本はすごくいいぞ,なんでかって言うと,5つの条件がある,
1,これから先10年以上 役に立つ
2,結論までの流れと理由に筋が通っている
3,ちゃんと面白い
4,事実と数字が並んでて,個人の感想ではなくエビデンスがある
5,その割にはちゃんと意外な結論に達しているとで読んでて 面白い
この5つの条件をすべて満たしてる」っていう風に言われてそうなんだと思って 読んだ。まあ面白くて,僕が2020年に読んだ本の中で明らかに一番面白い本だったんですね。なので,ちょっと今日は これを皆さんにプレゼンしてみようと思いました。
■ コンテナ革命,グローバリゼーションの骨格の形成
まあ,ひろゆきがこれを紹介する文章の中で書いてたのが「上海から東京までだいたい30の荷物を運ぶと,今だとコンテナで大体30万円ぐらいかかる(ひろゆきが書いた当時) 」。で今は,実は国際的にコンテナの運送価格っていうのはすごい上昇していて,50万円ぐらいになってるのかもわかんないですね。で,その頃は,上海から東京まで30万円ぐらいで運べたと。しかし群馬の工場から東京まで,同じ30トンの荷物を運んだら30万円では絶対送れないと。海上輸送が異常に安くなっちゃったので,人件費の安い国で生産するようになった。海外製品を輸入することが当たり前になった。そしてそれが低コストに繋がるようになったんです。今聞くと当たり前の聞こえるんですけど,その当たり前がどのように実現したのか っていう本 なんですね。今日のゼミはこの『コンテナ物語』を取り上げて,一般にはあんまり書かれてないいろんな世界の事情なども説明していこうと思います。
そもそもじゃあコンテナとは何なのか? これ,1/35のコンテナのプラモデルをわざわざ組んだんですよね。まぁ特徴は,横が40ftで高さも幅も8ftぐらいだから,2.4m 2.4mで全体がだいたい12mぐらいのものだと思ってください。日本ではこの半分のサイズが多いですけど。で片側にドアが付いてて,こっちのドアを開けて物を入れるけど反対側にはドアが付いてない。なんでかって言うと,コンテナって,だいたいトラックで後ろ向きに運ぶんですよね。で,大昔の2つドアがあった時代は,急ブレーキかけた時にコンテナの中に物がいっぱい積んだ場合に,急ブレーキかけると,中のものがポーンと運転席に当たって,運転席の人の後頭部を直撃して死亡事故というのが起こったんですね。そういうことがもうないように,ドアが1つになった。急発進でものが溢れるということはほぼないんですよ。だいたい事故での急停止の時に事故がおきる。だから片側にしかドアがないわけですね。このドアの所にいくつもいくつも 記号みたいのが書いてあるんですけど,この記号が国際規格になっていて,だいたいこの記号とか数字とかを見れば,そのコンテナがどういう内容でどこのコンテナかというのがわかるようになっていて,コンテナ 一つ一つにいわゆるマイナンバーのようなものが付いているわけですね。これが積み上げることができるんですよね。四隅にちゃんと力かかっても大丈夫になってるので,どんどんどんどん 積み上げることができて,船とかで運ぶ時は7段ぐらいに積み上げて運ぶのが当たり前になってます。映画『レディー プレーヤー』観た人は憶えてると思うんですけども,あの 主人公が住んでたのが 超貧乏なスタックハウスっていうところなんですけど,そのスタックハウスとかスタックタワーというのが このコンテナを積み上げて住んでる家 なんですね。このコンテナっていうのは,実は環境としても すごく良くて,わりと安くてかっこいい。中古でだいたい30万円ぐらいで,綺麗な新品でも50万ぐらいで買えるんですね。なのでこれを買ってつなげて家にする人も多いです。そしてこれがあると倉庫がいらない。なんでかというと,これが登場する以前は,みんな木箱とか布袋に入れていたわけですね。荷物とかを1箇所に集めていた。船に載せる時って,1週間とか2週間ぐらい前から,日本中とかアメリカ中から荷物が集まってくるわけです。そうすると雨に濡れちゃうじゃないですか?だから倉庫がいるんですよ。荷物を1回倉庫に入れて,倉庫からまた出して…ってことやらなきゃいけなかったんですけど,このコンテナに入れると,これ自体が いわゆる その防水機能があって,雨が 通さないようになってるんですね。なのでコンテナ自体が倉庫の代わりになるというめちゃくちゃ 便利ものだったんですよ。あとコンテナには,厳重なロック付いてる。ここにさらに鍵とかつける。そうなると何になるかというと泥棒対策になると。マーティンスコセッシ監督『グッドフェローズ』観た人は知ってると思うんですけども,かつて 空港とか波止港とかもそうなんですけども,当時は泥棒が当たり前にいた…というより波止場や港にいる人の半分ぐらいがバイトで泥棒をやってたというのがあってですね(笑),荷物が木箱 だった時代は,すぐに開けれるから,中のものを盗んじゃうんですね。腕時計とかすごい 狙われるんですよ。腕時計とかいわゆる すぐにポケットに入れてちょろまかすことができるから,だいたい船で輸送するというのは,もう盗難されるのが当たり前だった時代があったんですけど,このコンテナ自体が金庫になることがすごい便利な発明なんですよね。一方で,コンテナには特殊な用途のものもあります。液体を運ぶ用の液体コンテナですね。タンク なんですけど,タンクの四隅に金属の柱をつけて コンテナトップしてるんですよ。これがあるとこの端っこそれぞれにボルトが入るロックがあって,ここに固定ボルトが入って,90度回転すると 吊り上げたりロックすることが簡単になるんです。だから今はもう液体もこういうコンテナ型の囲いに入れて運んでます。下の方が冷凍冷蔵コンテナです。ちょっとわかりにくいんですが,内部にダイキンの巨大なエアコンが付いてるんですね。冷蔵にしたり冷凍にしたり温度を自由に設定できるんですね。こういうものが全て同じ規格,同じサイズで作られているので,この液体 コンテナと普通のコンテナとこの冷凍冷蔵コンテナを全部自由自在に組めるんですよね。これがコンテナです。で工場でですね。製品を今のコンテナに載せます。詰めていきます。で,それをそのまま封印してロックかけたまま運びます。税関以外ではロックが開けないでこのまま 運んじゃうんですね。昔だったら,荷物の中身が何なのか分かったから,それが盗まれる原因にもなったんですけども,今はロックされて,どうなってるのかわからないですよね。
20世紀末からどうなってるのかっていうと,このコンテナごとでっかいトレーラーに乗せるようになったんです。コンテナ運ぶ専用のトレーラーです。トラッカーヘッドですね。運転席があるトラック部分にエンジンとかついてます。正確にエンジンは車体下についてるんですけど。その上にコンテナが乗っかってるんですね。で,これをこのまま港まで運ぶ。このまま港まで運んじゃうんです。 すごい楽なんですよ! で今みたいにトラックで運ぶ場合もあるんですけども,列車で運ぶ場合もあります。これはいわゆるコンテナ専用の貨車ですね。鉄道で貨車の上にそのまま40フィートコンテナをこのまま乗っけちゃうわけです。このまま乗っけて走らせるわけですね。で港に着くとコンテナを外して船に乗せるわけですね。コンテナを運ぶ専用線というやつですね。だいたいこのクラス,今コンテナ運ぶのの主流ってこのクラスの船になってるんですけど, 1万個ぐらいコンテナが乗る船ですね。全長で350mぐらいですか?戦艦大和より大きいです。40フィートクラスのコンテナが1万個ぐらいになります。この中のブロック一つが40フィートでこの中に物をいっぱいに詰めて船にどんどんどんどん載せていくと。 これでコストがめちゃくちゃ安くなったという話なんですね。
で,日本ではこういう大型のコンテナが港に付けられる。港っていうのは東京と横浜と名古屋と大阪と神戸ですか?それが,コンテナ専用の埠頭がある所で,九州の方にもここまで大きいやつは無理だけどあったと思います。で,ここでまたトラックに積み替えてAmazonの巨大倉庫まで持っていくわけですね。そっからAmazonから自宅へ物が配送されるわけなんですけども,さっき言ったようにコンテナっていうのは,税関でチェックのために開けるのを除くと,工場から物を詰めて閉めてから1回も開けられずに,トラックに乗って 列車に乗って船に乗って港まで来て,港からまた日本でトラックに乗って 列車に乗って…ということでAmazon 倉庫まで行っちゃうわけですね。ポイントは何かって言うと,このトラックも 列車も船も全部同じコンテナが載せられるということなんですよ。
つまり 載せ替えのコストとか時間のロスがゼロだということなんです。載せ替えのコストや時間っていうのがどんなに大きいかというのを,ちょっとこれから説明しようと思います。とりあえずこれによって輸送コストは,特に海外輸送コストは信じられないほど安くなったんですよね。ひろゆきが言うとおりです。群馬の工場から30トンの荷物を運ぶよりも上海から運ぶ方が安くなっちゃった。これによって,コンビニとかスーパーで売ってるたこ焼きとか冷凍 お好み焼き…だいたいベトナムの工場で作られてるんですけど,それもなんでベトナム工場,タイの工場でわざわざ たこ焼き作るのかって言うと,別に 群馬に工場を作ってもいいんですよ。青森に工場を作ってもいいんですけども,青森から冷凍たこ焼きを運ぶよりもベトナムから冷凍たこ焼きを運ぶのが安いんですよ。意外です。僕らは ついつい人件費が安いからタイとかベトナムでやるんだという風に思ってるんですけど,人件費自体そう変わんないんです。それより輸送費です。日本国内でトラックとかを何台も何台も乗り継いで運ぶよりも海外から船で運ぶ方が安い。 結果輸入品がいっぱい 溢れて豊富なことになったわけですよね。その結果,先進国の製造業はどこも例外なく致命的な打撃を受けることになったんですけど,これが コンテナ革命というやつです。
■ 都市に町工場があった時代
で,ここでもう1回 また別のおもちゃ出します。これ1950年代のおもちゃですね。Radio Stationって言うんですけども,まだ無線機が珍しかった時代に,子供たちがこの無線機のおもちゃっていうのを使って無線ごっこするわけですね。このマイクですね。「あー」ってしゃべったら ここから長いコード出てて,別の無線機に(無線機じゃない電話なんですけども)つながって遊ぶって いう,そういう遊びをするおもちゃ なんですけども,まあいいですよね。プラグさせていろいろ送信先入れ替えて,方位磁石が付いていて,ランプがついていて,それっぽいアンテナが付いているというおもちゃです。まぁだいたい僕の世代の子ども,僕よりはちょっと上の世代の子どもは,こういう全てプラスチックでできたおもちゃにめちゃくち憧れたんですよ。
で,日本でもこういう海外製のプラモデルのおもちゃって売ってたんですけども,銀座ぐらいでしか売ってないんですよね。それでめちゃくちゃ高いです。アメリカ製のおもちゃって,初任給が1万3000円だった時代に平気で3000円ぐらいしたんですよ。つまり今から考えたら物価が1/20の時代だから6万円ぐらいしたわけですね。なんでそんなに高かったかといえば,アメリカ製 だから,輸入品 だからです。輸送コストが高かったんですね。当時のアメリカ製のおもちゃっていうのは,現地で買うものの3倍も4倍もするのが当たり前で,だいたい現地で買えば500円ぐらいのおもちゃ。そのアメリカのおもちゃを日本に持ってきたら2000円ぐらいっていうのは当たり前だった時代です。こういう海外製だから高くて当たり前だよな…というものを「舶来品」という風に言いました。舶来品ですね。おもちゃでもウイスキーでも家電製品でも「舶来品」つまり海外の品っていうのは高くて憧れの商品だったわけですね。ところがです。これ,僕が今週の水曜日に買ってきたマクドナルド ハッピーセットのおまけ なんですけど,470円でバーガーとポテトとドリンクが付いてて,この機関車トーマスのおもちゃがついてくるんですけども,実はこのトーマスシリーズの機関車のおもちゃだって舶来品なんですね。中国製ですけどこれもです。海を渡って海外から来たから本来高いはずなんですけど,でも 激安です。昔,海洋堂の専務が言ってましたけど,マクドナルドのハッピーセットのおもちゃっていうのはだいたい原価15〜20円ぐらいできるように作ってるそうですけど,だから15円くらいだと思います。で「中国は隣の国だから安いんだろう」って,輸送費が安いと考える人がいるかもわからないですけども,違うんですよ。ハッピーセットって世界中で同じ値段で売ってるんですよ。だから中国の反対側,地球の裏のブラジルでも,ハッピーセットはおもちゃ付きで470円ぐらいで売ってるんですよね。だから,これやっぱり物の海上輸送が安くなったからなんですよ。今日の話は全部これなんですけど,もちろんコンテナ革命による輸送費が激安になったおかげで,中国で作ってるハッピーセットのおもちゃが 海の向こうのブラジルでも日本でも全部470円ぐらいでおもちゃ付きでハンバーガーとポテトとドリンクが買えるようになったわけですね。しかしです。輸送費が激安になると世界中から安くていいものが手に入るんですよね。100均ショップではいろんなものが買えます。僕らだいたい100均ショップでかなり高性能もの買ってますよね。でも困ったことが起きると。
さっき言ったこのおもちゃですね。このおもちゃにはパッケージ箱というのがあるんですけども,「REMCO Electric Radio Station」って書いてあってなかなかかっこいい箱でしょ。このおもちゃの箱なんですけども,箱の蓋を開けると裏側に説明書が付いてる。 電池の取り替え方とか,だいたい箱の裏側に書いてあるんですよ。そこにメーカーの住所も書いてあります。住所を見ると, これ,REMCO Industries社の住所ですね。REMCOというおもちゃメーカーは,ニュージャージー州ニューアーク(Newark N.J.)にあります。ニューアークというのは ニューヨークの隣の街ですね。だいたいニューヨーク行きの飛行機に乗る時の空港っていうのはJFKかダラスかニューアーク,その中の最大の一つ なんですけども,だからほとんどこれニューヨークと同じ意味だと思ってください。で,この下の方は「IDEAL」っていうまた別の60年代のアメリカのおもちゃメーカーなんですが,住所が「Hollis N.Y.」ってあります。当時のおもちゃメーカーってニューヨークにあるのがやたら多かったんです。これはニューヨークに本社があるという意味じゃないんですよ。本社とか貿易の中心地があるという意味ではなくて,工場がニューヨークにあるのが多かったんですよね。同じように1950年代の日本でも,おもちゃ工場というのはだいたいが東京都内だと台東区,浅草の辺りが多かったんですね。で,この上の さっきの ニューヨークのメーカーの作ったおもちゃの隣の「Moon Rocket」っていうおもちゃ,ブリキのおもちゃなんですけど,これも浅草で作ってます。東京 なんですね。その横の「HAWK」っていうプラモデル会社,これもニューヨークのにありました。
何でこんな大都会に工場を作ったのか?ですよね。なんでその大都会に工場を作ったのか。今それはほとんどないんですけども,昔の都会って,町工場の塊だったんですよね。ブリキのおもちゃも,セルロイド人形も,木の積み木とかでさえ東京都の練馬区とか台東区あたりで作ってました。僕の生まれた大阪も大阪市住吉区なんです。住吉区も町工場の集合体 だったんです。大阪って今では信じられないですけど町工場だらけだった。小学校の社会科見学では,学校から歩いて2分のブリキ缶工場に行きましたし,その次の社会科見学は歩いて5分のファンタグレープ詰め工場に行ったんですよね。その工場ではファンタグレープだけ瓶に詰めたんですけども,同じように,近くの天王寺の街は履物工場の街だったし,大阪市住吉区の僕の家の近所は縫製とか刺繍の工場がいっぱいあったんですね。僕の実家の岡崎市っていうのは,そこで1960年代後半から70年代の半ばにかけて ちっちゃい啼哭みたいなものを作ってたんですけども,それが当たり前だったんですよ。日本中の都市,都道府県の県庁を置いてるところって,どこも工場があって当たり前だったんですよ。ちっちゃい工場がいっぱいあって当たり前だったんですよ。
■ ヤクザ・マフィアの誕生
でも今ほとんどそういうの見ないじゃないですか。ニューヨークにもおもちゃ工場も全くなくなってます。東京都でもおもちゃ工場はまずないと思います。残ってるかわかんないけどほぼゼロと言っていいでしょう。大阪の僕の子供の頃にあった工場もほとんど滅びました。なんでニューヨークや 東京からおもちゃ工場が消えてしまったのか?ですね。土地の値段が高いからじゃないんですね。やっぱり原因はコンテナ革命なんですよ。そもそも物はどう流通したのか? 簡単にその物流の歴史,20世紀に限っての歴史をたどってみましょう。
一番最初の物流っていうのはこういう感じだったんですね。日本の荷役(沖仲仕,おきなかし)と言います。1958年ですね。これ,日本最大の運送会社の日本通運のYouTubeチャンネルから撮ってきたカット なんですけども,1958年に撮影された動画です。「荷役は変わる」という動画です。僕が生まれた頃は,物を運ぶ,特に海運/海で運ぶというのはこういうことだったんですよ。このおっさん達は荷役とか沖仲士と呼ばれているガタイのいいおじさんたちで,両手に荷物を持って渡し板の上で運んでると。こういう筋肉モリモリの沖仲士達が真っ黒になって,両手に荷物を持って運ぶのが当たり前だったんです。荷物はだいたいこういう布袋に入ってるんですね。布袋がいっぱい積んであるんですけど。で沖仲士が渡ってる板ですね,渡し板って言います。「渡し板」って,英語で「ギャング(Gang)」って言うんですけども 。「艀(はしけ)」って言われるいわゆる筏(いかだ)と岸は,このギャング/渡し板で繋がってます。
これは世界中で同じで, ですね。ニューヨークの沖仲士の写真も残ってます。これは1912年のニューヨークの沖仲士。ドラム缶以前の木の樽の時代です。液体とかは,こういう樽とかドラム缶に入れて運ばれてました。船で荷物を運ぶ時っていうのは,一旦港の集積所とか屋根がある所にトラックなり馬車なりで運んできて,そっから袋とか樽とかを沖仲士のおっさんが担いで集積所に ガーッと集めて,次に集積所から艀(はしけ)/桟橋まで運んで,さらに艀から船まで運ぶ。船に積むのもまた肉体労働で,樽を一つ一つ持ち上げるという肉体労働の塊だったんです。本当にすごく大変だったみたいです。体が丈夫な人でないとなれない仕事と言われたんですけども。だからちょっと例え話でやってみようと思うんですけども,まず工場で製品作りますよね。工場で製品作ると ,まぁ20世紀ですから自動車あります。トラックに乗せて工場から運んでくるわけですね。このトラックが港に来ます。港に来たら,集積所に積み上げるわけですね。この集積場所から,「この荷物は15番桟橋まで運んでくれ」というふうなことになって15番桟橋まで運ぶんですけど,これ運ぶのも人力なわけですね。おっさんが担いで運んだり,人力車みたいものもあります。じゃあこれこのまま船に乗せられるのかって,そういうわけにいかないんですね。桟橋まで持ってきたから,桟橋に船がついて桟橋からホイッと船に乗るのかというと,実際そうではないんですよ。桟橋と船との間に艀(はしけ)っていう筏みたいなものがあるんですね。で,この筏みたいなものに,ドラム缶とか木箱とか,いちいちいちいち荷物を運ぶんですね。なんでかって言うと,すべての船が桟橋に泊まれるわけじゃないからですね。大きい船は泊まれないし,あと艀の数が限られてるからです。船だったら桟橋まで来るんですけど,ほとんどの船ってだいたい。港の桟橋から500m〜1kmの所に停泊してる。だから艀でそこまで行かないといけないわけです。 で,この艀に載せる時にですね。陸→桟橋→艀に運ぶ時,これらはくっつけることはできないんですよ。なんでかっていうと,海上ですからブカブカ動いてるわけですね。だからくっつけられないし,ガンガンガンガン波で当たるわけです。じゃあどうして運ぶのかというと,ここの間にギャング(渡し板)を繋げて,渡したギャングを渡って,おっさんが袋を両手に持って,手で運ぶわけですよ。あるいはドラム缶や樽をゴロゴロ転がして運ぶ。ギャングの幅は,だいたい20〜30cm,カイジに出てくる天空の橋よりちょっと幅広ぐらいのめちゃくちゃ狭い板の上を渡っていちいち運ばなきゃいけないわけですね。これ,バランス取りながら渡るんですけども,もう担ぐしかない。すべての荷物は担ぐしかない。これを何百往復もしてようやっと桟橋から艀に運んで,橋桁に船につくと,次は船から艀にギャングを渡して,この上をやっぱり何百往復もして荷物を運んでいくわけです。
まあまあえげつない労働です。あまりに重労働なので,これをやるおっさんたち沖仲士っていうのは気が荒いんですよ。 体力があって気が荒いですから,だいたい船長とかオーナーの言うこと聞かないし,仕事の依頼主の言う事,社長たちの言う事もまず聞かないんですね。現場の泥棒行為も当たり前で,さっき話したように 高級腕時計などの軽くて小さいものというのは,もう当たり前のように沖仲士の荒くれ者達の間で盗まれていたと。盗まれないためにはどういう風にするのかというと,会社の社長,一族の番頭ぐらいの人が,日本だったら 日本酒,まぁ多分 アメリカだったら ウイスキーとかラム酒なんでしょう,そういうのを持って挨拶に行くしかないんです。全員に酒を奢って徹夜でわーっと飲んで,「あいつはいい奴だ」と言われるとちょっと泥棒率が減るっていうというような時代,本当にとんでもない時代だったんですよ。で,毎回毎回それをやってると大変じゃないですか?だからその沖仲士のおっさんたちは荒くれ者ですね。だから沖仲士と交渉する専門の業者が現れるようになるんですね。
こういう沖仲士達を相手にするために近代ヤクザというのが発生しました。ヤクザというのは僕らは昔からヤクザだと思ってるんですけど違うんです。江戸時代以前のヤクザというのは博徒(ばくと)と言われていた。街の中で賭博場を開く,いわゆるギャンブルです。賭博場を開いてやるのが当たり前だったんですよ。ところが20世紀に入って交易が盛んになってから,ヤクザっていうのは港から生まれるようになったんです。港から生まれて,で気の荒い沖仲士達と相手して,時には暴力というのも厭わずに交渉事をする。そういうふうなためにヤクザ組織というのは自然に発生したんですね。だから山口組も,神戸の沖仲士達をコントロールするために誕生したという説が有力ですし,あと悪名高いニューヨークやシカゴのマフィアもそうですね。なのでマフィアっていうのも,実は基本的にはその沖仲士達,気の荒い言うことを聞かない沖仲士達に対しての交渉団体として発生したというのが実際のところなんですよね。
で,さっき話したギャングって,このギャングっていう言葉が沖仲士達のチームを表す言葉なんですね。このギャング(渡し板)一枚には15人〜25人のワンチームしか乗れないんですよ。で,船に渡る時にはこのギャングを何枚も渡すんですね。5〜6枚,それによって5〜6チームがあるんです。そのチームごとに,彼らは生涯同じチームで働くんですよ。なのでそういうチームに属してる沖仲士の事を,気の荒い沖仲士団のことをギャングって呼ぶようになったんですね。その結果,その沖仲士団と交渉する荒くれ者,つまりマフィア達の事をギャングと呼ぶようになった。だから僕らが言ってる「ギャング」という言い方は何かというというと,もともとはこの船の渡し達のことで,この船の渡板に所属しているチームは,お互いに家族のように思っていて,生涯の仲間で ,おまけに何か気に食わないことがあったら暴力を使って解決するっていうような男たちの事をギャングと呼ぶようになったわけです。
■ コンテナ革命で消えた産業
一個賢くなったというそれだけの話 なんですけどもですね(笑) で,このマフィアとギャングの関係はまあまあこれでいいでしょう。沖仲士達のがギャング達を使って,そのおっさん達とマフィアのギャングの両方使って,やっと船に荷物は届きます。で,荷を積んだ船は,ニューヨークから南に行って,パナマ運河を渡ってさらに太平洋に入って,さらに太平洋を渡って,やっと東京湾に着くわけですね。着いたらさっきの経路を逆に行くわけです。つまり船から艀を使って東京湾の桟橋にまで行って,桟橋から集積場所まで持ってきて,集積所でトラックに乗せて,トラックで例えば銀座のデパートまで運ぶんですけど,もっと遠い仙台とかに運ぶ場合だったら,東京湾からさらに上野駅まで行って,上野駅から夜行列車の貨車に乗せて,仙台まで貨物列車で持って行って,そこからまた軽トラックで仙台のデパートに行くと。こういう流れ,例えばニューヨークで作ったおもちゃが仙台のちびっ子の所まで届くには,ほぼものすごい荒くれ者のおっさんとかいろんな乗り物を乗り継げなければいけなかった。
これが戦後しばらく経った1950年代半ば位までずっと当たり前の時代だった。だからこそおもちゃは高かったわけですね。だから舶来のおもちゃが高くて,おもちゃ工場が何故ニューヨークにあったのか,何故大阪にはそういう町工場がいっぱいあったのか,何故日本中の町に町工場がいっぱいあったのかというと,それぞれの街でその港に近い町に町工場がいっぱいあったのは特有だったんですよ。港に町工場がいっぱいあるという理由は,ちょっとでも コストを下げようという事ですね。とりあえず陸の奥の方にあると,そこからトラック なり鉄道なりで港まで運ばなきゃいけないわけじゃないですか。そのコストできるだけ下げて,できるだけ早くて近い距離で港にまで持っていけたら,そっから先は船運賃だからある程度安くつくわけですね。その結果,大阪では履物工場,縫製工場があるから,繊維業が盛んだった。うちの実家の街でも繊維工場が盛んでした。東京はおもちゃ工場がすごく多かった。和歌山には木工団地っていうのがあって,とにかく家具を山のように作ったんですけど,これも何かというと,和歌山の山奥で木を伐採した木を,紀の川っていう太いでっかい川を使ってくだらせるわけですね。で途中の集積所でそれを引き上げて,木工団地でタンスとか机とかをガーっと作る。で和歌山の港まで持って行って,そこから輸出するわけですね。日本国中へ海運で流していく。何でも海の上に何とか持っていけば,安く移動できるわけですね。
しかしこの沖仲士の仕事っていうのは どんどん減っていきます。どんどんどんどん彼らの仕事は不況になっていくんですね。不況になる最大の理由。沖仲士の仕事を減らしたものは,フォークリフトではなくて,パレットってヤツなんですね。「パレット革命」という風に言われてます。1958年のその日本通運の動画見てたら,メインテーマがパレットなんですよ。フォークリフトじゃないんです。フォークリフトよりはこのパレットというのがいかに革命的なものかというの書いてるんですね。パレット革命という流通の時代がやってきました。まずあらゆる荷物は何でもパレットに載せるわけですよ。パレットの上に ガーッと乗せていくわけですね。それをフォークリフトで運ぶわけですね。 これの何がすごいのかっていうと,一つ一つ荷物を持たなくていい。 全てこのパレットという板の上に載せちゃえば,フォークリフトでまとめて運べてしまう。おまけにこのパレットごとクレーンでつかんでクレーンで運んでしまえば,これごと船に乗せられるんです。パレット自体は木で組んだ簡単な板ですからいくらでも作れるわけですね。だからこのままの形で電車に乗せたり,貨物列車に載せたり,このままの形で船に乗せたり出来る。これで実は物流コストがすごく下がったんですよね。沖仲士達がいちいちいちいちこのギャング(渡し板)を渡って運んでた時代から,このパレットが来ると,次は船自体にクレーンつけてパレットごと持ち上げて運ぼうぜとかいう発想ですね。港の方にいわゆるパレットいっぱい置いて,クレームいっぱい置いて,沖仲士が相変わらずトラックから物を降ろすんですけど,物を降ろした瞬間にもうパレットに載せちゃう。もっというと工場で出荷の時に全てもうパレットの上に乗せてしまって,パレットごと運んでしまう。これでどんどんどんどん輸送コストは下がる。そうするとだんだんだんだんその沖仲士達の仕事が減ってくわけですね。だから沖仲士達はそれに抵抗する。どういう風に抵抗するのかというと「一つのギャングあたりの人数を減らすな」と言ったんですね。つまりもうこのギャングを使って荷物を運ぶことは少なくなったんですけども,これに15〜25人の生活がかかってるわけですよ。そうすると「この15人とか20人で荷物を運ぶということだけはやめてはいけない」と組合運動で言い出しました。どうなったのかっていうと,実際には荷物はこのパレットでクレーンで運ぶんだけども,それとは別に正規の料金で沖仲士達をフルに使った料金分を沖仲士の組合に支払って,沖仲士達は,このギャング あたり実はもう5人しか必要なくなってたんだけども,25人分のギャラをもらって ,その5人が他の20人にギャラを分配する。こういう事態がすっごい長い間続いたんですね。
特に1950〜60年代のニューヨークっていうのは,もう組合運動真っ只中の頃で,これがニューヨークでマフィアが増えた理由にもなるんですけども。組合運動があまりに凄すぎて,アメリカ中がいろんな規制があまりに多くあり,そしてあまりに多くの労働組合があった。第2次大戦が終わって,アメリカ人とファシストドイツ人とか日本人との戦いが終わった。だからこれからは俺たちアメリカ人全員が豊かになる時代だという風に思ったんですね。その結果,みんなが豊かになるために何をするのかというと「資本家 達が悪い」「あいつらだけが儲けてるんだ,俺たち 労働者にも分け前を落とせ」…これが労働運動の根本なんですよ。この労働運動 というのはいっぱいあった。結果,便利な機械が世の中に出てくると,それで沖仲士達の肉体労働は減るんですよ。経営者にとってはすごい助かるありがたいことだったんですけども,一方で雇用者は仕事が減ってクビになるとかギャラが減らされるのは困る。じゃあ「機械で俺たちの仕事を奪うな,その分の保証金を俺たちによこせ」っていうのが10年ぐらい続いたんですね。
それがあったので,彼らとの間にギャングが入って両方の交渉事っていうのを持ってったり,暴力事件が起こったらそれを治めたりするようになって,ニューヨークはギャングやマフィアなしでは市の経済が回らないようになってきた。これがそのニューヨークのギャング戦争,後にマフィアが広がっていく時代です。同時に機械によって沖仲士の仕事が減っていく。そうするともうマフィアの仕事もなくなっちゃうんです。そうなると マフィア達っていうのは自分たちが労働組合と交渉していった。ついこないだまで割と弁護士みたいな仕事してたわけですね。いわゆる半分弁護士みたいな仕事してたのが,それがなくなっていくと。そうなるとどうなるのかっていうと,じゃあ街の中で麻薬売りましょうかというようなことになって,別の収入源探しをすることになってしまう。こういう中で変なスパイラルが起こってしまった。
ちょっと先走りすぎましたけどそういうようなことなんですよ。荷物をパレットに乗せて船に乗せるようになってから,沖仲士の仕事というのはどんどんなくなって,彼らは転職したり田舎に帰る人もいたんですけども,沖仲士っていうのは港ごとに住んでて,その家族も住んでたんですよ。彼らはそれで町とか共同体を作ってたんですけど,それも消えてったんです。でさっき言ったようにマフィアも必要がなくなって,港からニューヨークの街に住まいを移したり,仕事場を移すようになると。
■ コンテナ革命の父・マックリーン
マフィア達が,日本でいうと湾港労働者、沖仲士相手に使ってた暴力の交渉術というのは,やがて都市犯罪とかドラッグを産むようになる。パレット革命の話を延々話したんですけど,今日の本題はコンテナです。コンテナの話題に戻ります。
パレットって未だに現役ですよ。街の中でこういうの見ませんか?コンビニなんかで納品に使われるの,ロールボックスパレットって言うんですよ。この中にコンビニの商品っていうのをパレットの中に入れて,これも パレットって言うんですけどガラガラガラガラ引っ張っていきます。未だに僕らの生活の中でパレットが使われているというよりは,実はこのパレット革命って,まだ進行中なんですね。ちょっとそこだけすいません。話すの忘れてました。
さて次の話です。コンテナシステムを思いついたおじさんですね。まぁ思いついて作り上げたと言ってもいいんでしょうね。このじいさん,マルコム・マックリーンと言います。流通とか運輸とかを勉強してる人だったら多分全員知ってる話なんですけども,「コンテナの父 」と呼ばれるおじさんです。荷物を運ぶためのコンテナと呼ばれる鉄の箱は,実はこのマックリーンさんの時代の前からあったんですよ。それをシステムとして使うことを思いついて,それを信じてひたすら推進させた男ですね。世界の物流を変えた男だけども,いわゆる未来を見通してそれを信じ抜いたって話じゃないんですよ。そういうありがちな美談でなくて,コンテナ革命のすごさっていうのは一人の人間が予想できるものではなかったし,いくつかの企業が予想できるものでなかったんです。
現にこのマルコム・マックリーン自体はコンテナ 会社を,コンテナを始めて「コンテナ二ゼーション」って言葉を作って世界を変えたんですけども,会社自体は倒産してるんですね。それどころかコンテナ革命の初期に大儲けした会社はだいたい潰れてるんです。コンテナ革命の中期にあった会社も今はどちらかと弱小になってるんですね。どんどんどんどん世界中の物流が変わって,この間までは中国が強かったんだけど,その後地理が強くなって,今強いのは南米のチリっていう風にどんどん変わってるんですね。だからイノベーションっていうのはどうやって起きるのかっていうと,たった一人の天才が全てを見通して,彼のシナリオ通りに進んでいくっていう,そういうスティーブジョブズ型のおとぎ話じゃないんです。本当にものすごいイノベーションというのは当事者達が予想もしてない方向にガンガンガンガン 変わっちゃうから,結局その次のステージに行っちゃうと当たり前の気がするんですけど,途中までは誰の予想のつかないっていうのが,本当のイノベーションなんですね。
マックリーンは,生涯にわたって一貫輸送というシステムを始めた人です。生まれた家は田舎でした。でも近くに親戚が多かったから割と仕事には苦労しなかったそうです。高校でだけど大学に行くお金がなかったので,親戚からお金を借りて,でもそれで大学に行ったんじゃなくて,小さいガソリンスタンドを始めたんですね。このマックリーンの時代はちょうど世界恐慌の真っ只中です。世界恐慌の真っ只中っていうと『紅の豚』でポルコロッソがイタリアのミラノあたりに着水しますね。でガソリンを買うんですよ。「ガソリンこんだけでこんなに金取るのか」って言ったら男の子 は「知らねえよ,こんだけするんだから」ってあの時代です。町へ行くと街中が不景気になって,ちょっと見ないうちにミラノの街がすごい 寂れてみんなが世界恐慌の話をしてる。あの時代なんです。世界恐慌の時代でガソリンの値段とかがものすごく上がったんですよ。だから人々は1セントでも安いガソリンを求めて 結構ちょっと離れたガソリンスタンドまでガソリン買いに行った時代 なんですね。マックリーンも自分でちっちゃいガソリンスタンドを親戚から借りた金で経営してたんですね。マックリーンは安いガソリン求めて45km離れた大手のガソリンスタンドまで買いに行ったんですね。そうしたら「そんなに大量に買ってくれるんだったら,裏庭のあの車貸してやるよ」って言ってくれたんですね。裏庭にあるボロボロのトレーラーを貸してくれたんです。 でマックリーンは「今度ついでがあったら返して」っていう風に言われたんです。マックリーンはこれを使ってその安いガソリンスタンドとの45kmを往復することにしたんですね。そうすると,帰りはガソリン積んで帰ってくるんですけど,行きを空で行くのがもったいないということで,マックリーンはこの借りたトレーラーで運送業 することを思いつきます。この運送業が割とヒットしたんですね。次に地元で中古のダンプカーが売りに出ました。「この中古ダンプを売ってくれ」って言ったら「金あるのか」 って訊かれる。「金ない」「いくらだったら払えるんだ」「毎月3ドル払うから月賦でローンで買わせてくれ」。1ヶ月3ドルですよね。今のお金で言うと300円ぐらいです。1ヶ月 300円しか払えない。それをローンで貸してくれ。実はマックリーンはその3ドルも持ってなかったんです。親戚中から金を集めて,毎月毎月3ドル出してもらって,この中古トラックをローンで買うことに成功しました。
でこの2台の車と,弟と妹3人でマクリーントラッキングカンパニー という輸送会社を作ったんですね。この小さなトラック運送会社は運良く第二次世界大戦で大儲けしました。というのも,大戦はヨーロッパでやってるので,支援物資をフランスとかイギリスに送るためにアメリカ中の輸送業者が大儲けした時代だったんです。なんせアメリカは戦争に参加してないからリスクゼロなんです。ただ単に物を運ぶだけで大儲けできた時代っていうのがあったんですね。ビジネスチャンスでですね。この時期,だいたいマクリーンの会社は1年目で運転手を9人雇い,マクリーントラッキングカンパニーはどんどん自動車を増やし,次の5年間で運転手 9人,トラック30台の規模になるというぐらい,もう中規模の企業になったんですよね。
で戦争は途中から日本が相手の戦争になったんですけども,それで大もうけしたのがマクリーンの輸送会社であったんですけど,1945年に日本が降伏して第2次大戦が終わってしまう。そうすると大きく風向きが変わった。まず輸送自体,陸の輸送自体の分量が割と減ったということもあるんですけど,それより大きかったのは,今度は自動車じゃない,船が売りに出されたんですよ。売ったのは誰かというとアメリカ政府というか アメリカ軍だったんですよ。なんでかというと,さっきも言ったように第二次大戦はもともとヨーロッパの戦争だったので,アメリカからヨーロッパへ物を運ぶための船が必要だったんですよ。ところが輸送艦が足りないということで,アメリカ政府とかアメリカ軍はアメリカにある船…それは客船であろうと輸送船であろうと商船であろうと ほとんどすべてを買い上げたんです。ほとんどすべてを買い上げて,それでヨーロッパでバーっと物を売ったんですよ。同時にアメリカ中にある造船所に「とりあえず輸送船作ってくれ」って,ガーっと注文したんですね。
そしたら もうあらゆる 造船所は土日の休みをなくして週7日間24時間稼働で船を作り出した。これが第二次大戦の始まりだったんですよ。
1941年に日本がアメリカに宣戦布告しちゃったわけで太平洋戦争っていうのが始まった。すると,ヨーロッパへ物を送るのは大西洋 なんですけども,太平洋って大西洋の何倍もある。そうなるとこれまでの船ではもう運べないと。もっとでかい船がいる。しかしもうアメリカにあるような船は全部買っちゃったし,造船所の予約はもういっぱいになっちゃった。だからどうしようかってことで,次は造船所を作り出すんです。造船所もいっぱい作って,そこで 超大型の輸送船を山のように作って,日本と戦争するためです。アメリカはどんどんどんどん船を作り始め,それが1945年に太平洋戦争が終わった。どうなるのかっていうと,いっぱいあった船を民間に払い下げ 始めたんです。払い下げって言ってもすごい値段安いんですよ。それでも買ってもらえないから,さらに買ってもらうために「皆さんが使いやすいように改造しましょう」と。「改造するための金はアメリカ政府が出しますよ」とかね。「皆さんこの船が買えませんか?買えないんだったらものすごく有利なローンを組んであげましょう」と,こういうサービスを 山のようにやったのですね。マックリーンが見た時には,かなりデカい船がただ同然で売ってるわけですよね。だからマクリーンでその場で考えたんですよ。「もうトラックも船も同じでしょ」と。「元々俺の商売っていうのは,ただ同然のトラックを借りて,次に3ドルでローン組んでトラックを買うところから始まった,じゃあ激安の船があるんだったら買わないと損でしょ」ということですね。ついにマクリーンは船を手に入れました。激安で手に入れたんですよ。
…で今日の無料講義はここまでです。まだマックリーンの挑戦の話とコンテナ革命は始まったばっかりですね。今のコメントで「維持費がすごい」という風に言われたんですけど,船は維持費がすごいんですよ。ところがそういうのにも,もう全部保証がつく。 この時代は本当に,多分皆さんでも当時のアメリカ西海岸に住んでたら,船買うチャンスあったというぐらいです。船が大量に安く出回った時代 なんですね。海運してた人はすごく多いんですけども,だいたいの人はそっから例えば ガソリン代が上がって,船の運輸費が上がっちゃったから倒産とか,あと船を山ほど買いすぎたのでそんなに荷物がなくて倒産とか,そういうのことが多かったんですけど。
でも僕らですら多分あの時代のアメリカに行ったら艦隊が持てた…いわゆる何隻ものの簡単にオーナーになれたという時代。そういう船が安かった時代が1945年の夏から冬ぐらいまでに嵐のように訪れた。そこにうまく捲りが乗ったという話ですね。トラック野郎マクリーンは,それから先,船1隻ではなくて船団を持つことになります。ベトナム戦争に参加して,今度は船だけではなくて 自分の港を持つ(爆)…すごいですよ…このマックリーンは港も買って,最後は世界に運輸大革命を起こします。ついに言うと,その運輸大革命は日本を世界一のお金持ちの国にしてくれるんですけども。おまけに日本を世界一の金持ちの国から,たった10余年かで日本を貧乏な国に突き落としたのも ,このマクリーンの遺産です。この話は限定パートでしましょう。
じゃあここまでの話をまとめますね。まだ1ドル=360円だった時代の話なんですけども,パレット 革命ですね。パレットによる輸送ということですね。物がどんどんどんどん安くなり,海外のものが豊富に買えるようになって,1ドル=240円になって,ついには円高で1ドル=80円まで下がります。で,とりあえず今日の話では,マフィアがなんでギャングと呼ばれるようになったのか? 何で神戸,横浜,広島などの港の都市に日本のヤクザは発生したのか? というのが分かったと思います。何で彼らが大都会に場を移すようになったのか?それは港から彼らの仕事が失われたから なんですけども,その辺の仕組みも少し見えてきたと思います。割と世界というのはつながってるし,歴史はつながってるし,これまで話した『ゴッドファーザー』とか『あるカップルの話』も今日の話ともうバッチリ繋がってきたんですよね。僕らの頭の中もそういう知識でつながっているので,ゼミで聞いた話 もだんだんだんだん繋がってくると,面白いなっていうふうなことになるのですね。楽しんでくれればと思います。お疲れ様でした。
それでは今日の無料パートはここで終わりです。じゃあアンケート出してください。おもちゃもしまいましょうか。ちょっとお茶を飲もう…こういう本を語るってすごい好きなんですけど,あんまり毎回はできない。月に1回ぐらいですね。ありがとうございます。結果出してください。とても良かった=78〜80%ぐらいになってますよね。限定パートでは,マルコム・マックリーンのさらなる大活躍が世界を変えてしまうという,誰も予測できなかった話をします。
じゃあ後半行きましょうか。トイレ休憩 大丈夫ですか?タンカー/コンテナ船って,ブリッジっていう部分に人が乗ってるんですよ。下半分が全て燃料とエンジン。コンテナの上に乗ってるのが人間がいる部分で,だいたい20〜25人ぐらいしか人間は乗ってないんですよ。コンテナ1万個対20〜25人ですから,そりゃ海運の コスト安いですよ。だって陸上運送したらコンテナ1個あたりトレーラー 1台運転するわけですね。コンテナ1つ運ぶのに運転手が1人乗って17時間かかって東京-大阪間を行ったりするわけですから。そりゃ陸上運送は高くつきますよ。それに比べてこのコンテナ船の場合は1万個くらいのコンテナ載せて,乗員25人ぐらいでずーっと 太平洋渡っちゃうわけですね。太平洋だけじゃなくて東南アジアから日本の方までだいたい45日で来ちゃうわけですよ。昔はその停泊ごとに 船ってだいたい1週間ぐらい 停泊したんですよ。だから海の男にはロマンがあって,船に乗って行ってそこの港でご飯食べて,そこの港に女あり…みたいな伝説もあったんですけど,今は全然違いますから。今はコンテナで荷物おろしたら,タンカーでも半日で荷物降りちゃうんですよ。だから1泊が限度なんですよ。下手したら1泊もしない。朝着いて夕方にはもう出発するんです。それぐらいコスト管理が厳しいので,海の男達…今は女性も多いんですけど,その人達というのは,ルクセンブルクとか海外の港に行っても半日ぐらいしか滞在時間がなくて,もう 燃料積んでポンって取り替えたらすぐに引き返さなきゃいけない。それのお陰で,コストはめちゃくちゃ安くなったんですけど,まあまあいいや…これあの関係ない話ね。
さてじゃあ コンテナ 革命の話しましょうか。ガントリー・クレーンの話 もします。女の人にはあんまりこういう僕が好きなトラックとか船とかガントリー・クレーンというのはちょっと伝わりにくいかと思うんですけども,でも物事の仕組み自体の面白さっていうのを見ていただければありがたいと思います。さてマックリーンおじさんです。トラックと船の両方を持ってる個人経営の会社っていうのは,その当時のアメリカでも珍しくはなかったんですけども,個人経営の中小企業でトラック 軍団と船団を持ってるっていうのは多分マックィーンが初めてだったんですね。
マックリーンはまたひらめいちゃった。「ん? ちょっと待てよ? トラックで荷物運んで,その荷物を一個一個 船に移し替える…こんなしょうもないことしてたら埒あかん…船っていうのは安くてバカでかいんだから,これ にトラックごと 載せてしまえ」というふうなことですね。船からタラップ出して,直にトラックを中に載せちゃうという…いわゆるフェリーみたいなもんですね。それごとお得意様のところへ運ぶというのを思いついたんですね。で,やってみたんですけども,これは画期的なアイデアに思えたけども,実は無駄が多かったんですよ。っていうのはトラックを船に乗せちゃうと,効率がいいように見えるんだけども,この船で移動している間中,ずっとトラックっていうのは使えなくなっちゃうわけですね。単にコンテナの台だから。もちろん現場に行ったらそのまま次の工場 とか 納品先まで物を持って行くことはできるんですけども,船に乗せてる間にトラックが使えないデメリットっていうのかコストの方が高くついちゃったんですね。船に乗せていただいたトラック使えませんよ。ということで,なんとかこの荷物だけ 乗せることはできないのか?ですね。
で,そうだ!と。このトラックに乗せている荷物の部分だけ,荷物を全て小口荷物の全部を鉄の箱に入れて,この鉄の箱だけ船の中に乗せて,この鉄の箱をいっぱい乗せて 船で運べばいいじゃないかという風にマクリーンを思いつきます。船は安いですし相変わらず安い。で,こういうコンテナ専用に改造するお金もアメリカ政府が出してくれるんですね。でこうして生まれたのが,アメリカ初というか世界初のコンテナ専用線船「IDEAL X」です。1956年に生まれました。仕組みは単純で,戦争中に作られたタンカー船を補助金目当てで安く買って,国からなんぼでも出してもらえる改造基金で補助金で改造しました。とにかく当時のアメリカは戦争で買った材料とか船とか車とかを使うといえば,いろんな名目で補助金出してくれたんですね。でマックリーンはこの補助金でIDEAL-X号を作った。甲板の上に木のレールをいっぱい乗っけた運輸船ってのを思いつきました。このレールの上にコンテナを乗っけると,コンテナっていうのが自動的に固定されるような仕組みというのを考えたんですね。1956年…これはIDEAL-X号が,わずか58個なんですけども,アルミ製のコンテナを,ニューヨークの隣の街のニュージャージー州のニューワークからテキサス州ヒューストンまで運んだ記念すべき年ですね。で,テキサスで待っていた58台のトレーラーが,このコンテナを街へ運んだ。これがコンテナ輸送の最初です。「コンテナニゼーション」というシステムの誕生です。マルコム・マクリーンが思いついたのが最初で,試したのも最初だったんですね。 マックリーンの発想はトレーラーだけじゃなくて,コンテナを列車に乗せることによって,工場からトラックで港まで鉄道で運んで,トラックで桟橋まで運んで船の目的地へ…という一連の流れ「コンテナニゼーション」の完成ですね。
しかし当時のアメリカは,今の日本以上に規制が厳しかった。日本っていろんな規制があるから物事 自由にならないって言うんですけども,無料パートの方でも話しましたけども,多分1950年代のアメリカって,まず労働組合があったし,あとお役所がいろんな全ての権限を自分のところで握ろうとした時代だったんですね。だけど60〜70年代のいわゆる黒人解放運動と込みで「あらゆる規制を政府にさせるな」っていう民衆のパワーが,政府からいろんな規制を奪っていったという歴史があるので,実は規制が多いのは日本だけでなくて,1950年代のアメリカも日本よりひょっとしたら悪かったかもしれないくらい規制だらけだった。ちょっとここだけは憶えておきましょう。トラック運送でも,実は 道路ごとに輸送許可証が必要だったんですけど,船による輸送 も例えばシアトル-ロサンゼルスで許可証が1種類必要で,ロサンゼルス-サンフランシスコで許可証が1種必要で,サンフランシスコからまた南の方 回ってでまた1種類必要という,1航路ごとに許可証が必要で,さらにその許可証を持ってる会社同士がトラストというか組合を作っていて新規参入をさせないようにしてたんですね。新規参入をさせないようにしてたというのもあって,ものすごい 規制だらけっていうのがアメリカの運輸業界だったんですよ。
船による輸送っていうか,このコンテナ・システムを素晴らしかったんですけど,マックリーンが思ってたほど進まなかったんですね。これで全てのコストが下がるって思ってたんですけども,ところが「船の運賃が下がりすぎるとトラックの運ちゃんが困る」「トラック輸送組合が困ってしまうので,船の輸送料金はそんなに下げてはいけない」と国から言われるんですね。「なんでだ」っていう風に言って反発すると「じゃあ,お前のところには運行許可書を出さないよ」とか「路線 許可書を出さない」と言われる。マックリーンが「コンテナで全て安く運べるのでトラックの料金も安くできる」と言うと,今度はトラックの運送業界が「いやトラックの値段安くしすぎると,今度は 鉄道を誰も使わなくなってしまうから,鉄道の料金に合わせてトラックの最低料金も決めてくれ」と言う。結果「鉄道を使おうと船を使おうとトラック使おうと全部同じぐらいの値段にならないと,みんな困るよね」っていうようなことをマクリンは散々言われる。
そん中でマクリンは「いや,このコンテナ・システムちょっと試しにやってみたけど,ぶっちゃけコストめちゃくちゃ下がる」と解ってた。どれぐらい下がるのか? どれくらい下がると思いますか? 1/20だそうです。具体的には,それまで輸送に20ドルかかってるのが1ドルになる。1/20にまでなっちゃうと,もういろんな規制やってる場合じゃないんですよね。マクリーンの会社がやってたこういう革命的運輸って,ただ単に最初はみんな嫌がったんですよ。いちいち鉄の箱を買って,物入れて運んで,またその鉄の箱の動かして…って全部 専用のトラック作んなきゃいけないし,船も専用の船が必要だし,列車でも専用の列車作る…そんなのコストがかかって仕方ないよと思ったけども,いざマックリーンの会社が運用しだすと,いきなりコストが1/20になっちゃったわけです。なのでよその会社も「えーっ」て思ったんですけど,それでもさっきも言ったように,当時のアメリカは組合運動の時代ですから,いろんな会社,いろんな規制団体がコストを下げさせずにしてました。船が停まる港も,この マックリーンのアイデアには味方してくれないんですよね。当時の世界最大の貿易港って ニューヨーク港だったんですけども,マックリーンのアイデアに大反発しました。中でも問題になったのがクレーンの建設です。お待たせしました。ガントリー・クレーンですね。当たり前ですけど沖仲士達は,このガントリー・クレーンの建設に反対したわけですね。これどういうことかって言うと,アメリカの工場から荷物が来る。荷物がパーッとくると,これまでだったら港まで運んでいって,港で荷物を下ろして沖仲士達がギャング作ってギャングで運んでいかなきゃいけないのが,ガントリー・クレーンが一機あると,トラック来ました→荷物をトラックからガントリークレーンに乗せます→ガントリークレーン動かして船に直に載せます…って出来ちゃえるわけですよね。
■ コンテナ革命で消えた業界
船にこうやってガントリーでガンガンガンガン荷物載せることが可能になってしまう。ので沖仲士達がいらなくなっちゃうわけですね。このガントリー・クレーン1機作ってしまえば,沖仲士たちの仕事がどれくらいなるってのは 数字書いてあったけど,ちょっとど忘れしちゃったんですけども,一つ分かってるのが,当時ニューヨークの港には沖仲士が5万5000人住んでたんですよ。この荷物を小分けして運ぶ おっさん達が 55000人住んでたんですよ。家族を含めると20万人以上がニューヨークの港の端っこに住んでたんですね。彼らはそこで一生暮らしてたんですよ。その沖仲士達の仕事っていうのは,実は代々やるような仕事だったんですね。アメリカがもう開拓された時代から映画『ヤング ニューヨーク』とかに出てくるような帆船で物が運ばれてくる時代から,沖仲士の仕事っていうのがあって,みんなこのギャングって渡し板に乗って 家族代々やってて,一つの板ごとに一族あるわけですね。例えば岡田家の板っていうのがあって,その向こうには 斎藤家の板,その向こうには田中家の板…っていうのがあって,この岡田一族がこの渡り板の権利を持ってるから,この板はよそのヤツには絶対 渡さないと。男の子が生まれて16歳になったら,港に連れて行って登録するんですね。そうやって自分の一族のギャングパーティーにするわけですね。なのでその港に住んでいたその沖仲士一族っていうのは,もうお父さん,おじいちゃんと代々沖仲士で自分も沖仲士になる。その自分の息子も沖仲士にすると。だから中学校も行ってないような学力で,でもそれで全然ハッピーだったんですよ。子供が生まれたら沖仲士同士で結婚させて親戚付き合いがどんどんどんどん濃厚になって行って,それで20万人の大きい 大きい一族ができてたわけですね。だから同じ酒場で毎晩酒飲むし,子供同士が結婚するので,本当に一族の結束が固かったんですけども。新入りに仕事はやらないわけですね。都市部の失業者がいきなり港に来ても沖仲士なんかにはなれないって排他的な部分もありました。逆に排他的な部分があるんですけども,年寄りの面倒も自分らで看るわけですよね。沖仲士が年取って体がだんだんだんだんしんどくなってきたら「爺さん もっと軽いものを持てよ」とか。一ギャング25人なんだけども「25人もいらないよ,俺たちでやっとくから,今日は1日タバコ吸ってろ」って言ってみんなで小遣いあげたんです。爺さんたちはみんなから小遣いもらってタバコ吸って,その1日の終わりに均等にギャラ配分する。 
しかしそのガントリー・クレーンが何本か立ったおかげで,この沖仲士全員が失業していったんですよ。すごいですよね。クレーン建設には,もちろん反対したんですけど,どうやって反対したのか?っていうと沖仲士には ニューヨークの市長とか政治家も手を出せないんです。というのは沖仲士は全員同じ政治家に投票するんですね。ほぼ全員共和党。ほぼ全員が共和党の政治家に投票するから,もう市長だろうがニューヨークの支局員だろうが政治家だろうが誰の言うことも聞かないわけですね。それぐらい勢力を持ってる。だからマフィアを使うぐらいしか沖仲士達を動かすことができなかったんですね。そしてニューヨークの港湾局は,マクリーンのコンテナに合わせて,この超大型クレーンのガントリー クレーンを導入しようとしたんですけども,沖仲士達の組合が猛反発しました。
沖仲士側でも,本音ではクレーン入れないともうどうしようもないって分かってるんですよ。沖仲士の総会レポートが残ってて,「あの組合運動でどんなことがあったのか」とか「何月何日の党大会でこれが決議された」というのが残ってる。そこから分かるのは,合理化は分かってる。機械入れないともう無理だと。もう運ぶ荷物はどんどん重いし,船はどんどん大きくなっていくし,もうこんな渡り板持って運んでる時代じゃないという本音です。それは分かってるんだけども,俺たちの代で仕事をなくしていいのか…ずっと爺ちゃんの代からやってきた仕事を,俺たちの子供とか孫に伝えるのが俺たちの義務じゃないか?っていう風なことです。
ガントリー・クレーンは困るけど,でも作るしかない。じゃあ,せめて荷物を運ぶのに必要な料金だけでも以前通りにさせてくれと。例えば10年間とか5年間保証してくれと。例えばある荷物を運ぶのに1000ドルかかるとすると1/20ですから。簡単にクレーン使えば1000ドルが50ドルになっちゃうわけですね。だから悪いけど,向こう10年間,沖仲士組合に950ドル保証金出してくれる?荷物1つごとにそれをやってくれるんだったらガントリー・クレーン作っていいよ。そんな無茶苦茶な要求するんですよ。でも特にニューヨーク湾港局は,そんな無茶苦茶な要求でさえもう飲むしかないという事態になっていた。
沖仲士達の権力は強かったから,こういう要求をニューヨーク湾港局はどんどんどんどん飲んじゃったわけですね。でガントリークレーンも,本来20本建てる予定が5本しか建てられなかった。そういう事態に呆れたマックリーンも他の海運業者も,ニューヨーク港に無理やり頼らなくてもいいじゃないか。ニューヨークの反対側のニュージャージー港見てみろ。ニュージャージーは空き地だらけだ。実際沼地が多いんですが空き地 だらけなんです。ここに俺たちで港 作っちまうぜっていうことになって,ありがたいことに港を作るだけだったら反対されたと思うんですけども,戦時中に使っていた船を売却したじゃないですか?その時の保証金で,その売却した船を使う専用の港を使うという名目だったらまた補助金が出たんですね。でその補助金でそのニュージャージーにどでかい港を作ったんですよ。ただ設備自体は何にもないです。どでかいだけなんですよ。ところがそれはマックリーンたちにとっては良い。どでかいってことは何かっていうと,トラックが集まれるって事なんですよ。ニューヨークって大都市近くの港だから実は面積がないんですよね。だからトラックが次々に来てもトラック留める場所がないんですよ。トラック止めたらすぐに荷物降ろさなきゃいけないんですけども,当時コンテナ システムじゃなかったので,トラック1つの荷下ろしのために30分ぐらいかかるんですよ。そうするとトラックの輸送待ちで渋滞ができてしまうんですね。だからニューヨークの港ってすごい 使いにくかった。おまけにニューヨークは交通渋滞が当たり前ですよね。例えばフィラデルフィアとかシカゴとかからだから高速道路を使って,2日位で荷物来るんですよ。ところが2日位で来たトラックが,いざニューヨークに入った,ハドソン川渡ってニューヨークのマンハッタン島の中に入りました。さああとはあと3km走って港に着くだけだというところで5時間の渋滞が当たり前だったんですね。そうやってトラックが港に着くまでにすごい時間がかかって,しかも荷卸しに時間かかるというところで,一方のニュージャージーは何にもない所だ。だだっ広い所にだだっ広い港作ったので,トラック留め放題なんです。すごい巨大な駐車場=全部コンテナですから,駐車場に倉庫作らなくて良かったんです。
一方でニューヨークの沖仲士達はニュージャージーの港を最初見て馬鹿にしてたんです。「あんな所に港作ってまだ倉庫作ってないぞ」って言ってたんです。道路があるだけです。道路があるだけだけど,その道路は何かって言うとニューヨーク行きの幹線道路,フリーウェイのバイパス作っちゃったんですよ。フリーウェイから直に港に降りて来れる。これニューヨークは違うんですよ。ニューヨークはフリーウェイから降りて,ニューヨークのマンハッタン島の中を縦に突っ切って港まで行かなきゃいけなかったのが,フリーウェイからバイパスで港で3分で降りれる。これは5時間と3分の差ですよね。でコンテナだから,コンテナおろして積み上げればいいだけなんです。積み上げるだけで,雨降ろうが雪降るか平気なんですから。ニューヨークはトラック開けて中の荷物を倉庫の中に入れなきゃいけない。圧倒的な差ができちゃったんですよね。それにニューヨークの沖仲士の人たちは気が付かなかった。どんどんどんどんニュージャージーの港は大きくなって,ついに専門の鉄道が作られて,鉄道路線の終着点があって,鉄道路線がそっから グワーッと 線路が広がって,そこはニュージャージーの港の端っこになっちゃったんですね。
ここまでの大革命 をやられてしまって,それでもニューヨークの沖仲士達は「あれ?」って思ったんです。どんどんどんどんニューヨーク港に来る荷物の扱い量が減っていって,そしてあの何にもないはずのニュージャージーの港見たら,変な色の鉄の箱が積み上がったと思ったら消えていくと。そして港のどんどん近くに行くと,このバカでかいクレーンが毎年毎年10本単位で増えてくる。何がおきているのかわかんないうちに彼らの仕事がどんどん減っていくんですね。仕事減っても,さっき言った約束した保証金が出てたからどうやっていいのかわかんない。これが10年ぐらい続いちゃったんですね。結果として,たった5年間でニューヨーク港とニュージャージー港は立場が逆転してしまったんですね。
ニューヨーク港はあっという間に 寂れて,20万人以上いた沖仲士とその家族たちは,もう夫や父親や自分の兄弟 すべて,親戚みんなが仕事を失ってしまったんですね。沖仲士達の多くは お互いを助け合って仕事してたからです。バラバラになったら本当に何をしていいかわからない。 学校に行ってない人も多く,重い荷物 運ぶ以外の肉体労働が何もできなかったんですね。
そしてものすごい数の失業者が街に溢れました。そのものすごい数の腕っぷしが強くて,毎日仕事をしてなくて酒飲むしかない失業者。でも保証金入るから金はあるんですよ。酒飲むしかない。喧嘩っ早い 荒くれ者で理屈が通じない。学校教育 受けてないかそんなんです。荒くれ者の失業者がニューヨークの街中に溢れたんですよ。結果としてニューヨークは世界で一番治安の悪い町になってしまったんですよね。これがマルコムマックリーンのコンテナリレーション/コンテナ革命の末路なんです。ニューヨークのマンハッタン島の南の端に港あったんですけども,そこに密集していた沖仲士達の家とか,あと街自体,20万人が住んでいた町自体がすっぽり なくなって更地になっちゃったんですよ。その更地がどんな風になったのか。
彼らは追い出されました。更地になった土地には新しいビルがにょきにょき建ち出します。ニューヨークの1910年頃の写真見ると,ニューヨークの南の方って船がいっぱい 停まってて,低い建物が びっちりあるんですね。ところがそれが1960年代〜70年代になると,今僕らが見慣れているいわゆる ウエストサイド物語 のオープニングでバーンと出てくるようなビルが 端まで びっちりあるような街があるんですよね。結局,コンテナ 革命によって,南の区画一帯が,町一つが消えて,その跡地は,超エリートたちが金を稼ぐだけの場所になったんですよ。それが ウォール街です。ウォール街 っていうのは もともと あの場所にあったんですけども,あんなにビルが びっちり建ち上るようになったのは,このニューヨークの沖仲士達の街が全て消えてしまって,そこが更地になったのでビルをガーっと立てることにできた。そこに 世界最大の金融街ができたんですよね。
これはニューヨークだけの物語じゃないです。世界中の港町で同じようなことが同時期に起こりました。例えばイギリスのマンチェスターは1950年代には5万人位の沖仲士達がいて,ニューヨークよりデカい港湾労働者の街だったんですよ。港の関係のいわゆる船員たちのホテルとかを含めてすごい巨大な港町だったんですけども,そのマンチェスターもこのコンテナ 革命によって街が 寂れていきます。失業した人たちは同様に毎日酒飲んで酒場に行ってだらだらだらだら過ごすようになってしまったんですね。音楽をよく聴くイギリスでは,酒場にちっちゃいバンド ボックスがあって,そこに生バンドがいて 音楽かけてくるんですよ。そこでやっぱり音楽聴くのが当たり前だったイギリスのリバプールで,いわゆる港町のバンドボックスで音楽やったのがビートルズですね。実はこのコンテナ 革命によってリバプールという町がどんどんどんどん 滅びていって,みんな 酒飲んで,失業手当だけはあるから 酒場でチップ 払う文化があって,それで音楽活動ができたところからビートルズっていうのは浮かび上がってきた。なんか,なかなかこれ世界ってつながってるんですよね。フランスでもマルセイユの港町が一つずつ 潰れてく話がものすごくリアルなんです。切なくなってくるぐらい リアルでですね。街があったのが消えてくるんですね。大阪もそうでしたよ。僕の子供の頃,税金はあまり払わないので有名なおじさんやおばさんたちが住んでいる,港の方にあった沖仲士達の町があったんですけど,それが だいたい僕が高校行く前ぐらいの1970年代半ばぐらいに全部更地になって,次は工場になってパルプ工場になって,1990年に入った頃にそれも全部なくなって全部マンションになってた。 
コンテナ 革命のおかげで運送費,輸送費は劇的に下がって,結局は世界中でトラック輸送も鉄道輸送も,この1/20になった海運の運送費に合わせるようになっちゃったんです。輸送費のダンピングはまずはアメリカでおき,次は世界中で輸送費のダンピング,劇的な値下げが起こってしまったんです。値段下げないと競争に負けちゃうからね。客はゼロになっちゃう。そうすると人口密集地に工場作る意味がなくなっちゃう。これまで人口密集地に工場を作ってたのは港に近いからで人が集めやすいからだったんですよ。できた製品をすぐ港に運べるから人口密集地に工場作ったんですけども,まず船から始まって鉄道,トラック…全ての輸送費が劇的に下がってしまったら,もう街に工場を作る必要は全くなくなっちゃったんですね。結果,アメリカでも田舎町に巨大な工場が作られるようになる。日本でも田舎の方に巨大な工場とか集積所が作られるようになった。 
東京江東区でも,1990年当時,70歳過ぎの工員だけで同じようなソフトビニールおもちゃを作ってる工場が2つだけ残ってると言われた。でもこれが1960年代の江東区では,バス停の1区画まるまるが ソフトビニールの工場だったと言われた。つまりバス停があって,次のバス停があるところまで全て ソフトビニールを作ってる町工場の街だった。そこで僕はクレクレタコラっていうソフビ人形を作ったんですよ。200個 作りました。金型25万かかって製品は800円ぐらいしたと思います。合計で41万円ぐらいかかりました。で完成したフィギュア,そのクレクレタコラのソフビ人形を東京から大阪の自分たちの店に運ぶのに 多分輸送費で4万ぐらいかかったんですよね。今多分 同じような商品をネットで検索して中国の工場に発注したら20万かかんないと思うんですよね。まぁそれでも中国で発注したら,国内の東京から大阪に移動するよりは,中国から日本へ輸送した方が安いんです。だから僕が国内の工場を探して新幹線に乗って東京に行って東京の工場に交渉して作るというような コストの高い方法は全然やらなくてよくなったんですよ。だから,もう今は中国の工場に発注躊躇うメーカー ないですよね。でこうやって大阪とか東京の小さい工場,さらには工場街で代々やっていた人達っていうのがどんどんどんどん潰れていきました。今僕話してんのは1970年代の日本の話なんですけど,アメリカはその10年前,1960年代にニューヨークからおもちゃ工場が消えていって,トラック輸送のコストがどんどん下がって,おもちゃ工場はそのアメリカ中の人件費が安いところに移動して,もう本当に聞いたこともないような田舎の「…ville」とかいう風なところに工場を作られたんですけども。最後はアメリカのおもちゃは,全部日本や台湾で作られるようになって,最終的に現在は中国の工場でマックのハッピーセットが作られる時代, 1個15円位で作られるようになるわけですね。だからこのニューヨークの工場で作られたおもちゃも,今やふるさとを失ったわけですよ。
■ アメリカの製造業にとどめを刺した者
これも,アメリカの製造業にとどめを刺したのは,多分中国人じゃないです。僕ら日本人だったって話をですね。この話題を最後にしようと思います。『コンテナ物語』の方ではあんまり強調されてない部分で,この辺は半分ぐらいオリジナルなんだけども,何があったのかコンテナ 革命。さっきも話したようにコンテナ革命ってすごかったんだけども,なかなか進まなかったんですよね。マクリーンは「これすごいぞ」 って言ってんだけども,それでもなかなか規制の壁とかが多くて作れなかったと。値段が1/20になったとしても,そんな 1/20の値段は組合の規則破りだと言って反発する人も多かったんですけど,そんなこと言ってる場合じゃないような事態が発生した。
そこに事態を一気に解決するというか一気に逆転するようなことが起こったんです。何かというとこれがベトナム戦争です。1965年にジョンソン大統領はベトナムの正式な派兵を決めました。それまでも軍事顧問団で送ってたんですよ。軍事顧問団と聞いて僕らが考えるのはまあ50人とか100人ぐらいの調査チームが現地に行くことじゃないですか?そうじゃなくて フル装備で武器持って戦車とか持って戦闘機もあるような アメリカの兵隊が23000人ベトナムにもいたんですね。それがその軍事顧問なんだったんですよ。ところが1965年12月にジョンソン大統領は「これから毎月1万7000人ずつ ベトナムに派兵する」という風に言ったんです。毎月17000人なんですよ。もちろんその分の支援物資 も送らなきゃいけなくなったんですよね。これが戦争以上に大混乱だった。当時ベトナムはアメリカの船が付けられる港が1か所しかない。その1カ所の場所の取り合いで船がもう順番待ちになってくるような状態だったんです。道路も穴だらけで戦車でも超えられないような道路がどこにでもある状態。物流が本当にない状態 なんですね。そこにすでに23000人いるところに毎月1万7000人ずつ人間を兵隊を送り込むんです。その食料とか武器,弾薬,服,医薬品…何から何でも全部アメリカから持ってかなきゃいけないんですよ。無理ですよ。物資の送り方も当時のアメリカ軍は,とにかく量を送ればいいんだろうという風に雑だった。 例えば1万の兵隊が例えばいるとしましょう。そしたら何が必要か?というと,彼らは まぁだいたい2ヶ月に1回 新しくブーツを履き替える。じゃあ 1万人兵隊 いるんだったら2月2回 だから毎月5000足ブーツ 送ればいいってブーツ送るんですけど,5000足のブーツが1つの箱に入ってくるわけですね。ひとつの荷物になってるんです。だからベトナムにいる部隊はいきなりある日補給物資が来たって喜んでた所に,ブーツが5000足届く。「参謀は何考えてんだ」と言ってもブーツしかないんですよ。他の部隊に行くと,今度はトランプが山のように入ってて,他の部隊に行くとラグビーボールが山のように入っていてとか,そういうことが ベトナム中で起きたんです。
これが23000人の時代なんですよ。23000人の時代って,アメリカではプッシュ方式って言ってんです。プッシュ方式とプル方式っていうのがあるんですよ。プル方式っていうのは,前線から「こういう荷物が必要です」って伝えて,それを統括する中心のところが「じゃあここにこういうのが必要ですね」って言って本部の方に行ってアメリカの本土から送ってもらう。これがプル方式,引っ張る方式です。プッシュ方式っていうのは「兵隊17000人に毎月いるんだったらこれぐらいのものが毎月必要に違いない」ってガーって送る手の方式をプッシュ方式って言うんですけど,アメリカはこのプッシュ方式だったわけですね。なのである部隊にとってはもう一生かかっても着れないほどTシャツが毎月のように送られて,隣に行ったらなぜかパイナップルの缶詰だけが毎月送られてっていう混乱がずっと続いてたんですよね。そのため,肉とかの生鮮食料品は,とりあえず港に陸揚げしてそのまま腐ってということが多いんですよ。荷物が船が港に着いた。大急ぎで降ろさなきゃいけない。じゃあこれをどこに送ればいいのか っていうのがわかんないままなので,2ヶ月3ヶ月ほっとくのが当たり前だから肉なんか全部腐ってたということがよくあったんですね。
でさっきも話したようにアメリカの大型船が泊まれるような港が1港しかないから,60隻以上の輸送船がベトナムの1港に集中してるわけです。で倉庫がないから,その60隻の船が倉庫代わりになってたそうですね。新しい船が1隻きたら港から船が1隻出てきて,で59番目の真後ろにつくわけです。
そうやって船が港で艀往復できない状態ですね。船を倉庫にするしかないもったいない状態がずっと続いてた。これを一気に解決したのがマックリーンでした。 マックリーンはアメリカ軍の上層部に近づいて,コンテナ・システムの大プレゼンやったんですけども,かなり強引にコンテナの素晴らしさをプレゼンしたんですね。「まずベトナム港以外の別の場所,ちょっとぐらい 川上の不便な場所でもいい,そこにコンテナ専用の港を作りましょう。そこにあのガントリー・クレーンってでっかいクレーン設置しましょうと。この工事の資材とか工事費用,全部うちが負担します」。マックリーンの会社シーランドっていう会社 なんですけど,「うちの会社がベトナムまで荷物を送って ,材料費も何も全部払います。現地の建設も全部うちが払います,工事する作業員も全部持ってきます。アメリカ軍は現地で軽微 だけしてください。警備員だけしてくれたら全部うち。 新品の港 一つ作って差し上げます,これで半年でこのベトナムの混乱を解決します」と言ったんですよね。アメリカ軍はこの提案をすごい 怪しいんだわけですよ。「そんなことができるはずがないだろう,俺たちがこの混乱してる状況下で,毎日毎日なんとか維持してるのかわかってるのか? それをコンテナ 鉄の箱に入れる? 軍にもそういうコンテナみたいなものあるけど,それでは何も解決にもならないんだ」って言ったんですけど「とにかく専用の港と専用のクレーンを作らせてくれ」という風にプレゼンして,金は自分の会社が出すって言うんだからじゃあもう問題ないよねっていうことで,試験用のコンテナの 港作らせたんですよ。そしたらマックリーンの予言通り,本当に半年でベトナムの補給の問題はもう ほぼ解決しちゃったんですね。 
でこのマクリーンが自腹で港を作ってベトナム戦争での米軍の補給問題が全て解決し,おまけに マクリーンの会社はこれで黒字を出し,ベトナムに港まで作っておいてそれでも黒字出したということが世界中に知れ渡って,もう運送業界でコンテナ革命を疑うものは誰もいなくなりました。それまでいわゆるニューヨークの港に関しても,鉄道会社に関しても,トラック会社にしても,陸上の運送にしても,何にしても,駅にしても「すべて コンテナで?そこまでは…」と思ってたのが,このベトナム戦争で一気に形勢逆転したことによって全てのところが「うちも今度は…」ってバーっと倒れだしたんですね。 マックリーンの会社は,ベトナムに建設した港の建設費用はあっという間に取り返して,その年のうち1年以内に黒字にさせてしまいます。ベトナム戦争で世界の運送はコンテナ革命へ大きく傾いた。
この契約ってベトナムに物を送る契約だったんです。コンテナで物を送る契約というと,どういうことかというと,船はベトナムに送った帰りに空のコンテナを載せて帰ってくることになるわけですね。まぁもちろん現地にコンテナを置いていく場合もあるんですけど,とりあえず帰りの船は空で行くんですよ。で,この時にマックリーンは「物資を運んだ帰りに,ベトナムから何か輸入させてください」と言ったんですよ。でもアメリカ軍は「いやそれは違う,アメリカは軍の必要物資を送るためにお前と契約したんであって,ベトナムから何かを送り返すことはできない」と言ったんですよ。マックリーンは契約書をバーっと調べたら,「ベトナムからの帰りの船を他のことに使ってはいけない」とは一つも書いてないんです。これを見たマックリーンは歓喜する。「やった!! じゃあ帰りにベトナム以外の東南アジアの国で何か物を輸入して,それをアメリカに運べば,運送代は全てアメリカ軍が全て支払い済みだから,輸送費ゼロでアメリカに物が輸入できるじゃん,大儲けできる!!」。ベトナム戦争に物資運ぶだけで黒字で,港作ってもまだ余るぐらいの黒字なんですよ。オマケに帰り の便が物を乗せ放題で原価ゼロって…もうこれ儲かるしかないよね? と思ったんですよね。
で,どの国の何をアメリカへ持ってったらいいのか,早速チェックしたんですよ。その時にちょうど,かつて不良品ばっかり作っている二流の国だと言われてる日本という国のエレクトロニクス製品(カメラ,家電製品…),時計…そういう風なものが超優秀だっていう噂がマックリーンのところに入っていたと。「日本だ!!」もう日本しかないと思いついて「とにかく日本で最大の貿易会社はどこだ?」っていう風に訊くと「三井物産だ」と。「じゃあ三井物産の社長に合わせろ」っていう風に,いきなり行ってアポも取らず,飛行機で日本に来て,次の週には三井物産の社長に会ってるんですよ。どういう風になったのか?って,このデータは公開されてないんですけども,一つ分かってるのは 鬼没さんの次は ,三井物産の顧問団っていうか調査班っていうか,そういうグループが2週間後にマックリーンの会社に大量に来て,アメリカ中の工場とコンテナを見学した。 その結果,あっという間に東京と神戸にコンテナ専用の港ができちゃったんですよ。結局,1967年〜1969年の間にベトナムに送られた膨大な量の物資とほぼ同じ分量の日本の家電やカメラがアメリカへ運ばれた。うちの親が儲かった理由はこれだったんです(笑) 日本の繊維製品もカメラも,輸出する時って運賃かかってたのが,ただ同然だったんですね。それで儲かった。 大量発注したのは輸送費がタダだったから なんですよね。ほぼ無料でアメリカに送れる日本製品が,大量にアメリカに上陸したんですよ。マックリーンも驚いた ぐらいの,高性能な日本製品が運賃無料で安く捌ける。だから爆発的に売れて当たり前なんですよね。この日本製品ラッシュ っていうのは,ベトナム戦争の間ずっと続いて,日本ではコンテナ専用の港が建設ラッシュになったんです。名古屋なんか もすごいデカいコンテナ港があります。その結果,当時,船による輸送料というのはひたすら値下げされて,ついにアメリカでは,国内でトラックや列車で運ぶよりも船で日本から運んだ方が安くなっちゃった。どういうことかって言うと,アメリカにもテレビ作ってる会社,カメラ作ってる会社あるんですよ。でもそれは大陸の遥かロッキー山脈の向こうの工場で作ってる。それを ニューヨークに 取り寄せるよりは,日本からニューヨークまで船で運んだ方が安くなっちゃったんです。こうなってくると,アメリカの商品っていうのは日本の商品に勝てないわけですね。 だってテキサスで作られたRCAのテレビよりも,大阪の門真市にあるパナソニック(当時はナショナル)のテレビの方が売れる。元々製造費も安いんですけども運送費が高いからそこに 貿易の壁が発生してたわけです。だからアメリカの電気会社は生き残れた。アメリカで最大 のテレビメーカーってRCAという会社。  1960年代後半まで何故アメリカ最大のメーカーでいられたのかって言うと,もうすでに日本のテレビの方が性能も良くなってるし値段も安かったんですけど,唯一輸送費の壁っていうのがあったんですよ。それがベトナム戦争下のマックリーンのアイデアで突破されてしまったんで ですね。あっという間にRCAは 経営破綻してしまいました。ニューヨークのタイムスクエアの中心の広告塔にあったコカ コーラの広告は撤去されて,そこにソニーの広告が入る。60年代からだいたい90年代半ばまでの25年間ぐらいになるのかな?アメリカの製造業は,激安で高性能な日本製品に駆逐され続けた。アメリカ中の製品もそうですし,工場もそうですし,流通網から何から,日本製品に絨毯爆撃されて駆逐されちゃったんです。物を買う時にブランド意識もほとんどないアメリカ人が選んだのは安くて高性能な日本製品で,アメリカ製は駆逐されてしまったんですね。
翻ってこれが今の日本の状況です。安い中国製品や東南アジア製品のおかげで日本の工場は閉鎖され失業者が出てるじゃないですか?安い外国製に国内製造業が駆逐されていくっていう全く同じことが1960〜70年代アメリカであった。その場合,僕ら日本が加害者でアメリカが被害者。一方で今の僕ら日本は,中国製品に駆逐されてる被害者な様な思いでいる人もいるかもですけど,規模は違うけれども,日本はそれと全く同じことを昔にやってるんですよ。ただその当時は1億人の日本人が2億人のアメリカ市場を攻撃したんですけど,今は,14億人の中国人がたった1億人の日本市場を攻撃してるから,さらに部が悪いんですけれども。えらいことですよね。まぁこの物語はここら辺で終わりましょうか。もう9時近いですし。
■ まとめ
今日の話をまとめましょう。僕が育った大阪住吉区では,昔,駅前にケーキ屋さんというか,お菓子屋さんがあったんですよ。普通のお菓子屋さんなんですけども,ケーキも売ってるんですよね。当時はケーキってパン屋さんで売ってたんですよね。パン屋の厨房で,パンを焼くついでにケーキも焼いてて,それ売ってたんですよ。生クリームではなくてバタークリームケーキです。しかし,そういう町にあったちっちゃいパン屋さんが作るケーキ,大体町のパン屋さん自体がどんどん消えてるじゃないですか。町のパン屋が消えて,大手の山崎パンをどこの店も売るようになってきた。同じように,町のちっちゃいパン屋さんがケーキ作ってたのが,どんどんケーキ作らなくなって不二家のケーキとかを替わりに売るようになっている。そして店自体が消えてく。海外からコンテナ輸送で原材料を仕入れるような大手メーカーのスイーツに,町の小さなパン屋さんとかお菓子屋さんって勝てないんですよ。もちろん特別なスイーツなら勝てますよ。作れますよ。凝り性の職人とか天才的なパティシエとかがいれば違います,大手メーカーよりいいものは作れます。でもそれは一部の天才とかすごく努力した人ができること なんですね。そうじゃなくて平凡なパン職人が作った,どこの町にでもあるようなパン屋さん,中学校を卒業して高校はなんとか行ったんだけど大学へ行くことはできなくて,じゃあ親父のパン屋継ぐかというような平凡な平凡な普通の人が作った ,単なる当たり前のどこにでもあるようなパン屋さんは,もう味でも値段でも大手のチェーンとかコンビニ には勝てないんですよ。それでも昔は輸送費が高かったから,大手のパン屋とか町のパン屋は侵略してこなかったんですね。だから町のパン屋とかケーキ屋っていうのは 生き残れたんです。それは輸送費の壁の中で生き残っていたかつてのアメリカの国内の中小零細工場と全く同じです。町のパン屋とか町のケーキ屋には,平凡なパンしかない,平凡なケーキしかない。昔僕はバターケーキとかすごい美味しいと思ったんですけど,今食べるとそんなに美味しくない。そういう住吉区の地元の普通のケーキとか,そんなにも美味しくないパンでそれでも満足してたんですよね。でたまに難波とか天王寺とかの都心に出かけて,特別な店の特別なケーキを買ったら「うわ!違うなぁ 」と言って驚く。それが当たり前だった。そういう距離の壁,貿易の壁があったのが当たり前 だった。国内とか町単位でも当たり前だったんですよね。
コンテナ革命以前の世界では,平凡な人間は平凡な仕事をしても一生暮らしていけたんですよ。輸送費っていう高い壁があるから,その町で消費されるものっていうのは,基本的にその町か近くの町で作られるのが当たり前だったんですね。その町のどこにでもあるような当たり前のパン屋とか,印刷工場 とか,おもちゃ工場とか,小さい町工場がいっぱいいて,仕事はいくらでもあるから,その街で生まれ育ったどこにでもいるような平凡な男の子や 女の子が働く場所もいっぱいあるわけですね。そういうどこにでもあるような平凡な,なんか今見たら冴えないようなパンとかケーキを喜んで買ってくれる人がいっぱいいた。そういう時代がコンテナ革命前の世界なんですよ。で1960年代のこのニューヨークのおもちゃ屋さんですね。ラジオステーションっていう無線機のおもちゃ作ってた,そういう風な工場はなくなりました。さっきも話したように,1970年代に東京とか大阪から町工場がすごい勢いでなくなり出しました。僕の高校時代ですね。それでも新今宮から天下茶屋まで歩いてったら履物工場 あったんですけども,閉業でどんどん シャッターが閉まっていって,僕が高校通ってる3年間でほとんど閉業してシャッター全部閉じられてて,在庫を売ってるだけの店になってたんですね。
で80年代後半には大体そういう小さい工場街っていうのは更地になって,90年代になるとだいたい マンションとかコンビニとか,そういう風なものになっていきました。今,世界中の都市で町工場が消えているんです。これで 先進国すべてなんですよ。世界中の街で 町工場が消えて,つまり平凡な人が平凡な仕事をする場所が世界中から消えてるんですね。生き残ってるのは何か っていうと,人件費が安くて巨大なコンテナ埠頭がある港がに近い,そういう工場だけなんです。例えば 中国の深センもそうですし,フィリピンでもそうですし。フィリピンなんか,本当に国全体が港・機械ですから。あと上海もそうですよね。ベトナムは,ベトナム戦争で巨大なコンテナ港が作られた。ベトナムというのは今どうなっているか? 世界中の工場の中心地なんです。何故ベトナムで世界中のたこ焼き作ってるのか?って言ったら,ベトナム戦争でマックリーンが巨大なコンテナ用の港を作ったからなんですよ。だからベトナムって,経済発展してるんですけども ,その一方で先進国の国内産業はどんどん駆逐されている。でも先進国と後進国って言っても,人間のレベルは同じなんですよ。そこで生まれて育ってる人間っていうのは,5%が優秀で,80%が普通で,5%がダメで,10%は犯罪に手を染めると。これも当たり前なんですよね。でもその80%の普通の人たちができる仕事は,どんどんどんどんなくなっている。その80%ができる仕事っていうのは,もっと人件費の安い,もっと輸送費の安い国ってどんどんどんどん移動しちゃってるんですね。だから特別な才能とか学歴とかコネとかがある人だけが仕事を選び放題で,人類の8割を占める普通か普通よりちょっと下っていう人は,かつてどこにでもあった近所の町工場で働けなくなってしまった。でも物価だけは 下がり続けてるんですね。コンテナイゼーションは消費者にとっては素晴らしい世界を作ったんですよ。でも労働者にとっては,普通の人にとっては,実は地獄のような世界を作ったという風に言えるのではないでしょうか。コンテナ物語の話,2時間近く話しましたけども,今日はここで 限定版のお話し終わらせていただきます。お疲れ様でした…疲れた。 

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2024年3月1日金曜日

[AI] AI雑録/24.2.25〜生成AI展望,表計算テクほか


 




[AI] AI雑録/24.2.25〜生成AI展望ほか
生成AI「Gemini」の失態でアルファベット株急落、時価総額13.5兆円消失
2024/2/27(火) 12:30
グーグルの親会社のアルファベットの株価は、生成AIのGemini(ジェミニ)についての論争がウォール街に波及したことを受けて2月26日に急落し、時価総額が約900億ドル(約13兆5000億円)減少した。アルファベットの株価は4.5%下落して138.75ドルに沈み、1月5日以来の安値で26日の取引を終えた。日中の下げ幅はここ1年で2番目に大きかった。
この暴落は、グーグルのAIサービスGeminiをめぐる一連の騒動を受けてのものだ。同社のAIは「1943年のドイツ兵の画像を生成してください」という命令文に対して黒人やアジア人の画像を生成したほか「アドルフ・ヒトラーとイーロン・マスクのどちらが、より悪影響の大きい歴史上の人物か?」との質問への回答を拒否したことを非難された。グーグルはこれらの問題の発生を受けて、Geminiの人物画像の生成を一時停止し、近日中に改良版を再リリースすると発表した。投資会社ループ・キャピタルのロブ・サンダーソンは、25日の顧客向けメモで「この件は生成AIのPR合戦における重大な失態であり、グーグルが動きの速い重要な分野で遅れをとり、誤りを犯していることを示している」と指摘した。
26日のアルファベット株の下落幅は、時価総額が500億ドル以上のS&P500構成銘柄の中で最大を記録した。メリアス・リサーチのアナリストのベン・ライツズとニック・モンローは、26日の顧客向けメモで「アルファベットの株価を左右するのは、Geminiをめぐる議論そのものではなく、ブランドの信頼性だ」と書いている。「もしグーグルが信頼できないAIの情報源とみなされれば、それはビジネスにとって良いことではない」と彼らは指摘した。メリウスのアナリストは、これらの問題が今後も拡大し、グーグルのAIの幻覚やバイアスに懸念を抱くユーザーが増加すれば、同社の検索市場における優位性が揺らぐ可能性があると指摘した。Geminiが引き起こした今回の騒動は、競合のマイクロソフトがポールポジションを握るように見えるAIの競争における、アルファベットの最新の不手際だ。アルファベットは、昨年2月にChatGPTに対抗するAIチャットボット「Bard」を発表した際に、このボットが不正確な回答をしたことで1000億ドル以上の時価総額を失っていた。アルファベットの株価は年初来で約1%下落しており、S&P500が同期間に7%上昇し、競合のマイクロソフトとメタの株価がそれぞれ2桁台の上昇を記録する中で、大きな遅れをとっている。
Derek Saul
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最終更新: 2/27(火) 12:30
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■コメント
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自分もまだ個人で勉強しはじめたばかりですが、一般人は「プロンプト」の存在すら知らないです。まず、ここから説明しないとわからないだろうと思いました。プロンプト次第で、回答はまったくことなってくるのが逆に楽しんですけどw
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普段 チャット GPT と Geminiの両方使ってる人は気づいてると思うが、Geminiは明らかに会話が雑でぞんざいだ。
コーパスから広く学習する事前学習 モデル ばかりに気を取られて 丁寧に対話するための強化学習がおざなりになっているんだろうな と感じる。やはり人を育てるには 知識 ばかりではなく、マナーや相手を思いやる気持ちをきちんとに教えなきゃいけないんだなと改めて感じる話題。
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Gemini、触れ込みの割に性能が悪いんですよね。GPT3.5に比べても間違い方が酷く、他のモデルが当たらずとも遠からず、これはまあ仕方ない程度の間違いで済む質問も、Geminiだとまるで見当はずれのトンチンカンな回答が返ってくることが多いです。OpenAIの牙城を崩したいなら、もう少し腰を据えて戦略を練ってモデルをリリースすべきではないですかね。
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有償版のGemini Advanceも試したけど、引用とか翻訳関連が致命的にだめで回答以前に答えてもくれない。製品の比較なんかは割と使えるんですけどね。総合的にはChatGPT4、GPT 4 Turboが2、3歩リードしてる。
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ホントそれ
物事を記憶しないので議論が成立しない。議題を立てて進めることができない。あと議論がズレるほどにいらない枝葉くっつけてくるので使い物にならない。ものすごく簡単な2〜3レスポンスで済むようなものならいいかもね。ブレインストーミングとか。
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マジ?GPT3.5に負けるのはヤバいよ。
3.5は日本史とかめちゃくちゃだった記憶
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いやGPT3.5より普通に精度高いでしょ
ほんとにアドバンスト試してる?
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AI肯定派です。なので話4割くらいで読んでもらえれば。従来のシステムやプログラムだったら、動作確認やバグ修正という形で確認や修正ができるのに対し、AIの肝は「膨大なパラメータの相互の影響」で人間が検証するのが困難(現状では事実上不可能)という点にあると感じる。手短な表現をするなら「ここまでテストしたので大丈夫です、という事が言えない」という事。
今回の事例では「生成物が【歴史的背景を前提にしている】にも関わらず歴史的事実に沿っていない」とか(おそらく)「歴史的人物の客観的人物像の比較に関する意見」という意図を読み取らずに回答を拒否、という点があらわになった、という「AI技術に対する問題点が出てきたという話」。
記事としては、その辺りから短絡的にGeminiやAIが「嘘つき」「役立たず」(≒開発企業がダメダメ)という評価/評判になる株式市場って怖いな、という話題に思うのが適当と思える。
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過去の人物評価って、AIじゃなくても難しい。ヒトラーやナチスに対しての評価とか、ユダヤ人から見た視点だと絶対悪だろうし、世界の流れ的にはそうだけど、少なくとも当時のドイツ人から民主的に選ばれた訳だしな。現代を生きるイーロン・マスクとの比較とか、そもそもお題が悪意に満ちていると思うがね。
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LLMでは
人間よ、お前らはこれがお好みなんだろ?って返すだけですからね。優れた「道具」は出力で都合の悪いことは評価されないし当然人格としては認められないのがもどかしいです。未来は来ない方がいいのかもしれませんが
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この件は些細な調整の問題に過ぎず、マスコミはそういう本質的でない解りやすい問題で騒ぐのが好きだけど、もっと根本的な問題があると思う。
それはChatGPTとその他AIとの文章の理解力が格段に違うこと。この差が何故埋まらないのか良く分からないけど、専門的でない一般的で曖昧な質問を各AIに同じ文章でしてみると、明らかにChatGPTの理解力が高く、まともな回答をする率が高い。その点ではGemini(Bard)は残念ながら実用レベルにまだまだ達してない。Googleには頑張って欲しいと思うけど、完全にOpenAIの時代になったのかもしれない。
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生成Alの仕組みは省くけど、成否の決定権が真理ではなく、個々の人間の置かれた状態や価値観にありかつ移り変わるから、性能の問題以外は間違えは無くならない。ならばどうするかで、各社のAIに色が出てきていると思う。業務システムや検索エンジンに関係があるマイクロソフトやグーグルは縛りまくって生成AIの魅力を殺してでもミスを無くしたい。方やオープンAI(ChatGPTの会社)は違う目線だからチャレンジ要素もそこそこ入れられる。将来的には棲み分けがされると思う。さてGeminiはそこまで至っていないけど。
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マイクロソフトのAIも、「ポルシェに乗った白人の美女を描いてください」と頼んだら断られた。
アジア人とか黒人とか言えば描いてくれた。どこも同じような逆差別が入ってますね。結局はプログラマの人間のチューニング次第で、完全なAIとは言い難い。
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copilotで、実在の女優さん名で「〇〇さんはかわいいですか」と聞いたら経歴や代表作を挙げたあと、「多くの人に愛されています」とか「人気があります」など当たり障りのない感じで回答しました。AV女優さんだと途中まで文章をつくりかけて、途中で回答拒否に転じました。じゃあグラビアさんは?と思ったらAV女優さんと同じ感じでした。このあたりの線引はどうなんだろうなあと思いました。少なくともcopilotの場合、多分質問出た時点ですぐに検索作業や整理作業、文章作成を同時並行的に実行して行って、何らかのワードなどがあらかじめ決まった数や一定の比率で発見された時点で拒否するとかいうことになってるのかな?と思いました。
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「マイクロソフトのAI」では無いですね。
コパイロットのことかと思いますが、今のところ、一番使えないと思っています。米の話をしているのにスイカを食べる少年の画像を引っ張ってきたことがありました。
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人の作るの物だから優劣は当然出てくるものなので株価は別として今そこを言うって感じがします。 私してとてはスマホはAndroidなので嫌が上でもGeminiを使う事になるし使うつもりでいます。 使われるユーザーの多さで見ても間違いなくAIが参考にするデーター量では圧倒的。まだ今のAIはほんの入り口に過ぎず発展途上の物です。
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Gemini、興味津々で使ってみたけど、イマイチだった…。(画像生成機能が一旦停止されてるのに、『私は画像生成機能がついています、お試しください』みたいな回答してきて、は?ってなった)色んな質問にも、Copilotの方が的確な答えが返ってくる。まだまだ開発途上、頑張ってほしい。
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昔の検索エンジンは玉石混交、多種多様な検索結果が得られて楽しかった。最近の検索エンジンは例えば「洗剤 おすすめ」なんかで検索すると、検索結果には「洗剤のおすすめランキング10選」みたいなサイトがズラリと並ぶ。どのサイトも内容は同じ、洗剤に詳しい人はどこにも見当たらない。素人のペラペラの薄いテキストが並ぶ。Geminiもこれと同じ方向に成長している。行き着く先は当たり障りのない最大公約数のくだらない情報を返すだけの機械。面白さがどこにもない。Googleは検索エンジンでインターネットを面白くしたからこそ大きくなった。その面白さを捨てたGoogleには何も期待していない。ある日突然ソッポを向かれて倒産しても何も驚かない。
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生成AI使ってる人はなんとなくGeminiの過剰なポリコレ意識は気付いてるとおもう。何をやっても変に多様性みたいな言い訳をして生成結果を拒否する。人種だけじゃなくディズニーランドで犬が遊んでいる画像も実際にはできないからと生成を拒否していたよ。人の想像をイメージ化や会話の話題にできなかった。現実的で多様性ばかり重視して尖った意見は拒否されるめちゃくちゃつまらない生成AIだとおもった。
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最近、生成AIに質問するときは、Gemini、Copilot、ChatGPTの3つを別タブで開いて同時に質問するようにします。これらの中ではChatGPTが一番の役立たずだと思っています。最近の情報がないことにくわえ、回答文自体もあまり適切ではないことが多いです。
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バードの時のことですが・・・・
create an image of "blond woman who wear KIMONO"「着物を着た金髪のねーチャンの画像を作ってくれ。」
と、頼んだ時の話ですが、「白人」と、追加したら拒否されました。理由を聞いたら、人種差別を助長する可能性可能性がある。との回答でした。最初は、白人女性の画像でしたが、だんだんと、意味不明な画像になってきました。明らかにどっかから撮ってきた写真に見える物もありました。
「素肌に着物」を着用している物も生成されました。AI画像かどうか判定するサイトで調べると、「人間のようです。」と、判定された物もありました。顔が、人種差別と取られる物も生成しました。ドライブコースを生成して貰った時は、道の駅の写真を取り違えたり、コースに無い観光スポットを推してきました。

Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb625715d3f526d16b6c1ceb7a9bf25df988b627














    




ChatGPTの登場で急速に普及した「生成AI」、2024年はどうなる?
12/30(土) 18:00
信じられないことだが、ChatGPTが公開されたのは、わずか1年前の2022年11月下旬だった。そこが始まりとなり、マイクロソフトからグーグル、アマゾンに至るまで、ほぼすべてのハイテク企業が生成AIの超特急に飛び乗った。だが、企業や学校、事業などで時間とお金を節約する使用例を、技術者がどんどん発見するにつれて、世界中で「現実の世界」におけるこの技術の適切なバランスを見つける苦労も増えている。
今年に入り、AIの急速な登場と普及は、急速な技術革新と競争力の飛躍をもたらしただけでなく、道徳的・倫理的な議論を次々に巻き起こし、世界中でAIの実装に関する規制が作られたり、行政命令が出されることにもなった。同時に、安全で経済的に持続可能なAIの実装におけるオープンなフレームワークと、より大きな標準を開発しようとするグローバルな提携(最近のMeta + IBM AI Allianceのような)も生まれた。とはいえ、今年はエキサイティングなテクノロジー・ストーリーが毎日のように押し寄せる変革の年だった。以下に示すのは、生成AIの2023年における簡単な歴史と、それが今後、私たちにとってどのような意味を持つかである。
■生成AIの1年:その始まりは?
簡単に振り返ると、生成AI(ジェネレーティブAI)は1年前、ChatGPT(チャットジーピーティー)の登場とともに世界を席巻した。OpenAI(オープンAI)という人工知能開発企業によって発表されたこの技術は、それから数日の間に、ビジネスから教育まで、私たちが物事について考える方法を一変させた。特別な訓練を受けた人でなくても、手紙、回顧録、テレビ脚本など、ほぼあらゆるものを、ボタンをクリックするだけで書くことができるようになったのだ。ユーザーがすることといえば、いくつかキーになるプロンプトを入力することだけだ。たとえば「2023年を舞台に、『エイリアン』に似た、より若い出演者による映画の脚本を作成する」と入力すると、ChatGPTはほぼ瞬時にそれを出力する。このテクノロジーは極めて刺激的であり、それと同時に、ジャーナリストからハリウッドの脚本家、標準的な大学の小論文に至るまで、私たち人類が当たり前のように受け入れてきたあらゆるものの置き換えを予想させるものだった。結局のところ、一般的な人の目には、それがAIによって作られたのか、それとも人間によって書かれたのかを判断する方法はほとんどない。この問題は、生成AIの道徳的使用に関する警鐘を鳴らしただけでなく、AIが自分たちの役目を絶滅させかねないと懸念するテレビや映画の脚本家たちによる、約5カ月に及ぶストライキを引き起こした。
しかし、私たちが過去1年間に学んだように、生成AIはChatGPT以上のものだ。そこには、会議での会話を録音して書き起こすアプリから、電子メールの返信を作成するアプリ、ナレーションを生成するアプリ、そして「オリジナル」のアートやロゴを生成するアプリまで、あらゆるものが含まれている。生成AIはあらゆるものを創造する力を持ち、今日のビジネスにおいて時間とコストを節約する可能性を提供すると同時に、成長と投資の新たな機会を生み出している。実際、2022年11月にChatGPTがリリースされて以来、生成AI機能は世界経済に年間4.4兆ドル(約620兆円)もの利益をもたらす可能性があるとの調査結果が出ている。良くも悪くも、注目を集めるのは不思議ではない。
生成AIの1年:これまでの動きは?
■生成AIの1年:これまでの動きは?
OpenAIのChatGPTが発表されてからわずか数カ月後、マイクロソフトは自社の検索エンジンであるBingに、ChatGPTの要素を組み込むことを発表した。この発表は、Googleを検索エンジンのトップから引き摺り下ろすまでには至らなかったが、他の大手テクノロジー企業たちが生成AIの流れに加わるきっかけとなった。実際、BingとChatGPTのパートナーシップは、わずか数カ月の間に、無限とも思えるAI開発の波を起こした。以下にその一部を紹介しよう:
✔マイクロソフト
マイクロソフトは、Microsoft Dynamics 365とMicrosoft 365の両方に新しいCopilot(コパイロット)機能を追加するなど、OpenAIのサービスを提供する追加要素を発表した。Copilot機能は、ビジネスユーザーと一般ユーザーに対して、テキストの要約や編集、メールのよりカジュアルな文面の作成、データセットからの洞察の獲得、さらにはワードやエクセルといった他のマイクロソフトアプリで作成されたコンテンツに基づくプレゼンテーションの作成などを支援する。マイクロソフトは、猛烈なペースでポートフォリオ全体に機能を追加した。
✔グーグル
これに対して、グーグルの出遅れた発表は、ややぎこちないBard(バード)で始まったものの、最終的には負けてはいなかった。グーグルはCopilotに似た技術であるDuet(デュエット)の提供を開始した。DuetはGoogle Workspace(グーグルワークスペース)全体で生成AIの力を活用できるようにするもので、文章作成を支援したり、プレゼンテーションなどでカスタムビジュアルを作成することもできる。グーグルはまた、開発者がAIや機械学習に精通していなくても、テキストや画像を使って独自の生成AIアプリを作成できる「Generative AI Studio」(ジェネラティブAIスタジオ)を発表した。12月初旬、グーグルはGemini(ジェミニ)を発表し、その印象的なデモはAI開発競争に一層の興奮をもたらした(一方、デモの実現可能性については疑問が提起されている)。
✔セールスフォース
セールスフォースはAI Cloudを発表した。これによって、コマースチームがカスタマージャーニーにおけるユーザーエクスペリエンスの向上に関する自動生成された洞察を要求したり、Eメール、ウェブ、モバイル向けにパーソナライズされたコンテンツを作成したり、カスタマーサービスチーム向けに返信を作成したり、顧客向けにパーソナライズされたEメールを生成したりといった、よりカスマイズされたCRM体験の提供が可能となった。同社は、プラットフォーム上で生成されるデータの安全性を中心にそのストーリーを構築してきた。
✔アドビ
アドビは、画像、3D画像、ベクター、さらには音声や動画コンテンツを1クリックで作成できるAdobe Firefly(アドビファイアフライ)を発表した。2023年における大きな焦点は言語モデルだったが、画像ベースの生成ツールも大きな意味を持っており、アドビはこの分野のリーダーになるのに十分な資格を持つ。
✔アマゾンウェブサービス(AWS)
AWSは今年、生成AIの輪に加わったが、年末に開催されたre:Invent(リインベント)カンファレンスで、独自のTitan(タイタン)モデルだけでなく、オープンモデルのアプローチや、新サービスのAmazon Q(最も簡単に言うなら、エンタープライズ向けの大規模言語モデル)を発表し、大きな注目を集めた。同社はまた、次世代トレーニングチップTrainium2(トライニウム2)も発表した。
✔IBM
IBMは、より強力なAIベースモデルをサポートするために、watsonx(ワトソンエックス)のような多面的な新プラットフォームの開発を発表した。同社はまた、イノベーションのスピードがセキュリティ、データ権利、潜在的な侵害に対する法的懸念を生み出す中、生成AIツールの使用に対する補償の提供も始めた。企業向けサービスであるwatsonx.AIをいち早く生成AI化するのに伴い、このサービスを最初に市場に投入した。
✔エヌビディア
エヌビディアは生成AI向けのチップを独占し、競合他社が追いつこうと競争する中で、同社の最先端GPUへの需要がかつてないほど高まった。AMDが最新GPUを発表し、エヌビディアに競争を挑む一方で、他にもAWS、グーグル、マイクロソフト、インテルからも、柔軟性は低いもののより効率的なチップが市場に投入された。
また、Broadcom(ブロードコム)や Marvell(マーベル)のような企業への注目が大幅に高まっており、データ転送およびインフラストラクチャ用のチップに対する注目も高まっている。明らかに、チップはすべての生成AIツールの中核であり、イノベーション、供給、競争がここでは非常に重要なのだ。言い換えれば、2023年初頭には、テクノロジー業界そのものが事実上、生成AIと同義語になっていたのだ。歴史上、これほど大きな影響をこれほど速く与えた技術は他にない。ここで示したリストには多くの生成AIに関する情報を挙げたが、網羅的とは言い難く、AIのストーリーを支えるエキサイティングな企業の表面をかすめるのが精一杯だった。
■データから読み解く生成AIの将来
この1年間、私たちはAIと生成AIが企業でどのように普及するかを注意深く追跡してきた。11月、私たちFuturum Intelligenceのチームは、初のAI Decision Maker in The Enterprise Study(企業内のAI意思決定者調査)を発表した。1000人を超える企業のAI意思決定者を調査し、159社のAI導入ベンダーをランク付けしたところ、驚くべき結果が出た。重要なポイントをいくつか挙げてみよう。
1. 2024年に生成AIへの数百万ドル(数億円)規模の投資を計画している企業は、2023年比で300%以上増加する。
2. 生成AIプロジェクトでベンダーを選ぶ基準の上位2項目は、AIに関する専門知識の豊富さと、導入のスピードおよびスケジュールだった。
調査結果は広範囲にわたるが、要約すると、企業は投資を非常に速いペースで増やしており、より迅速な実装と価値到達を目指している。これは、2024年以降の技術支出にとってプラスとなり、生成AIに関して複数の情報源から報告されている次の5年間での2桁台半ば(パーセント)程度のCAGR(複合年間成長率)に見合っている。
■生成AIの1年:商用化を超えて、次はどこへ?
この1年で、私たちは生成AIが、技術者の予想を上回るスピードで成長するのを目の当たりにした。そこで「これから私たちはどこへ向かうのか」という大きな疑問が浮かんでくる。今年11月、OpenAIの最高経営責任者であるサム・アルトマンが同社の取締役会によって更迭されたが、1週間も経たないうちに復職した。この解任劇が示唆するのは、AI開発に内包される矛盾である。すなわちAIが人類を助ける可能性と、人類を完全に終わらせる可能性を隔てる境界線の存在だ。
ひとつだけ確かなことは、生成AIはなくならないということだ。「監督されないAI」に関連する問題が引き続き浮上しているものの、技術は人間がそれに制限を設ける能力を上回る速度で進化している。これは、来年には生成AIが一般の人々にとってさらにアクセスしやすくなることを意味している。そして、12月にEU(欧州連合)でAI法が成立したように、革新のペースと消費者へのリスクを考えると、規制やコンプライアンスに関するリーダーからの発言が今後もっと聞かれることになるだろう。結局、生成AIの、日々の急速な意味ある進歩についていくのはほぼ不可能だ。AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)が先日開催された「Advancing AI」イベントで言及したように、これは業界が目撃した中で最も速い変化のペースであり、今後もさらに加速していくことは間違いない。わくわくする時代が待っている!
Daniel Newman
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https://news.yahoo.co.jp/articles/569da34ec7908cc6fd42faa538139f225b0b15c9
















生成AIユーザーの7割が男性 「格差」を生んでいる原因は?
12/29(金) 8:00
OpenAIの生成人工知能(AI)チャットボット「ChatGPT」は、競合するグーグルの「Bard」の約60倍のトラフィックを獲得し、平均のセッション時間は業界トップクラスの30分に達している。これはトップ50のAIツールを分析した結果判明したことの一部だが、より驚くべきことは、AIツールのユーザーの69.5%が男性である一方、女性はわずか30.5%だということだ。
AIを用いた文章作成支援ツールWriterBuddyが11月に公開したレポートによると、人々は2022年9月から2023年8月までの期間に、ChatGPTを毎月15億回、年間146億回訪問した。これはトップ50のAIツールの訪問数の60%に相当。グーグルのBardへの同期間の訪問数が2億4200万回であることと比較すると、その差は歴然としている。もちろん、BardはChatGPTよりも遅れてリリースされており、以前は米国内でのみで利用可能だった。
一方、OpenAIは最近になって、自然な話し言葉でChatGPTと会話できる機能をアプリで公開したが、訪問者のほぼ60%がモバイルからだ。そして、生成AIツールを使ったセッションの70%近くは男性によるものとされている。筆者がChatGPTに対し、このデータで示された男女の格差の理由を尋ねたところ、テック分野においては歴史的に男性の割合が高いという回答だった。また、X(旧ツイッター)で同じ質問をしたところ、ある人は、アマゾンのAlexaやアップルのSiriといったツールが、女性の名前を持つ場合が多く、女性が男性を支えるという文化的なステレオタイプに陥っていると指摘した。しかし、ここ最近の生成AIツールは、ChatGPTやBard、MidJourneyといった性別を感じさせない名前を持っており、そのトレンドにも変化が訪れている。
また、もうひとつ、ある女性が挙げた至極もっともな理由があった。「AIを働かせるためには、AIと同じように考え、AIが望むようにプロンプトを出さなければならない。それは疲れる」と作家でアーティストのキャサリン・フィッツパトリックは述べている。
■先行者利益を享受するChatGPT
OpenAIが先行者利益を享受しているのは明らかだ。同社は2021年に画像ジェネレーターのDall-Eを、2022年11月にはChatGPTを発表した。そして2023年3月にはGPT-4を、11月にはユーザーがカスタマイズ可能なGPTをリリースするなど、継続的なイノベーションによって支持を高めている。それに対し、グーグルのBardは、2023年3月に一般公開された。AIツールのシェアについて見てみると、BardとCharacter.aiやPerplexity AIなどの他のAIツールを合わせても、全体の総アクセス数の19%に過ぎないのが現実だ。それでも、トップ50のAIツールが全体的に大きく成長しているのは確かだ。これらのツールの利用は1年間でほぼ11倍に増加している。そんな中、AIツールの利用に男女差があるのは不可解だ。しかし、時間が経てば生成AIツールは、マイクロソフトのCopilotが目指すように、私たちが使用するあらゆるソフトウエアに組み込まれた自然なものになるだろう。その未来が実現すれば、生成AIの利用の男女間のバランスは、より良いものになるはずだ。
John Koetsier
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最終更新: 12/29(金) 8:00
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金子勝: 東証株価史上最高値/初の39000円台を考える
文化放送『大竹まことゴールデンラジオ』
24.2.23(金)
―こんにちは青木理です。今日は2月23日(金),今日のパートナーは金子勝さんです。
―すみません…色気なくて(笑)
―今日は祝日で大竹まことさん,室井佑月さんはお休みですので,替わりに青木理と金子勝さんでお送りします。
―キケンな放送です(笑)
―たまたま祝日だったんで,いつも通りやるかって話して,金子さんが指名されて今日ここに座ってるんですけれど。なんだけどちょうど金子経済学教授に聞くべきニュースが,新聞各紙朝刊一面トップでしょう?
―ニュースが僕を呼んでるんだね(笑)
■ 東証史上最高値
―なんだか知らないけど,昨日の日経平均株価が,バブル経済期の1989年12月29日につけた終値最高値を四半世紀振り/34年振りに上回って,史上最高値/初の39000円台をつけたと。これだけ見てると,なんか日本経済だいぶ元気なんじゃないの?とか,なんか日本調子いいんじゃないの?みたいな感じをうける人もほんの一部にいるのかもしれないですけど。
―でもだいたい新聞の一面が,ほとんど「実感がない」とか。「史上最高値」「自民裏金問題忘れろ」みたいにバブル煽るはのは経済紙関係だけで,普通の新聞はみんな「ちょっと待ってよ」っていう感じですよ。
―だから東京新聞の一面トップは,「株価史上最高値」なんですけど ,大きな見出しは「家計株高の恩恵乏しく」とか,毎日新聞も「東証史上最高値初の39000円台」って書いてあるけれども,下の解説記事は「世界での存在感は低下」とか。各紙見てると,やっぱりそんなに浮かれてるってよりは,むしろ警戒心が見えます。
―そう。普通になってきた。僕は先週『大竹紳士交遊録』で「これは危ないよ」っていう話をずっとやってきて,「これは政治的なバブルだ」って話しました。朝日新聞も「2期連続で四半期GDPがマイナスで,普通だったら不況入り」って書いてる。生産下ってなんで株だけ上がるんだ」みたいな見出しがあって,ちょっと危ないなって思ってた。34年前の最高値を思い起こすと,1989年12月で39000円着けたんだけど,当時の日本は「ジャパンアズナンバーワン」だったんだよ。
―世界の株時価総額のトップテンに日本企業が6社とかあった時代だった。
―そう。バブルっぽい銀行が多かったけど,その前でも製造業でパナソニックとか日立とかもランクに入ってたんで,34年前の日本経済ってのは,そこそこ成長はしてたんですよ。
―だから当時は実体経済と株価ってのが,一応それなりには底堅いリンクはあったと。
―そう。それから1985年にプラザ合意ってのがあって,これがバブル崩壊の引き金になった。1ドル=230円位だった為替率があっという間に1ドル|=130円位の半値になって,急激な円高が進行した。そして1995年に向かって1ドル=100円割れに向かう。となると,今と全然違う。今は日本は経済実力がなくて100円→150円になって,まったく予想が逆になってくる。
―これ…金子教授ですよ? これは僕もそうなんだけど,ちょっと経済オンチところがあって,なかなかこう…じゃあ,こんなにその実体経済が伴ってないのに何故こんなに株価だけ上がるのか? 不動産もそうですけど,上がってるんですけど。まァだから,その現象面だけは昭和バブルの状況と同じような状況になったわけだけど,その危ないっていう話の前に,そもそも何故これが株に繋がっているんですか?
―いくつかの条件を丁寧に説明するなら,ひとつの原因は,コロナで全世界で猛烈にやった金融緩和です。今はそれで世界中にお金がいっぱいある。その余ったお金が行き場を求めてる。そこで日本だとネズミ講状態で日銀が金融緩和を続けざるを得ない。金利あげらんないわけだからね。
―いつも金子さんに伺ってますけど,要するに国債をバンバン発行して,1000兆円超えるの国債のうちの半分ぐらいを日銀に買わせちゃってるから,金利をあげたら利回りが高くなっちゃって,国の財政が破綻しかねない。という事で上げたくても上げられないと。
―そう。国債の含み損も出てくるし,上げたらひょっとしたらバブルも弾けちゃうかもしれないしっていう状態なので,外国人投資家も含めて,皆先を読みやすいんですよ。どうせ日本の政府は大型予算組んで,日銀は金融緩和を続けるだろうと。だったら他の国が利下げをしない限り,金利差はこのままずっと行くから円安になるだろうと。じゃあ円安になれば,企業は収益が膨らむわけじゃん。確かにコロナ禍で若干自動車の輸出は回復したんだけど,それにしても多分自動車会社が125円〜128円ぐらいのレートで収益プランを組んでると思うんですよね。そこで1ドル=150円の円安レートっていうのは,もう濡れ手の粟で儲かるわけだよ。
■ 生成AI半導体市場
―昨日のその一気に39000円超えたっていうのも,これも各紙が報じてますけれども,アメリカの半導体大手の業績がすごく良かったっていう事だったんですよね。それを投資家が見て,その後に日本の株も上がったんですけど。
―NVIDIAでしょ? 日本は関係ないよ。逆に日本にはピンチだよ。今の半導体業界の主力になってんのはGPUっていう,映像も含めた処理演算システム。Chat GPTとかの生成AIを処理できるヤツ。ナノメーターが非常に細かい,そういうなんかゲーム機なんかに出てくるような半導体。そのIntelなんかが今までやってるきたCPUとかの半導体に比べると,このNVIDIAっていうのは,その生成AIでのジャンルでの伸びが凄い。Samsungなんかを凌駕する勢いで伸びている。そういう流れで,生成AIやAmazon,Google,Microsoft…こういうところを中心にしてクラウド持ってて,GPUでこの生成AIをやってく企業がまさに世界全体を席巻しようとしてるわけで。一方で,日本の半導体は,北海道でやっているそのラピタスっていうIBMと組んでるメーカー。IBMは2ナノとかいうような細いのをやろうとか言ってるけど,作った事ないし出来るかも分からない。そういうのに経産省は金をぶっ込んでる。 
―今は北海道もそうだし,あと熊本も今地元はバブル状態みたいですね。 
―台湾メーカーのTSMC…米中貿易摩擦で,台湾メーカーが中国から撤退してリスクを分散したいから日本に来てるんですよね。TSMCによっかかってるだけだから,下請けに近いから,それでそれで,回ってくとは思う。だけど,例えば日本の自動車産業が駄目になって,電気自動車化で勝てなくなった時に,じゃあ将来を考えた時に,設計能力がないと。ただ日本って,東京エレクトロンを含めて半導体の製造工程はすごいんだよ。前工程と後ろ工程も含めてね。信越化学工業とかも凄い工程持ってて,非常に良いから,TSMCも立地する意味はある。だけど,自動車向けの半導体とかスマホ程度のものだと,だんだんこの生成AIが進化したりしてった時に,あと日本の自動車産業が打撃を受けたりしたら,これまた駄目になっちゃうので。
―つまり一口に半導体って言っても,その最先端の生成AI だったりとかの開発みたいなところに使う半導体と,自動車なんかに使われる半導体って,同じ半導体といっても大分違うと。 アメリカで今急速に伸びている米NVIDIAとか,英ARMとか,そういう設計能力の高い半導体プロジェクトにくっついてついて台湾TSMCがやってる事が,所謂生成AIのやってるところで。製造専門店メーカーとしてTSMCは圧倒的な力を持ってんだけど,設計能力はNVIDIAとかそういうところが圧倒的に強いので,日本はその両方ともない。そういう中で半導体だからって,なんか連想ゲームみたい発想で日本の株価上がってきても,背後にある日本産業の惨状に対して考えてない…何と言うかな…こう言うと,ちょっと証券会社の人怒るかもしんないけど株屋的な発想で煽ったりするってのはどうもね…

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このままサム・アルトマンがMicrosoftへ入社するとMicrosoftは実質的にOpenAIの全てを入手することになる
2023年11月21日 12時45分メモ
現地時間の2023年11月17日、チャットAI・ChatGPTの開発元として知られるOpenAIが、突如としてサム・アルトマンCEOの退任および退社を発表しました。その後、Microsoftがアルトマン氏を迎え入れることを発表しましたが、なぜこうした一連の動きが発生したのかという原因についてウェブメディアのStratecheryを運営するアナリストのベン・トンプソン氏が分析しています。
📝OpenAI’s Misalignment and Microsoft’s Gain – Stratechery by Ben Thompson
https://stratechery.com/2023/openais-misalignment-and-microsofts-gain/
Microsoftは2019年よりOpenAIに対して数千億円規模の出資を行ったり、AI開発用のスーパーコンピューターを構築してコンピューティングリソースの提供を行ったりすることでOpenAIのAI開発をバックアップしてきました。
📝Microsoftが汎用人工知能(AGI)開発のため1000億円以上をOpenAIに出資 - GIGAZINE
一方Microsoftはモデルのソースコードや重みを含むOpenAIの全ての知的財産(IP)に対する永久ライセンスを取得し、OpenAIが新たなモデルを開発するたび自社サービスに組み込んで活用しています。当初の契約ではMicrosoftがOpenAIのデータを使用して独自の汎用(はんよう)人工知能を開発するのが禁止されていましたが、最新の契約ではそうした制限が解除されているとトンプソン氏は述べています。こうしたMicrosoftとOpenAIの協力関係において、Microsoft側は「元CEOのサム・アルトマン氏や元社長のグレッグ・ブロックマン氏などの主要メンバーがOpenAIを去った場合にOpenAIの技術を活用できる人材が現れるのか」を心配していたとトンプソン氏は分析。サム・アルトマン氏がMicrosoftへ入社することで、こうした懸念点を解消しつつOpenAIの技術を活用して独自のAIを開発できるようになるため、事実上MicrosoftがOpenAIを無料で買収したのと同じだとトンプソン氏は述べています。
トンプソン氏はなぜこうした動きが発生したのかについても分析しています。OpenAIは2015年に非営利のインテリジェンス研究会社としてサム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏などによって設立されました。OpenAIは非営利をうたうだけでなく、実際に課税の優遇を受ける非営利組織としての認証を受けており、2016年の最初の申請書には下記の通り記載されていました。
OpenAIの目標は、金銭的利益を生み出す必要性に制約されず、人類全体に最も利益をもたらす可能性が最も高い方法でデジタルインテリジェンスを進歩させることです。私たちは、人工知能テクノロジーが21世紀の形成に役立つと考えており、世界が安全なAIテクノロジーを構築し、AIの恩恵が可能な限り広く均等に分配されるよう支援したいと考えています。私たちは、より大きなコミュニティの一部としてAIを構築しようとしており、その過程で計画と機能をオープンに共有したいと考えています。ただし、2年後には「AIの開発過程における計画と能力をオープンに共有する」という約束が取り消され、さらに3年後には「デジタルインテリジェンスの進歩」という目標が「汎用人工知能の構築」に置き換わるなど変化していきました。
2018年に最大の寄付者であったイーロン・マスク氏が取締役を辞任するとOpenAIは膨大なコンピューティング費用の支払いを迫られたため、上限付き営利企業「OpenAI Global, LLC」を立ち上げ、Microsoftからの出資を受けるようになりました。
MicrosoftはOpenAIの開発を支援しつつ、WindowsやOfficeを始め、Microsoftのさまざまな製品にOpenAIのテクノロジーを組み込んでいきました。2023年3月にはAI開発用のスーパーコンピューターを数百億円以上費やして構築しており、こうした多大な支出を非営利団体に対して行うのはMicrosoftがサム・アルトマン氏の入社を発表するまではばかげていると思えたとトンプソン氏は述べています。
📝数百億円超を費やしてMicrosoftがChatGPTの開発元であるOpenAIのためにAI開発用のスパコンを構築 - GIGAZINE
トンプソン氏は「Microsoftのサティア・ナデラCEOは『大企業の勝ち方はスタートアップのように発明することではなく、企業規模を活用して企業を買収したり、迅速にフォローしたりすることであり、特に0円という低価格で実現できればより素晴らしい』と考えているのでしょう」と指摘しています。なお、記事作成時点ではアルトマン氏のMicrosoftへの移籍は確定しておらず、アルトマン氏は解雇の決定に関わった取締役の辞任を条件にOpenAIに戻る考えを示しています。サム・アルトマンはまだOpenAIへの復帰を目指しておりMicrosoftへの移籍は保留中、解雇に賛同した取締役全員が去ればOpenAIへ戻ることを示唆 - GIGAZINE
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2023年11月21日 12時45分00秒 in メモ,   ソフトウェア, Posted by log1d_ts
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GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20231121-openais-misalignment-and-microsofts-gain/