ルーム・エアコン(発表者:ぼうず)
私たちが家庭で使う数々の便利な製品の代表的なものにエアコンがあります。エアコンはエア・コンデイショナーの略です。日本の家庭でも20~30年前より普及しはじめました。エアコンは空気調和器と言われビルや工場とかオフィスで使われるような大型のものは別にして一般家庭で使われるものを説明します。 通常、エアコンは室内器と室外器に分かれています。 普通空気の温度を変えるために室内器の中にあるコイル状に熱交換器の中に触媒(従来はフロンガスでしたが地球環境を守るオゾン層を害するということからフロンガスの使用が禁止され、それに変わる触媒が使用されます)を通し、外を流れる空気を冷やしたり、暖めたりします。
エアコン(夏)
液体は気体になるとき(気化するとき)に周囲から熱を奪います(気化熱)。また逆に気体は液体になるとき(液化)周りに熱を出す作用をします。この作用を利用したのがエアコンであり、また冷蔵庫も同じ理屈で冷却します。エアコンの場合、冷房と暖房は触媒の流れが逆になります。 液体は蒸発器を通すと気化して気体になります。このときに外気の温度を吸収します。これがクーラーの原理です。 気体になった触媒は、今度は凝縮器を通ると熱を出します。この原理が外気温度を上げる役目をします。これが暖房の原理です。 夏、クーラーを使用しているときに室外機のところで異常な暑さの風を感じるのはこのためです。家庭やオフィスで夏になるとみんなが一斉にクーラーを使うので街の温度が上昇して社会問題になっています。 たびたび「触媒」という言葉が出てきますが、広い意味では「ある化学反応をさせるときに触媒を使うと、その化学反応が早くなる」というときに使われます。この触媒はふつうは固体ですが、気体や液体もあります。ここでいう触媒とはちょっと意味が違った広義の意味で使用しています。 従来、この触媒にフロンガスが使われておりました。フロンは無色無臭性の気体または液体で、科学的・熱的に安定しており毒性も低くて引火もしにくい物体です。冷房・暖房・冷凍などをするときに使用されています。 しかしこのフロンガスが大気中に放出されると、地球を取り巻く成層圏に流れ、太陽の紫外線により分解されて生ずる塩素原子がオゾン層を破壊します。 日本では1996年以来オゾン層を破壊するいくつかのフロンガスの製造が禁止され、代替フロンが使用されています。これらは地球温暖化の原因になることから、大きい問題になっています。 メーカーはこの使用禁止のガスの代わりにイソブタンを使用したものなどを検討しています。 なお冷蔵庫を部屋に設置するときには、背後に熱を放出するラジエータ部分があり、この部分が後ろの壁にあまり近ずけないほうがよいでしょう。
ぼうず
冷蔵庫(発表者:ぼうず)
■液体を蒸発させて温度を下げる
液体が蒸発するときには、周囲から熱を奪います。この熱のことを気化熱といいます。暑い夏の日に庭に水をまくとひんやりと涼しくなった経験があるでしょう。これは庭にまかれた水が蒸発する際に空気中の熱を吸収し、空気は熱が奪われたぶんだけ冷却されるため、周囲の温度が下がるのです。冷蔵庫も液体を蒸発させることで庫内の空気から気化熱を奪い、温度を下げています。この液体のことを冷媒といいます。 液体を少ないエネルギーで効率よく蒸発させるためには低い温度でも簡単に蒸発する物質を使う必要があります。そこでかつては冷媒にフッ素と炭素の化合物であるフロンという物質が使われていました。しかし、フロンガスが大気中放出されると生物にとって有害な紫外線をさえぎってくれるオゾン層が破壊されることがわかり、現在ではフロンに代わる物質が冷媒として使われています。 ※以前使われていたフロンはCFC(特定フロン)が使われていました。オゾン層破壊の問題で日本では1988年にオゾン層保護法が制定され1995年にCFCは全廃されました。CFC全廃後はHCFC・HFCといったオゾン層の破壊の少ない代替フロンを使用していますが、2020年までには全廃されることになっています。これからの冷媒としてノンフロン(例 HC:シクロベンタン)が注目されており一部実用化されています。
■高温・高圧の冷媒を急激に膨張させて気体にする
では、実際にどのように冷媒が使われているのかを見ていきましょう。冷蔵庫は、貯蔵庫と冷却器、コンプレッサー(圧縮器)、コンデンサー(凝縮器)、冷媒を通すパイプというのが基本的な構成要素です。 まず
1.コンプレッサーを電気で動かして、冷媒ガスを圧縮させます。
2.高温・高圧になったガスがコンデンサーを通ると、外気に放熱されて温度が下がり液体に変わります。
3.液体になった冷媒は冷却器に送られ、急激に膨張して気体に変わります。
4。気体に変わる際に庫内の熱を吸収して温度を下げます。
■新しい冷却方式電子式冷却方式
今までの冷蔵庫と違い冷媒を使用しません。2つの異なる金属を接触させて、これに直流電流を通すことによって生じる"ペルチェ効果"を利用して温度を下げます。騒音がない等の利点はありますが冷却効率はよくないので、小型の自動車用冷蔵庫などに利用されています。
* ペルチェ効果とは―
異種の導体(または半導体)の接点に電流を流すと、熱の発生または吸収が行われる現象。
■直接冷却方式と間接冷却方式の違い
冷蔵庫の冷却方式には、直接冷却方式(直冷式)と間接冷却方式(間冷式)があります。
直冷式は、冷却器が庫内に露出しているタイプです。消費電力が少なくて済み、冷却器の近くに置いたものは早く冷やすことができる長所がありますが、霜がつきやすい短所もあります。
間冷式は、冷却室内に冷却器を置いてファンによって冷気を庫内に送り込むタイプです。食品に霜が付かない長所がありますが、冷却するのに時間がかかり、消費電力が大きい短所があります。
ぼうず
http://bohzu.fc2web.com/Elec/elec_presec9.htm
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