2002年2月9日土曜日
[機器][AV] KANA2000~CFメディア用MP3プレイヤー
22 Feb 2002
KANA2000
コンパクトフラッシュを用いたシリコンオーディオ
近年MP3フォーマットの普及とともに盛り上がってきているのがMP3プレーヤーです。メディアとして、スマートメディア、MMCなどのメモリなどを使用するシリコンオーディオと、MP3フォーマット(あるいはAAC,WMAなど)のファイルとして焼きこんだCDーRを使用するMP3-CDプレーヤとに大きく二分されます。前者のシリコンオーディオのほとんどはスマートメディアを媒体とします。次に松下が推すMMC/SDカード、SONY独自規格のメモリースティック、そして最後がコンパクトフラッシュ(以下、CFと略す)です。
このKANA2000は、メモリで有名な会社である(だった?)グリーンハウスが出したシリコンオーディオのMP3プレーヤーです。VBR(可変ビットレート)には未対応、128KbpsのMP3のみ再生可能です。内蔵メモリは無し、記憶媒体としてCF(TypeII)を使用します。私の知る限りCFを使用するMP3プレーヤーは、この「KANA2000/KANA21」と、MP3プレーヤ黎明期に発売された「FreshMusic」の計3つしか知りません。
CFが盛り上がらないのは、やはり本体のサイズが大きい事と、セキュリティ保護のシステムが無いというのが大きな理由でしょうか? とは言え、今の時点では、自由にデータをやり取りできる、コンピュータで作成したMP3データを使用することを考えると、「書き込んだメディアから読み出せない」と言う程度のセキュリティは有っても無いがごとしですけどね。
ちなみにTypeII対応と言うことはアレが・・そう、CF互換の超小型HDD、IBM社のマイクロドライブ! と思いきや「使えない」そうです。ちなみに試しに挿してみてMicrodriveがぶっ壊れた人も居るそうなのでご注意。
■MP3プレーヤ以外でも
箱の中には、本体、ユーティリティ/ドライバが入ったCD、説明書、USBケーブル、イヤホン、単四電池x2が入っています。
さてこのKANA2000の珍しいところはCFが使える事だけではありません。コンピュータと付属のUSBケーブルで接続することにより、CFリーダライタとしても使えるのです。つまり、デジカメなどからデータを出し入れする際に使用できるんですね。普通のCFリーダライタでも5~6000円程度はします。これにMP3プレーヤ機能がついて11800円はお買い得ではないでしょうか?しかし、リーダライタとして使う場合には少し問題があります。実はUSBのバスパワー(USBからの電源供給のコト)に対応していません。つまりKANAの本体に電池を入れておかないと(無論、使える電池)使えないのです。KANA2000をMP3プレーヤとして使っている人は、使用するのに電池が要るわけなのでそんなに問題は無いと思いますが、MP3プレーヤとしてはあまり使わず、デジカメなどとのデータやりとりを主に使おうとするなら、その都度電池を入れないといけないという事になります。さらに使用できる電池は単四です。ランニングコストを考えるとイマイチですね。
ちなみにこのKANA2000の後継機である「KANA21」ではこの点(バスパワーに対応)だけは改善されているようです。Ni-MH(ニッケル水素)などの充電池には一応対応しているそうで、私が試したところ使用可能でした。保証外ながらもKANA2000を長期的に使おうと思うなら充電池を購入したほうがいいかもしれませんね。最近は単三も単四も充電できる充電器が出ているので、そちらを購入しておいたほうが無難かもしれませんね。 私は以前に単三電池を使用するデジカメを購入したときに、単三・単四充電可能な充電器を買っておいたので、単四のNi-MH充電池を買うだけで済みました。
■CFリーダライタとして使う
コンパクトフラッシュリーダライタとして使ってみました。
まずはCFにMP3ファイルを書き込む為にリーダライタとして使ってみます。接続は簡単でKANA2000とPCを付属のUSBケーブルで繋ぐだけです。付属のUSBケーブルは両端が標準コネクタ(横長のヤツ)になっているのが珍しいですね。リーダライタとして使う場合は、本体上のスライドスイッチをUSBに(左にするとMP3、右にするとUSBになります)します。PCに繋ぐとPnP(プラグアンドプレイ)が動作し、ドライバを入れるよう表示されます。付属のCDからドライバをインストールするだけでもう完了です。エクスプローラ等で見ると、ドライブが一台増え、FDD(フロッピー)と同じように読み書きできる (= リムーバブルデバイスとして認識する) ようになります。 Win98やWin2Kなどではドライバのインストールが必要となりますが、WinMEでは最初からOSにドライバが登録されており、USBに繋ぐだけで自動的にドライバがインストールされます。
さてMP3ファイルの転送ですが、面倒なアプリケーションを使ったりする必要は無く、CFに割り当てられたドライブに対してMP3ファイルをコピーするだけでOKです。とてつもなくラクです。ちなみにディレクトリを掘ってもその配下のファイルは認識しません。ファイル名が日本語でも問題ありません。どうせ表示されませんしね・・・。唯一気をつけてもらいたいのが、「リムーバブルデバイスに対して遅延書き込みを行う設定」をしていた場合(Win98は標準でONになっている)です。あたりまえながらFDDなどと同じく、このCFもリムーバブルデバイスという扱いになりますので、CFへの書き込みが終わったと思ってKANAのケーブルを抜くとブルーバックの画面になったりします。これを防ぐには、遅延書き込みをOFFにしてもいいのですが、わざわざそんな事をしなくても、CFにコピーし終わってからしばらく(10秒程度で良いと思います)待つだけでも十分です。
■MP3プレーヤとして使う
シリコンオーディオとして使うには、本体上部のスイッチをMP3にします。コピーが終わったらそのCFをKANA2000に差込んでスイッチを入れます。5~6秒ほどすると画面に曲数と全体の演奏時間が表示されます。あとは再生するだけです。
再生するには再生ボタンを押します。右を押すと次の曲に、左を押すと前の曲に移行します。再生中に再生ボタンを押すと一時停止、停止ボタンで停止です。あとは音量スイッチだけです。
曲の早送りや巻き戻し機能はありません。早送り巻き戻しは無くてもそんなに困りませんが、ボタンホールドが無いのが気になります。再生中にポケットに入れておいたりすると、変なボタンを押してしまうことが多発します。これは改善してもらいたいですね。
音質はまぁそれなりですが、イヤホンの質も手伝ってか低音があまりでませんのでスカスカした感じになります。バスブースト機能をつけて欲しいです。さて音量の調節は横に付いたVolumeスイッチで行います。これはアナログではなく、デジタルの多段階ボリュームで、現在の音量は液晶画面に2つ刻みでバーで表示されます。
ここで少し問題が。一番小さな音量にしてもそこそこ音が大きいのです。騒がしい電車の中だとなんとかギリギリですが、場所によっては音漏れしそうです。またデジタル多段階なので微妙な大きさの調節が出来ません。アナログのボリュームの方が良かった気がします。あるいはこれはただのマスターボリュームなだけで、別途音量調節できるイヤホンを買え、と言う事なのでしょうか? 確かにその方がいいかもしれません。と言うのもイヤホン自体の作りはかなり安っぽく、音質をどうこう言うレベルではありません。また最近標準となりつつある片方だけ長くて首の後ろから回すタイプではなく、旧型の左右の長さが同じタイプです。そのため首から胸のあたりにかけて、イヤホンのケーブルがこんがらかってしまうことも少なくありません。あくまで付属のイヤホンはおまけだと考えたほうがいいですね。
電池の持ちはどうでしょうか? 私はいきなり充電池を使用したので普通の電池での持ちはわかりませんが、他のサイトで電池で使用した時間が載っているのを見ると、4時間ほどだそうです。充電池だと 3時間 程度と言うところでしょうか。うーむ、ランニングコスト悪いですね。
MP3のフォーマットは、CBR(固定ビットレート)で128Kbpsのみの対応となってます。しかしダメと言われても試したくなるのが男の常。128Kbps以外のビットレートやVBR(可変ビットレート)のMP3ファイルを試してみました。その結果、128Kbps以下のファイルは再生可能でしたが、128Kbpsを超えるファイルはとりあえず再生はするものの、音がブツブツ途切れまくって聞けたものでは在りません。VBRのファイルについては一見問題なく再生できているように思えるのですが、なぜかボリュームボタンを押すといきなり最大の音量になったり、キーを受け付けなくなったりと変な動きをします。
という事で、128Kbps以下のファイルはサポート外ながらも使用可能、128Kbpsを超えるファイルは不可、VBRは単純に再生するだけなら可だがお勧めできない、という事になります。
結局どっちつかず・・・
シリコンオーディオにもなり、コンパクトフラッシュリーダライタにもなる と、話だけ聞くとなかなか良いのですが、実際使ってみるとどちらにも中途半端です。まさに「二兎追うもの一兎も得ず」と言った製品です。唯一の利点は他と比べて安価な事だけ。実は当方は処分セールで6800円で購入しました。ただし、「こういうものだ」と割り切って使うならそこそこ使えます。実際、毎日通勤に使用してますし、遠出する時はデジカメの画像を抜く為にUSBケーブルとKANA2000を持ち歩き、なんだかんだで大活躍してます。まぁ完璧なモノはなかなか無い、という事でしょうかね。在庫処分で安価で売っていれば買ってもいいかもしれませんが、定価で買うの(KANA21も)は勿体無いでしょう。あ、そうそう書き忘れていましたが、このKANA2000(21も)で一番注意してもらいたいのが、CFによっては相性が悪いものが多く、音が飛びまくって使えないらしいのです。運良く知人のSandisk64MB、96MBと私の使用しているLexarの64MBでは使用可能でしたが、同じメーカーでも容量や発売時期によっては使えなかったという情報を聞いたことがあります。発売元のグリーンハウスいわく、自社製CF以外の動作を保証していないそうなので、買う時はご注意を!
Evolution's REvolution
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/9681/computer/40.htm
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/9681/computer/16.htm
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/9681/computer/40.htm
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/9681/index.html
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