[通信] SMSとMMS
2020/03/25
SMSとMMS、iMessageはなにが違う? 各サービスの特徴や文字数、料金を解説
簡単なやり取りをするときに便利なSMSやiMessageといったスマホのメッセージ機能。iPhoneではどのメッセージ機能を使う場合も標準搭載されている「メッセージ」アプリから送受信できるので、その違いをあまり意識することはない。
しかし、「画像を送れない場合がある」「相手によって送れる文字数が違う気がする」など、使用中に違和感を覚えることはないだろうか。これは、メッセージアプリ上では同じメッセージに見えても、実は3種類のメッセージ機能を自動的に使い分けているからだ。本記事では、SMSとMMS、iMessageという3種類のメッセージ機能の違いについて解説する。
■メッセージ機能の種類とそれぞれの特徴
仕組みや料金はもちろんのこと、対応する端末も異なる3種類のメッセージ機能。SMSとMMSはiPhoneやAndroidスマホで利用できるが、iMessageはiPhoneのみ対応している。それぞれの特徴を紹介しよう。
■電話番号でやり取りする「SMS(ショート・メッセージ・サービス)」
SMSとは「Short Message Service(ショート・メッセージ・サービス)」の略で、電話番号を利用してメッセージを送受信できるサービスのこと。チャット形式の短いやり取りを想定したものなので、画像やデータファイルの送受信はできない。1回に送信できる文字数にも限りがあり、以前は全角70文字以内であることが一般的だったが、最近は全角670文字まで送信できるものが多い(機種によって異なる)。
また、ウェブサービスなどでの個人認証に使われることも増えており、SMSにパスワードを送る「SMS認証」は当たり前になってきた。
SMSを利用できるのは、auやドコモ、ソフトバンクといった通信会社のユーザーはもちろんのこと、MVNOのユーザーも含まれる。その場合、音声通話SIMのユーザーならそのまま利用できるが、データSIMのユーザーは別途申し込みが必要になる。なお、SMSは送信時に料金がかかり、受信時は無料。金額は1回に送信する文字数によって決定し、全角70文字までは3円(税別)で送信できる。auの場合、au間での送信は無料だが、他通信会社への送信には料金が発生する。
SMSの歴史は長く、携帯電話では1997年にサービスが開始された。当時は通信会社を超えたやり取りができず、積極的に使われることは少なかったが、2011年から通信会社の相互接続がスタート。現在では家族のちょっとした会話からビジネスの緊急連絡まで、幅広いシーンで重宝されている。
■通信会社独自のメールアドレスを使う「MMS(マルチメディア・メッセージング・サービス)」
MMSとは「Multimedia Messaging Service(マルチメディア・メッセージング・サービス)」の略で、いわゆるキャリアメールのこと。「@au.com/@ezweb.ne.jp」のような通信会社独自のメールアドレスを使用し、メッセージを送信できる。auの場合、auユーザー同士なら宛先を電話番号にすることも可能だ。SMSと違って文字数は無制限で、長文のやり取りも問題ナシ。ただし、1回のメッセージで送信できるデータ容量には、通信会社ごとの上限もあるため気をつけたい。もともとはカメラつきガラケーの普及に伴って登場したサービスなので、写真や動画はもちろんのこと、音声、リッチテキストなど、幅広いデータの送受信に対応している。現在はauとソフトバンクがMMSに対応しており、ドコモは非対応。通信会社独自のサービスなので、MVNOでの利用もできない。また、MMSの料金はデータ通信料のみが発生する。
■Apple端末同士で使える「iMessage(アイメッセージ)」
iMessageは、iOS独自のメッセージ機能だ。iPhoneはもちろんのこと、iPadやMac、iPod touchといったApple製の端末同士で、メッセージをやり取りできる。複数のApple端末を持っている人なら、それぞれのデバイスから同一アカウントを使えるのでとても便利。機能としてはMMSに近く、写真や動画、音声などの送受信に対応しており、文字数の制限もない。さらにはLINEスタンプとよく似た「ステッカー」や、顔認識システムと連動した「アニ文字」「ミー文字」などによるコミュニケーションも可能で、料金はデータ通信のみとなる。なお、iOS同士でしか利用できないサービスのため、Androidスマホへのメッセージは自動的にSMSかMMSで送信される。もちろん、あらかじめiMessageで送信されるかをアプリ上で見分けることも可能で、メッセージの本文入力欄に「iMessage」と薄く表示されるのが目印だ。また、SMSやMMSで送信したメッセージの吹き出しが緑色になるのに対し、iMessageの場合は青色になる。ちなみに、iMessageでは専用のメールアドレスが発行されるわけではなく、既存のメールアドレスや電話番号をiMessage用に設定しておく。設定の仕方は
[設定]>>[メッセージ]>>[iMessage]をONに。さらに[送受信]をタップしたら、Apple IDとパスワードを入力しよう。最後にiMessageとして使用したい電話番号とメールアドレスにチェックを入れたら、設定完了だ。
iPhoneのメッセージアプリでは、状況に応じて使用するメッセージ機能を自動的に使い分けている。その仕組みについても紹介しよう。もっとも優先されるのはiMessageだが、相手がApple端末でなければメッセージは送信できない。その場合、宛先がメールアドレスならMMS、電話番号ならSMSが送信される仕組みだ。また、ここで電話番号を宛先にしていたとしても、送信内容がテキストのみでなかったときは、自動的にMMSへと切り替えられる。「勝手にSMSになったりMMSになったりする」とこんがらがっていた人は、この仕組みを理解しておくだけで、快適にメッセージアプリを利用できるだろう。
SMSを設定でオフにすることもできる
このように、自動的に適切なメッセージ機能を選択してくれるメッセージアプリは、スマホ初心者にとっては心強い味方になる。一方で、通話料金が発生するSMSでのやり取りを避けたい人もいるだろう。そんなときは、
[設定]>>[メッセージ]>>[SMSで送信]をOFF
にすれば、SMSを送信しないように変更できる。
■SMSの後継アプリ「+メッセージ(プラスメッセージ)」も
2019年にはSMSの後継にあたるメッセージアプリ「+メッセージ(プラスメッセージ)」も登場している。これは電話番号でメッセージをやり取りするというSMSの大前提はそのままに、各種ファイル添付のほか、スタンプや音声メッセージ、グループチャットなどをLINEさながらに楽しめるサービス。KDDI、NTTドコモ、ソフトバンクの共同開発によって誕生した。テキストは最大2,730文字まで送信できるため、通常の会話で不自由することはない。さらに、アプリ内の連絡先には誰が+メッセージを利用しているのか表示され、利用していない相手とは従来通りSMSでやり取りできる。いわば、このアプリひとつで+メッセージとSMSをシームレスに使い分けられるのだ。LINEでお馴染みの既読・未読機能もついており、そのオンオフを切り替えられるのも魅力のひとつ。LINEで“既読無視”をすることに抵抗を感じていた人には重宝するだろう。SMSに搭載されていた送信通達機能も引き継いでおり、メッセージを正常に送信できた場合、吹き出しの横にチェックマークを表示してくれる。料金はデータ通信料のみ。LINEの代替アプリとしてはもちろんのこと、仕事の取引先やママ友など「LINEのIDは知らないけれど、電話番号だけは知っている相手」と充実した機能でコミュニケーションを取れるのはメリットだ。なお、MVNOユーザーの利用はできない。
■メッセージアプリの仕組みを頭に入れて、快適に利用しよう
実は3種類のメッセージ機能を内包していたメッセージアプリ。いずれの場合もチャット形式でのコミュニケーションは共通するため、サービスが切り替わっていることに気づきにくいかもしれないが、相手の端末や送信内容に左右されることを知っていれば、混乱なくスムーズに利用できるようになるはずだ。
文:佐藤宇紘
TIME&SPACE
https://time-space.kddi.com/mobile/20200325/2870
SMSとMMSの違いとは?仕組みと原理をやさしく解説
2020年7月25日
現在スマートフォンでは様々な方法を使って、メッセージを送り合うことができるようになっています。しかし、それぞれの機能の違いがわからず、どれを使っていいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。特に、「SMS」と「MMS」はややこしいことこの上ないですね。機能や料金などに違いがあるので、違いや使い方をよく知らないと請求書を見てビックリしてしまうことも。SMSとMMSの違いについて、しっかりと理解しておきましょう。
■SMS(ショートメッセージサービス)とは
SMSとは、「Short Message Service(ショートメッセージサービス)」の略。メールアドレスではなく、通話回線を使って携帯電話番号あてにメッセージを送ります。ドコモ、au、Softbankなど大手キャリアはもちろんのこと、格安SIMでもSMSは利用可能。海外でも、携帯電話を利用したメッセージの通信手段として、広く使われています。ただし、格安SIMの「データ専用プラン」の場合には、SMSは使えないよ。SMSを使うなら「SMS対応SIMカード」を選んでね!
SMSは文字数に制限があり(キャリアにより約70文字~最大で全角670字ほど)、画像などの添付ができないのが特徴です。ただし相手キャリアに関係なく電話番号のみでメッセージを送ることができるので、「電話番号はわかるけれど相手のキャリアは不明」という場合に大活躍。ちなみにSNSはそれぞれ、ドコモでは「ショートメール」、auでは「Cメール」って呼ばれているね。海外では「テキストメッセージ」と呼ばれることもあるけど、これらは全部SMSのことだよ。
■MMS(マルチメディアメッセージングサービス)とは
MMSとは、「Multimedia Messaging Service(マルチメディアメッセージングサービス)」の略。文字しか送信できないSMSに対し、画像や動画などマルチメディアに対応した形式がMMSです。同じキャリア間では電話番号のみでし、何よりSMSと違うのは、Eメールアドレス宛に送信できるという点。このため、スマホや携帯電話間だけではなく、タブレットやパソコンなどメール対応機器に対して送信することが可能です。ただしMMSを利用するためには、
「@ezweb.ne.jp」
「@softbank.ne.jp」
など、キャリアが提供する各端末固有のメールアドレスが必要。Gメールなどのフリーメールアドレスでは利用することができないので、フリーメールアドレスの利用が大前提となっている格安SIMでは、MMSを使うことはできません。ドコモでも「@docomo.ne.jp」というキャリアメールアドレスが提供されているので、当然MMSが使える!と思っている人も多いでしょう。しかしドコモの場合は、MMSに対応していません。なので、例えばMMSが送れるメッセージアプリを使っても、ドコモでは使えないということになります。ドコモでキャリアメールを送る場合は、MMSではない別のメールアプリを利用する必要があることを覚えておきましょう。
ドコモの場合、基本的にiPhone、androidの通常のメールアプリを使うことになるね。
■同じ内容を送受信するならMMSがお得
SMSとMMSは文字数などの条件が違うので一概には言えませんが、もしも全く同じ内容のメッセージを送ると想定した場合には、SMSよりもMMSのほうがお得です。理由を表にまとめました。
SMSは電話と同じで、受信に関しては無料ですが、送信には料金が発生。同じキャリア間なら無料になるプランなどもありますが、他キャリアへの送信は1通につき約3円の料金がかかります。文字数が多ければ1通が30円になることもありますし、SMSは音声通話回線を使うのでパケット定額サービスの適応外(かけ放題プランも適応外。)
それに対してMMSの送受信料はパケット定額サービスに含まれるので、契約データ量の範囲内であれば料金が発生することはありません。
あまりいないとは思うけど、万が一パケット定額サービスに入っていないという人がいたら、その場合はMMSのほうが高くついちゃう場合もあるよ!
■SMSはLINE(ライン)などで使う「SMS認証」がポイント
SMSが使えないと困ること、それは「SMS認証」をしなくてはならない場合です。SMS認証とは、SMSでパスワードを送ってもらい、それを入力することで本人確認ができるという仕組みのこと。例えばLINEを認証する場合もSMSを使って認証しますし、おさいふケータイのApple Payを使う場合にも認証が必要です。現代では一人一台スマホや携帯電話を持つのが普通であり、一台の端末につき電話番号は一つのみ、という特徴を利用しています。様々なサービスでより手軽で信頼性も高い本人確認方法として、SMS認証が導入されているので、SMSが使えないともっと手間のかかる本人確認を行う必要があったり、そもそもサービスを利用できなかったりするケースも。標準でSMSが使える契約プランの場合は心配ないですが、格安SIMでSMSは別オプションという場合にも、SMSオプションに入っておくことをおすすめします。
■まとめ
この記事では、SMSとMMSの違いを解説しました。気をつけなければいけないのは、「いつどんなときでもSMSしか使っていない」というパターンですね。キャリアが違う相手にもSMSばかりでメッセージを送っていると、たとえ1通3円でも積もりに積もって高い料金になってしまっていることがあります。SMSとMMS、それぞれのメリット・デメリットをよく理解した上で、上手に使い分けることが重要です。
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